日本の暦
日本の暦(にっぽんのこよみ)では、和暦(われき)に基づき日本で刊行された(ている)日本のこよみ(暦書・暦表)について述べる。
日本における暦法(れきほう)に関しては日本における暦および和暦を参照。
目次
和暦(太陰太陽暦)の歴史
日本では古代から江戸時代初期までは、各時代の中国暦(太陰太陽暦)が使われていた。1685年からは中国暦や西洋暦などを参考にした日本人による暦が作られ始めた。1873年に太陽暦であるグレゴリオ暦へ改暦され現在に至っている。改暦以前のものを旧暦と呼ぶ。
- 元嘉暦(げんかれき) - 6世紀頃朝鮮半島の百済から伝えられた宋の時代の中国暦である。
- 儀鳳暦(ぎほうれき) - 中国暦で690年から元嘉暦と併用された。697年からは単独で使用された。
- 大衍暦(たいえんれき/だいえんれき) - 中国暦で764年から861年まで使われた。
- 五紀暦(ごきれき) - 中国暦で781年に日本に紹介されたが単独で使われることはなかった。
- 宣明暦(せんみょうれき) - 中国暦で862年から1685年まで使用された。
- 貞享暦(じょうきょうれき) - 初めて日本人により編纂された暦で1685年から1755年まで使われた。
- 宝暦暦(ほうりゃくれき/ほうれきれき) - 1755年から1798年
- 寛政暦(かんせいれき) - 1798年から1844年
- 天保暦(てんぽうれき) - 1844年から1872年
日本のこよみの歴史
前記の和暦に基づき以下のこよみ(暦書・暦表)が使われてきた。こよみの作成配布については古代より統治者(朝廷や幕府)の管轄にあり、1946年に自由化されるまでは許可制・専売制が取られていた。
- 具注暦(ぐちゅうれき)
- 京暦(きょうごよみ)
- 始まりは鎌倉時代と推定されている。15世紀中頃には摺暦座(すりごよみざ)が専売権を持っていた。
- 1657年には朝廷御用達で全国の暦師の監督権を持っていた大経師(だいきょうじ)が大経師暦を発行していた[1]。
- 三島暦(みしまごよみ)
- 奈良時代(8世紀後半)から続くと言われている[2]。この三島暦を作ったのは奈良から三島の宿へ移ってきた暦師河合家であった。江戸時代初期には幕府の公式の暦となり、関東・東海地方で広く使われていた。河合家は平成に入り50代続いた暦師を廃業した[3]。
- 大宮暦(おおみやごよみ)
- 戦国時代に武蔵国大宮の氷川神社で作成された仮名暦。
- 丹生暦(にゅうこよみ)
- 伊勢暦(いせごよみ)
- 1632年より発行され江戸時代には全国各地に配布された。
- この暦には吉凶凡例、日ごとの節季や農事に関する記述があり生活暦(せいかつれき)として重宝され、伊勢詣の土産にもなっていた。配布数も増加し享保年間(1716-1735)には毎年200万部が出版され、全国で配られた暦の約半数を占めていたともいわれている[5]。
- 江戸暦(えどごよみ)
- 江戸の人口増大に伴って、17世紀中期から刊行され、1697年には11名からなる仲間組織が結成された。
1871年(明治4年)には改暦および官暦の発行に伴い、全国の暦師をまとめた頒暦商社が組織された。 官暦ではそれまで記載されていた、吉凶の記載が除かれ、明治末には旧暦の記載も無くなったため、それらを記載した非合法のお化け暦(おばけごよみ)が出回った。
1883年には本暦(官暦)の発行は神宮司庁の管轄となり神宮暦(じんぐうれき)と呼ばれた。
1903年に日めくりカレンダーの製造が始まる。
1946年には暦の専売制が廃され、発行が自由化された。
各月の別名
- 1月 - 睦月(むつき)
- 2月 - 如月 または 衣更着(きさらぎ)
- 3月 - 弥生(やよい)
- 4月 - 卯月(うづき)
- 5月 - 皐月 または 早月(さつき)
- 6月 - 水無月(みなづき)
- 7月 - 文月 (ふみづき、ふづき)
- 8月 - 葉月(はづき)
- 9月 - 長月(ながつき)
- 10月 - 神無月(かんなづき)、出雲地方では神有月(かみありつき)
- 11月 - 霜月(しもつき)
- 12月 - 師走(しわす、しはす[6])
本来は旧暦による月の別名であるため、そのまま新暦に適用すると季節感が合わなくなる(例えば、6月は梅雨の真っ只中であるにもかかわらず「水が無い月」)。十二月の別名「師走」は、年末の慌ただしい様子を表す月名として、現在でもよく使われている。
国民の祝日
国民の祝日は国民の祝日に関する法律(祝日法)で規定している。
- 1月1日 - 元日(1948年より)
- 1月の第2月曜日 - 成人の日(2000年より。それ以前は1月15日(1948年より))
- 2月11日 - 建国記念の日(1966年より)
- 3月21日頃 - 春分の日(1948年より)
- 4月29日 - 昭和の日(2007年より。それ以前はみどりの日(1989年より)さらにそれ以前は天皇誕生日(1948年より))
- 5月3日 - 憲法記念日(1948年より)
- 5月4日 - みどりの日(2007年より)
- 5月5日 - こどもの日(1948年より)
- 7月の第3月曜日 - 海の日(2003年より。それ以前は7月20日(1995年より))
- 9月の第3月曜日 - 敬老の日(2003年より。それ以前は9月15日(1966年より))
- 9月23日頃 - 秋分の日(1948年より)
- 10月の第2月曜日 - 体育の日(2000年より。それ以前は10月10日(1966年より))
- 11月3日 - 文化の日(1948年より)
- 11月23日 - 勤労感謝の日(1948年より)
- 12月23日 - 天皇誕生日(1989年より)
春分の日と秋分の日の日付は、前年2月1日の官報で発表される。
休日
- 祝日法では「国民の祝日」は、休日とすることが定められている。
- (1973年~2006年)国民の祝日が日曜日にあたるときは、その翌日が休日となる。いわゆる振替休日である。
- (2007年~)国民の祝日が日曜日に当たるときは、その後に迎える最初の「国民の祝日でない日」が休日となる(前項と同様にこれもいわゆる振替休日である。祝日が2日以上連続する場合が出現したことによる法改正)。
例
5月3日(憲法記念日)・5月4日(みどりの日)・5月5日(こどもの日)のうちのいずれかの日が日曜日である場合、
5月6日が休日となる。
- (1988年~)前日と翌日が国民の祝日の場合(つまり国民の祝日が2日違い)、当日が国民の祝日でない日は休日となる。いわゆる国民の休日である。この規定が適用されるのは当初は5月4日のみだったが、2003年の祝日法の改正施行により、年によっては敬老の日と秋分の日が2日違いとなる場合があり、それらの中間日にも適用されることとなった(5月4日は2007年の祝日法の改正施行により国民の祝日となったため適用外となった)。
- 日曜日を休日と定めた、効力が及ぶ範囲を限定しない法律は存在しない(裁判所の休日に関する法律や各地方公共団体が制定する職員の勤務時間、休日、休暇等に関する条例などのような、効力が及ぶ範囲を限定する法令には日曜日を休日と定めたものは存在する)。
二十四節気、雑節
中元とお盆を除いて、日付は年により前後する。
- 1月5日 - 寒の入り(かんのいり)
- 1月5日 - 小寒(しょうかん)
- 1月17日 - 冬の土用(どよう)
- 1月20日 - 大寒(だいかん)
- 2月3日 - 節分(せつぶん)
- 2月4日 - 立春(りっしゅん)
- 2月19日 - 雨水(うすい)
- 3月6日 - 啓蟄(けいちつ)
- 3月16日 - 春の社日(しゃにち)
- 3月18日 - 春彼岸(はるひがん)
- 3月21日 - 春分(しゅんぶん)
- 4月5日 - 清明(せいめい)
- 4月17日 - 春の土用(どよう)
- 4月20日 - 穀雨(こくう)
- 5月2日 - 八十八夜(はちじゅうはちや)
- 5月6日 - 立夏(りっか)
- 5月21日 - 小満(しょうまん)
- 6月6日 - 芒種(ぼうしゅ)
- 6月11日 - 入梅(にゅうばい)
- 6月21日 - 夏至(げし)
- 7月2日 - 半夏生(はんげしょう)
- 7月7日 - 小暑(しょうしょ)
- 7月15日 - 中元(ちゅうげん)
- 7月15日 - 盆(ぼん)
- 7月20日 - 夏の土用(どよう)
- 7月23日 - 大暑(たいしょ)
- 8月8日 - 立秋(りっしゅう)
- 8月23日 - 処暑(しょしょ)
- 9月1日 - 二百十日(にひゃくとおか)
- 9月8日 - 白露(はくろ)
- 9月11日 - 二百二十日(にひゃくはつか)
- 9月20日 - 秋彼岸(あきひがん)
- 9月22日 - 秋の社日(しゃにち)
- 9月23日 - 秋分(しゅうぶん)
- 10月8日 - 寒露(かんろ)
- 10月20日 - 秋の土用(どよう)
- 10月23日 - 霜降(そうこう)
- 11月7日 - 立冬(りっとう)
- 11月22日 - 小雪(しょうせつ)
- 12月7日 - 大雪(たいせつ)
- 12月22日 - 冬至(とうじ)
節句
暦の節目は節句となっている。
- 1月7日 - 人日(じんじつ)、七草
- 3月3日 - 上巳(じょうし / じょうみ)、桃の節句
- 5月5日 - 端午(たんご)、端午の節句
- 7月7日 - 七夕(しちせき / たなばた)
- 9月9日 - 重陽(ちょうよう)、菊の節句
六曜(六輝)
その他
- 12月3日は「カレンダーの日」
1872年(明治5年)の12月 3日を新暦(太陽暦)の明治6年1月1日とする新暦採用に因る[7]。