ロン・ウィーズリー

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テンプレート:Pathnav テンプレート:物語世界内の観点 テンプレート:ウィキプロジェクト ハリーポッターシリーズ ロナルド・ビリウス・ウィーズリーテンプレート:Lang-en-short)は、J・K・ローリングの小説『ハリー・ポッター』シリーズ、およびその派生作品に登場する架空の魔法使いである。

概要

主人公ハリー・ポッターの親友。ホグワーツ魔法魔術学校グリフィンドール寮に所属する男子生徒で、ハリーとは同学年である。

魔法界で生まれ育った生粋の魔法使いであり、ハリーや読者にとって、魔法界を知るための情報源になっている。しかしそれ以外は普通の少年であり、作品世界における「一般的な魔法使いの少年」を体現していると言える。

登場巻

全巻

人物

名前・通称

本名はロナルド・ビリウス・ウィーズリー (Ronald Bilius Weasley) 。「ロン」は「ロナルド」の愛称の1つである。

家族からは「ロニーちゃん」「ロニー坊や」とからかわれることがある。

外見

燃えそうな赤毛で、顔はそばかすだらけ。瞳の色はブルー。また背が高く、ひょろっとしている。

来歴

1980年3月1日、魔法族のウィーズリー家の六男として誕生。

1991年9月1日キングズ・クロス駅でハリー・ポッターと初対面し、ホグワーツ特急内で意気投合する。その後、ホグワーツ魔法魔術学校に入学し、ハリー同様グリフィンドール寮生となる。

1992年夏、ハリーを自宅に迎えるため、父の所有するフォード・アングリアを借りて、フレッドとジョージと共にダーズリー家を訪問。ダーズリー家に軟禁されていたハリーを救出する。同年9月1日にはホグワーツ特急に乗車できなかったため、再びフォード・アングリアを借りてハリーと共にホグワーツへ向かうが、ホグワーツ到着時に暴れ柳から攻撃を受け、杖が折れてしまう。

1993年5月29日、ハリーと共に「秘密の部屋」事件を解決。その功績を称えられ、「ホグワーツ特別功労賞」を授与される。同年、父がガリオンくじに当選し、一家でエジプト旅行に行き、新しい杖も買ってもらう。

1995年ハーマイオニー・グレンジャーと共に監督生に選ばれる。また寮対抗クィディッチ試合のグリフィンドール代表チームのキーパーになる。

1996年、ハリー、ハーマイオニー、ネビル・ロングボトムジニー・ウィーズリールーナ・ラブグッドと共に魔法省神秘部に潜入。待ち構えていた死喰い人と戦闘になる。

1997年3月1日、毒入りの蜂蜜酒を飲んで瀕死に陥るが、ハリーに助けられる。

同年夏、ハリー、ハーマイオニーと共に、ヴォルデモート分霊箱を探す旅に出る。不満から一度は旅から離脱してしまうものの、後に合流し、最後まで戦い抜く。

7巻発売後の作者インタビュー[1]によると、物語終了後、ロンは兄が創業した悪戯道具専門店「ウィーズリー・ウィザード・ウィーズ」の経営に携わり、資産を得たという。

性格

ハリーやハーマイオニーと比べて皮肉めいた言い回しや冗談を言うことが多く、3人の中ではムードメーカー的な役回りである。

兄が5人もおり、また妹も兄妹唯一の女の子として可愛がられているため、自分の個性と立場に悩むことがある。さらに兄が揃って優秀なことや家が貧乏でお下がりや中古品ばかり与えられていることもあり、劣等感が強い。そのため、周囲から期待される状況に慣れておらず、期待やプレッシャー、魔法による精神操作などに非常に弱い。また、自分自身が注目されたり高く評価されると、これを自慢し誇張する傾向がある。 また家族の中でも下から二番目という中途半端な立ち位置にあったせいか、ハリーやハーマイオニーに比べて精神的に未熟なところがあり、決して彼らが自分を貶めはしないと分かっていても二人に対しての自己卑下を露わにしてしまい、そのために二人を困らせたり怒らせることもあった。4巻でのハリーの対抗試合出場に際しての態度や、7巻の分霊箱探しの旅での堪え性のなさにそれがよく表れている。

過去にテディ・ベアをフレッドによって蜘蛛に変えられたことがあり、そのことから生きた蜘蛛が苦手である。まね妖怪は彼の前では大蜘蛛に変化する。

才能

ロンは自分のことを優秀ではないと語っているが、実はチェスの達人である。実際に1巻では、人間大の駒を相手に戦う「魔法使いのチェス」で指揮を執り、見事勝利を収めた。

学業に関しては作中あまり触れられてはいないが5巻で自分(ハリー)はどの科目(闇の魔術に対する防衛術を除く)でもロンより優れてはいない、とあることからハーマイオニー以下ハリーと同程度である。OWLはハリーと同じ7科目を合格しており、「優・O」はなかったものの、ハリーと同じ5科目の継続履修を認められている。(これらの科目については、「良・E」以上で継続履修が認められるため、5科目で「良・E」を獲得していることになる。)

また声真似が得意なのか、7巻ではマルフォイ邸でピーター・ペティグリューの声を真似て窮地を脱したり、ハリーが蛇語を話すのを真似て「秘密の部屋」を開けるといった活躍を見せている。

クィディッチではキーパーを務めるが、彼のプレーは精神状態によって大きなむらがあり、不調の時はミスを連発するが、絶好調の時は、滅多に弟を褒めないフレッドとジョージでさえ感心するほど。

父が魔法省に勤務しているため、魔法省の内部事情にも通じている。

ちなみに守護霊はテリアである。

人間関係

血縁

彼が生まれたウィーズリー家は純血の魔法使いの一族でも最も古く、著名な一族の一つだった。父は純血の魔法使いアーサー・ウィーズリー、母は純血の魔女モリー・ウィーズリーであり、ロンは純血の魔法使いである。兄妹は、兄が5人、妹が1人いる。

家族の中では年齢が低いため、モリーやフレッドとジョージから幼く扱われることがある。一方でビルに対しては「どんなときでもきちんと扱ってくれた」と言っており、家族の中で特に信頼している様子が窺える。またジニーは唯一自分より年下であるためか、特に彼女の恋愛について過保護な面が見られる。

この他、判明している親族は、セプティマス・ウィーズリー(祖父)、セドレーラ・ウィーズリー(祖母)、ビリウス(おじ)、ギデオン・プルウェット(叔父)、フェービアン・プルウェット(叔父)、ミュリエル(大叔母)などがいる。

友人

親友としては、ハリー・ポッターとハーマイオニー・グレンジャーの名前が挙げられる。

このうちハリーに対しては、初めて会った時に「かの有名なハリー・ポッター」であると確認した程度で、その後は特にハリーを特別扱いする描写は見られないが、7巻のミュリエルの発言から、ハリーのいないところでは親友であることを自慢していたと思われる。またハリーが有名人であることに密かに嫉妬心を抱いており、普段はそれ以上にハリーのことを気にかけているが、4巻では嫉妬心からハリーが年齢制限を破ってゴブレットに名前を入れたと詰り、一時的に絶交した(ハリーが第1の課題をクリアした時、陰謀であることを受け入れて仲直りした)。

ハーマイオニーに対しては、入学当初はお節介な彼女にいい印象を持っていなかったが、1巻で彼女がトロールに襲われているところをハリーと共に助けたことがきっかけで親しくなる。3巻ではハリーにファイアボルトを贈られたことをハーマイオニーがマクゴナガルに報告し、ファイアボルトを没収される結果を招いた彼女に対し逆上、立て続けにペットのネズミ、スキャバーズがいなくなったため、これをハーマイオニーのペットである猫のクルックシャンクスに食べられたと勘違いして、一時2人の仲は修復不可能寸前に陥ったが、後に和解している。

この他、友人としては、ルビウス・ハグリッド、ネビル・ロングボトム、シェーマス・フィネガンディーン・トーマスルーナ・ラブグッドなどがいる。

好意・恋愛

元来ロンは男兄弟に囲まれて育ったために女心に疎く、恋愛に関しては殊に初心である。そのため好意をもつ相手にも上手くアプローチできず、幼稚な振る舞いで相手を怒らせてしまうこともしばしばである。

4巻のダンスパーティーで、ハーマイオニーのパートナーがビクトール・クラムと知ると、それまでクラムの熱狂的なファンだったにも関わらず、クラムの悪口を言うようになる。5巻以後も、クラムの話題が出るたびに不機嫌になっていた。

そして6巻にて、ハーマイオニーに惹かれていることが明らかになる(4巻でクラムに嫉妬していたことを考えると、4巻の頃には既に惹かれていたと推測される)。この時、ジニーに「ハーマイオニーとクラムはキスした」と言われただけでハーマイオニーに冷たく当たり、彼女にあてつけるためだけにラベンダー・ブラウンと交際するが、結局長続きしなかった。

6巻ではあまり直接的にハーマイオニーへの好意を示してこなかったが、7巻では彼女への好意を隠さずに示すようになる。物語終盤では遂に彼女とのキスを果たした。

しかし7巻中盤における分霊箱破壊の旅で、スリザリンのロケットを身に付けたせいで精神が不安定になり、常に苛立ち、不快な感情に悩まされる羽目になる。そして一番知られたくなかった自身の劣等感と、ハリーとハーマイオニーの仲を内心疑っていたことを暴露されてしまう。

嫌悪

ロンは純血の魔法使いであるが、マグル生まれや半純血の魔法族に対して寛容な一家に生まれているため、ロン自身もマグル出身者に対して寛容的かつ非常に友好的である(親友のハリーはマグル界育ちの半純血の魔法使い、同じく親友のハーマイオニーはマグル生まれの魔女)。そのため、同じ純血でも純血主義者とは仲が悪く、特にドラコ・マルフォイとは犬猿の仲である。

また先述したように、ビクトール・クラムとはハーマイオニーをめぐって恋敵の間柄である。

物語終了後

ハーマイオニーと結婚し、娘ローズと息子ヒューゴを授かった。また、妹ジニーも半純血のハリーと結婚している。これにより、ロンとジニーの代でウィーズリー家は純血の家系ではなくなった。

  • ローズ・ウィーズリー(長女)
アルバス・セブルス・ポッター、及びスコーピウス・マルフォイとは同学年。母譲りで聡明らしい。
  • ヒューゴ・ウィーズリー(長男)
キングス・クロス駅での見送りでは、父のロンにしがみついていた。

また、親友のハリーは妹のジニーと結婚したためハーマイオニー及びロンから見ればハリーは義弟になる。

財産・ペット

ロンの所持品は概ね、家族のお下がりか、中古販売されていた安物である。数少ない新品は、何らかのお祝いに買ってもらったものが多い。

作中でロンが手に入れた杖は3本ある。
1本目は、次兄チャーリーのお下がりの杖。本体はトネリコ、芯は一角獣のたてがみ(少し横に飛び出している)。この杖は2巻序盤で折れてしまうが、スペロテープで接着して2年次終了時まで使い続ける。
2本目は、3巻で買ってもらった新品の杖。本体は柳、芯はユニコーンの尻尾の毛、長さは33センチ。
3本目は、マルフォイ邸でペティグリューから奪い取った杖。本体は栗、芯はドラゴンの心臓の琴線、長さは23.5センチ、脆い。なお、この杖はオリバンダー老人曰く、ピーターのために無理矢理作らされたものであるらしい。
ペット
ホグワーツ入学時に、三兄パーシーからネズミのスキャバーズを譲り受ける。その後、3巻終盤でスキャバーズを失うが、シリウス・ブラックからフクロウを貰い、ピッグウィジョンと名付けて飼うようになる(ちなみに「ピッグウィジョン」という名前はジニーが命名)。
クィディッチ用箒
監督生に選ばれたお祝いとして、同系クラスとしては当時最新型のクリーンスイープ11号を買ってもらう。
腕時計
17歳の誕生日に両親から贈られた新品。
灯消しライター
アルバス・ダンブルドアの死後、遺言により相続した品。ダンブルドアが設計したもので、世界に1つしかないかもしれない珍しい品。(スクリムジョール談)
外見は銀のライターだが、使うと近くにある灯りを吸い取ることができる。また、周りに灯りがない状態で使うと中に吸い込まれていた灯りが元あった場所に放出される(元の場所に戻れない灯りは小型の太陽のような形で一定の距離を保って浮かぶ)。
ダンブルドアがロンにこのライターを相続させたのは、旅の途中でロンが逃げ出し、かつそれを後悔することを見越していたからであり、ライターにはあらかじめハリーとハーマイオニーのいる場所へ誘導するよう魔法がかけてあった。実際にロンはライターを使って2人と合流することに成功する。
チェス
祖父セプティマスから貰ったらしい。

映画・ゲーム

映画では『賢者の石』から登場。ルパート・グリント(ロンと同様に蜘蛛が嫌いである)が演じていた(日本語版の吹き替えは常盤祐貴が担当した)。

ゲームでは『賢者の石』と『秘密の部屋』は渕崎ゆり子、『アズカバンの囚人』は藤原堅一、『炎のゴブレット』は佐藤まさよしが日本語版の声を担当していた。

脚注

  1. J.K.ローリング「ハリー・ポッターと死の秘宝」ブルームズベリー・ライブ・チャット 2007 ネタバレ和訳 - ポッターマニア

テンプレート:ハリー・ポッターシリーズde:Figuren der Harry-Potter-Romane#Ron Weasley