葛西臨海水族園
テンプレート:統合文字 テンプレート:水族館 葛西臨海水族園(かさいりんかいすいぞくえん)は、東京都が運営する水族館。1989年に開園した。建築家谷口吉生が設計した。園長は田畑直樹(2014年4月から)。東京都建設局が所管していたが、指定管理者制度の導入に伴って、恩賜上野動物園・多摩動物公園・井の頭自然文化園と共に、2006年4月1日からは公益財団法人東京動物園協会に運営が引き継がれた。
概要
東京都江戸川区の葛西臨海公園内に位置し、公園内には葛西臨海鳥類園も併設されている。ドーナッツ型の大型水槽を回遊するマグロ類をはじめ、47の水槽に約650種の生物が飼育されている。
開園から現在に至るまで東日本で最も人気のある水族館で、開園初年度の年間入場者数355万人は、当時の日本記録(神戸市立須磨海浜水族園の240万人:1987年)を大きく超えた。
世界で初めてナーサリーフィッシュ(コモリウオ)の展示に成功している。また、展示生物たちは直接、飼育展示課調査係により現地採集されるものが多く、特に極地の水槽では珍しい生物が見られる。ただし、一般的な生物は業者からの購入に頼っている。
飼育用の海水は八丈島沖の海水を船とトラックで輸送している。海水を運ぶ船は専用のものではなく、青ヶ島や御蔵島向けの貨物航路の船で、その帰りに空になったスペースを有効活用する形で運ばれている。1ヶ月に使用する海水は約3,000tにもなり、ほとんどがサメの水槽やマグロの水槽など大型水槽に使われる。ただし、海鳥やペンギンの水と濾過槽の逆洗用の水は水族園前の東京湾の水を濾過して使用しており、海水ではなく汽水である。
飼育の担当職員は、環境班と繁殖班に分かれている。環境班はさらに東京の海チームとペンギン・海鳥チームに、繁殖班はマグロ・深海チームと世界の海チームに分かれている。また水族館裏には搬入生物のストックや飼育実験用に繁殖センターと呼ばれる施設があり、職員は展示担当と繁殖センター担当に別れて作業を行なう。獣医師は配置されておらず、恩賜上野動物園の獣医師が往診に来ている。教育普及係では東京シーライフボランティアーズに所属するボランティアの活動支援や、研修生の受け入れなどの業務を行なっている。
園で使用する餌はオキアミ、サクラエビ、ゴカイ、アジ、イカ、剥きあさりが基本で、生物の口の大きさに合わせて臨時職員が調餌している。生き餌しか食べない生物(ナーサリーフィッシュ、シードラゴン、タツノオトシゴ類など)には、活スジエビや活イサザアミが給餌されている。
展示概要
館内は広く、展示の数も多い。じっくり見て回るには相当な時間が必要である。展示方法はいたってシンプルで、あまり装飾などはされていない。多くの水槽は魚の名前と図が示されている程度であるが、調べものができる図鑑や専門スタッフのいる部屋も用意されている。 展示は「大洋の航海者」や「ペンギンの生態」が人気であるが、一風変わったオーストラリア近海の魚や珍しい南極・北極の魚なども見所の一つである。他に東京湾や日本近海の魚も多く展示しており、普段食卓に並べられる馴染み深い魚を目にすることができる。その他、一見地味だが珍しい生態を持つ魚もおり、見るべきところは多い。
サービス向上として2011年5月に、水槽横にデジタルフォトフレームパネルによる解説が追加された。
- 本館
- 2階
- 1階
- 「大洋の航海者」(ドーナツ型2,200 t水槽。2階までつながっている巨大な水槽であるが、サメが展示されているのとは別の水槽。クロマグロ、キハダ、ハガツオ、スマ、カツオ、コシナガなどを展示。以前ヨシキリザメやマンボウが展示されていたこともあった。アクアシアターと名づけられた空間には座席が設置してあり、落ち着いて鑑賞することができる)
- 「世界の海」(太平洋、インド洋、大西洋、カリブ海、深海、北極海・南極海に分けて展示)
- 「渚の生物」(アカエイ、ネコザメ、マダコ、アメフラシなど。タッチングプールではヒトデ、ウニなどに触ることが可能)
- 「ペンギンの生態」(フンボルトペンギン、オウサマペンギン、イワトビペンギン、フェアリーペンギンの4種を屋外で飼育。ただし、オウサマペンギンとイワトビペンギンは日本の夏の暑さには弱いため、夏季は冷房設備の付いた屋内で飼育されており、一般公開されていない)
- 「海藻の林」(ジャイアントケルプを中心とした展示)
- 「東京の海」(小笠原諸島、伊豆七島、東京湾に分けて展示。タマカエルウオ、ホウボウなど)
- 「海鳥の生態」(ウミガラス、エトピリカなど)
交通
建築概要
- 竣工― 1989年
- 設計― 谷口吉生
- 規模― 地上3階
- 構造― SRC造、RC造、S造
- 建築面積― 11,129 m² (本館8,947.3 m² + ゲート832.5 m² + 園地5棟1,349.3 m²)
- 延床面積― 14,772 m² (本館12,727.7 m² + ゲート832.5 m² + 園地5棟1,212.1 m²)
- 総水量― 3,160 t
- 受賞― BCS賞、公共建築賞
出来事
世界初
2013年2月12日、ジャノメコオリウオ(オセレイテッド アイスフィッシュ・コオリウオ科・ノトテニア亜目・Chionodraco rastrospinosus)が世界で初めて飼育下で産卵した。卵は直径4.5ミリ程度で約500個あった。卵が孵化する時期は不明で「ほかの南極に住む魚と同じ程度であれば、半年後」と水族館は推測した[1]。ジャノメコオリウオの生体展示も世界初である[2]。
ペンギンの脱走
2012年3月3日、当水族館で飼育していたフンボルトペンギン1羽が東京湾に脱出したことが発覚した[3]。同年5月24日に行徳橋のたもとで発見され、無事に保護され[4]、6月7日から再び一般公開された[5][6]。後に来園者から愛称を募集し、6433通の中から選び、「さざなみ」に決まった[7]。
フィクション
1993年公開のアニメ映画『機動警察パトレイバー2 the Movie』に登場人物の警官と幕僚が、オープンから間もない(公開当時)葛西臨海水族園で密会するシーンがあり、特徴的な丸いドームや照明の暗い展示スペースなどが描かれている。 椎名高志のマンガ作品『絶対可憐チルドレン』で、パンドラが秘密の会議をするために夜侵入している。
脚注
参考文献
- 東京都葛西臨海水族園 『TOKYO SEA LIFE PARK 東京都葛西臨海水族園』(園内で無料配布している園内説明パンフレット)、2006年4月。
外部リンク
テンプレート:東京都立公園- ↑ オセレイテッド・アイスフィッシュ:葛西臨海水族園で産卵 飼育個体で世界初/東京 2013年01月20日 毎日jp(毎日新聞)、世界初 南極の魚の産卵を確認 NHK首都圏のニュース 2013年02月14日 11時29分 NHKオンライン どちらも2013-2-14閲覧
- ↑ 世界初、透明な血液を持つ南極の魚まもなく公開!2011/08/22 東京ズーネット 2013-2-14閲覧
- ↑ 脱出したフンボルトペンギンの捜索を続けています - 東京ズーネット、2012年3月26日
- ↑ テンプレート:Cite news
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- ↑ テンプレート:Cite news
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