コント
テンプレート:出典の明記 コント(conte)とは、笑いを目的とする寸劇のことを指す。フランス語の「conte」(短い物語・童話・寸劇)が語源となっている。
日本においては、20世紀半ばより演芸とされる分野の中で演じられるものが多い。
コントの形態
ショートコント
数秒〜数十秒程度のかなり短いコントで基本的に道具を用いない。準備も必要なくすぐに演じることができるのが利点である。道具を利用しないことを逆手にとって現実的に起こりえない状況を演じるものもある。ショートコントの起源は、1983年頃に松竹芸能所属のパート2(2000年解散)が4コマ漫画形式で短いコントを連続的に披露する「4コマ漫才」である。1986年後期には、テンプレート:要出典範囲。当時ウッチャンナンチャンは、ショートコントを「スケッチコント」と呼んでいた。1990年代にはジャドーズを筆頭に「ショートコント、○○(コントタイトルが入る)」とタイトルを言ってからコントに入るスタイルが生まれた。 ちなみに和製外来語である[1]。
コント
演芸場やお笑いライブで演じられるもののうち、上記に当てはまらない、比較的長時間演じられる内容のもの。衣装や化粧が施されたり、道具やセットなどが予め用意されている場合もある。大抵は15〜25分程度であるが、これよりも長い内容も存在し、中には喜劇・軽演劇と区別の付かない物も存在する。
主に軽演劇の役者が戦後ストリップ劇場のショウの幕間に演じた物や、キャバレーなどの営業のために持ちネタを短縮して演じた芝居が広まったものをコントと呼んでいたためか、長編になればなるほど芝居がかってくる傾向にある。中にはメッセージ性の高いコントもある。例としては,自殺しようとする人を止めようと説得する「自殺コント」など。
コントでも便利なためか、漫才で使われる用語「ボケとツッコミ」を役割で当てはめることがある。しかし、漫才の分類はコントには当て嵌まらないのが実情である。最近では笑いの要素の無いテレビドラマでも、演出が単純、あるいは役者の芝居が下手なことを比喩して「コント」と呼ぶ人も居る。
近年ではおぎやはぎやサンドウィッチマンのように本来はコントとして作ったネタを漫才に作り替え、コント漫才としてやる芸人も増えてきている(ただし、小道具を用いないものがほとんどである)。逆に漫才のネタをコントとしてやる芸人もいる。
テレビのコント番組
テレビのコント番組には強烈な個性を持ったキャラクターが主人公のコントが多い。また、そのキャラクターコントをシリーズ化することによってストーリーに深みを持たせたり、知名度や人気を上げてキャラクターグッズ製作に乗り出すことも多い。また、番組中にコミックソングのコーナーを設けるなどしてCD販売も重視することもある。
1970年代のザ・ドリフターズの多数の番組では、公開録画でコントが行われていた。特に『8時だョ!全員集合』は生放送で公開コントを行っていた。
『ドリフ大爆笑』や『志村けんのだいじょうぶだぁ』などの70年代後半以降のザ・ドリフターズ及びそのメンバーによるコント番組では、何年経っても飽きさせないようにマンネリズムの美学を追求していて、同じ内容や結末のコントを新規撮影の際に細かな演出により変化させている。
80年代~90年代前半には、『オレたちひょうきん族』内の『タケちゃんマン』や『とんねるずのみなさんのおかげです』内の『仮面ノリダー』をはじめとするヒーローもののパロディコント(コーナードラマ)が流行した。
90年代中期では、『ダウンタウンのごっつええ感じ』がそれまでのショートコントからストーリー重視の内容へと徐々に変化し、以後のコント番組への橋渡し的存在となった。
90年代後半から2000年代初頭では、『笑う犬』シリーズで、『てるとたいぞう』や『小須田部長』などといったストーリー重視の連続ものコントが展開されていた。
現在は『エンタの神様』をはじめとするセットをできるだけ簡略化あるいは通常セットのまま使用し、キャラクターのネタを重視したコントが主流になっている。
『めちゃ×2イケてるッ!』や『はねるのトびら』などコント主体だった番組がゲームコーナーやトークなどの別企画増加により、コントコーナーがほぼ皆無になったり、コント番組で無くなっていく例も増えている。
2008年からコントNo.1決定戦「キングオブコント」が放送開始し、第1回優勝者にバッファロー吾郎が選ばれた。
主なコント番組
終了したものも含めると、コント番組には以下のようなものがある。
- おとなの漫画(1959年~1964年)
- 夢であいましょう(1961年~1966年)
- シャボン玉ホリデー(1961年~1972年)
- よしもと新喜劇 (1962年~)
- コント55号の世界は笑う(1968年~1970年)
- 巨泉・前武のゲバゲバ90分!!(1969年~1971年)
- 8時だョ!全員集合(1969年~1985年)
- 8時だョ!出発進行(1971年)
- 日曜日だョ!ドリフターズ!!(1971年)
- 金曜10時!うわさのチャンネル!!(1973年~1979年)
- 欽ドン!(1975年~1987年)
- みごろ!たべごろ!笑いごろ!(1976年~1978年)
- みごろ!ゴロゴロ!大放送(1978年)
- みごろ!たべごろ!ナントカカントカ(2003年)
- みごろ!たべごろ!デンセンマン(2003年)
- 欽ちゃんのどこまでやるの!?(1976年~1986年)
- カックラキン大放送!!(1976年~1986年)
- ドリフ大爆笑(1977年~2003年)
- ドリフと女優の爆笑劇場(1977年~1989年)
- オレたちひょうきん族(1981年~1989年)
- ピンキーパンチ大逆転(1982年)
- パリンコ学園No.1(1982年~1983年)
- 欽ちゃんの週刊欽曜日(1982年~1985年)
- 笑ってポン!(1983年)
- どんぶり5656(1983年~1984年)
- ウソップランド(1983年~1986年)
- コラーッ!とんねるず(1985年~1989年)
- とんねるずの子供は寝なさい!?(1985年)
- なげやり倶楽部(1985年)
- 志村けんのバカ殿様(1986年~現在)
- ドキド欽ちゃんスピリッツ(1986年)
- 加トちゃんケンちゃんごきげんテレビ(1986年~1992年)
- KATO&KENテレビバスターズ(1992年)
- 志村けんのだいじょうぶだぁ(1987年~1994年)
- 志村けんはいかがでしょう(1993年~1995年)
- 志村けんのオレがナニしたのヨ?(1995年~1996年)
- けんちゃんのオーマイゴッド(1996年)
- 志村けんのだいじょうぶだぁII(2005年~2008年)
- ビートたけしの全日本お笑い研究所(1988年)
- とんねるずのみなさんのおかげです(1988年~1997年)
- 夢で逢えたら(1988年~1991年)
- 邦ちゃんのやまだかつてないテレビ(1988年~1992年)
- 現代用語の基礎体力(1989年~1990年)
- 総天然色バラエティー 北野テレビ(1989年)
- 全員出席!笑うんだってば(1989年)
- 東京イエローページ(1989年~1990年)
- ウッチャンナンチャンの誰かがやらねば!(1990年)
- ウッチャンナンチャンのやるならやらねば!(1990年~1993年)
- ダウンタウンのごっつええ感じ(1991年~1997年)
- 一人ごっつ(1997年~1998年)
- 夢がMORIMORI(1992年~1995年)
- SMAPのがんばりましょう(1995年)
- とぶくすり(1993年~1995年)
- 大石恵三(1993年)
- お茶とUN(1993年~1994年)
- 王道バラエティ つかみはOK!(1993年~1994年)
- 竹中直人の恋のバカンス(1994年~1995年)
- 志村Xシリーズ(1996年~2000年)
- SMAP×SMAP(1996年~)
- お笑い向上委員会 笑わせろ!(1997年~1998年)
- 笑う犬シリーズ(1998年~2003年)
- 集まれ!ナンデモ笑学校(1998年~1999年)
- ロクタロー(1998年~1999年)
- 明石家マンション物語(1999年~2001年)
- 明石家ウケんねん物語(2001年~2002年)
- バミリオン・プレジャー・ナイト(2000年)
- お笑いV6病棟!(2000年~2001年)
- 完売劇場(2000年~2009年)
- ワンナイR&R(2000年~2006年)
- ハロー!モーニング。(2000年~2007年)
- ココリコミラクルタイプ(2001年~2007年)
- ブログタイプ(2005年)
- 感じるジャッカル(2001年~2002年)
- ゲンキ王国(2002年~2003年)
- 妖怪ブッサイくん(2002年~2003年)
- エンタの神様(2003年~2010年)
- ロバートホール水(2003年~2004年)
- リチャードホール(2004年~2005年)
- なにわ人情コメディ 横丁へよ~こちょ!(2004年~2008年)
- あったか人情コメディ 湯けむりパラダイス!(2008年~2009年)
- サラリーマンNEO(2004年~2011年)
- メンB(2004年~2005年)
- 少女B(2005年)
- 落下女(2005年~2006年)
- 10カラット(2005年~2006年)
- 空飛ぶ!爆チュー問題(2006年~)
- コンバット(2007年~2008年)
- キングオブコント(2008年~)
- ザ・スリーシアター(2008年~2009年)
- 爆笑レッドシアター(2009年~2010年)
- もりすぎ★パンチ(2008年~2009年)
- チュー'sDAYコミックス 侍チュート!(2009年~2010年)
- ふくらむスクラム!!(2009年)
- 1ばんスクラム!!(2009年~2010年)
- バカリズムマン対怪人ボーズ(2009年)
- バカヂカラ(2009年~2011年)
- ぜんぶウソ(2009年)
- キレてもいいですか?→コレってアリですか?(2010年~2011年)
- ピカルの定理(2010年~2013年)
- 松本人志のコントMHK(2010年~2012年)
- AKB48コント「びみょ〜」(2011年~)
- パワー☆プリン(2011年~2013年)
- LIFE!〜人生に捧げるコント〜(2012年~)
- プレミアムコント(2013年~)
- バチバチエレキテる(2013年)
コントコーナーが存在していた番組
ここではコント番組以外の番組や、番組リニューアルなどでコントコーナーが追加あるいは番組の途中までにコントコーナーがあった番組を紹介する。
- ヤンヤン歌うスタジオ(1978年~1987年)
- 夕やけニャンニャン(1985年〜1987年)
- 桃色学園都市宣言!!(1987年〜1988年)
- 痛快なりゆき番組 風雲!たけし城(1986年~1989年) - 中盤から「人喰い穴」の前座にショートコントが追加され、88年からセットを使ったコントコーナーが開始された。
- パラダイスGoGo!!(1989年〜1990年)
- ダウンタウンのガキの使いやあらへんで!!(1989年~現在) - 最初期はダウンタウンの漫才とコントを中心とした番組構成であった。
- ギルガメッシュないと(1991年~1998年) - 中期ごろ、ヒロインものパロディコントコーナーがあった。
- ウゴウゴルーガ(1992年~1994年) - 静止画による実写コントコーナー『はらぺこだいさく』が一時期番組内で放映された。
- ポンキッキーズ(1993年~2006年) - 1999年から爆チュー問題(爆笑問題)のコントコーナーが開始された。
- ダンジョンV(1993年~1994年)
- ぐるぐるナインティナイン(1994年~現在) - 夕方放送時はミニコントコーナーがあり、ゴールデンタイム移動後の1999年にパロディコントコーナーがあったが、2007年からコントコーナーが再び作られた。
- ゲッパチ!UN アワーありがとやんした!?(1994年)
- ジャングルTV ~タモリの法則~(1994年~2002年) - 初期はタモリや関根勤、ナインティナインや伊集院光らによるコントを中心とした体裁をとっていた。
- ウッチャンナンチャンのウリナリ!!(1996年~2002年)
- めちゃ×2イケてるッ!(1996年~現在) - 現在はコントコーナーが皆無に近い。
- とんねるずのみなさんのおかげでした(1997年~現在) - 初期の頃はおかげですのスタイルに回帰した事もあって、コントコーナーも存在した。
- 神出鬼没!タケシムケン(1999年~2000年) - 番組後期にコントコーナーが作られた。
- 桑田佳祐の音楽寅さん 〜MUSIC TIGER〜(1999年~2001年、2009年) - コントコーナーが中心の回があり、復活版でもコントコーナーが不定期で放映された。
- 侵略放送パンドレッタ(2001年~2003年) - 番組前期~中期、末期に特撮もの仕立てのコントコーナーがあった。
- 衛星中立放送パンドレッタプラス(2003~2004年) - 番組中期までパロディコントコーナーがあった。
- はねるのトびら(2001年~2012年) - 末期はコントコーナーは皆無に近かった。しかし、フジテレビの公式ホームページではゲームコーナーでありながらコント扱いになっているものがある。
- アイドル道(2003年~2005年) - 4thシーズンでは『胸キュン戦隊アイドレンジャー』というコントコーナーが主体になっていた。
- 究極癒し戦隊ヴィーナスエンジェル(2004年) - 番組前期は戦隊ものドラマ仕立てのパロディものだった。
- ピラメキーノ(2009年~) - 本来は子供番組だが『だるだるEnglish』、『PIRAMEKINO SHOWTIME』、『ピラメキーノ討論会 子供たちの今』、『カワンケンの早く人間になりたい!』など様々なコントコーナーがある。
脚注
- ↑ そもそも「conte」という語自体に「寸劇」・「短い劇」という意味がある。