直収電話
直収電話(ちょくしゅうでんわ)とは日本ではNTT東・西以外の電気通信事業者(電話会社)が提供する固定電話サービスである。総務省の統計では、IP電話・CATV電話に分類されないものを指す。直加入電話、地域系電話(事業者)とも称する。
光ファイバー(ダークファイバーを含む)を利用したISDNの1次群速度インターフェースで大企業に、ドライカッパを利用したISDN基本速度インターフェース・アナログ回線インターフェースで中小企業・個人向けに提供される。また、CATVの回線を利用したものはCATV電話とも呼ばれる(ケーブルプラス電話)。広義では足回り回線に他社のデジタル専用線サービスを使用するものも含まれる。
目次
概要
現状
2013年3月末現在の加入契約数は直収電話357万、CATV電話70万である[1]。ちなみに、通常の市外局番(0AB~J)のIP電話の電話番号利用数は2407万となっている。
2001年3月から、従来のNTTの固定電話の電話番号をそのまま他社に移行する片方向番号ポータビリティが可能となっている(一部移行できない番号あり)。しかし、番号ポータビリティの際に必要となる電話回線の名義人の特定などに手間取るなどの問題も一部に出ている。
各社が他の電気通信サービスと組み合わせた料金表に載っていない相対取引による、法人向けの拡販を行っている。工事料・基本料金・通話料・割引の適応条件等の算出方法が各事業者が同一条件ではない(単位料金区域を参照)ので、安いか高いか判別しにくい。
類似サービスとの比較
FTTHのIP加入者線を利用したIP電話のうち通常の市外局番(0AB~J)を使用するもの(NTT東日本・NTT西日本の「ひかり電話」など)も、類似のサービス内容となっている。そのため、信頼性の要求される企業向けに停電時も通話疎通可能な直収電話を携帯電話と組み合わせた営業を電気通信事業者や代理店が行っている。また、その他の企業・個人向けにはブロードバンドインターネット接続と通常の市外局番(0AB~J)のIP電話を組み合わせたものが営業の中心となっている。
なおマイラインはNTT東・西の固定電話回線からの発信時の中継電話会社優先選択サービスであり、直収電話を契約した場合にはマイラインは無関係となる。元の固定電話のマイライン・マイラインプラス契約を条件に無料となる付加サービス・割引サービスが直収電話に変更後に有料となるため、それらの解約などの手続きが必要な場合もあり要注意である。
さらに国際電話を多用している場合、直収電話を契約すると00XY番号への接続ができず直収電話キャリアが提供する国際サービス以外には利用できないことから契約前に確認する必要がある。
提供電気通信事業者
いずれも主要事業者のみ。
新規加入可能なサービス
- NTTコミュニケーションズ - Arcstarダイレクト[2] / VoIQ
- KDDI - ケーブルプラス電話(ケーブルテレビ回線利用のIP電話)、KDDI光ダイレクト
- J:COM - J:COM PHONEプラス ※J:COM CATVのサービス地域でIP電話のみ新規加入可能
- ソフトバンクテレコム - おとくライン
加入者回線設置場所変更と新規加入とができないサービス
過去に営業していた主なサービス
- 本記事においてはこれより下も便宜上、平成電電の名義として記述する。
- パワードコム - 東京電話ビジネスダイレクト
- 2004年にフュージョン・コミュニケーションズに移管されたが、2006年にKDDI(ダイレクトライン)に統合された。
切り替えた場合の主なメリットとデメリット
2007年4月時点におけるもの[4]。
メリット
- NTT東・西の固定電話回線よりも、基本料金の月額料金が安い。
- NTT東・西の固定電話回線よりも、NTT東・西同等の付加サービスの月額料金が安い。
- 新規回線に加入する場合では、施設設置負担金(電話加入権)が不要である。
- NTT東・西や中継電話(マイライン)よりも通話料が安くなるケースが多い。
- KDDIとソフトバンクテレコムでは、電話やプロバイダ関係のサービスを同一グループ事業者で統一(携帯電話にau/ソフトバンクモバイル、プロバイダにau one net/Yahoo!BBを利用)すると、囲い込みの意図から割引が大きくなる。
- 通話料がいくら使っても定額となる音声通話定額制をオプションで提供。
- 平成電電「CHOKKA」
- かけ放題(現在はサービス終了)
- KDDI「メタルプラス」(事業所用)
- 事業所間定額かけ放題
- ソフトバンクテレコム「おとくライン」(事務所用)
- ボイスネットライト
- 平成電電「CHOKKA」
デメリット
初期費用やランニング費用の安さと引き換えに、次のようなデメリット(NTT回線では利用できるサービスが、直収電話に切り替えることによって利用できなくなる)が生じる場合がある。なお、電話事業者によって受けられないサービスは異なる。
- サービス提供地域が主要都市部に限定される場合が多い。また、サービス提供区域内でも交換所との間の回線が光収容の場合は利用できないことがある。
- 家庭用・事業所用の判定区分が少々厳しい、家庭用を利用するためには設置場所が住宅であるほかに個人が料金の支払いを行うことが必要である。個人契約であっても会社や私書箱等自宅以外に請求を出す場合は事業所用と判断する。
- 特殊な電話番号にかけられない。→下記番号ごとの接続可否一覧を参照。
- 事業者識別番号(00xx)をダイヤルする特殊なサービス -(例:KDDIのDODサービス)
- インターネットサービスプロバイダの0570番号のアクセスポイントへのダイヤルアップ接続。ただし、アクセスポイントの電話番号が通常の市内・市外局番である場合は可能(この場合でのアナログ56kbps接続には未対応と思われるが未確認)。
- スカイパーフェクTV!などのペイ・パー・ビューサービスなど。
- 権利がないので相続・遺贈・譲渡を行うことはできない(同一の番号で再契約をする制度がある事業者もなくはないが再度契約料を取られたり生計を同一にする家族に限られる場合が多い、個人→法人もしくはその逆も不可能)。
- 付加機能で、使えないものや仕様が異なるものがある。→下記付加(オプション)サービス一覧を参照。
- 直収電話を提供している事業者以外のサービスが利用できなくなる。
- マイラインや中継電話のサービス。
- NTTからの屋内配線や電話機のレンタル。
- 特殊なFAX・モデムのサービス:Lモード(2010年3月でサービス終了)・DDX・Fネット・信号監視通信など
- ノーリンギング:電気・都市ガスの自動検針システム・警備システム(ホームセキュリティ)
- オフトーク通信
- 着信側として設定できるフリーダイヤル類のサービスは、その直収電話事業者またはその系列事業者のものに限定される事が多い。また0570(統一番号)サービスについても同様か、または設定ができない場合あり。
- 他の系列事業者の国際電話サービスを利用できないか、または一部の国際電話会社を利用できない場合がある。また、国際不取扱いについては再登録が必要になるか使えない場合がある。
- 直収電話回線で利用できるADSL回線サービスは、その直収電話事業者またはその系列事業者のものに限定される[5]。
- 平成電電「CHOKKA」(現在はサービス終了)は自社のサービス「でんわ石火」のみ。
- ソフトバンクテレコム「おとくライン」はYahoo! BB おとくラインタイプのみ。
- KDDI「メタルプラス」はADSL one(旧:メタルプラスネットDION ADSL)のみ:050のIP電話サービスも提供され(「050番号サービス」)、KDDIメタルプラスの直収電話や、au one netのIP電話などとの間の通話は無料となる。
- NTTのサービス仕様に合わせた電話機の機能が正しく使用できない事がある(スティミュラスプロトコルなど)。
- ISDNサービスを提供していない場合がある(J:COM)。また、提供してもNTTとは仕様が異なる場合がある(DSUの交換が必要、市販のターミナルアダプタなどのISDN機器の一部機能が使えない等)[6]。また、フレッツISDN相当のサービスは提供されない。[7]
- PHSからの発呼にかかるアクセスチャージがさらに加算される事業者がある(CATV回線・KDDIを除く。対象事業者はウィルコムとドコモPHS(サービス終了)で多少異なるが、電力系通信事業者[8]とベライゾンジャパンはいずれのPHS事業者も追加徴収する)。
- メンテナンスのため電話サービスが停止する事がある[9]。
- 回線故障時の対応について、NTT東日本・NTT西日本と同程度のサービスを受けられない可能性がある。回線構成が異なるため、災害時などの稼働率もNTTグループのそれとは異なる。
- 電話帳の配付については、無料のまま・有料になる・未対応の各種がある。電話帳への掲載は1つめは無料のことが多いが、発行都度の申し込みが必要な場合があるので要注意である。
番号ごとの接続可否一覧
- ○ - 接続可能
- ▲ - 一部制限付きで接続可能
- × - 接続不能
- 空欄 - 未判明
番号 | 用途 | CHOKKA | メタルプラス | おとくライン | J:COM PHONE | 備考 |
---|---|---|---|---|---|---|
110 | 警察 | ○ | ○ | ○ | ○ | |
118 | 海上保安庁 | ○ | ○ | ○ | ○ | |
119 | 消防・救急 | ▲(*) | ○ | ○ | ○ | (*)一部接続不能な地区あり。 |
100 | 100番通話 | × | × | × | × | |
104 | 電話番号案内 | ○ | ○ | ○ | ○ | 各社指定の番号案内会社へ接続される |
106 | オペレータ扱いのコレクトコール | × | × | × | × | |
108 | 自動コレクトコール | × | × | × | × | - |
113 | 故障受け付け窓口 | × | × | ▲ | × | 各社の故障窓口 |
114 | お話し中調べ | × | × | × | × | |
115 | 電報 | ○ | ○ | ○ | ○ | |
116 | NTT電話局窓口 | × | × | ▲ | × | 各社の営業窓口 |
117 | 時報 | ○ | ○ | ○ | ○ | |
121 | クレジット通話サービス | × | × | × | × | |
136 | ナンバーアナウンス(月額料金制) | ○ | × | × | ○ | |
ナンバーお知らせ136(使用都度課金) | × | × | ○(*) | × | (*)着信番号案内サービス | |
141 | でんわばん、二重番号サービス | × | × | ○(*) | × | (*)ダブル番号サービス |
142 | ボイスワープ 転送電話 サービスの設定、解除 |
▲(*) | (**) | ○ | × | (*)開始、停止、拒否のみ (**)番号143で開始、停止、拒否のみ |
144 | 迷惑電話おことわりサービス | ○(*) | ○ | ▲(*) | ○(*) | (*)登録と一括削除のみ。 |
145 | キャッチホン2 サービスの設定(開始/停止) |
▲(*) | × | × | ▲(*) | (*)発信前または通話中に1450をダイヤルすることで、その通話中のみ話中着信機能を停止可能 |
146 | キャッチホン2・話中電話応答サービス | × | × | × | × | |
147 | ボイスワープセレクト、なりわけサービス サービスの設定(開始/停止) |
× | × | × | × | |
148 | ナンバーリクエスト(番号通知お願い機能) | ○ | ○ | ○ | (*) | (*)設定番号は未判明 |
159 | 空いたらお知らせ159 電話をかけた相手が話中状態でなくなったとき知らせてくれる |
× | × | × | × | |
171 | 災害用伝言ダイヤル | ○ | ○ | ○ | ○ | - |
177 | 天気予報 市外局番+177で各地の予報を聞くことが出来る |
○ | ○ | ○ | ○ | |
184 | 発信者番号非通知 | ○ | ○ | ○ | ○ | - |
186 | 発信者番号通知 | ○ | ○ | ○ | ○ | - |
020 | 発信者付加課金(*) YOZANのまるとくプラン無線呼び出し・D-FAX |
× | × | ○ | × | (*)沖縄テレメッセージはすべて不可 |
050 | IP電話(*) | ▲ | ▲ | ▲ | ▲ | (*)一部接続不能な社あり |
0120 0800 | 着信課金 | ○ | ○ | ○ | ▲(*) | (*)NTT東西のフリーアクセスは一部CATVのみ[1] |
0120/0800以外の着信課金 | ▲(*) | ▲(**) | ▲(***) | × | (*)0037・0070・0077・0088へ接続可 (**)自社および0044・0066・0088へ接続可 (***)自社および0037・0053(0053-1を除く)・0070・0077へ接続可 | |
0170 | 伝言ダイヤル | × | × | × | × | - |
0180 | テレドーム | × | ○ | ○ | ○ | - |
0180 | テレゴング | × | × | × | × | - |
0570 | ナビダイヤル(*) | × | ○ | ○ | ▲(**) | (*)NTT東西のナビアクセスはすべて不可 (**)一部接続不能な番号あり |
0990 | ダイヤルQ2 | × | × | × | × | - |
#(シャープ)ダイヤル 例:#9110=警察への問い合わせ窓口、他 |
- | - | × | ▲ | - | |
他社直収電話 | ▲(*) | ▲(*) | ○ | ○ | (*)CHOKKA→メタルプラスは不可、他の組み合わせは未確認 |
付加(オプション)サービス一覧
- サービス名 - あり 「()」は制限事項
- × - なし
- - - ISDNサービス未提供
- ? - 未判明
NTTの固定電話 | CHOKKA | メタルプラス | おとくライン | J:COM PHONE |
---|---|---|---|---|
テレホーダイ | かけ放題 (CHOKKA契約先に限る) |
メタルプラスネット (au one netダイヤルアップに限る) |
× | × |
キャッチホン | 話中着信 | 割込通話 | キャッチ電話サービス | キャッチコール |
キャッチホンディスプレイ | × | 割込番号表示 | × | キャッチコールディスプレイ |
トリオホン | 三者通話 | × | 三者通話サービス | トリオコール |
ナンバーディスプレイ | ナンバーディスプレー | 発信番号表示 | 番号表示サービス | 番号ディスプレイ |
ナンバーお知らせ136 | バンゴーアナウンス | × | 着信番号案内サービス | 番号ゲットミー |
ナンバーリクエスト | バンゴーリクエスト (アナログ回線のみ) |
番号通知リクエスト | 番号通知リクエストサービス | 番号お知らせリクエスト |
迷惑電話おことわりサービス | めいわく電話拒否 | 迷惑電話撃退 | 着信お断りサービス | 迷惑番号ブロック |
ボイスワープ | 自動着信転送 | 着信転送 | 多機能転送サービス | リレーフォン |
iナンバー | aナンバー | BRI追加番号サービス | ISDN番号追加サービス | - |
二重番号サービス | × | × | ダブル番号サービス | ツーナンバーライン |
ダイヤルイン | バンゴープラス | ダイヤルイン | ダイヤルインサービス | ? |
ダイヤルイン任意番号通知機能 | ? | × | ダイヤルイン番号通知サービス | ? |
代表取扱サービス | 代表機能 | 代表 | 代表取扱サービス | 代表機能 |
代表番号通知機能 | 代表親番号通知機能 | 基本番号通知 | 代表番号通知サービス | ? |
仕組み
加入者通信線路については、NTT東日本・西のドライカッパ・ダークファイバを使用する場合は電話交換機等の収容場所としてNTT東・西の電話局を使用する。またそれ以外の光ファイバや同軸ケーブルを使用する場合は、NTT局舎ではなく自社の局舎に直接収容することがほとんどである。
交換・局間網はそれぞれ自前の設備を用い、各レベルでNTT東・西とは異なる独自技術や仕様の設備を用いている場合が多い(CATV回線、VoIP交換機、RT等)。各事業者毎の一般的な回線構成は以下の通りである(代表例として主にドライカッパ使用時のものを掲載する)。
- 平成電電「CHOKKA」、ソフトバンクテレコム「おとくライン」
- 光RTを用いる。
- 一般電話機--一般加入者線(ドライカッパ)--RT(収容局に設置)--光幹線網--中央電話交換機--公衆網
- KDDI「メタルプラス」
- IP電話交換機を用いる。
- 一般電話機--一般加入者線(ドライカッパ)--VoIP交換機(収容局に設置)--VoIP幹線網--ゲートウェイ交換機--公衆網
- J:COM「J:COM PHONE」
- 双方向ケーブルテレビにおいてサービスされるCATV電話。IP電話も、2005年4月20日にJ:COM札幌でサービス開始。
- 一般電話機--加入者変換器--同軸ケーブル・光幹線網--CATV局(ヘッドエンド)--CATV局交換機--公衆網
歴史
かつての国鉄が自社および関連会社との間の電話網として整備していた「鉄道電話」や東京電力などの電力会社が給電指令所と発電所・変電所等の間の連絡に使用していた「電力電話」等の、いわゆる指令電話を前身とする。
当時はあくまで独自インフラによる大規模な内線電話網に過ぎなかったが1985年の電電公社民営化やそれに伴う通信自由化によりNTTグループ以外の事業者が一般向けの電話サービスに参入できるようになったことから、当時鉄道電話の運営を引き継いでいた日本テレコムや電力電話のインフラを共有していた東京通信ネットワークなどが1987年頃よりいわゆる「0AB~J番号」の割り当てを受けて直収電話サービスを提供するようになった。ただし当時はNTTの交換機が「NTT以外の事業者が提供する0AB~J番号の電話への着信」に対応していなかった等の事情から「NTT網への発信はできるが、NTT網からの着信は受けられない」といった制限があり、事実上鉄道・電力会社の内線電話網としての利用が続いていた。
1997年にようやくNTT側の交換機が「NTT以外の事業者が提供する0AB~J番号の電話への着信」に対応したことから「中継電話よりもさらに割安な電話サービス」として一般企業(主に大企業)への販売が本格化したほか、CATV業界でも同年にジュピターテレコムやタイタス・コミュニケーションズなどが相次いで電話サービスを開始するなど家庭向けのサービスもスタートした。
1999年のドライカッパ・ダークファイバの開放、2001年3月のNTT東日本・西の固定電話からの片方向の番号ポータビリティ制度の開始、固定電話の通話の減少による2003年からの接続料金の値上げなどのため各社が中継電話の代替として中小企業・一般家庭向け固定電話市場へ本格的に参入した。2003年に平成電電が「CHOKKA」(チョッカ)、2004~2005年に掛けて日本テレコム(現・ソフトバンクテレコム)が「おとくライン」、次いでKDDIが「メタルプラス」の商標でサービス開始した。
これら他社電話の本格参入に対してNTT東・西も基本料金や通話料等の値下げ、施設設置負担金(電話加入権)の引き下げ・段階的廃止などを実施した。これまでにない競争激化が予想され、厳しい経営判断が要求されている。
2004年11月29日、平成電電が日本テレコム及び日本テレコムの親会社であるソフトバンクに対し自社の買収を提案(このときは実現しなかったが、のち同社の破産により日本テレコムに営業譲渡された)。この際に機密保持契約の元で提供された「CHOKKA」の技術情報を不正に使用した不正競争防止法違反で「おとくライン」のサービス差し止めを求めて提訴していたが、2006年3月に平成電電敗訴の判決が出ている。なお、ソフトバンク及び日本テレコムは「おとくライン」は独自に開発した技術であるとしている。
2005年5月18日から5月31日の間、「メタルプラス」は静岡県浜松市の818回線において119番通報ができない状態にあり総務省から行政指導を受けた。
2005年10月3日には、平成電電が東京地裁に民事再生法の適用を申請。そして2006年6月7日に平成電電の破産手続きが開始され、既存サービスは日本テレコムに譲渡された。同年8月9日、CHOKKAサービスを将来的に廃止する方針を発表。同年10月31日をもってCHOKKAサービスを終了している。CHOKKA契約者は「おとくライン」へ移行したが、音声通話定額制サービスである「かけ放題」オプションは廃止された。
営業手法上の問題
テンプレート:出典の明記 個人向けにサービスが行われている「おとくライン」「メタルプラス」等については「基本料金・通話料金が(年間XXX円以上)安くなる」事を謳い文句(セールスポイント)に、キャリアがインバウンド(消費者からの着信受付)型で公式Webやコールセンター等で直接申込を受け付ける他にキャリアと契約した募集代理店(業態は家電量販店・携帯電話販売店・電話勧誘販売業者やコールセンター・請負業者など様々)を通じ店舗受付・電話勧誘・ダイレクトメールを主な方式に拡販されている。このような代理店を利用した手法はマイライン導入時の電話会社(主にKDDI・日本テレコム・NTTコミュニケーションズ)間や、携帯電話・PHS会社、インターネットサービスプロバイダ・東西NTTのフレッツ光とひかり電話・一部のケーブルテレビ事業者でも見受けられている。成約すると代理店へインセンティブ報酬が支払われる仕組みであり、コンプライアンスが欠如した営業活動も行われている。
勧誘に当たって以下の点について問題とされている(内容は主な実例)。
- 消費者が一度断っても複数回の勧誘を行う
- 業者によっては、従業員が戸別訪問を行う
- 資料請求を行うと契約書が同封され、幾度と「いつ申し込むのか」問い合わせ(フォローコール)が来る
- セールスを拒否したにも関わらず、勝手に契約されている。業者の従業員が申込書へ記入・三文判で捺印したもので契約したものであるから私文書偽造罪の虞が高い。また、クーリングオフ期間の経過後に「開通通知書」の郵送などで発覚するケースが殆どであり最も悪質である
- 消費者の不利益になる事で十分な説明をしない
- 「NTT(固定回線)よりも安くなる」事ばかりを強調する
- 一部の特定番号・ADSLに繋がらなくなる等(前述切り替えた場合の主なメリットとデメリット)
- 電話加入権の処遇に関する告知
- 解約時に費用発生の有無の告知
- 事実を歪曲・誤認させる内容で勧誘する
- 「お住まいの地域では、今度よりお使いのNTT電話は使えなくなります」
- 「お住まいの地域において、基本料金がお安くなる準備が整いましたので、切替のお手続きをお願いします」等
- 「X月からNTTの料金が値上げします」
- 自らの立場を明らかにしない
- 代理店が電話をかけたにも関わらず「XXX(電話会社名)受付センター」などと名乗り、代理業者である事を伏せたり印刷物に小さく表示する等
特に「おとくライン」については2004年のサービス開始以降、一部の募集代理店の営業手法の問題(商品説明をしない、勝手に「おとくライン」に契約されているなど)による多くの苦情が総務省等へ寄せられており日本テレコムが2005年2月、5月の2度に渡って総務省からの指導を受けた。
新聞などで取り上げられた内容では、その代理店の殆どは【電話帳や名簿屋の情報を基にアウトバウンド(業者からの発信)でセールスを行う、消費者とは元々面識のないテレマーケティング型業者】で占められていた。消費者主体を無視した過剰な営業手法には、代理業者に支払うインセンティブの存在が大きいとされている。ソフトバンクは2002年前後に「Yahoo!BB」や「BBフォン」の営業において同種の代理業者を介した街頭セールス活動や電話勧誘で急速に加入者を伸ばした一方、短期間での解約時に費用が発生する事などを充分に説明しない等の問題を起こしている。
KDDIの「メタルプラス」においても同様に代理業者による営業活動が行われ「勝手に契約されている」といったトラブルが発生しているが、行政指導には至っていない。
一方NTT東日本/NTT西日本では転居に伴う固定電話の移転手続きのために116番(受付センター)へ申し出た顧客に対してひかり電話(フレッツ光)への申込みを勧誘する営業活動をしていたとして、2009年に総務省より競争セーフガード制度に基づく行政指導が出されている。