エトピリカ

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千島列島のエトピリカ

エトピリカ(花魁鳥、アイヌ語Etupirkaテンプレート:Sname は、チドリ目ウミスズメ科に分類される海鳥の一種。鮮やかな飾り羽とくちばしが特徴の海鳥である。

ツノメドリ属 テンプレート:Sname とする他、独立したエトピリカ属 テンプレート:Snameとする説もあり、この場合の学名は テンプレート:Sname となる。

形態

体長40cm・体重750gほどで、ハトよりも大きい。エトピリカとはアイヌ語で「くちばし(etu)が美しい(pirka)」という意味で、名のとおり橙色の大きなくちばしをもつ[1]。くちばしは縦に平たく、縦に数本の溝がある。足は橙色で、顔と足以外の全身は黒い羽毛におおわれる。冬羽は顔が灰色で飾り羽がなく、くちばしの根もとも黒っぽいが、夏羽では顔が白くなり、目の後ろに黄色の飾り羽が垂れ下がり、くちばしの根もとが黄褐色の独特の風貌となる。頭部が鮮やかに彩られる様から「花魁鳥」(おいらんちょう)という別名もある。外見はツノメドリに似るが、腹まで黒いことと夏羽の飾り羽で区別する。

分布

北日本からカリフォルニア州までの北太平洋沿岸域に広く分布し、繁殖地も各地に点在する。カナダブリティッシュコロンビア州には2万5千組のつがいが繁殖する大きな繁殖地がある。非繁殖期は沿岸から離れた外洋で過ごす。

生態

一年の大半を陸地のない外洋で過ごし、4月から8月にかけての繁殖期のみ、天敵の寄り付かない険しい断崖で営巣する。飛ぶときは短い翼をはためかせて海面近くを直線的に飛び、捕食の際は足と翼を使って水深10 m あたりまで巧みに潜水する。

オキアミや小エビなどを主食とするが、雛鳥に対してはイカナゴニシンなどの小のほか、イカを与える。

繁殖は6月頃から始まり、海に面した断崖の上にコロニー(集団繁殖地)を作る。くちばしと足で地面に穴を掘るが、岩の隙間を利用することもある。巣には草や羽毛を敷き、メスは1個だけ産卵する。両親は交代で45日間抱卵し、ヒナが孵化すると餌を運ぶ。孵化から巣立ちまでは40日-55日かかる。

3年で成鳥となる。

日本での現状

世界的にみると決して少ない鳥ではないが、日本は分布域の西端にあたり、非常に生息数が少ない。繁殖地も北海道東部厚岸町大黒島浜中町霧多布(キリタップ)小島、根室市ユルリ島モユルリ島のみで、1960年頃には計250羽ほどが飛来していた個体数も、現在は30~40羽ほどとなり、そのうちの十数つがいが繁殖するのみとなっている。繁殖地の餌不足や魚網にひっかかる被害により、日本に限っては地域絶滅の危険が大きい[1]。 しかし北方領土の色丹島歯舞群島ではコロニーが観察されている。

保全状況評価

シブリー分類体系上の位置

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楽曲

脚注

  1. 1.0 1.1 テンプレート:Cite book
  2. テンプレート:JIBIS

外部リンク

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