百田尚樹

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テンプレート:告知 テンプレート:Infobox 作家 百田 尚樹(ひゃくた なおき、1956年(昭和31年)2月23日 - )は、日本放送作家小説家大阪市東淀川区出身。

経歴

テンプレート:宣伝 同志社大学法学部在学中に『ラブアタック!』(ABC)に出演し、みじめアタッカーの常連だった。妻はその時に出演していたかぐや姫役の女性[1]。大学生活5年目で中退、その後放送作家となり、『探偵!ナイトスクープ』のチーフライターを25年以上に渡り務めているほか、『大発見!恐怖の法則』などの番組の構成を手がけた。

2006年(平成18年)に『永遠の0』(太田出版)を発表し、小説家としてデビュー。2009年(平成21年)、『BOX!』が第30回吉川英治文学新人賞候補、第6回本屋大賞の5位に選出され、映画化もされた[2]

2012年(平成24年)10月15日オリコン”本”ランキング文庫部門で『永遠の0』が100万部を突破。文庫部門では13作目[3]。また、東宝による映画化が決定した。(現在まで単行本と文庫本の累計発行部数は480万部を突破している。)『モンスター』の文庫版も120万部を突破した。

2013年(平成25年)、『海賊とよばれた男』で本屋大賞を受賞[4]。「直木賞なんかよりもはるかに素晴らしい、文学賞の中で最高の賞だ」と喜び[2]、その発言でも注目を集めた[5]。同年9月から『週刊新潮』にて『フォルトゥナの瞳』を連載開始した。これは小説家デビュー以来、初の週刊誌連載となる。

同年10月9日第26回日本メガネベストドレッサー賞文化界部門を受賞[6]

2013年(平成25年)11月11日、NHK経営委員に就任[7]

主張

  • 日本軍創設を主張。渡部昇一との対談で「安倍政権では、もっとも大きな政策課題として憲法改正に取り組み、軍隊創設への道筋をつくっていかねばなりません」と述べた[8]。憲法改正に関してはその後も「民間憲法臨調」の主催する憲法フォーラム[9]や、次世代の党みんなの党の国会議員らによる超党派議連自主憲法研究会」の設立総会で講演[10]し、占領下で制定された憲法が70年間全く改正されていないことが異常であるなどと訴えた。
  • 2012年11月11日の「たかじんのそこまで言って委員会[注 1]に出演した際、「民主党は息を吐くように嘘をつく」と非難した[11]
  • 民主党の有田芳生は2014年2月の参院予算委員会で、百田が東京都知事選に立候補した田母神俊雄の応援演説を行った際、「南京大虐殺はなかったと持論を展開」、「他の主要候補を人間のくずみたいなもの」と批判したと指摘した[12]、百田は、2014年2月12日に行われたNHK経営委員会の非公開の会合の中で「個人的信条に基づく行動は問題ないと考えているが、そうではない趣旨の報道をされた。人のことを『くず』と呼んだのはほめられた言動ではなかった」と釈明した[13]。一方で、「(NHK経営委員の立場は)個人的な主義主張を縛るものではない。私の本職は作家であり著述家。政治や国際問題についても発言してきた。経営委員だからそうした発言を一切するなというのは言論封殺、職業否定につながる」とも述べた[14]
  • 雑誌『WiLL』2012年10月号において、安倍晋三と対談し、2012年自由民主党総裁選挙に際し、もう一度内閣総理大臣を目指すよう背中を押した[15]
  • 2014年5月24日、自由民主党岐阜県支部連合会(県の選挙区の連合会)の定期大会に出席し講演した際、「軍隊は家に例えると、防犯用の鍵であり、(軍隊を持つことは)しっかり鍵を付けようということ」と語った上で、「家に例えると、くそ貧乏長屋で、泥棒も入らない」と軍隊を保有していないバヌアツナウル両国を揶揄、「しっかりした自衛権交戦権を持つことが戦争抑止力につながる」と発言[16][17]。時事通信は“NHK経営委員が、特定政党の応援を行った”ことが、問題視される可能性があると報じた[注 2]。当の百田はこれについて「講演全体の趣旨とテーマ」を書き、それを問題視すべきだと反論[18]
  • 2014年6月18日、静岡青年会議所が主催した講演にて日教組を非難。「日教組は何十年間も、純粋無垢な子どもたちに贖罪意識を教え込んでいる。まず『日本は素晴らしい』ということを教えなければいけない」「日本人でいることが恥ずかしいと教え込まれた子どもたちは立派な大人になれない」と主張した[19]

歴史認識

南京事件

  • 南京事件について、「日本兵による犯罪は少数あったものの、日本軍による“大虐殺”はなかった」とする久保有政の説を支持している[20]
  • 2014年2月、東京都知事選田母神俊雄の街頭演説に参加した際、「1938年に蒋介石がやたらと宣伝したが、世界の国は無視した。なぜか。そんなことはなかったからだ」とも述べている。東京大空襲原爆投下について「大虐殺だった」とし、「東京裁判はそれをごまかすための裁判だった」と主張した[21]。この第1報の元記事を配信したのは共同通信社。共同通信社は、この発言について「放送法上は問題ない」としつつも、公共放送の政治的中立に疑問を抱かせかねない事態で、議論を呼びそうだ。と報じた[22]。百田は、「NHKの経営委員がこんなことを言っていいのかと非難を受けたが(短文投稿サイトの)ツイッターで『ええんや、ほっとけ』と言った。私は何も怖くない」と反駁した[22]

報道

  • 共同通信社は、駐日アメリカ大使館に回答を求めた。報道担当官は「非常識」と批判[23]し、「米政府は、責任ある地位にある人物が(アジア)地域の緊張をあおるような発言を控えるよう努めることを望む。」と述べた[24]
  • 朝日新聞米国務省に確認を求め、米国務省も「不合理」と反論した[25]
  • 産経新聞はこれらの批判を「個人の思想を公開することは問題ないことで言論封殺ではないか」と逆に非難している[26]

日本国外の反応

  • 中華人民共和国外交部は「南京事件は事実であり、日本の一部の者がその存在を抹殺し捻じ曲げようとする行為は国際正義と人類の良識に対する公然たる挑戦」と批判[27]
  • 2014年2月14日、共同通信は、「NHKがキャロライン・ケネディ駐日米大使のインタビュー取材を米国大使館に申し込み、調整を進めていたところ、経営委員を務める“”百田の東京裁判や南京事件をめぐる発言を理由に大使館側から難色を示され、発言の影響が報道の現場に及んでいる」と報じた[28]。しかし、櫻井よしこは、「信頼すべき関係者」からの情報として、“ケネディがNHKを断ったのか”との問いに対し、「そのようなことはない。自分は読売新聞と朝日新聞の取材にすでに応じている。次はテレビであり、それは『クローズアップ現代』だと考えている。断ったということはない」と語ったとし、共同通信の記事は事実ではないと述べている[29]。その後、ケネディは2014年3月6日放送のクローズアップ現代に出演した[30]

批判

  • 宮崎駿は、百田の原作の映画『永遠の0』について、「今、零戦の映画企画があるらしいですけど、それは嘘八百を書いた架空戦記を基にして、零戦の物語をつくろうとしてるんです。神話の捏造をまだ続けようとしている。『零戦で誇りを持とう』とかね。それが僕は頭にきてたんです。子供の頃からずーっと!」「相変わらずバカがいっぱい出てきて、零戦がどうのこうのって幻影を撒き散らしたりね。戦艦大和もそうです。負けた戦争なのに」と述べ、批判している[8]。これを受け、百田は
    「『永遠の0』はつくづく可哀想な作品と思う。文学好きからはラノベとバカにされ、軍事オタクからはパクリと言われ、右翼からは軍の上層部批判を怒られ、左翼からは戦争賛美と非難され、宮崎駿監督からは捏造となじられ、自虐思想の人たちからは、作者がネトウヨ認定される。まさに全方向から集中砲火。」
    とTwitterで述べた[31]。また、百田は宮崎駿の「風立ちぬ」に対して週刊文春で「ものすごくきれいな映画」「零戦ファンの私は泣きました」と絶賛していた[32]
  • 醍醐聰は、“NHK経営委員会事務局は「放送法では非常勤の経営委員には兼務が認められており、また、個人の思想信条にもとづく言動が妨げられているわけではなく、今回の応援演説も経営委員としてではなく、百田氏個人としての行動と受けとめています」という文書を発している”と主張した[33]
  • 2014年6月21日には、NHKの政治的中立性が疑われる発言をしたとされる籾井勝人(NHK会長)、百田(同経営委員)、長谷川三千子(同経営委員)の罷免を求める集会が大阪で開催された[34]

人物

  • 趣味はマジック囲碁(囲碁六段)[2]
  • 小説家デビュー後は、コメンテーターとして情報番組へも出演。
  • 「永遠の0」の執筆に集中するため、本業の構成作家としての仕事を断るようになり、結果、収入が激減し、夫人に詰め寄られたが、執筆途中の原稿を読ませたところ、「何としてでも書きあげて、世に発表しなさい」と逆にハッパをかけられたという[35]
  • 自宅の仕事部屋や書庫は足の踏み場がないほどに資料等が置かれており[36]、家族ですら何年も足を踏み入れたことが無かった。『情熱大陸』の放送を見た百田の娘が「父の部屋はこうなっていたのか」と驚いている[37]
  • 本屋大賞の受賞後すぐに村上春樹の新作が出版されたため、売り上げが伸び悩むかもしれないと嘆き、「村上さんは怪物級。そんな売れる本をここにぶつけないでもいいやないかと。村上さんも文春も意地が悪い」などと不満を吐露した[38]

番組構成

  • 『探偵!ナイトスクープ』
  • 合コン!合宿!解放区!』 - 番組構成の傍ら、ソクラテス・プラトン百田大先生の名で出演していた。
  • 『大発見!恐怖の法則』ほか

著作

  • 著書名は50音順ソート。
  • デフォルトでは刊行順に配列、発行年月の列のソートボタンで元の順序に戻る。
著書名 発行年月 出版元 備考
テンプレート:Display none永遠の0 2006年8月
2009年7月
太田出版
講談社文庫
テンプレート:Display none聖夜の贈り物
輝く夜(改題)
2007年11月
2010年11月
太田出版
講談社文庫
テンプレート:Display noneBOX! 2008年7月
2010年3月
2013年4月
太田出版
太田出版文庫
講談社文庫
テンプレート:Display none 文庫版はいずれも上下巻
テンプレート:Display none風の中のマリア 2009年3月
2011年7月
講談社
講談社文庫
テンプレート:Display noneモンスター 2010年テンプレート:Display none3月
2012年4月
幻冬舎
幻冬舎文庫
テンプレート:Display noneリング
「黄金のバンタム」を破った男(改題)
2010年テンプレート:Display none5月
2012年11月
PHP研究所
PHP文芸文庫
テンプレート:Display none影法師 2010年テンプレート:Display none5月
2012年6月
講談社
講談社文庫
テンプレート:Display none錨を上げよ 2010年11月 講談社 上下巻
テンプレート:Display none幸福な生活 2011年テンプレート:Display none6月
2013年12月
祥伝社
祥伝社文庫
テンプレート:Display noneプリズム 2011年10月 幻冬舎
テンプレート:Display none海賊とよばれた男 2012年7月 講談社 上下巻
テンプレート:Display none夢を売る男 2013年テンプレート:Display none2月 太田出版
テンプレート:Display none至高の音楽 クラシック永遠の名曲 2013年12月 PHP研究所

共著

著書名 共著者 発行年月 出版元 備考
テンプレート:Display noneテンプレート:Nowrap 美しさに潜む「失敗の本質」 渡部昇一 2013年12月 PHP研究
テンプレート:Display none日本よ、世界の真ん中で咲き誇れ 安倍晋三 2013年12月 ワック・マガジンズ

解説

映像化作品

映画
テレビドラマ

テレビ出演

ラジオ出演

インタビュー

脚注

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注釈

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参考文献

関連項目

外部リンク

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