ミッドナイトチャンネル

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テンプレート:基礎情報 テレビ番組 ミッドナイトチャンネルとはNHKが放送する総合テレビの深夜番組帯のことである。最近では、週ごとの定時番組の再放送や過去に放送されたドキュメンタリーなどの再放送が多い。また、連休シーズンには海外の放送局が制作した歴史的ドキュメンタリードラマなどを集中して放送することもある。オープニングに流れる曲は『なつかしい情景』。

経緯

開始まで

そもそもNHKは深夜放送(24時~翌朝6時)は特殊な事例(台風地震と言った大きな災害や交通ストライキ、国際情勢、オリンピックワールドカップサッカー大会などの国際的な大型スポーツ大会など)を除けば原則として行わなかった。またオイルショックの影響を受けて、1974年1月~1984年3月は23時まで(後に平日のみ23:15まで、週末=土・日曜→のちに金・土曜は夜の指定席放送のため24:00[1]まで)で放送中止となった。

しかし1988年9月の昭和天皇重体に関連するニュース速報の体制を強化することから暫定的に総合テレビ、ラジオ第1放送、FM放送を24時間放送にして毎正時に昭和天皇の病状を伝えるニュースを放送し、それ以外の時間帯はフィラーとして静かな音楽を流すと共にテレビでは皇居二重橋や都内各所のお天気カメラからの映像を放送した[2]。これが昭和天皇の崩御した1989年1月7日まで続いた。

その後、視聴者から深夜放送をしてほしいという要望が殺到したこと、また1995年1月17日阪神・淡路大震災兵庫県南部地震)を教訓とした深夜早朝の突発的な事故・事件に即座に対応できる編成を構築する目的でNHK総合テレビでは同年から段階を追って24時間放送に移行する計画を立てその一環としてまず初めは同年4月~1996年3月に早朝5:00の開始から深夜1:00までの時間拡大を試みた。この時は0時台に『ナイトセレクション』としてこれまでに放送してきたテレビ番組(地上波、衛星波問わず)のアンコール放送をした。

1996年度以降

これを1996年4月からは2時まで拡大し平日0時台は地上波、1時台は衛星放送のそれぞれセレクションタイムとした。また毎週金・土曜深夜(時間上は土・日曜未明)は終夜放送として1~2時台を『週末特選』と題して金曜日はスポーツ、土曜日はドキュメントを中心にしたアンコールアワーとした。

そして1997年4月から本格的な24時間放送に移行するに当たって、帯番組としてスタートを切った。原則として毎日1~2時台の時間帯編成されており、これまでに放送されたNHKのテレビ番組(これも地上波、衛星波を問わず)の中から特に視聴者の反響の多かった作品をセレクトして放送する。

番組開始当初の1997年度は日替わりでジャンルを分けていたが1998年度以降はそういった形にせず、定期的に地域放送特集や人気番組の集中アンコールを放送したりするなどテーマを定めて放送するケースも多い。特に「高専ロボコン」「NHK青春メッセージ」の全国大会開催(放送)が近づくと、それに合わせて8つの地区大会(北海道、東北、関東甲信越、東海北陸、近畿、中国、四国、九州沖縄)の模様を取り上げて集中編成している。

2000年4月より、これまで放送設備点検のため休止となっていた日曜日の放送を第2・4・5週に限り開始。その後緊急有事対策強化のため同年7月より深夜の放送休止(日曜・および年数回のメンテナンス期間中の平日)は全国一斉から各局の任意設定に変更され事実上全日24時間放送となった。[3]

2003年秋期、再放送枠の登場

2003年9月29日の秋期改編で日中14~16時台に行っていた定時放送の再放送枠(以下、「再放送」)が廃止、生放送番組『お元気ですか日本列島』(地域によっては15~16時台にローカル放送を入れていた所もある)がスタート。その振り替えで1時台に再放送枠が入り、これまでのアンコール枠(以下、「アンコール」)は2時台中心となった。2004年3月29日の春期改編(『おはよう日本』や開始起点時刻の繰り上げ等を実施)ではアンコールは主に週末を中心に変更、2005年度からは平日も再放送終了後に編成するようになった。なお、この番組終了後の3時台~4:20迄はフィラーとして『映像散歩』が放送されている(これは教育テレビの深夜放送でも同様に行われていた)。

2005年4月2日深夜(=3日未明)から原則として毎週土曜深夜(=日曜未明)のこの枠で、近畿地方向けには『かんさいミッドナイトセレクション』を放送する。この枠では主として近畿地方各局が製作した番組(全国放送・ローカル問わず)の中から再放送の要望が多かった番組を選んで放映する。

2006年3月末をもってNHK教育テレビジョンの24時間放送が一旦終了したため、今後は『ETVライブラリー』で放映されてきた教養番組のアンコールが編成される可能性もある。また、土曜日深夜(日曜日未明)原則0時台は2006年4月より週替わりの単発番組(初回放送)を編成している。

2008年3月31日の改編で定時再放送の時間帯を主に午前3時以降などに変更、深夜のアンコール放送を1-2時台に繰り上げた。午前0時台は新しい深夜レーベル『EYES』が登場、金曜深夜(土曜未明)の『とくせん』では若年層向けに他系統で放送の番組をアンコール。この改編では日中15~16時台に再放送枠を復活させている。

2009年度

2009年3月30日実施の改編では経営計画が改められたこともあり、定時再放送枠自体が一部を除き消滅。再度枠が拡大された。

2010年度

『EYES』が廃止されるのと23時台の番組編成の見直しなどで、水曜・木曜深夜(実際の日付では翌曜日未明。以下同じ)0時台と1時台の一部に新番組を組む以外は月曜から木曜の0:15-2:50(日によって2:45)までに直近のゴールデンタイムプライムタイム番組の再放送を再強化することとなった。

2011-2012年度

定時再放送などは主に0:15-2:00(2011年度前期の水曜は-3:15)の間に編成。それ以後はアンコールアワーであるが、3月11日に発生した東日本大震災の影響などから、当面月曜-木曜(水曜深夜除く)は3時台以後に放送されているフィラー映像散歩を繰り上げて対応していた。

2011年5月6日深夜(=7日未明)から原則として毎週金曜深夜(=土曜未明)のこの枠で、近畿地方向けには『よるtoもっと』を放送した。この枠では主として全国放送の番組の中から再放送を行っていた。また、7月24日のデジタル放送への完全移行後は、近畿地方でマルチ編成による放送(011chが「よるtoもっと」「かんさいミッドナイトセレクション」のいずれか、012chが当番組)で行う場合もあったがいずれも2012年3月終了となった。

2012年度は月-木曜の深夜0:25-0:47(夏休み親子大会の回は0:48)に「連続クイズ ホールドオン!」の再放送が設定され、以降の時間帯の番組については大きな変更はなく時間帯を繰り下げて放送していたが、「連続クイズ ホールドオン!」の再放送が8月末で打ち切られたため、9月より以降の番組の時間帯が繰り上げられることとなった(ただし、火曜深夜については「日韓共同制作ドラマ 赤と黒」の再放送を行うため以降の番組は繰り下げての放送となる)。また前述どおり、週末の関西ローカルでの差し替えがなくなり、全国同一内容での放送に戻った(特番やスポーツ中継などやむをえない事情でのローカル差し替えは従来どおりある)。

また初期より、番組開始時に30秒間のオープニング映像(「MIDNIGHTChannel ミッドナイトチャンネル」と表示した後、テロップで「番組名」と「本放送のチャンネル名・本放送日」、地方局で放送した番組の場合は「○○地方で○月○日放送」と表示。番組終了後に翌日の放送予定映像を流す場合もあった)を流していたが、2011年頃より流れなくなっている。

2013-14年度

2013年度は23:20からの「Sportsプラス」「NEWS WEB」「時論・公論」からの流れで、番組表上当日(日付上は前日)の19:30から放送される「クローズアップ現代」を再放送することになったほか、新番組として月曜24時台に「地方発 ドキュメンタリー」を新設。また一部の番組も再放送の日時を変更するなどしている。2014年度は新たに「MUSIC JAPAN」を日曜24時台に移設し、「土曜ドラマ(または土曜21時台放送分のNHKスペシャル)」や「ヨルアニ」など一部の放送時間が変更された以外は、ほとんど前年と同じである。

録っておき再放送週間

2009年から11月、および6月の特定の1-2週間程度には「録っておき再放送」週間と銘打ち、以前放送された番組の集中再放送を展開する。これは季節特番(夏休み年末年始編成)の実施やウィンブルドン選手権(毎年6-7月)、2010 FIFAワールドカップ参議院選挙政見放送(2010年6月)、広州アジア競技会(2010年11月)などによりゴールデンタイムの番組が休止され、再放送のストックが尽きてしまう場合も考慮したものでもある。

期間中は『チェイス〜国税査察官〜』の全6回集中再放送、『連続人形活劇 新・三銃士』の序盤9回分のキャッチアップ放送、『ブラタモリ』第1期のアンコール、W杯関連の特番の集中再放送などを展開している。

一斉休止と台風情報等の提供について

開始当初、毎週日曜日(年末年始は除く)の深夜と年数回の特定期間、機械メンテナンスのある期間は放送を一部休止していたが2000年7月以降はその期間(主に毎月第1・3週の日曜深夜と春・秋の特定期間)を設けているものの各放送局が任意で休止(または減力出力放送)日時を設定している為、以前のような一斉休止は無くなった(但し、2001年10月にNHK大阪放送会館が旧会館の隣接地に移転した時の放送設備更新時、および2004年3月と6月[4]NTT中継回線をアナログマイクロ波から光ファイバーのデジタル回線に移行する際に全国一斉に休止となったことがある)。

また天災(地震、台風など)や重大な事件・事故が発生した場合はその速報体制を行うため番組が休止や変更になることもある(台風災害の場合は特に被害の大きいもの以外は通常30分、若しくは1時間の間隔で最新情報を1回10~20分程度放送し、それ以外はフィラーとして天気図・アメダス・警報一覧などを静かめのBGMを絡ませて放送している。地震や重要な事件·事故、また台風でも特に被害状況がひどい場合は中断せず断続的に放送することもある)。その場合、通常は午前0時台の番組のみ放送して、それ以後は1日の基点を迎えた後の平日は4:30、休日は5:00までの定時番組を休止する処置を取ることもある(2013年平成25年台風第26号発生時のように、定時番組を通常放送しつつ、その谷間に5-10分程度のニュースを入れたり、また部分的な差し替え(一部休止)をする場合、また東日本大震災発生時や2014年平成26年台風第8号のように午前0時台から定時番組を休止にする場合もある)。

その他、オリンピックワールドカップサッカーウィンブルドンテニス大会メジャーリーグ(野球)といった国際的なスポーツ大会がある時もそれを優先することがある。

定時番組

曜日は放送時間上(4:15基点)のものなので、暦日の上では翌曜日(例・月曜深夜=火曜未明など)である。なお、NHKの番組案内スポットでは午前0時以後の放送は原則として実際の当日の曜日と放送上で使用する前日の曜日(月曜深夜である場合「火曜(月曜深夜)」)を並列表記している(例外として前曜日の深夜とだけ表記するものあり)。

4:13ごろから放送日の切り替えのためのジャンクションとして「インターミッション」(環境映像・日章旗掲揚、各局ID)を放送。各曜日の最終定時番組終了後は基点時間まで単発アンコール、及び映像散歩を放送。日曜(特に第1・3週)25時台後半以後、及び9月-10月と2-3月のうちの2週間程度の集中メンテナンス実施日の深夜は地域によって放送設備メンテナンスのため放送休止減力放送実施。

☆は初回放送、それ以外は再放送

2013年度

帯番組

月曜深夜

火曜深夜

水曜深夜

木曜深夜

金曜深夜

(4-9月)

(10月-)

土曜深夜

日曜深夜

2014年度

帯番組

月曜深夜

  • 0:40-1:25 地方発ドキュメンタリー(☆)
  • 1:25-2:10or2:15 ドラマ10

火曜深夜

  • 0:50-1:25 歴史秘話ヒストリア
  • 1:25-2:10 木曜時代劇

水曜深夜

  • 0:40-1:30 NHKスペシャル(前週日曜日21時からの分の再放送)
  • 1:30-2:15 アスリートの魂(地上波☆)

木曜深夜

  • 0:40-1:25 プロフェッショナル 仕事の流儀
  • 1:25-1:55 SONGS
  • 1:55-2:25 タイムスクープハンター(9月まで予定)
  • 2:25-2:35 特ダネ!投稿DO画

金曜深夜

  • 0:10-1:10 単発枠(一部を除き☆)
  • 1:10-1:40 マサカメTV
  • 1:40-1:45 NHKプレマップなど
  • 1:45-2:10 探検バクモン
  • 2:10-2:35 ヨルアニ(地上波☆、ないしは教育テレビでの過去の番組のアンコール放送)
    • 2014年4月-(予定) キングダム(シーズン2)

土曜深夜

  • 0:00-0:05 NHKニュース(土曜日付け最終 ☆)
  • 0:05-0:50(通常週) 着信御礼!ケータイ大喜利(☆)
  • 0:50-1:35(通常週)・1:35-2:20(月1回程度) LIFE!〜人生に捧げるコント〜(9月まで予定)
  • 0:05-1:35(月1回程度) 今夜も生でさだまさし(☆)

日曜日

  • 0:00-0:05 NHKニュース(日曜日付け最終 ☆)
  • 0:05-0:10 MUSIC JAPAN5ミニッツ(☆ MUSIC JAPANの予告編)
  • 0:10-0:50 MUSIC JAPAN(☆)
  • 基本0:50-1:50 土曜ドラマ、NHKスペシャルなど、土曜日21時枠の再放送

事件・事故で放送が休止になった例

※マークで記した出来事以外は、事件発生から数日間は通常編成を休止したり、あるいは部分的に(特に3~4時台の映像散歩の内容を)変更したりしている。特に傾向として有珠山、アメリカ同時多発テロ関連、イラク戦争、新潟中越地震、東北地方太平洋地震のときは発生当初から1週間はほぼ予定された番組が休止され2週目以後に部分的に再開(放送)されるものの同番組終了後の映像散歩が休止され関連ニュースの速報体制を取ることが多い。
また有珠山噴火、新潟中越地震や東北太平洋沖地震では発生当初から数週間は24時台の放送も休止にし、発生当初から数日は断続的に、その後も朝の基点時間までの間は毎時00分・30分のニュース枠特設や、それ以外の時間帯のフィラーとしてのお天気カメラの放送と震災関連字幕ロールテロップを表示し続けている。

注釈

  1. 実際には23:58.30秒
  2. 総合テレビでは10月までは23:57.30秒(当時の放送終了時刻)から翌朝の放送開始に当たる6時までフィラー映像を放送。その後11月から暫定的に、「ドラマ人間模様」など過去のドラマ・ドキュメンタリーのアンコールを編成し、実質定時番組を拡大<この場合でも午前0:57.30秒からフィラーに移行>)した。昭和天皇崩御後も1989年3月ごろまで暫定拡大を続けた日があった。なおラジオ第1・FMの定時番組は通常と同じ時刻(ラジオ第1:24時、FM:1時)までで終了し、その後フィラー音楽を送った
  3. 2000年4月からはNHK教育テレビジョン(現・Èテレ)でも終日放送を開始したが、この時も当初は毎週日曜深夜を休止とする予定だった。しかし第1・3日曜の総合テレビの休止に伴い、その時の緊急有事・災害が発生した時に備えて、第1・3日曜についても終日放送とする編成が組まれ、これが2006年3月に終夜放送が廃止されるまで続いた
  4. この時はウィンブルドン選手権が雨天による延期が生じたため「ミドルサンデー」に急遽開催が決定したため、総合テレビの休止時は教育テレビを急遽利用して中継された
  5. 当初2011年度編成は3月28日<衛星放送のみ、抜本的なチャンネル編成見直しのため4月1日>からを予定していたが、震災報道により番組放送スケジュールが大幅変更されたため、総合テレビに限り新年度編成を4月4日からの開始に変更された。このためこの期間中の定時再放送を含む番組は全て休止<4月4日以後に延期の番組あり>となった。0時台には震災関係の情報番組「福祉ネットワーク」、または「クローズアップ現代」、「特報首都圏」他に差し替えられた(この間、通常は独自編成を行っている衛星第1放送(BS1)も一部の時間帯で総合テレビと同時放送を実施した。本来、大規模な台風・地震災害があり、終夜報道体制を取る場合は当時地上波との時差編成を組んでいた衛星第2放送(BS2)は総合テレビの内容を同時に放送していたが、この時は特例で総合テレビとBS1、教育テレビとBS2という組み合わせでの同時放送をしたためである。教育テレビとBS2は3月19日から通常の番組に戻したが、総合テレビとBS1は通常番組と震災関係ニュースを並列して放送し、深夜の時間帯のフィラーもこの組み合わせを3月30日まで継続して放送した)。また4月2日4月3日未明)は午前2時から5時に大リーグ中継が放送された(東北地方のみ震災関連番組再放送のため休止)。4月4日(4月5日未明)から当面は定時再放送番組とスポーツ中継番組(4月7日4月8日未明)の大リーグ中継など)に限り再開。4月8日深夜(4月9日未明)からほぼ通常の番組体裁に戻したが、2時台-4時台はしばらく映像散歩などで埋めていた

関連項目

外部リンク

  • NHK番組表(これには終了直後から放送される『映像散歩』の内容も掲載されている)

テンプレート:深夜番組レーベル