UEFAヨーロッパリーグ
テンプレート:国際サッカー大会 UEFAヨーロッパリーグ(ウエファ・ヨーロッパリーグ、テンプレート:Lang-en-short)は、欧州サッカー連盟(UEFA)の主催で毎年9月から翌年の5月にかけて行われる、クラブチームによるサッカーの国際大会である。
それまで行われていたUEFAカップ(テンプレート:Lang-en-short)の名称と大会形式が一新され、2009-10年度から新たに始まった国際大会である。この項ではUEFAカップ時代についても記述する。
目次
概要
インターシティーズ・フェアーズカップとして創設された大会が前身となり、1972年にUEFAカップとして正式に発足。
1999年、それまであった欧州三大カップの一角、UEFAカップウィナーズカップ(ヨーロッパ各国のカップ戦優勝クラブによる国際大会)を吸収する形で(UEFAカップ出場資格に、ヨーロッパ各国のカップ戦優勝クラブを加える形で吸収)、統合された。
対戦の勝敗は基本的にH&A方式の2戦合計にて決められる。ただし、2回戦は40クラブを5クラブ×8グループに分け、ホーム2試合、アウェイ2試合の計4試合(開催場所はUEFAランキングによって決定)の変則H&A形式のリーグ戦を実施する(2004-05シーズンより)。また、決勝戦のみ中立地での1戦で勝敗を決する(1997-98シーズンより)。
従来、UEFAヨーロッパリーグ(当時の名称はUEFAカップ)は、各国リーグの上位クラブ同士が対戦するということもあって、UEFAチャンピオンズリーグと並んでレベルの高い大会であった(90年代中期までUEFAチャンピオンズリーグは、どの国も1クラブ(優勝したクラブのみ)しか出場できず。そのため当時のUEFAカップは、優勝を逃した各国のビッグクラブが多数参加する非常にレベルの高い大会であった)。
しかし1997-98シーズン以降、UEFAチャンピオンズリーグ出場クラブ拡大の余波を受け、各国リーグから複数のクラブがUEFAチャンピオンズリーグへの参加が認められるようになると、欧州主要リーグのビッグクラブが軒並みUEFAチャンピオンズリーグに参加してしまう事態となり、UEFAカップは、「国内リーグで優勝もしくはUEFAチャンピオンズリーグ出場権を逃したチームのための大会」という不名誉な位置付けの大会に成り下がりつつあった。
これらの課題を解決するための施策として、UEFAチャンピオンズリーグ本大会グループリーグ3位敗退組(そのほかUEFAチャンピオンズリーグ予選プレーオフ敗退組、UEFAチャンピオンズリーグ予選3回戦敗退組)のUEFAヨーロッパリーグへの参加を可能とすることで、例えば近年ではアトレティコ・マドリードやミラン、ユヴェントス、リヴァプール、マンチェスター・ユナイテッド、チェルシー、ポルトのような、本来ならUEFAチャンピオンズリーグ優勝を目指すようなビッグクラブが、UEFAヨーロッパリーグへ参加できるよう手配するようにしている。
同様に、これらの課題を克服するための施策として他にも、2004-05シーズンより変則H&A形式のリーグ戦を実施、決勝戦を中立地での1戦のみで決する(決勝戦はUEFA4つ星認定スタジアム以上の格付けを持ったスタジアムで開催する)、より格式高い大会とするためのセレモニーとしてUEFAヨーロッパリーグ・アンセム(賛美歌)の導入や新たな大会ロゴマークの新設、大会名も従来のUEFAカップからUEFAヨーロッパリーグへと変更する、等、UEFAチャンピオンズリーグに近いような大会方式に変更された[1][2]。
歴史
参加資格
2008-09年まで
以下のクラブが参加できる。
- UEFAカップの前年度優勝クラブ
- 国内カップ戦優勝クラブ[3]
- UEFAチャンピオンズリーグ出場クラブ以外の上位クラブ(UEFAランキングにより各国でクラブ数や出場対象の順位が異なる。)
- UEFAインタートトカップの優勝 11クラブ
- UEFAフェアプレークラブ 3クラブ
- UEFAチャンピオンズリーグ予選3回戦敗者 16クラブ
- UEFAチャンピオンズリーググループリーグ3位 8クラブ
2009-10年から
- UEFAランキング1位〜3位の国内リーグ5位と6位 6クラブ
- UEFAランキング4位〜6位の国内リーグ4位と5位 6クラブ
- UEFAランキング7位〜9位の国内リーグ3位〜5位 9クラブ
- UEFAランキング10位〜15位の国内リーグ3位と4位 12クラブ
- UEFAランキング16位〜21位の国内リーグ2位と3位 12クラブ
- UEFAランキング22位〜51位の国内リーグ2位と3位 58クラブ ※国内にリーグ戦を有さないリヒテンシュタインを除く
- UEFAランキング52位、53位の国内リーグ2位 2クラブ
- UEFA加盟国の国内カップ戦優勝チーム 53クラブ
- UEFAフェアプレーランキングで選ばれた3チーム 3クラブ
カップ戦優勝クラブが国内リーグ成績によりCLまたはEL出場権を得ている場合、カップ戦準優勝クラブが出場権を得る。カップ戦優勝クラブ、準優勝クラブ共に国内リーグ成績によりCLまたはEL出場権を得ている場合、国内リーグ順位が出場権獲得圏内より1つ下のクラブが、繰り上げで出場権を得る。
開催方式
2008-09年まで
- 予選-1回戦 トーナメント形式によるホーム・アンド・アウェー戦を実施する。2試合終了後同点の場合にはアウェーゴールが多いクラブが勝者となる。それでも決まらない場合には延長戦、PK戦を行い勝者を決定する。各対戦前に組合せ抽選が行われ、同国のクラブが対戦しないように、また各クラブのランキングポイントによりポッドを分けた上で、組合せ抽選を行う。
- 予選1回戦は以下のクラブによって行われる。組合せは南部、中東部、北部の各地域内の国同士で対戦するように抽選される。
- UEFAフェアプレークラブ
- UEFAランキング19位以下の国・地域の国内カップ戦優勝クラブ
- UEFAランキング19位-51位の国・地域の第2順位のクラブ
- UEFAランキング16位-21位の国・地域の第3順位のクラブ
- 予選2回戦は以下のチームによって行われ、32チームに絞られる。
- UEFAインタートトカップの優勝クラブ
- UEFAランキング14位-18位の国・地域の国内カップ戦優勝クラブ
- UEFAランキング16位-18位の国・地域の第2順位のクラブ
- UEFAランキング9位-15位の国・地域の第3順位のクラブ
- 予選1回戦の勝者
- 1回戦は以下のチームによって行われ、40チームがグループリーグに進出する。
- UEFAカップの前年度優勝クラブ
- UEFAランキング1位-13位の国・地域の国内カップ戦優勝クラブ
- UEFAランキング7位-8位の国・地域の第3順位のクラブ
- UEFAランキング4位-8位の国・地域の第4順位のクラブ
- UEFAランキング1位-8位の国・地域の第5順位のクラブ
- UEFAランキング1位-3位の国・地域の第6順位のクラブ
- UEFAチャンピオンズリーグ予選3回戦の敗者
- 予選2回戦の勝者(ただし、UEFAチャンピオンズリーグやUEFAカップの出場権重複により出場枠やシードには変動がある)
- 予選1回戦は以下のクラブによって行われる。組合せは南部、中東部、北部の各地域内の国同士で対戦するように抽選される。
- グループリーグ 40チームを5クラブずつ、8グループに分けたグループリーグを実施する。抽選は各クラブのランキングポイントにより5つのポッドにわけ、また同国のクラブが同じグループに入らないように行われる。ホーム・アウェーあわせて4試合(基本的には各2試合ずつが割り当てられる。完全H&Aではない)を戦い、各グループ上位3クラブが決勝トーナメントに進出する。勝ち点が同じクラブがある場合には以下の順により決定する。UEFAチャンピオンズリーグと異なり、完全H&Aではないため該当チーム同士の直接対決の結果は考慮されない。
- グループリーグ全試合での得失点差
- グループリーグ全試合での総得点
- グループリーグ全試合でのアウェイゴール数
- グループリーグ全試合での勝利数
- グループリーグ全試合でのアウェイ勝利数
- UEFAランキングの上位の国と地域
- 決勝トーナメント グループリーグを勝ち抜いた24クラブとUEFAチャンピオンズリーググループリーグ3位クラブ8クラブを加えた32クラブでのトーナメント形式によるホーム・アンド・アウェー戦を実施する。2試合の合計スコアが同じ場合はアウェーゴール方式→延長戦→PK戦で次のステップ進出クラブを決める。決勝のみ中立地(自国クラブが勝ち上がった場合は中立地でなくなるが)での一発勝負となる。
- 決勝トーナメントの抽選 グループリーグ終了後に決勝トーナメント1、2回戦の抽選を行う。1回戦においては、同国のクラブ同士が対戦しないように、またグループリーグで対戦したクラブとも当たらないように考慮される。また、グループリーグ1位のクラブは3位のクラブと、グループリーグ2位のクラブはUEFAチャンピオンズリーグ3位のクラブと対戦する。グループリーグ3位のクラブとUEFAチャンピオンズリーグ3位のクラブが第1戦のホームゲームとなる。2回戦以降はカントリープロテクションは考慮されない。また、2回戦終了後に準々決勝以降の組み合わせ抽選を行い、トーナメントが確定する。
2009-10年から
- 予選 予選は全てホームアンドアウェイ戦を実施する。[4]
- 予選1回戦
- UEFAランキング35位〜53位の国内カップ戦優勝チーム
- UEFAランキング22位〜51位の国内リーグ3位
- UEFAランキング28位〜53位の国内リーグ2位
- UEFAフェアプレーランキングで選ばれた3チーム
- 予選2回戦
- 予選1回戦を勝ち上がったチーム
- UEFAランキング20位〜34位の国内カップ戦優勝チーム
- UEFAランキング7位〜9位の国内リーグ5位
- UEFAランキング10位〜15位の国内リーグ4位
- UEFAランキング16位〜21位の国内リーグ3位
- UEFAランキング16位〜27位の国内リーグ2位
- 予選3回戦
- 予選2回戦を勝ち上がったチーム
- UEFAランキング17位〜19位の国内カップ戦優勝チーム
- UEFAランキング1位〜3位の国内リーグ6位
- UEFAランキング4位〜6位の国内リーグ5位
- UEFAランキング7位〜9位の国内リーグ4位
- UEFAランキング10位〜15位の国内リーグ3位
- プレーオフ
- 予選3回戦を勝ち上がったチーム
- UEFAランキング8位〜16位の国内カップ戦優勝チーム
- UEFAランキング1位〜3位の国内リーグ5位
- UEFAランキング4位〜6位の国内リーグ4位
- UEFAランキング7位〜9位の国内リーグ3位
- UEFAチャンピオンズリーグ予選3回戦敗退15チーム
- 予選1回戦
- 本選
- グループステージ
- プレーオフを勝ち上がった37チーム
- UEFAランキング1位〜7位の国内カップ戦優勝チーム
- UEFAチャンピオンズリーグ予選プレーオフ敗退10チーム
- UEFAヨーロッパリーグ前年度優勝クラブ
- 決勝トーナメント
- グループステージ各組上位2チーム
- UEFAチャンピオンズリーグ・グループリーグ3位
- グループステージ
国内カップ戦優勝クラブがCLに出場のため不参加でカップ戦準優勝クラブが出場する場合、各国の判断によっては、どのラウンドから参加するかを国内リーグの順位に従って決める。
2009-10シーズンからの改革
- 大会名称の変更
- 大会名がUEFAカップからUEFAヨーロッパリーグに変更される。それに伴う変更点を以下に記す。
- UEFAランキングによる出場クラブ数の変更
- UEFAランキング1位から6位のリーグからの出場クラブ数に変更はない。それ以下のリーグに与えられる出場枠に変更がなされた。まず、7位から9位のリーグは国内カップ戦優勝クラブとその他3クラブを出場させることができる。その他のリーグは国内カップ戦優勝クラブとその他2クラブを出場させることができる。
- グループステージの構成の変更
- 2008-09シーズンまでのグループステージは全40クラブを5クラブずつの8グループに分けて行われるが、2009-10シーズンから全48クラブを4クラブずつの12グループに分けて行われることになった。
結果
統計
クラブ別成績
注:優勝年度及び準優勝年度は、優勝が決定した年を並べている。例えば、1971-72年度王者は1972年としている。
クラブ所在国別成績
国・地域名 | テンプレート:Abbr | テンプレート:Abbr |
---|---|---|
テンプレート:Flagicon イタリア | 9 | 6 |
テンプレート:Flagicon スペイン | 8 | 5 |
テンプレート:Flagicon イングランド | 7 | 5 |
テンプレート:Flagicon ドイツ | 6 | 8 |
テンプレート:Flagicon オランダ | 4 | 2 |
テンプレート:Flagicon ポルトガル | 2 | 5 |
テンプレート:Flagicon スウェーデン | 2 | 0 |
テンプレート:Flagicon ロシア | 2 | 0 |
テンプレート:Flagicon ベルギー | 1 | 2 |
テンプレート:Flagicon トルコ | 1 | 0 |
テンプレート:Flagicon ウクライナ | 1 | 0 |
テンプレート:Flagicon フランス | 0 | 4 |
テンプレート:Flagicon スコットランド | 0 | 3 |
テンプレート:Flagicon オーストリア | 0 | 1 |
テンプレート:Flagicon セルビア | 0 | 1 |
テンプレート:Flagicon ハンガリー | 0 | 1 |
記録
※UEFAヨーロッパリーグに名称変更後
- 初得点
- テンプレート:Flagicon ギオルギ・メグレラーゼ(オリンピ・ルスタビ)- 2009年7月2日 B36トースハウン戦[5]
- 初ハットトリック
- テンプレート:Flagicon ヤバ・ドバリ(ゼスタポニ)- 2009年7月9日 リスバーン・ディスティラリー戦[6]
選手登録のルール
移籍して新加入した選手が前所属クラブでEL本大会に出場歴のある場合、新たな所属クラブで出場登録はできない。CL本大会に出場歴のある選手は、1人に限り登録が可能(但しCLに出場した際の前所属クラブが、CLでグループリーグ3位になってELに参加する場合は不可)。CL、ELの予選のみに前所属クラブで出場歴がある選手に関しては、新たな所属クラブで本大会から登録できるルールに変更された(元々は前所属クラブが敗退していない場合は登録不可だった)。
賛歌
大会がUEFAヨーロッパリーグに変更された以降、テーマ曲「UEFAヨーロッパリーグ賛歌(UEFA Europa League Anthem)」が使われている。フランスのヨアン・ツバイクによって作曲され、2009年春にパリ・オペラ座管弦楽団の演奏によって録音された。レコーディングしたものが試合開始前や、テレビ中継開始時と終了時に流される。UEFAヨーロッパリーグアンセムは、UEFAチャンピオンズリーグアンセムとは違って歌詞は存在しない。
脚注
関連項目
外部リンク
- 大会公式サイト - UEFA.comテンプレート:En icon
- 大会公式サイト - UEFA.comテンプレート:Ja icon
- RSSSFによる記録
テンプレート:各年のUEFAヨーロッパリーグ テンプレート:ヨーロッパのサッカー国際大会 テンプレート:国際クラブサッカー
- ↑ テンプレート:Cite web
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- ↑ 優勝クラブがリーグ戦でUEFAチャンピオンズリーグまたはUEFAカップの出場権を獲得している場合は、原則として準優勝クラブが繰り上げ出場することになっている。ただしUEFAランキング上位国の場合、両者がUEFAチャンピオンズリーグの出場権を先に獲得するため、リーグ戦の上位クラブが繰り上げ出場するケースも少なくない。
- ↑ 国内カップ戦の準優勝クラブが代替出場する場合、各国の判断により準優勝クラブが先に出場する場合がある。
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