日産・ティアナ

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ティアナTEANA[1] )は、日産自動車が製造・発売する大型セダン。日本向けモデルの生産に関しては日産自動車九州(所在地・福岡県京都郡苅田町)が担当する。

概要

2003年2月3日に登場。日産の(特にアジア・オセアニア圏における)世界戦略車としての使命を与えられているため、セフィーロ同様世界各国で販売されている。日本のほか中国、ロシア、台湾、インドなどでは「ティアナ」、香港シンガポールなどでは「セフィーロ」(初代のみ。2代目ではティアナに変更)、またオーストラリアやニュージーランドなどでは「マキシマ」と仕向け地により異なるネーミングで販売されている。また、韓国ルノーサムスンでは初代が「SM7」「SM5」として同社釜山工場でライセンス生産された。
当初、国内仕様を含めその多くは基本的に日産九州工場で行われていたが、その後徐々に海外生産分が増え、2011年現在において台湾裕隆日産汽車)と中華人民共和国東風汽車有限公司)、ロシア日産ロシア製造会社)、タイタイ日産)、イランパルス・ホドロ)のティアナは現地生産となっている。

初代は割安な価格や後述の特徴などもあって、日本のみならず世界各地で販売された(ただし欧州では販売されておらず、米国では同じプラットフォームを使用したアルティママキシマが販売されている)。

歴史

初代 J31型(2003年-2008年)

テンプレート:Infobox 自動車のスペック表

コンセプト

2003年2月にセフィーロローレルのマーケットを継承する[2]モデルとして登場[3]。キャッチコピーは「クルマにモダンリビングの考え方。」、SHIFT_ワードは「SHIFT_interior[4]。そのキャッチコピーのとおり、モダニズムの思想によるデザインを取り入れたインテリアが特徴で、オットマンシートが装備された。日本国内の年間目標販売台数は2万5,000台。価格もこのクラスとしては比較的廉価であった。日本国内のみならず、アジア・オセアニア地域を中心に世界40カ国以上で販売され年間目標は10万台。最終的に世界でトータルで40万台近くを売り上げ、そのうちの16万台がメインマーケットの中国市場で販売された。

アッパーミドルクラスに属するティアナの設定に際し、在来モデルを俯瞰すると、「セフィーロは広くて実用的だったが高級のイメージがなかった。」「ローレルは高級イメージはあったが室内が狭かった。」以上のことから、「両モデルに替わる高級セダンの位置づけで開発した。」と、日産の商品企画は語っている[5]

メカニズム

前身であるセフィーロ同様に日産の前輪駆動FFセダンとしては最上位の位置付けではあるが、ヘッドライトやテールライト、フロントグリルを大作りとしながらも、安易な威圧志向を抑えたシンプルなモダンデザインに徹しており、実際のサイズ以上に大きく見え、かつ洗練された印象のスタイルとなった。

安全性についても抜かりはなく、全車にEBDつきABS、前席SRSエアバッグ、サイドエアバッグ、前席アクティブヘッドレスト等を標準装備としたほか、オプションでカーテンシールドエアバッグ、VDC(3.5Lは標準装備)、キセノンヘッドランプを用意。また、日産のセダンでは初めて「インテリジェントキー」を設定した。

V6 2.3Lの「VQ23DE」エンジン搭載車は、セフィーロで登場以来評価の高いV型6気筒・VQエンジンを採用しながらも、直列4気筒エンジン搭載が一般的な、市場でのライバル車と同等の価格設定とされたことが強みであった。なおかつ、この2.3Lエンジンについては量販モデルとしての位置付けからレギュラーガソリン仕様となっていたことも特徴である。一方、上級志向のオーナー向けに強大なトルクとパワーが特徴で、Z33フェアレディZにも搭載された3.5L「VQ35DE」エンジンをセダン用にチューニング設定したモデル(型式:PJ31)が用意された。なお、ティアナ用「VQ35DE」エンジンは最大トルクこそ34.0kgmと、フェアレディのそれより3.0kgm小さいが、発生回転数は2,000rpm低い2,800rpmである。このほか積雪地等の需要に配慮した4輪駆動モデル(型式:TNJ31)も用意されたが、4輪駆動モデルはスペースとパワートレーンの制約、そして価格の面でV6ではなく2.5L・4気筒の「QR25DE」を採用することになった。また、日本国外市場では2L・4気筒の廉価モデルも設定された。トランスミッションは6速マニュアルモード付きCVT「エクストロニックCVT-M6」(3.5Lエンジン)または電子制御4速オートマチック「E-ATx」(2.3/2.5Lエンジン)を採用。MTの設定はなかった(但し、韓国でのみ販売されたライセンス生産のルノーサムスン・SM5タクシーには5MTの設定があった)。

その他

この車のコンセプトとなった「モダンリビングコンセプト」は後に発売されるティーダや2代目ブルーバードシルフィに継承された。特にブルーバードシルフィは、文字どおり「コンパクト・ティアナ」とでも称すべきデザインモチーフが全体に用いられている。

警察の機動捜査用覆面パトカーや一部県警の高速パトカー、警護車としても導入されている。また前述のように廉価でありながら広く高級感のある室内や、レギュラーガソリンで走行できるV6エンジンなどが人気となり、FF車で、しかもビジネスユース向けの車両ではないにもかかわらず、個人タクシーハイヤーにも数多く採用されている。[6]

年表

  • 2003年2月3日 - 発売。「モダンリビング」というコンセプトを掲げて登場。助手席にはセダンとしては珍しくパワーオットマンをグレードに応じて採用した。インテリアはボディカラー計6色にあわせて発注時に「カシミア(ベージュ系)」「アガート(青系)」「フランネル(黒系)」から選択できた。
  • 2004年6月 - 北京モーターショーにて中華人民共和国向け仕様(漢字表記は天籟 (Tian Lai) 、籟は竹冠に頼)を披露し、予約注文開始。搭載するエンジンはV型6気筒 3.5L。生産拠点は日産自動車と東風汽車との合弁会社である東風汽車有限公司湖北省 襄樊(ジョハン)乗用車工場。なお、フロントグリルは2005年12月のマイナーチェンジ時と同じものを装着し、エア・マッサージシートなども設定された。
    • 6月16日 - 一部改良。「350JK」ならびに「230JK Fコレクション」が廃止され、3,500ccの廉価グレードの350JKが廃止された代わりに、350JMではそれまでメーカーオプション扱いであったカーナビゲーションシステム、インテリジェントキー等に加え、新たに設定されたリヤ電動サンシェードなどが標準装備となって前期型より5万円値上げされているものの、他のグレードでオプション装着すると合計で30万円以上の追加内容であり実質上の値下げとも言える内容である(ただし、オーディオについてはサブウーファー内蔵・7スピーカーの「ティアナホログラフィックサウンドシステム」から6スピーカーの「ティアナスーパーサウンドシステム」にグレードダウン)。JM系には新たに木目調/本皮革コンビネーションステアリングが標準装備となり、アルミホイールがハイラスター塗装となった。またJM、JK P-コレクションIIグレードにプラズマクラスターイオンエアコンが標準装備された。本革シートはAXISに標準、JM系にオプション設定される。外装色はボルドーレッドが廃止され、入れ替わりにトワイライトグレーが投入された。
    • 7月 - タイでの販売を開始。同国向け車両およびシンガポール、台湾向けモデルには2L QR20DE型エンジンを搭載するモデルも存在する。
    • 12月 - 韓国でティアナをベースとした新型車「ルノーサムスン・SM7」を発表。
  • 2005年1月19日 - 「230JK P-コレクション」、「250JK FOUR P-コレクション」を追加。それぞれ「230JK」と「250JK FOUR」をベースに、パールスエードクロスインテリアや、運転席パワーシート、後席脱着式ヘッドレスト、大型リヤセンターアームレストなどが装備された。
    • 2月 - セフィーロの名前でパキスタンへ輸出開始。また、同月には韓国でティアナをベースとした2代目「ルノーサムスン・SM5」が発表された。
    • 12月27日 - マイナーチェンジ。フロントグリルなどフロントを中心にエクステリアの変更。インテリアは「カシミア」「アガート」「フランネル」の選択制から車体色不問の「ワイマラナー(茶系、同名のの毛色からヒントを得ている)」「サンドベージュ」「ブラック」の選択制に変更された。前後バンパーが若干大型化され全長が4,800mm(350JMとAXISのリヤバンパーは輸出用を採用するため全長が4,850mm)となった。また、ファインビジョンメーターがアンバーから白基調になり、JM系はインテリア側のドアグリップが大型化され、間接照明が追加された。プラズマクラスターイオンエアコンはJK系でオプション設定となる(JM系とM-Collectionは従来どおり標準装備)。インテリジェントキーのリモコンはカード型からキーホルダー型に変更され、アルミホイールのデザインも16、17インチともに変更された。ヘッドランプにはプロジェクター式を採用し、キセノンヘッドランプ装着車にはセットでアクティブAFSが備わるようになった。リヤコンビネーションレンズについてもブレーキランプ部分にLEDを採用した新意匠のものが与えられた。標準装備ないしメーカーオプションのDVDナビゲーションシステムはBluetooth機能が備わり、ボタンのレイアウトも若干変更されている。そして、前期の後半よりJM系に設定されていた本革シートの設定が廃止された(オーテックジャパン扱いのAXISの本革シートは継続)。
  • 2006年4月27日 - 「230JM モダンコレクション」を発売。「230JM」をベースに、リヤ電動サンシェードとクロームカラーコート17インチアルミホイールが装備された。但し内装色は「ワイマラナー」のみ。
    • 12月 - オートカラーアウォード2007で「ミスティグリーン(TPM) / ワイマラナー」がグランプリ賞を受賞。
    • 12月19日 - 「230JK P-コレクションII」、「250JK FOUR P-コレクションII」を発売。それぞれ「230JK」、「250JK FOUR」をベースに、運転席パワーシートなどが装備された。
  • 2007年4月19日 - インドでの販売を開始。
    • 7月3日 - 「230JK M-Collection クールモダン」、「350JM クールモダン」を発売。フィニッシャーなどが標準車の木目調からメタル調に変更され、クロームカラーコート17インチアルミホイールや濃色グレーの専用フロントグリル、カラードアンダープロテクターなどが装備された。
    • 11月20日 - 特別仕様車「230JK ナビコレクション」、「250JK FOUR ナビコレクション」発売。DVD方式のカーウイングスナビゲーションシステムやインテリジェントキーなどが装備された。

2代目 J32型(2008年-2014年)

テンプレート:Infobox 自動車のスペック表 プラットフォームをアルティママキシマなどと共通のDプラットフォームに変更し、足回りについては、リバウンドスプリング内蔵ショックアブソーバーを取り付けた新開発のフロントストラットサスペンションとリアマルチリンクサスペンションにより、先代よりも衝撃吸収性や静粛性を高め、優れた乗り味を実現した。また、Dプラットフォームの採用によりエンジン搭載位置を30mm下げることで、トルクステアを完全に解消した[7]

特に旧モデルと比較した場合、フロント横曲げ剛性が85%、捩り剛性が40%向上し、セダンとしては世界的に見てもトップレベルの剛性を実現した[8]。さらに、静粛性についてはボディの気密性を向上することにより、先代モデルから室内騒音の2dB以上の低減を実現した[7]。さらに、ドアミラー周辺の風切り音の小ささについてはクラストップとした[8]

トランスミッションは全車新開発のアダプティブコントロールつきのエクストロニックCVT[9]に進化し、先代ではVQ23DE型エンジンが搭載されていたが、新型では排気量アップされたVQ25DE型(185ps/23.7kg·m)が搭載されている。エンジン形式はA32型セフィーロに搭載されていたものと同じであるが、基本設計以外は新設計となっている[7]。新型のVQ25DEエンジンは、先代のVQ23DEエンジンと同様に使用燃料をレギュラーガソリンとすることで経済性にも配慮されている。4速ATが採用されていた先代J31型2,300ccと比較して、新型となったJ32型2,500ccではエクストロニックCVTを採用しており、動力性能の向上と実用燃費の向上が図られている。

初代ではDVD方式が採用されていたナビゲーションシステムは、新型ではHDD方式が採用されており、加えてメーカーオプションでBOSEサラウンドサウンドシステムも設定された。また、先代ではメーカーオプションも含めサンルーフが用意されなかったが、今回は大型のスタイリッシュガラスサンルーフが用意された。機構としては前・後席それぞれの天井部分に(中央に向かって)電動で開閉できるシェードつきの空間があり、その上部に前後2分割された大型ガラスルーフが搭載されているというものである。ガラスルーフのフロント部分は電動アウタースライド式のため、室内のヘッドクリアランスを損なわずにすむという利点がある。

グレード表記に関してはフルモデルチェンジを機に「JK」、「JM」から「XE」、「XL」、「XV」へと変わっている。先代で好評だったオーテックジャパン特装車の「AXIS」はこのモデルでも用意される。 

プレジデントフーガエクストレイルに採用されているスクラッチシールドが全ボディカラーに採用され、インテリア色もボディーカラーにかかわらずブラックとシルキーエクリュ(ベージュ系)から選択可能である。

香港仕様ではセフィーロとして販売されていたが、このモデルからは同じティアナとなった。

尚、2代目のルノーサムスンSM7(L47型)は当モデルをベースに開発されている。

日本国内仕様は2012年末で3.5Lモデルが消滅、その後は2.5Lモデルのみが販売されていた。

エクステリア

エクステリアは先代であるJ31型の良さを残しつつも、平面的であった先代型から2007年の第40回東京モーターショーに出品されたインティマをモチーフに曲線を多用したものとなった[7]。また、先代は最近の高級車としては異例とも言える威圧感の薄いフロントマスクが特徴であったが、この代でやや押し出し感を強くしているのは、中国市場などから「高級車に見えない」という声があったためという[10]。ただし、日産が中国で行った調査では「派手さ」よりも「バランスの取れた雰囲気」が好まれることが判明し、それに即した設計を行った[11]

また、テールライトには新たにLED式のものが採用されたが、一目でティアナと分かるように、「コ」の字型のLED配列となった[11]

インテリア

インテリアについても先代の「モダンリビング」のコンセプトを踏襲しながらも、エクステリアと同様により曲面的なデザインへと変更された[7]。先代で好評だった助手席パワーオットマンも継続採用されている。また先代ではシートのデザインにより座り心地を犠牲にしていた面があったが、今回のモデルチェンジにより改善された。

ホイールベースは先代モデルと同一であるため室内空間はあまり変化していないが、フロントシート下の足入れ性の向上[12]が行われたため、居住性は向上している。また、助手席についてはオットマンの使用を前提として設計されたために広く[13]、さらに前席が大型化されたためこちらも居住性を向上した。しかしながら後席のヒップポイントを前席よりも20mm高くすることで後部座席の居住性を犠牲にすることを防いだ[8]。 このモデルから車内電源は装備されなくなった。

また、前後席水平距離(タンデムディスタンス)はクラス最高とし[8]、ヘッドルームについてはフロント40mm、リア10mmの向上が図られた[11]

年表

  • 2008年4月 - 北京モーターショーで初公開。なお、中国仕様車は「ティアナ」(天籁、2.0Lと2.5L)と「ティアナセドリック」(天籁公爵、2.5Lと3.5L)の2系統が用意され、後者には豪華さを強調する専用の外観部品やBOSE製オーディオなどが装着される[7]。尚、後者のサブネームはかつて日産が販売していた高級車「セドリック」にちなむ。
    • 6月2日 - 発表・発売。月間目標販売台数は1,000台と発表されている。
    • 12月19日 - 仕様向上。運転席・助手席SRSサイドエアバッグシステム、SRSカーテンエアバッグシステムを全車標準装備化し、XVにバイキセノンヘッドランプ+アクティブAFSを装着するなど安全装備の充実を図り、同時に4WD全車に寒冷地仕様を、カーウイングスナビゲーションシステム装着車にETCユニットを標準装備化した。
  • 2009年8月18日 - 仕様向上。HDD方式のカーウイングスナビゲーションシステムに地図更新システムを装備。このHDDナビは、12セグ・ワンセグ自動切換機能付の地上デジタルチューナーを内蔵しているほか、iPodなどのポータブルミュージックプレイヤーをUSBで接続でき、お気に入りの音楽を車内でも楽しめるように設計されている。オーテックジャパンのアクシスも同様に仕様が向上した。同時にオーテックジャパンのカスタマイズによる特別仕様車「250XL / 同FOUR プレミアムセレクション」を発売。運転席及び助手席側のシートが、乗降時に座面が30mm上がり、9度外側を向く「おもてなしシート」を装備。本革シートパッケージも用意される。
  • 2010年7月26日 - 一部改良。VQ25DEエンジンにおいて排出ガス性能と燃費を向上。これにより、「平成17年基準排出ガス75%低減レベル(☆☆☆☆)」認定を取得するとともに、「250XV」及びオプション装着により車両重量が1,520kgを超える「250XL」は「平成22年度燃費基準+15%」を達成した。同時に、「250XE」・「250XL」・「250XV」にはVDCを標準装備した。オーテックジャパン扱いの「アクシス」・「プレミアムセレクション」も一部改良。特に「アクシス」はベース車の改良に加え、インテリジェントエアコンシステムと後席エアコン吹き出し口を全車標準装備化された。
  • 2012年6月27日 - マイナーチェンジ。外装ではアルミホイール(「250XE」・「250XE FOUR」はオプション設定。16インチ/17インチとも台湾仕様と同デザイン)やリアコンビランプのデザインを変更し、ボディカラーの入れ替え(ルナブルー→スチールブルー、ホワイトパール→ブリリアントホワイトパールに変更。残4色は継続)を行った。内装ではメーターデザインやスイッチ類の色を変更し、車両情報ディスプレイなどに白色照明を採用。ブラック内装仕様車ではインパネやセンターコンソールなどの木目調を変更した。併せて、「250XL」をベースに、ダーククロームの専用フロントグリル、専用17インチアルミホイール[14]、ブルーステッチを施した専用インテリア、リアスポイラー、サイドシルプロテクターなどを装備した「250XL スポーティーセレクション」を新設。オーテックジャパン扱いの「アクシス」・「プレミアムセレクション」も併せてマイナーチェンジした。
    • 12月末 - 3.5Lモデル廃止。

3代目 L33型(2014年- )

テンプレート:Infobox 自動車のスペック表 3代目は初代が掲げた「モダンリビング」、2代目が打ち出した「OMOTENASHI」という2つのコンセプトに一層の磨きをかけ、さらに思いのまま走ることのできる愉しさ、“走る快適性”を加えた。アルティマと姉妹車で、B17型シルフィおよびセントラ、N17型のラティオおよびアルメーラ、ヴァーサセダンなどと同様に、細部のデザインが異なるもののボディを共有化することでコスト削減を図ると同時に、型式もアルティマと同じL33型に編入されている。新設計のリア・マルチリンク・サスペンションには世界初のコネクトブッシュを新採用し、高い操縦安定性を実現している。

トランスミッションは全車にエクストロニックCVTを採用。エンジンは、直列4気筒・2.5LのQR25DEのみを設定。従来型で設定されていたV型6気筒・VQエンジンや4輪駆動車は設定されない。エンジンやCVTの改良によって加速性能と燃費性能を両立するとともに、オルタネーター回生制御や電動パワーステアリングの採用などによって燃費を向上し、日本向けに関しては全車で平成27年度燃費基準を達成している。

日本向けのグレード体系は先代の2.5L車のグレード体系を踏襲して上から「XV」・「XL」・「XE」となり、ナビ・オーディオシステムは全車オーディオレスが標準となる。また、安全装備を強化し、MOD(移動物検知)機能付アラウンドビューモニター、LDW(車線逸脱警報)、BSW(後側方車両検知警報)を採用し、NissanConnect ナビゲーションシステム、クルーズコントロール、6スピーカー(「XE」のみ)とのセットオプションとして全車に設定した。

中国仕様については、2013年11月より先代同様に内外装のクオリティを引き上げた上級仕様「天籁公爵(ティアナ・セドリック)」が設定される。但し、エンジンは先代で設定されていたVQ35DEとVQ25DEが廃止され、代わって4気筒・2.5LのQR25DEのみの設定となった。今回はノーマル(全長:4,868mm)比でホイールベースが125mm、前後バンパーが計10mm延長され、全長が5,003mmとなっている。尚、ホイールベース延長分はそのまま後席空間に充てられる。

エクステリア

初代から継承されてきた「6ライトウインドウ」は健在。姉妹車のアルティマとの相違点は、メッキ加飾が施された専用フロントグリル、専用コンビネーションライトなど。

ボディカラーには流れ落ちる滝のような力強さと神秘的な色をイメージした新色の「ウォーターフォールブルー」を含む6色を設定し、先代同様、全色にスクラッチシールドが採用されている。

インテリア

インテリアは、初代からの「おもてなし」コンセプトを継承し、長時間走行時の疲労を最小化するスパイナルサポートシートを採用。日産は「インストルメントパネルからドアトリムへと伸びるユニークなラインを採用し、インテリアのスポーティなレイアウトと室内空間の最大化を両立」としている。

後席トランクスルーは北米アルティマ同様にして国内向け日産セダンとしてはA33セフィーロ以来の6:4分割可倒式が採用されているが、中国仕様のみが防犯性の都合からセンターアームレストスルーのみとなる。

年表

  • 2013年2月26日 - 日産の中国における合弁パートナーである東風汽車有限公司とともに発表披露を行う[15][16]。製造は湖北省の襄陽工場にて行われる。
    • 3月18日 - 販売を開始[17]
  • 2013年10月21日 - タイでの生産・販売を発表。排気量は、中国仕様と同様で2.0 Lと2.5 Lの2種類を設定。
  • 2013年11月8日 - 日本仕様の第43回東京モーターショーでの公開と、2013年度中の発売を発表。
  • 2013年11月19日 - 主要装備などの仕様と2014年2月の発売を発表。
  • 2013年11月 - 中国で同市場専売の「ティアナセドリック」の2代目を発表・発売開始。
  • 2014年1月20日 - 日本での発売を正式発表(発売は2014年2月5日)[18]

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車名の由来

「ティアナ」はネイティブ・アメリカンの言葉で「夜明け」を意味する。また、中国仕様車の漢字表記である「天籟」は「大自然の息吹」、「天からの声」を表す[7]

脚注

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参考文献

  • モーターファン別冊 ニューモデル速報 第411弾『新型ティアナのすべて』三栄書房、2008年7月 ISBN 978-4-7796-0432-4
  • 三才ムック パトカー交通警察DVD 三才ブックス 2006年8月 ISBN4-86199-013-0C9476

関連項目

テンプレート:Sister

外部リンク

テンプレート:NISSAN テンプレート:NISSAN Timeline

テンプレート:自動車
  1. 商標登録番号第4644271号、同発音の「TIANA」も第4644270号で日産の登録商標である。
  2. 【日産『ティアナ』誕生】高級Lサイズセダンの新しい夜明けだ Response.
  3. 通常、日産の新規車の車両型式は末尾の数字が0で始まることが多いので他の例に倣ってティアナもJ30となるのが普通だが、J30はマキシマが既に存在しているためJ31からとなっている。
  4. 台湾仕様では「SHIFT_luxury」。なおこのSHIFT_ワードはY50型後期のフーガと同じである。
  5. インプレッション 日産ティアナ350JM(FF/CVT)【短評】 webCG
  6. パトカー交通警察DVD参照。
  7. 7.0 7.1 7.2 7.3 7.4 7.5 7.6 新型ティアナのすべて 開発ストーリー
  8. 8.0 8.1 8.2 8.3 新型ティアナのすべて メカニズム詳密解説
  9. 日産では、環境性能に優れたパワートレインを搭載した車種にエンブレムを貼り付けることになっており、J32型ティアナの場合、全グレードに「エクストロニックCVT (XTRONIC CVT) 」のエンブレムが車両後部に貼り付けされる。なお、このエンブレムは後に、Z51型ムラーノ、Z12型キューブジューク、E52型エルグランドにも装着されている。(プレスリリース参照)
  10. オートカー・ジャパン vol.63
  11. 11.0 11.1 11.2 新型ティアナのすべて デザイン・インタビュー
  12. 新型ティアナのすべて ドライビング・インプレッション
  13. 新型ティアナのすべて 使い勝手徹底チェック
  14. ローグの「SL」と同一品。
  15. テンプレート:Cite web
  16. テンプレート:Cite web
  17. テンプレート:Cite web
  18. テンプレート:Cite web