大鉄人17
テンプレート:Infobox animanga/Header テンプレート:Infobox animanga/TVDrama テンプレート:Infobox animanga/Footer 『大鉄人17』(だいてつじん ワンセブン)は、1977年(昭和52年)3月18日から同年11月11日まで、TBS系で毎週金曜19:00 - 19:30(JST)に放送された石森章太郎原作、毎日放送・東映製作の特撮テレビ番組、および作中に登場する架空の巨大ロボットの名称。全35話。
目次
概要
前番組の『宇宙鉄人キョーダイン』に続く、石森章太郎原作の特撮作品テンプレート:Refnest。数多くの東映特撮作品の原作を手がけてきた石森にとって初めての、東映としても『ジャイアントロボ』以来となる巨大ロボットものである[1]。巨大ロボットものの起用はスポンサー側の要請によるものであった[1]。
「巨大ロボットアニメ」が活況を呈していた1976年夏に企画が始まり、都合3冊作られた企画書の冒頭には企画意図として「アニメーションより実在感において勝る実写の質感と重量感を重視する」旨が語られ、リアルな特撮を駆使した決定版を制作することが強く意図されていた[2]。本作以降、『スパイダーマン』(東映版)や戦隊シリーズなどで、巨大ロボットの登場が定番化していく[3]。
石ノ森は『THE・超合金』(講談社・1988年)のインタビューで、本作のキャラクターデザインは「まだ中間でしたね」と語っている。すなわちデザインで原作者とスポンサーの意向がちょうど「均衡」していた時期の作品である。1997年7月に東映ビデオから発売された、本作LDの最終巻におけるインタビューでは、「この作品で初めて図面を引いた」とも証言しており、可変機能を盛り込んだワンセブンの決定デザインも、石ノ森と村上克司の合作であるという事実が示唆されていた。ただし、本作以降のデザインワークはスポンサー主導に転じており、以後増えた鋭角的なデザインに対して、前述の『THE・超合金』で石ノ森は「角ばったおもちゃはダメなんだ」と苦言を呈している。
第15話まではミリタリー要素を強調したシリアスでハードな内容だったが[4][5]、第16話からコメディリリーフである岩山鉄五郎[6]の登場を筆頭に話や登場人物がコメディ調になり、ワンセブンの弟ロボット・ワンエイトのドラマなど、低年齢層を意識した内容に路線変更されたテンプレート:Sfn[3]。ただし、中盤から終盤まで布石を打ち完成させた「第二ブレイン(ビッグエンゼル)」とブレインとの対決など、最終盤ではハードな展開も見られた。
主役の巨大ロボット・17(ワンセブン)は、それまでの巨大ロボットヒーローと違い自らの意思で動く巨大ロボットであり、人間的な感情をもち、第18話から人語を話すようになる。これにより人間とロボットやロボット同士のドラマが描かれ、従来の巨大ロボットヒーローとの差別化が図られた[1]。
初期の企画段階での名称は「メガロ17」[7][3]。NGとなったデザインは胸の数字ロゴのみを変更して、そのままワンエイトのデザインに流用された[8][4][3]。
「セブンティーン」ではなく「ワンセブン」と呼ばれるのは、体内に使用している「オートダイオードワンセブン」に由来する。17という数字は「『鉄人28号』へのオマージュで、28から十の位と一の位を1ずつ減らした」とのこと[3]。
本放送時には次週予告の前に、科学技術や自然現象の原理などを子供向けに説明する、「ワンセブンものしりコーナー」という15秒間のミニコーナーが付け加えられていた[9]。
あらすじ
国際平和部隊・科学研究所の佐原博士があらゆる災害から人類を守り地球環境を保全すべく建造した、超コンピューター「ブレイン」。だが、次第に自我と、スプーンから宇宙ロケットに至るまで何でも製造できる「超生産能力」を持つようになったブレインは、遂には「人類こそが地球を滅ぼす―人類は地球に有害」という結論をはじき出した。「地球にとって最大の災害」である人類を抹殺すべく、ブレインは開発者の一人であるハスラー教授とともに行方をくらまし、アジトを構えて秘密裏に巨大ロボットを何体も建造する。だが、その17番目にしてやはり自我を持つ「ワンセブン」は「人類だけが地球を救える」と、ブレインとは正反対の結論を出した。
ブレインは自分に逆らいかねない危険なワンセブンを封印し、巨大ロボットを操って破壊活動を開始、人類抹殺に向けて動き出す。しかし、ブレインの巨大ロボットの襲撃で家族を失った主人公の少年・南三郎が偶然にもワンセブンを発見し解放した。かくして、三郎をパートナーとしたワンセブンは、ブレインの攻撃から人類を守るべく戦うことになる。
最終回
人類に刃向かったブレインに代えて、科学研究所は「ビッグエンゼル」を新しく作り上げる。その計算により、ブレインを倒すにはその超生産能力を上回る打撃を加えなければならないことが分かった。その鍵になるのは三郎。「ブレインエリア」の影響を避けるため、三郎の操縦により自我を抑えて唯のロボットになったワンセブンはブレイン目掛けての特攻を図った。しかし最後の最後でワンセブンは三郎を射出座席で脱出させ自分だけ体当たり。ブレインはワンセブンと共に爆散、戦いは終わった。
メカニック
ワンセブン
据え付け型の超コンピュータである自分の代理、自由に動ける分身を作ろうとして、ブレインが自分に使われている「オートダイオードワンセブン」を初めて活用したロボット。ブレインに劣らぬ“超生産能力”と思考力を持つ。超生産能力とは内蔵小型ロボット「ロボター」を使うもので、大抵の損傷や故障なら自分で直せる(高等生物の回復力に相当する)ほか、自己改良を行って性能向上を図ることも可能で(人間の努力と技能獲得に相当する)、作中では会話能力の獲得やグラビトン発射のインターバル短縮などを行なっている。サブマシンなどのメカもこの超生産能力で製造されたものである。メカ以外にも、ケーキやジュース、巨大ソフトクリームなども作れる。
当初は意思の疎通に、ワンセブンが作った特殊なヘルメットが必要だった。このヘルメットは三郎にしか使えず、その上ワンセブンは眼のシグナルによる「イエス」「ノー」以外の意思表示はできなかった(「ウオーン」という応答音[10]とともに青く発光させれば「イエス」、赤で「ノー」)。第19話からは自身を改良して普通に会話できるようになった。また、他の作品と違ってワンセブンは自我を持つロボットであるため、普段はどこにいて何をしているかは三郎にも把握できない(劇中では突如現われ、敵のロボットを倒すとどこかへと立ち去っていく)。
内部には人が乗り込めるコントロールルームがあり、上記のケーキなどで三郎たちをもてなした。のちに操縦席が超生産力で作られ、最終回では、ブレインエリアの影響を恐れて活動を停止したワンセブンを三郎が操縦した。
必殺技は腹部を開いて撃ち出す光球で、目標を強大な力で圧潰、爆破する「グラビトン攻撃」(または単に「グラビトン」と呼ばれる)。なお、グラビトンとは重力子を意味する言葉だが、この技で重力子がどのように働くのかについての科学的な設定は語られていない(発射の際は初期は前述の応答音、後半は「グラビトーン!」と発声する)。
ブレインによれば「グラビトン」は一度発射すると、重力子蓄積のため、15時間のインターバルを要する[11]。そのため、攻撃ロボを2台用意しての二段攻撃が仕掛けられたが、自己改良により蓄積時間を短縮し、この欠点を克服していた。
当初3タイプ、後に4タイプの形態を持ち、それぞれ「要塞ワンセブン」「戦闘ワンセブン」「飛行ワンセブン」「戦闘飛行ワンセブン」と呼ばれている。
- 当時発売された『DX超合金・大鉄人17』は変形機構をかなり忠実に再現しておりテンプレート:Refnest、超合金シリーズ史上最多の販売数を記録するメガヒットとなった[3][5]。1999年には『超絶自動変形・大鉄人17』が超合金ブランドでリメイク発売された。合金使用箇所は脚部の各マシン格納部のみ。
- デザインは、超合金の商品設計で有名なポピーの村上克司案に協調する形で、原作者の石森章太郎も自ら図面を引いた合作であり、のちに村上がコンセプトデザインを手がけたアニメ『機動戦士Ζガンダム』に登場するサイコガンダムは、ワンセブンに似た変形機構を持つ。
- 着ぐるみには、ボディーの青が薄く、腹部が4段になったNGバージョンがあったテンプレート:Sfn。この着ぐるみは『東映まんがまつり』の予告編で確認できる。
- 要塞ワンセブン
- 通常の待機時の状態。手足を折り曲げてうずくまったような形態である。体内の工場はこの状態で活動する。また、「グラビトン」のエネルギーである重力子の蓄積もこの形態で行う。
- 戦闘ワンセブン
- 二足歩行の人間型形態。身長50メートル、体重200トン。戦闘スタイルは主に格闘戦で、飛び道具は「グラビトン」と脚部のナイキ級ミサイルに腕部のミサイルパンチ。腹部のシャッターを裏返すと敵の光線を反射する鏡になる(ミラーアタック)。腹部に核弾頭を装備している。
- 戦闘飛行ワンセブン
- 戦闘ワンセブンの状態から翼を展開して飛行する形態。それまでの飛行ワンセブンに代わって、第17話から登場した。飛行速度はマッハ6。
搭載メカ
ワンセブンに搭載されているマシン。いずれも自動操縦で行動する。
- シグナルコントロールジェット(シグコンジェット)
- 背中の滑走路から発進する無人飛行機。情報探索などに使われた。エンディングには第1話から登場しているが、本編での初登場は中盤の第15話で、ブレインの罠により拉致され洗脳されたルミが戦艦ロボを操縦し17に相対した際、戦艦ロボのコクピットに向けて発射され、彼女に催眠ガスを浴びせ退却させた。第34話でブレインエリアの偵察に入った際、ブレインに破壊された。
- シグナルコントロールタンク(シグコンタンク)
- 右足に格納されている万能戦車。ドリルを装備しており、地下牢に幽閉されたレッドマフラー隊の救助などに用いられた。初登場は第12話。第34話で三郎を救出しようとブレインエリアに入ったが、ブレインに察知され、破壊された。
- サブマシン
- 三郎への友情の証として作られた万能ビークル。左足に格納されている。回転翼を展開して飛行することも可。機体の表記は「SAB-MACHINE」。操縦にはワンセブンが三郎に贈ったヘルメットを用いるが、ワンセブンによる遠隔操作が優先される。本編には第6話から登場。
ワンエイト
ワンセブンの「弟」ロボット。身長52メートル、体重210トン。全身は鋼鉄色。ワンセブン同様「心」を持つが、内蔵された「サタン回路」のため、ブレインの命令に逆らえず、ワンセブンと対決する。最高飛行速度はマッハ7で、戦闘飛行ワンセブンを後方から追跡し撃墜したこともある。胸の赤い文字で「1」「8」と書かれた装甲部は観音開きになっており、内蔵されている「超グラビトン」で攻撃する。なお、ワンセブンが三郎と交流するのと同様、ワンエイトも三郎の級友・矢崎勇には心を開いていた。また内部にはワンセブン同様、人が乗り込めるコントロールルームが存在する。
佐原博士によってサタン回路を除去された後はワンセブンの味方となる。しかし、敵の奸計にはまりピンチを招いたこともある。第26話では、グラビトン攻撃を防ぐ盾と高い敏捷性を持つ強敵、ハーケンキラーに苦戦するワンセブンの危機を救うため、一度は裏切ったふりをして油断させ、身を挺して敵を押さえ込み、その身を犠牲にしてワンセブンの放ったグラビトンにより、ハーケンキラーを倒す事が出来たものの自らの動力炉を損傷し爆発してしまった。
ブレイン
元は佐原博士率いる科学者チームが作り上げた超高性能コンピューター。一つ眼の本体から何本ものパイプが宙に伸び、更にこのパイプにいくつもの球体をぶら下げたような形状をしている。
自我と、「オートダイオードワンセブン」により完全自衛システムを保有。更にあらゆる物体を生み出せる超生産能力で、重さ2000トンの巨体を誇る巨人頭脳へと成長したが、これが仇となり、科学者チームの中でも狡猾で野心家だったハスラー教授の策略で、人類を地球にとって邪魔な存在と見なし、人類を全滅させるべく幾多のロボットを作り上げ征服に乗り出した。さらに世界中の刑務所から囚人を集めブレイン党を結成し、レッドマフラー隊に戦いを挑んだ。またハスラー教授から主導権を奪って「私のことはミスター(・ブレイン)と呼びたまえ」と告げると同時に、ハスラーのことは「ハスラー君」と呼んで奴隷扱いし、自らブレイン党のトップとして君臨した。
第12話で佐原博士によって破壊されたが、超生産能力で瞬時に再生した。
自分を中心に半径2キロ以内のコンピュータを支配下に置く能力もあり、この影響を及ぼせる区域は「ブレインエリア」と呼ばれる。そのためワンセブンはうかつにブレインに近づくことはできなかったが、最終回で三郎がワンセブンを手動操縦することでブレインと対抗した。
ビッグエンゼル
物語終盤で佐原博士が建造した巨大コンピューター。ブレイン打倒の大きな鍵となった。
登場人物
レッドマフラー隊
国際平和部隊所属の軍事組織。隊員たちが全員首に赤いスカーフを付けていることからこの名がついた。当初は部外者がブレインに接触しないようにする警備活動を行なっていたが、ブレインの反乱によって敵対関係となり、携行火器(M1カービン・M20バズーカなど)やF-104・F-4戦闘機でブレインの巨大ロボットに立ち向かった。服装は陸上自衛隊の軍服(66式鉄帽など。いずれも国際平和部隊のロゴが入っている)と同じで、巨大ロボットとの戦闘シーンやエンディング映像では自衛隊の記録映像がふんだんに用いられている。なお、作中で登場する「隊長」は、レッドマフラー隊の総指揮官ではなく、隊内のさらに小部隊の指揮官である。第3話以降は、剣持隊長が率いる部隊がレギュラーメンバーとなり、「剣持隊」と通称されている。
- 南三郎
- 本作の主人公で、中学1年生の13歳。ワンセブンと心を通わせられるただ一人の人物。姉の結婚式に出かけようとした日に両親と姉をローラーロボットの攻撃で失なう中、洞窟に幽閉されていたワンセブンを解放した。その後、レッドマフラー隊の一員としてブレインと対峙する。孤児となったため、佐原家に身を寄せる。千恵に亡き姉の姿を重ね合わせている。普段は私服だが、ブレザーやレッドマフラー隊と同様の軍服を着ることもあった。
- 佐原千恵
- 佐原博士の長女。レッドマフラー隊員でもあり、主に通信班として活動する。既にこの世を去っている母の代わりに佐原家の家事全般もこなしている。
- 三郎からは「千恵姉さん」と呼ばれることもある。
- 佐原博士
- 国際平和部隊の科学者で、レッドマフラー隊の指揮官。自分の作ったブレインの破壊活動から人々を守るために、ブレインを超えるコンピューターの製作を計画する。
- 中井隊長
- レッドマフラー隊の隊長。千恵と婚約していた矢先、ブレインの計画の糸口をつかもうと結成直前のブレイン党に潜入したが、ブレインに見透かされていたため正体が露見し殺害された。ハスラーとブレインの繋がりを示すダイイング・メッセージを遺した。
- 剣持保隊長
- 第3話から登場した、中井の跡を継ぐレッドマフラー隊の隊長。通称「鬼の剣持」。陸上自衛隊レンジャー部隊特殊課出身で、常に沈着冷静に部下を指揮するが、内には熱い闘志と優しさを秘めている。かつては「カミソリ」と評された切れ者。キャプテンゴメスとはグリーンベレー部隊以来の因縁がある。やすしという弟をオートバイ事故で亡くしており、その亡き弟と同じ年代である三郎に対してはつい熱くなってしまうことがある。登場以降、自身が率いる隊は「剣持隊」の通称で呼ばれ、以後中核を成す。
- 村中隊員
- レッドマフラー隊の一員。隊長が不在の時は、隊長代行を務める。幼いころ炎に巻かれて死にかけたことがあり、その時の恐怖がまだ残っていたが、第13話で克服した。また大学で未来科学を専攻し、佐原博士の助手を志願してレッドマフラー隊に入隊したことから、同話で三郎とともにワンセブンの体内に入り、修理を行なった。佐原博士がワンエイトからサタン回路を取り外す際も助手を務めている。
- 海野隊員
- レッドマフラー隊の一員。明るくお調子者で、三郎に対しても面倒見の良い人物。ガンテツから「豆狸」と呼ばれている。
- 小野隊員
- レッドマフラー隊の女性隊員で、主に通信班として活動する。村中隊員とは恋愛関係を結んでいる。
- 野村隊員
- 第9・10話のみ登場。レッドマフラー隊の一員。「いつでも死ぬ覚悟を決めている」という妻と娘とともに団地に住んでおり、それをブレイン党に付け狙われた。
レッドマフラー隊の協力者
- 岩山鉄五郎
- 通称ガンテツ。三郎の友人・岩山鉄次の叔父で、常に学ランを着ている。「柔道四段・空手四段・浪人四年」が座右の銘で東大合格を目指していたが、レッドマフラー隊の活躍にあこがれて、あっさり東大合格をあきらめた。大鎧姿でレッドマフラー隊に入隊しようとして相手にされなかったものの、その後も登場し続け、幾度も三郎やレッドマフラー隊の危機を救った。岩山家は裕福な家であり、ガンテツもクラシックカー収集を趣味にしている。
- 佐原ルミ
- 佐原博士の次女で、三郎と同じく中学1年生の13歳。佐原家において三郎とは兄妹同然の仲。14話でブレインに洗脳され、戦艦ロボットのパイロットをさせられた。
- 長田助手
- 第33話に登場。佐原博士の助手の一人。伝達任務の最中にブラックタイガーの襲撃に遭う。
- 長崎助手
- 第34・35話に登場。佐原博士の助手として、ビッグエンゼルの現場管理を任される。第35話では、オーバーヒート寸前のビッグエンゼルから「ワンセブン…サブロウ」という、ブレイン打倒へのキーワードを聞き出して、佐原博士たちに伝える。
ブレイン党
ワンセブンと対決するために戦力増強が必要との判断を下したブレインが、ハリケーンロボットなどを使って世界中の刑務所を襲撃し、脱獄させた犯罪者をスカウトして結成した組織。ナチス・ドイツ時代のドイツ国防軍に似たヘルメットとジャケットを着込んでおり(参考)、レッドマフラー隊との白兵戦を展開した。なお、キャプテンゴメスとチーフキッドも鉤十字が付いた親衛隊員の服装に似た服を着ている(肩章の部分が異なり、ブレイン党独自の徽章が追加されている)が、これらの制服はブレイン党結成以前(ブレインがハスラー教授から主導権を奪う前)のメンバーも着用しており、ブレイン党結成時の新制服ではない。
両組織とも当時のヒーローものでは珍しく、純軍隊然とした組織であるのが特徴であった。レッドマフラー隊が敵ロボットを攻撃する際も、特に特殊な兵器で攻撃する訳ではなく、レッドマフラーが擁する戦車隊(自衛隊の74式戦車・61式戦車)や戦闘機隊(F-4戦闘機・F-104戦闘機)などの現用兵器で対抗するという当時の巨大ヒーローものとしては異例の演出がみられた。
- ハスラー教授
- ブレインの開発者のひとりで、自らの野望のためブレインを持ち去り、私物化する。傲慢で激昂しやすい野心家であり、その傲慢さが災いしてブレインから主導権を奪われてしまう。以後は不本意ながら、ロボット指揮官としてブレインの破壊活動を技術面から補佐する。30話以降の戦闘ではピラミッド型のメカ・ハスラー要塞を駆って三郎たちを苦しめるが、最終回で要塞ごと撃墜された。
- キャプテンゴメス
- 元は要人暗殺、破壊活動を行う国際テロリスト。テロリスト転身前はグリーンベレーで剣持の同僚だった。ブレインの部下となり、ハスラー教授とともに巨大ロボットによる破壊活動を指揮したほか、グスタフに自ら乗り込み、破壊活動を行なった。第15話でブレインに反旗を翻し、自分の支配下に置こうとしたが、ハスラー教授とチーフキッドに裏切られたため失敗。自ら戦艦ロボットに乗り込んでワンセブンに戦闘を仕掛けた。ワンセブンに敗北した上、チーフキッドの手によって自爆スイッチを押され、ロボットごと爆破され死亡した。作中ではSS大隊指揮官(少佐)の襟章を付けている。
- チーフキッド
- テロリスト時代からのキャプテンゴメスの部下で、ゴメスとともにブレイン党に入党する。ナイフ術の達人で、特に投げナイフが得意。狙った的の中心へ正確に撃ち込む腕前を持つ。左腕には砥石を付けたリストバンドをはめている。また、人物眼にも優れ、各方面のスペシャリストを即座に選抜できる。変装して堂々とレッドマフラー隊の前に現れて破壊工作や拉致を行なうこともあった。長年師事してきたゴメスを裏切る。脚本上にはブレインへのクーデターを危ぶむ意見を具申したり、ブレインの目前でハスラー教授に裏切りを暴露されそうになる場面が存在したが、それらの描写を演出時に丸ごと削除されたため、この裏切りは唐突で不可解な行動となってしまっている。第21話で、ガンテツに不意を突かれ負傷した上にビルロボットを使った作戦に失敗した責任を取らされる形でブラックタイガーによる暗殺キックの直撃を受け、レッドマフラー隊の前でワンエイトの出現を示唆する言葉を遺し息絶えた。作中ではSS下級中隊指揮官(少尉)の襟章を付けている。
- ガイラー
- 第14話に登場する戦艦ロボットのパイロット。ハスラー教授の部下のブレイン党員。抜群の反射神経を持ち、戦艦ロボットの航路制御用のヘルメットを着用している。階級はチーフキッドと同じくSS下級中隊指揮官(少尉)。ブレインによりレッドマフラー第一戦闘航空基地の奇襲を命じられ出撃し、17と戦うが力及ばずコクピットを破壊され死亡する。彼の敗北自体はブレインの予測の範囲内であり、実際は実験台に過ぎなかった。
- ブラックタイガー
- キャプテンゴメスに代わる実戦指揮官として第16話から、バラモン密教の細菌兵器を手土産にブレイン党の新幹部となった怪僧。チベットのラマ山の出身で東南アジア地域の暗黒街の黒幕。その名はチーフキッドにも知られており、彼から尊敬の念を持たれていたほどである。額に第三の眼を持つ。怪力の上、体術、呪術にも優れており、第21話で作戦に失敗したチーフキッドを飛び蹴り一発で処刑したほどの暗殺術の使い手。また、直属の部下であるピンクジャガー、ブルージャガーを使って破壊工作を行なう。第33話では自らの死期を悟り、ビッグエンゼル破壊への単独作戦に赴くが、ビッグエンゼルの自動防衛システムに細胞を破壊されて消滅する。
- ピンクジャガー
- ブラックタイガー配下の女コンビの一人。基地内では名前の色の隊員服とヘルメット、外では、シースルーのシャツにピンクのベストとホットパンツという服装で活動する。仕事や任務には忠実に実行するが意外にも人情派な一面を持っている。「この手を血で汚したことはない」ことから、捕えられた三郎を逃がそうとするが、追手のハスラー教授に射殺される。蛙が大の苦手。
- ブルージャガー
- 同じく、ブラックタイガー配下の女コンビの一人。ピンクジャガーと色違い(水色のベストとホットパンツ)の服を着て行動する。ピンクジャガーとは反対に冷徹で任務には一切の妥協をせず、特に変装と心理攻撃でその真価を発揮する。最期はピンクジャガーの裏切りの責任を取ってネッシーロボを強化改造したゴールドネッシーに乗りこんでワンセブンを攻撃するが、ゴールドネッシーごとグラビトン攻撃で破壊され、ブレインの名を叫びながら爆死する。
キャスト
レギュラー・準レギュラー
- 南三郎 - 神谷政浩
- 佐原千恵 - 竹井みどり
- 佐原博士 - 中丸忠雄
- 剣持隊長 - 原口剛
- 村中隊員 - 三井俊吾
- 海野隊員 - 菅野直之
- 小野隊員 - 大槻純子
- 岩山鉄五郎 - 高品正宏
- 岩山鉄次 - 高橋仁
- 岩山エミ - 渡辺麻由美
- 佐原ルミ - 島田歌穂
- キャプテンゴメス - 平田昭彦
- ブラックタイガー - 山本麟一
- チーフキッド - 山口あきら
- ハスラー教授 - 大月ウルフ
- ピンクジャガー - 三東ルシア
- ブルージャガー - 太田美緒
- ブレイン、ビッグエンゼル(声) - 水島弘
- ナレーター、ワンセブン(声) - 小林恭治
主なゲスト
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スーツアクター
- ワンセブン - 新堀和男テンプレート:Sfn
- ブレインロボット - 河合徹
- ワンエイト - 河原崎洋夫
スタッフ
- 原作 - 石森章太郎
音楽
主題歌
- オープニングテーマ
- オー!!大鉄人ワンセブン
- エンディングテーマ
- ワンセブン讃歌
- 作詞 - 八手三郎 / 作曲・編曲 - 渡辺宙明 / 歌 - 水木一郎、こおろぎ'73
- 前期はレッドマフラー隊とブレイン党との総力戦がメインで、第3話以降ラストカットがロボットワンセブンのカットに差し替え、第20話以降は三郎や仲間たちの日常のシーンに変更。
挿入歌
- 僕のサブマシーン
- 作詞 - 赤井圭 / 作曲・編曲 - 渡辺宙明 / 歌 - ザ・チャープス、コロムビアゆりかご会
- 戦いの歌
- 作詞 - 赤井圭 / 作曲・編曲 - 渡辺宙明 / 歌 - 水木一郎、こおろぎ'73
- 進めシグコンマシン
- 作詞 - 八手三郎 / 作曲 - 渡辺宙明 / 編曲 - 武市昌久 / 歌 - こおろぎ'73、コロムビアゆりかご会
- レッドマフラー隊の歌
- 作詞 - 赤井圭 / 作曲・編曲 - 渡辺宙明 / 歌 - 水木一郎、こおろぎ'73、ザ・チャープス
- 僕のワンセブン
- 作詞 - 八手三郎 / 作曲 - 渡辺宙明 / 編曲 - 武市昌久 / 歌 - 水木一郎、コロムビアゆりかご会
- わが名はブレイン
- 作詞 - 石森章太郎 / 作曲・編曲 - 渡辺宙明 / 歌 - こおろぎ'73
- おれは鉄人ワンセブン
- 作詞 - 八手三郎 / 作曲 - 渡辺宙明 / 編曲 - 武市昌久 / 歌 - 水木一郎、こおろぎ'73
- ディスコワンセブン
- 作詞 - 石森章太郎 / 作曲・編曲 - 渡辺宙明 / 歌 - 水木一郎、こおろぎ'73
放映リスト
話数 | 放送日 | サブタイトル | 脚本 | 監督 | ブレインロボ |
---|---|---|---|---|---|
1 | 1977年 3月18日 |
謎の鋼鉄巨人 | 上原正三 | 山田稔 | ローラーロボット |
2 | 3月25日 | 地上最大の巨人頭脳 | ハリケーンロボット | ||
3 | 4月1日 | 消えたワンセブン 謎のヘルメット | 伊上勝 | 若林幹 | 地震ロボット |
4 | 4月8日 | わが友はワンセブン | |||
5 | 4月15日 | 空飛ぶ氷山 | 山田稔 | 冷凍ロボット | |
6 | 4月22日 | ワンセブンの贈り物 | |||
7 | 4月29日 | ゴメスの鉄人狩り | 若林幹 | ガスタンクロボット ミキサーロボット | |
8 | 5月6日 | ワンセブン15時間の命 | ミキサーロボット | ||
9 | 5月13日 | 幻の超重砲「グスタフ」 | 内田一作 | 大砲ロボット | |
10 | 5月20日 | 死なないで! 裏切りの父 | |||
11 | 5月27日 | ブレインから来た招待状 | 上原正三 | 山田稔 | 大爪ロボット |
12 | 6月3日 | 決死! ブレイン大爆破 | |||
13 | 6月10日 | 驚異! これがワンセブンの体内だ | |||
14 | 6月17日 | 空中戦艦の中の少女 | 伊上勝 | 若林幹 | 戦艦ロボット |
15 | 6月24日 | ゴメス! 戦場に散る | |||
16 | 7月1日 | どこへ!? 消えた人 消えた町 | 内田一作 | 細菌ロボット | |
17 | 7月8日 | 咲けよ!! 友情の紅い花 | |||
18 | 7月15日 | 恐怖の夏休み! 暴走する新幹線 | 上原正三 | 山田稔 | 新幹線ロボット |
19 | 7月22日 | 夏休みのプレゼント! ワンセブン超特急 | |||
20 | 7月29日 | ガンバレ兄ちゃん! 栄光の甲子園 | 伊上勝 | 若林幹 | ビルロボット |
21 | 8月5日 | 守れ! 熱血の甲子園 | ビルロボット ワンエイト | ||
22 | 8月12日 | 奇妙! 二人のワンセブン | 山田稔 | ワンエイト | |
23 | 8月19日 | 弟ロボット! その名はワンエイト | |||
24 | 8月26日 | ゆるせ弟よ! 涙のミサイルパンチ | |||
25 | 9月2日 | 危うし兄弟ロボット! 恐怖の遊園地 | 上原正三 | 若林幹 | ワンエイト ハーケンキラー |
26 | 9月9日 | 大逆転! さらば愛する弟よ | |||
27 | 9月16日 | なぞのコンコルド 父ちゃんのうそつき | 安斉あゆ子 | ブレインコンコルド | |
28 | 9月23日 | 出たぞ大海獣! ネッシーの子守唄 | 上原正三 | 山田稔 | ネッシーロボ |
29 | 9月30日 | そこのけそこのけ! 大暴れネッシーロボ | |||
30 | 10月7日 | 走れ三郎! 死の谷からの脱出 | 熊谷節 | ハスラー要塞テンプレート:Refnest | |
31 | 10月14日 | お母さんはどこ? 恐怖の白い家 | 江連卓 | 若林幹 | 蜃気楼衛星タイガー |
32 | 10月21日 | ほえろイナズマ! 謎の黄金怪獣 | 安斉あゆ子 | ハスラー要塞 ゴールドネッシー | |
33 | 10月28日 | ニヤリ! タイガー地獄の微笑 | 伊上勝 | ||
34 | 11月4日 | 決戦!! ブレイン対ワンセブン | 山田稔 | ||
35 | 11月11日 | さらばワンセブン 不滅のナンバー |
劇場版
いずれも東映まんがまつりの一編として公開された。
- 大鉄人17
- 1977年3月19日公開。第1話と第2話の再編集版。
- 大鉄人17 空中戦艦
- 1977年7月17日公開。第15話の再編集版。
DVD『大鉄人17』Vol.1、Vol.3の映像特典や、2007年12月7日に発売された『東映特撮ヒーロー THE MOVIE BOX』および2009年11月21日発売の『東映特撮ヒーロー THE MOVIE Vol.4』に収録されている。
映像ソフト化
すべて東映ビデオより発売
- 1986年1月21日にVHSが発売された。第1話・第2話と予告編集を収録。
- 1996年11月21日から1997年7月21日にかけてLDが発売された[12]。全5巻の各2枚組で各巻8話(Vol.5のみ1枚・3話)収録。
- 2006年9月21日から11月21日にかけてDVDが発売された。全3巻の各2枚組で各巻12話(Vol.3のみ11話)収録。本放映時に放送された「ものしりコーナー」は未収録。
- 2008年7月21日発売の「石ノ森章太郎 生誕70周年 DVD-BOX」に第1話が収録されている。
漫画版
その他
- 主題歌レコードは当時の日本コロムビアレコード学芸部からリリースされたアニメ・特撮部門で第三位の売り上げを記録した。
- 少年誌には「ワンナイン(19)」の紹介記事があった。
- アメリカでは1982年にFamily Home Entertainment(FHE)社が翻訳・編集版『Brain17』をビデオ販売していた。三郎の名は「スティービー」に変更されている。
- 『ジャッカー電撃隊VSゴレンジャー』の企画時のタイトルは『大鉄人17VSジャッカー電撃隊』でワンセブン(&レッドマフラー隊)がジャッカーと共演する予定だった[14]。
- 2009年3月から6月まで、東映チャンネルの「石ノ森章太郎劇場」枠にてニューマスター版の放送が行われた。2011年10月から2012年2月まで、同局の「アンコールアワー」枠にて放送が行われた。
- 2010年10月発売の「レンジャーズストライク クロスギャザー」『ザ・ギガンテックタイタン』に、本作が収録。
- 2012年7月から10月まで、Youtubeの「東映特撮 YouTube Official」にて配信が行われたほか、2014年8月11日から再配信が行われている。
関連作品
- 鉄人28号 - 横山光輝の作品。ネーミングのモチーフになった。
- ジャイアントロボ - 同じく横山光輝の作品。「音声認識で少年に従う」「兄弟ロボがいる」など、設定に多くの共通点が見られる。
- スーパー特撮大戦2001 - 本作が参戦している。
- 衛星兵器XVII(エックスブイツー) - ワンセブンをリメイクした宇宙船。ロボット形態にも変形する。以下、衛星兵器XVIIの登場作品。
脚注
参考文献
テンプレート:前後番組- ↑ 1.0 1.1 1.2 テンプレート:Harvnb
- ↑ X文庫『メーキング・オブ・東映ヒーロー (2)・ラディカルヒーローの世界』(講談社・1987年)p.52 - 53
- ↑ 3.0 3.1 3.2 3.3 3.4 3.5 テンプレート:Cite book
- ↑ 4.0 4.1 テンプレート:Cite book
- ↑ 5.0 5.1 引用エラー: 無効な
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タグです。 「.E5.88.97.E4.BC.9D
」という名前の引用句に対するテキストが指定されていません - ↑ 岩山鉄五郎を演じた高品正広は同時期の実写版『ドカベン』の映画で岩鬼正美を演じ、本作の岩山鉄五郎も岩鬼を意識したキャラクターとなっている。
- ↑ 『テレビランド』の次号予告では、このタイトルで紹介されていた。
- ↑ 『テレビマガジンヒーロー大全集』(講談社・1986年)
- ↑ 出演者が劇中の役のままで、主に科学や歴史についての知識を解説するというもの。
- ↑ この応答音は「グラビトン」「イエス」「ノー」などの言葉を機械処理したものである。
- ↑ ただし、劇場版『大鉄人17』ではローラーロボットを倒した直後に出現したハリケーンロボットをもグラビトンで倒している。
- ↑ テンプレート:Cite book
- ↑ 『テレビマガジン』本誌での漫画連載は行なわれなかった。
- ↑ 講談社X文庫『メーキング・オブ・東映ヒーロー (3)・メカニカルヒーローの世界』(1987年) p.100