モリー・ウィーズリー
モリー・ウィーズリー(Molly Weasley)は、J・K・ローリングの小説『ハリー・ポッター』シリーズ、及びその派生作品に登場する架空の魔女である。
登場巻
人物
ロン・ウィーズリーの母。
略歴
純血の名家プルウェット(Prewett)家の出身で、モリー自身も"純血"の魔女である。
ホグワーツ魔法魔術学校の卒業生で、在学中はグリフィンドール寮に所属していた。誕生日は10月30日で、生年は明かされていないが、第4巻にて暴れ柳はモリーの卒業後に植えられたという記述があり、そのことから暴れ柳が植えられた年にホグワーツに入学したシリウス・ブラック達とは7学年以上の年齢差があることが分かる。
ホグワーツ在学中には、アーサーと共にホラス・スラグホーンから魔法薬学を教わっている。なお、モリーは、若いころに愛の妙薬を作ったことがあると発言している。
ホグワーツ在学中から現在の夫であるアーサー・ウィーズリーと交際を始め、2人で朝の4時まで散歩をしたことがある(アーサーは当時の管理人アポリオン・プリングルにお仕置きをされた。)。その後結婚(長女ジニーは"駆け落ち"と表現)し、6男1女をもうけている。
1970年代に、不死鳥の騎士団が活動が開始された際、モリーは加入しなかったものの、弟のギデオンとフェービアンは騎士団に参加していた。二人ともアントニン・ドロホフなどのヴォルデモート陣営に殺害されており、そのことから近親者の「死」を極端に恐れるようになっている。
1991年9月1日、キングズ・クロス駅に子供の見送りに行き、そこでハリーに9と3/4番線の行き方を教えた。同年のクリスマス休暇には、ルーマニアに次男のチャーリーを訪ねに行った。
1992年夏、ハリーを隠れ穴に招き入れる。ロンがアーサーの空飛ぶ車でホグワーツに向かったことに対し、ロンに吼えメールを送った。
1993年、娘のジニーが秘密の部屋に連れ去られた際、夫と共にホグワーツに呼び出された。同年夏、アーサーがガリオンくじに当選した際には、一家でエジプト在住の長男ビルを訪問した。その後、シリウス・ブラックがアズカバンを脱獄し、ハリーを狙っているとされた際には、狙われていることをハリーに伝えることに反対した。
1994年夏、クィディッチ・ワールドカップ観戦のためにハリーとハーマイオニーを隠れ穴に招待した。ワールドカップ当日はダイアゴン横丁で学用品の買い物をした。
1995年6月24日、三大魔法学校対抗試合の第三の課題の観戦のために長男ビルと共にホグワーツを訪問する。 その後のヴォルデモートの復活を受け、夫アーサー、長男ビル、次男チャーリーと共に不死鳥の騎士団に加入。
同年末に夫がナギニに噛まれて重傷を負った際、真っ先に聖マンゴ魔法疾患傷害病院に駆けつけている。
1997年6月、ホグワーツで長男ビルがフェンリール・グレイバックに噛まれる。ビルが噛まれてもフラー・デラクールのビルへの愛情が変わらなかったことで、この時からフラーを認めるようになる。同年7月31日、フェービアンの遺品の腕時計を、17歳の誕生日を迎えたハリーに託した。
1998年5月、ホグワーツの戦いに参戦。戦いの最中、爆発で息子のフレッドを失う。最終決戦では、ベラトリックス・レストレンジが放った死の呪文が、娘のジニーに当たりそうになった場面を見て感情を爆発させる。ベラトリックス・レストレンジは自分の獲物だと言い放ち、彼女との一騎打ちに勝利した。
性格・才能・人間関係
家事全般の魔法を得意としており、特に料理はかなり上手らしく、ハリーは「知っている誰よりも上手」と評している。作中では、ホグワーツの戦いまで目立った活躍はなかったが、作者はモリーを「才能のある魔女」と発言しており、彼女をベラトリックスと戦わせた理由の1つに、「家族のために人生をささげていたモリーの見せ場を作りたかった」という理由を挙げている。[1]
ギルデロイ・ロックハートに熱を上げたり、リータ・スキーターが書いたでたらめ記事を鵜呑みにしてハリーに同情し、ハーマイオニーに冷たく当たってみたり、魔女である点を除けばどこにでもいそうな中年の主婦である。セレスティナ・ワーベックという歌手を贔屓にしている。マグルに対して差別意識は無いものの、(誤解も含め)偏見を持っている。
世話好きな性格で、やや過保護気味な面も見られるほど。その性格は自分の子供のみならず、6男ロンの友達であるハリー・ポッターやハーマイオニー・グレンジャー、騎士団メンバーのニンファドーラ・トンクスにも発揮されている。例外的に長男ビルの婚約者に対しては好ましく思っていなかったが、後に彼女のビルへの愛情が本物だと知り、2人の結婚を認めている。
弟のギデオンとフェービアンの死により、家族など親しい人物の死を極端に恐れており、ボガートは彼女の前では家族やハリーの死体に変化し、死体を見たモリーは泣き出す程。また、心配性で過保護なため、3巻や5巻では真実とされていることをハリーに伝えることに反対したり、7巻ではハリーたち3人の分霊箱探索計画を快く思わず(但しモリーは分霊箱のことは知らなかった)、ハリーたちに話し合いをさせないようにしていた。
子供の教育に対しても厳しく、極めて優秀な成績だったビルやパーシーを誇りに思っている一方、悪戯好きで勉強熱心でないフレッドとジョージの素行をよく思っていない。
現在でもアーサーとの夫婦仲は良好で、夫と2人きりの時は「かわいいモリウォブル」(原文:Mollywobbles、wobbleは"震え・揺れ"の意で、肥満気味のモリーの体型を揶揄した愛称)と呼んでもらいたがっている。
シリウス・ブラックに対しては、当初は大量殺人犯だと思って恐れていたが、不死鳥の騎士団の活動再開時に誤解が解けたと思われ、その後は騎士団員として共に活動していた。しかし、過保護なため、ハリーの養育方針に対してはたびたびシリウスと対立していた。また、ならず者のマンダンガス・フレッチャーのことは快く思っておらず、たびたびマンダンガスのことを冷たく扱っている。
マグルへの差別はしていないが、ハリーに満足な食事を与えていないダーズリー家のことは快く思っていない。
系譜
シリウスの叔母ルクレティアとモリーの叔父イグネイシャスが結婚しており、シリウスとも従兄弟に相当する。
ロンによれば、モリーのはとこに「会計士」(=スクイブまたはマグル)がいるが、交流はほとんどないという。
映画・ゲーム
『賢者の石』から登場。ジュリー・ウォルターズが演じていた。日本語版の吹き替えは一龍斎貞友が担当した。
ゲームでは野沢由香里が日本語版の声を担当していた。
脚注
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