プロレスの星 アステカイザー
テンプレート:基礎情報 テレビ番組 『プロレスの星 アステカイザー』(プロレスのほし アステカイザー)は、1976年(昭和51年)10月7日から1977年(昭和52年)3月31日までNET(現:テレビ朝日)系で毎週木曜日18:00 - 18:30に全26話が放送された、永井豪・石川賢原作、円谷プロダクション製作による特撮テレビ番組。#漫画版は『アステカイザー』のタイトルで連載(石川賢が執筆)。
目次
テレビ版
特徴
円谷プロには珍しい、原作者として漫画家(永井豪・石川賢)が参加しテンプレート:Sfn、萬年社とダイナミック企画との共同で企画・制作が行われた作品テンプレート:Sfn。企画は複数社に持ち込まれており、東映テレビ事業部による企画書も存在するテンプレート:Sfn。初期の企画では「SF超ダイナミック・スポーツシリーズ」[1]と銘打たれており、プロレスだけでなくカーレースやラグビーなども扱う予定であった[2][1]。
実写作品だが、戦闘シーンのクライマックスはアニメになる[3]、という特異な構成を持つ(企画書では「ドラマメーション」なる造語とともにセールスポイントの一つとなっていた[4]テンプレート:Sfn[1] )。アニメーションにより実写では不可能なアクションを描いており[2]テンプレート:Sfn、同時期の作品『恐竜探険隊ボーンフリー』と共に特撮に替わり子供番組の中心となっていったアニメーションへの挑戦であったともされるテンプレート:Sfn。アニメーションパートの制作は土田プロダクションによるテンプレート:Sfn。
敵であるサイボーグ格闘士との闘いにおいて、「カイザー・イン!」の掛け声[5]とともにセルアニメとなり、必殺技で相手を倒した後もしくは倒す直前、実写に戻る。
ストーリーは基本的に1話完結だが、ほとんどのサイボーグ格闘士は2話連続で登場する(1話目で一旦敗れ、2話目で強化改造されて再登場)。
NETが放送している『ワールドプロレスリング』の中継団体である新日本プロレスが全面協力している[2]。
- 第1話には、アントニオ猪木、ミスター高橋(レフェリー)、倍賞鉄夫(リングアナウンサー)の3名が本人役で出演したほか、ジョージ高野が「鮮血のヘル」、佐山聡が「マッドコンドル」という覆面レスラーを演じている。佐山や荒川真は、これ以降も役名を変えて度々出演。
- 第13話では、藤原喜明のほか、レフェリーとして山本小鉄が出演(ノンクレジット)。
- 第15話では、高野が準主役を演じており、冒頭では佐山とのスパーリングシーンもある。
- 第19話で、小林邦昭と大城大五郎が対戦するイメージシーンがある(ノンクレジット)。
- 登場する架空のプロレス団体「東都プロレス」のマークは新日プロと同じライオンのイラスト。
- オープニング、エンディング画面に登場するチャンピオンベルトは、当時猪木が保持していたNWFヘビー級王座のもの。
ストーリー
悪のレスラー軍団を率い、プロレス界に跳梁跋扈する恐怖の格闘士グループ「ブラック・ミスト」。そのブラック・ミストによって兄を殺された若手レスラー・鷹羽俊が、アステカイザーとなって立ち向かう。
登場人物
アステカイザー
- 鷹羽 俊(たかば しゅん)
- 演:島村美輝
- 主人公。昭和30年10月20日生まれ[6]。「東都プロレス」に所属するプロレスラー(戦績45戦38勝7引き分け[6])だったが、兄・大二郎がブラック・ミストに殺害されたことにショックを受け現役を引退。だが実はその影で打倒ブラック・ミストを誓い、秘密トレーニングを積んでいた。兄の死からちょうど1年後、正義の戦士「アステカイザー」として復活し、ブラック・ミストの野望を打ち砕くために戦う。
- 引退後も「東都プロレス」に出入りしており、また太助たちの少年野球チームでコーチをしている。
- アステカイザー
- 演:奈良光一
- 声:島村美輝
- 鷹羽俊が、速水博士の開発した「鉄よりも硬く、ゴムよりも柔らかい」とされる性質を持った特殊樹脂「アステック樹脂」製のファイティングスーツで身を包んだ正義の戦士。その姿は古代アステカ帝国(本編では「古代戦士の国アズテク」)において伝説となっている「勇者の衣」を再現したもので、マスクの額には秘宝「アステカの星」が付いており、これがアステカイザーのパワーの源でもあるが、体力気力が弱まると色が変わり点滅を始める。それが消えた時、ファイティングスーツが逆に俊の肉体に悪影響を及ぼし、結果命を落とすことになってしまう。
- アステカイザーの名前自体も「古代戦士の国アズテク」において、最強の格闘士たる証・アステカの星を授けられた英雄「アズデクーザー」に由来したもの。
- 愛車は三輪バギーカー「マッハビート号」。
- 変身シークエンスについて、9話まではアニメでの表現で俊の身体に各部のパーツが次々と装着され、アステカイザーの姿が完成した時点で顔面のアップとなりアステカの星が光って実写場面に戻っていた。10話以降は実写合成による表現で俊の身体にアステカイザーのシルエットが赤く輝きながら覆い被さる形での変身となる。
- 主な技
- カイザークラッシュ
- 第4話で初登場した必殺技。相手に体当たりをする。いくつかのパターンが存在する。
- カイザースライサー
- 両手に装備されたカッター。展開して使用する。
速水博士とその一家
- 速水博士(はやみはかせ)
- 演:松本朝夫
- 合成樹脂研究の世界的権威だが、ゴリキングやマッハビート号を開発した[7]ように機械工学にも長けている。大のプロレスファンでもあり、東都プロレスの後援会長を務める。ブラック・ミストの不穏な動きを察知して特殊スーツを完成させた。
- 俊を「アステカイザー」に指名するとともに、兄の死で身寄りのなくなった彼を家に迎えている。また俊の秘密トレーニングではコーチを務め、技に関するアドバイスも行う。
- 第24話では自らマッハビート号を運転して、ジェセル・ハンターに氷漬けにされたアステカイザーのピンチに駆けつけた。
- 速水 かおる(はやみ かおる)
- 演:矢崎里香
- 博士の娘。高校生。父同様にプロレス好き。
- 速水 太助(はやみ たすけ)
- 演:薄田拓己
- 博士の息子で、かおるの弟。小学生。
- ゴリキング
- 速水博士が俊のスパーリングパートナーとして開発した、ゴリラ型ロボット。右手はサイボーグ格闘士の装備に対応してアタッチメントとして交換が可能。見かけの割に動きは軽快で、登場当初には油断した俊に攻撃を仕掛けるなど高性能ぶりも見せている。
東都プロレス
- ジョー神崎(ジョー かんざき)
- 演:菊地太
- 俊の先輩で、東都プロレスのエースレスラー。アステカイザーと闘うことを夢見ているが、ブラック・ミストの作戦に利用されてしまうことも多い。俊の実力および彼の兄の無念を理解しており、事あるごとにプロレス界への復帰を説いている。第20話ではワールドリーグ戦でチャンピオンとなるが、悪役レスラー・キラー熊沢と番外勝負をしたためチャンピオンの座を剥奪され、さらに出場停止処分となった。
- 山川 五郎(やまかわ ごろう)
- 演:蔵忠芳
- 東都プロレスのレスラーで、俊の親友。サタン・ソルジャーを倒すだけの力はあるものの未だリングに上がるだけの実力はなく、その日を夢見てトレーニングに励んでいる。太助ら子供たちとも親しく接している。
- 鷹羽 大二郎(たかば だいじろう)
- 演:三浦英一
- 俊の実兄。プロレスの世界チャンピオンであったが、1年前にブラック・ミストの殺人レスラー「鮮血のヘル」の反則攻撃を受け致命傷を負わされる。試合終了直後、俊にブラック・ミスト打倒の願いを託して息を引き取った。出演は第1・2・14話で殆どが回想シーンである。
- ストロング・リキ
- 演:大前均
- 東都プロレスのレスラー。第1話冒頭で世界チャンピオンになるも、突如乱入した「鮮血のヘル」と戦い負傷、引退に追い込まれる。第8話で俊と神崎が見舞いに来たのとすれ違うように退院、俊がプロレス界に戻ることを願う旨の手紙を残し、故郷に帰った。出演は第1、2話のみ。
ブラック・ミスト
構成員
- ルアー
- 声:西郷隆(第1、2話)→八奈見乗児(第3話 - )
- ブラック・ミストの首領。その姿は不明だが、アマゾン川流域のジャングル地帯にある総本部の祭壇から指令を下す。世界のスポーツ界の征服を目論む。最終話にて、総本部に乗り込んだアステカイザーを剣で攻撃するが、逆に剣をくらって爆死。
- サタン・デモン
- 演:山本昌平
- ルアーの部下で幹部。プロレス界の征服と「アステカの星」の奪取という使命に燃える。サイボーグ格闘士を従えてアステカイザーの前に現れる。常にテンションが高い。性格は残忍で、目的のためなら手段を選ばない。霊能術に長けており、拉致した者を洗脳して操ったり、疑似空間を出現させる等の能力も持つ(これらの所作の際、両眼が光る)。
ルアーには忠誠を誓っていたが、第17話でルアーがキル・ブラッドを出撃させたことから反感を持ち始める。第25話でサイボーグ格闘士が全滅すると、死での償いを迫るルアーに反逆、最終話ではサタン一族に伝わる呪いの剣と盾を装備しアステカイザーに挑み、極限まで追い込むものの、最後はアステカイザーの「アステカの星」の一撃を受けて倒された。その後、亡骸は風化し目玉だけが残され、後日、目玉も通りすがりの子供に湖へ投げ捨てられた。なおこの決戦シーンは、全26話中唯一「カイザーイン」(アニメパート)がなく、そのためサタン・デモンのアニメキャラとしての登場もなかった。 - サタン・ソルジャー
- 演:ワールドアクション
- ブラック・ミストの戦闘員。集団で行動する。単体では格闘に秀でてない坂田記者にも退けられるが、集団戦では相当強い相手と渡り合える。また、映像を見る限り、仮面の下は普通の人間である。最終話でサタン・デモンの死と同時に全滅。
サイボーグ格闘士
サタン・デモンが作戦に使用する格闘士。アイアン・バスター以外は右手に独自の兵器を装備している。ギャリソン・スネーク以外の12体は2話に渡って登場し、ブラディ・ホーネット以外の11体は再登場の際に強化改造を施されている。人語を使うことはなく、怪獣のような唸り声のみを発する。4話まで鈴木洋治が演じ、5話以降は木下栄一が演じた。
- ブラディ・ホーネット
- 第1話のラストと第2話に登場。右手に伸縮、展開が可能な槍の束を装備しており、そこから毒ガスを放つ。
- デビル・スパイダー
- 第2話のラストから第4話に登場。右手に巨大な爪を装備している。口から糸を吐く。第4話の前半で改造され爪が長くなった。
- アイアン・バスター
- 第5、6話に登場。全身のトゲを発射可能。改造後は体を球体に変型させ体当たり攻撃の能力も備わった。
- バズソー・オルテガ
- 第7、8話に登場。頭部と右手に回転ノコギリを装備している。改造後はノコギリの刃一つ一つにダイヤモンドを取り付け、特殊金属を斬れるほど強力な切れ味になった。
- ブルー・バイソン
- 第9、10話に登場。片手がムチになっている。改造時に十数箇所への改良が行われると共にパワーが3倍に引き上られている。
- アラビアン・ウルフ
- 第11、12話に登場。右手が巨大な槍になっており、付け根には4枚の回転刃がある。
- バルカン・ナイト
- 第13、14話に登場。右手にバルカン砲を装備。髪の毛は伸縮自在。
- ダーク・グラジエーター
- 第15、16話に登場。巨大なトゲと分銅が武器。改造後は変身能力を備え、アステカイザーに化けた。
- コース・デグラー
- 第17、18話に登場。全身に猛毒のトゲが生えている。腕力が特に強い。
- クライム・バリアン
- 第19、20話に登場。右手に装備するトゲ付きの巨大なハサミは第19話ではアステカイザーの右足を貫いたが、第20話では改造後にもかかわらずアステックスーツの方も補強されたため無力であった。なお第20話の戦闘シーンのラストは、アニメによるアステカイザーが実写のクライム・バリアンを倒すという演出だった。
- グローサル・ヒル
- 第21、22話に登場。鋭い三本爪と額の飾りに内蔵されたブーメランが武器。さらにその爪には、アマゾンの毒魚「パオラ」の毒が塗られている。第21話ではブーメランでアステカイザーのショルダーパットを弾き飛ばした上その痕を爪で抉り、またパオラの毒は第22話に亘って俊=アステカイザーを苦しめた。
- ジェセル・ハンター
- 第23、24話に登場。右手が巨大なドリルになっている。のちに絶対零度273度を超える零下700度の冷気を装備。
- ギャリソン・スネーク
- 第25話に登場。十字型の斧が武器。再生能力を持つ。
その他の格闘士
- 鮮血のヘル
- 演:ジョージ高野
- 第1話に登場。巨大な刀による凶器攻撃でレスラーの命を奪う。俊の兄・大二郎を葬り1年後にはストロング・リキを再起不能に追い込む。更にその後、神崎の命をも奪おうとした時アステカイザーが出現、リングで激しい戦いを繰り広げ、倒された。
- ブラック・コブラ
- 演:ジョージ高野
- 第9話に登場。賞金5000万円欲しさに挑戦した空手家・月心と戦い、戦死。
- レッド・ファイア
- 演:遠藤重夫
- 第10話に登場。アステカイザーの正体を暴くべく、俊を始めとするレスラーを相手にする。俊も疑われるが、弱いフリをしたため難を逃れた。
- にせアステカイザー
- 第13話に登場。東都プロレスのコーチになるのを断られ、どん底状態だった元チャンピオン・ジャガー春木を、サタン・デモンが唆し、霊能術で変貌させた偽者のアステカイザー。観客の前で正体を明かし、サタン・デモンが仕向けたバルカン・ナイトと戦うが重傷を負う。だがこれはサタン・デモン最初からの作戦だった。
- ダーク・アステカイザー
- 第16話に登場。改造されたダーク・グラジエーターの変身。向ヶ丘遊園で行われた着ぐるみショー「アステカイザーショー」で、明少年の兄が演じていたアトラクション用アステカイザーとすり替わり、観客を襲った。
- キル・ブラッド
- 演:多宮健二
- 第17話に登場。サタン・デモンがなかなかアステカイザーを倒せないことに苛立ったルアーが出撃させた格闘士。神崎を始めとしたレスラーを金で釣り、アステカイザー打倒の新リーグを作ろうとしたが、これを知って焦ったサタン・デモンが仕向けたコース・デグラーと対戦。その正体はサイボーグだったが、敗れて爆死した。この件で新リーグの件は断念せざるを得なくなり、ルアーはサタン・デモンの反感を買うこととなる。
その他
- 坂田記者(さかた きしゃ)
- 演:大泉滉
- 毎朝新聞社の記者。「毎朝スポーツ」のプロレス記事を担当し、スクープを狙っている。ひょうきんな男だが、神崎同様作戦に利用されることが多い。
- 源さん(げんさん)
- 演:玉川長太
- 東都プロレス道場近くのラーメン屋「ファイター軒」の店主。出前を道場に持っていくことが多く、レスラーとも懇意となっている。かつては東都プロレス所属のレスラーだった。妻の光子と、太郎という息子がいる。
ゲストキャラクター
- アントニオ 猪木(第1話)
- 演:本人
- プロレス界のスター。乱入したブラック・ミストに対し、坂田記者に「ああいう奴らをのさばらせておいてはいけないよ」と発言。また退団した俊については素質を認めた上で「人生どの道を選んでもいいが、男の意地だけは忘れるな」と語る。
- 愛田(第3話)
- 演:大塚春彦
- 五郎と同郷の若手レスラー。太陽プロレス所属でプロレス新人王決定戦で最有力になるほどの実力の持ち主。その頃、サタン・デモンはアステカイザーの正体を探るために若手レスラーを次々と拉致しており、遂に愛田と同門のレスラーも犠牲になった。そのため、愛田は彼らを救い出すためにわざと捕まる。そして仲間を救い出すために「アステカイザーは俺だ」と嘘をつき、アステカの星の行方を尋ねるサタン・デモンに、自分と闘って奪い取れ、と言う。そのため愛田はデビル・スパイダーと闘うことになり、窮地に陥る。そのことを坂田から聞いた俊は二人のデスマッチの場所へ急行する。
- 次郎(第6話)
- 演:大野よしひさ
- かおるの親友である広子の弟。闘病中であり、近々誕生日を迎えるため、速水博士に「アステカイザーに来て欲しい」と頼み、坂田記者によりアステカイザーに呼びかける記事も載る。だが、当日、「万が一、アステカイザーが来なかった場合は自分がアステカイザーに扮する」と五郎が練習で負傷。俊が五郎の付き添いで病院に行ったために遅れてしまい、次郎のところに現れたサタン・デモンは、「アステカイザーは腰抜け」とせせら笑う。俊はアステカイザーに変身し、大急ぎでやって来るのだった。
- 山川 大造(第8話)
- 演:玉川伊佐男
- 五郎の実父。息子の成長を見ようと東都プロレスを訪れたが、サタン・ソルジャーに襲われて腰を抜かした坂田記者を見、さらに五郎がサタン・デモンに対抗できなかったのを見て、怒りのあまり郷里へ帰そうとする。五郎と俊の必死の頼みで「サタン・デモンを倒せ」と条件を付けるも、2人とも拉致される。サタン・ソルジャーと闘う五郎の姿と、カイザー・クラッシャーでバズソー・オルテガを倒すアステカイザーを観た後、五郎の「アステカイザーのように強くなりたい」という決意を聞き、プロレスを続けることを認めた。
- 妻木月心(第9話)
- 演:渡辺安章
- 空手家。妻を失い、生活のために沖縄で診療所を開こうとしていた。そんな折、サタン・デモンが「アステカイザーの正体を知る者に賞金5000万円」を用意していることを知り、賞金欲しさにブラック・コブラを倒す。続いてブルー・バイソンと戦うが負傷、アステカイザーに救われ、その後速水博士からブラック・コブラ戦のファイトマネーを貰って去っていった。
- ジャガー 春木(第13、25、26話)
- 演:池田駿介
- 元チャンピオンで神崎の旧知。引退後は失業しており、神崎を頼って東都プロレスのコーチを志願するが断られる。失意のどん底だったところをサタン・デモンに霊能力を掛けられ、にせアステカイザーとなる。作戦とも知らずにバルカン・ナイトと戦って重傷を負うが、本物のアステカイザーに助けられた。その後は、郷里の伊良湖で農作業をしながらプロレスのコーチをする。その後、津村博士の件でサタン・デモンの目が自分に向けられるのを恐れた速水博士は第25話でかおりと太助を五郎とともに彼の元に疎開させた。その関係で最終話において、かおりと太助、五郎とともにサタン・デモンに襲われ、否応なしにアステカイザーとサタン・デモンの最終決戦に立ち会うこととなる。
- 信一(第14話)
- 演:丹智之
- 太助の親友。大二郎の体型と戦闘スタイルがアステカイザーに似ていることから、アステカイザーは大二郎の霊と思い込み、毎日大二郎の墓前でアステカイザーが来るのを待っていた。俊は彼を安心させるために、アステカイザーに変身して彼の元に訪れたが、後に、正体を探る手がかりとしてサタン・デモンにさらわれる。
- ジョージ(第15、26話)
- 演:ジョージ高野
- 大二郎の弟子であるレスラー。近々開催される「全プロレス団体参加リーグ戦」に参加しようと故郷のブラジルからやってきたが、ジョージに目をつけたブラック・ミストが参入を表明したため、リーグ戦は中止。これに怒ったジョージは大二郎の復讐も兼ね、「アステカイザーの正体を知っている」と称してブラック・ミストに挑戦。サタン・ソルジャーを一蹴。その後、ダーク・グラジエーターと闘うアステカイザーの姿を目撃する。そしてアステカイザーの正体が俊であることを見破り「いつかリングで対決したい」と発言してブラジルへ帰った。その後約束どおり、最終回ラストでリングに復帰した俊の最初の相手となった。
- 明(第16話)
- 演:吉田友紀
- 向ケ丘遊園の「アステカイザーショー」で俊が知り合った少年。兄(演:久保田鉄男)はショーでアステカイザーを演じていた。だがある日、その兄はショー出演者とともに、サタン・デモンの霊能力で「亡霊格闘士」にされてしまい、ショーにはダーク・アステカイザー(ダーク・グラジエーター)が出るという事件が起きる。
- 根一(第18話)
- 演:坂本高章
- 太助の親友である秀彦の従兄弟でレスラー志願。東都プロレスなどのプロレスジムに入門しようとしたが、中学生故に断られる。それを見たサタン・デモンは彼を連れ去ると、彼の入門を断った日本プロレス界を非難し、さらに「根一はブラック・ミストで修行をしている」という話をでっち上げた。やがてアステカイザーに助けられ、「5年後の再会」を約束された。
- 東郷 篤(第19話)
- 演:七五三木猛明
- 俊が知り合った少年。幼い頃の俊と同様泣き虫だった。亡き父は「サムソン東郷」という、大した活躍をしなかったレスラーだったが、俊は彼を励ますため「君の父さんはアステカイザーよりも強かった」と嘘をつく。だがその一言が裏目に出て、彼はアステカイザーを父と信じてしまい、さらに正体を探る手がかりとしてサタン・デモンに拉致される。
- キラー 熊沢(第20話)
- 演:荒川真・声:渡部猛
- 悪役レスラー。世界チャンピオンになり立ての神崎を挑発して番外勝負させ、神崎を凶器攻撃で負傷させた挙句、王座剥奪・出場停止に追い込んだ。その後サタン・デモンに拉致され、俊は神崎を窮地に追いやった者を助けることを躊躇するが、速水博士の言葉により思い直して彼を救出。彼は涙を流して謝った。
- 牧口 博士(第22話)
- 演:梅津栄
- 速水博士の友人で元医師。妻をパオラの毒で失い、解毒ワクチンを研究していたが、帰国後に薬事法違反で医師免許を剥奪され、酒浸りの荒れた生活を送っていた。その頃アステカイザーが、グローサル・ヒルのパオラ毒が塗られていた爪による攻撃で負傷し、俊が重体に陥ったため、ただ一人裁判で味方になった速水博士に懇願され治療。回復する俊の姿を観てやり直す決意を固める。その直後にパオラの毒の治療ができる人物としてサタン・デモンに目をつけられて拉致され、俊がアステカイザーである事に気づくが、俊や速水、そして再帰する自分のために秘密を守り通すことを決意し、サタン・デモンを宮ヶ瀬渓谷に誘い出す。アステカイザーに救出された後は速水博士に俊への手紙を託し娘(演:石川えり子)とともに郷里へ帰っていった。
- 津村 博士(第24話)
- 演:北浦昭義
- 速水博士の教え子で、樹脂の権威。ジェセル・ハンターのドリル攻撃でその一部を奪い取ったファイティング・スーツの秘密を知るため、サタン・デモンが誘拐し、分析を行なわせた。サタン・デモンは「スーツの弱点は(絶対零度を超越した)-700度の超低温」という事実を知ると、彼の記憶を消して解放した。解放された津村は自身の記憶が長時間ないのを不審に思い、それを彼から聞いた速水博士は彼に催眠術をかけて尋問。樹脂の分析を行なったという彼の言葉からブラック・ミストの陰謀を知ることとなる。
スタッフ、主題歌
- 原作:永井豪、石川賢
- 企画:円谷皐、衛藤公彦(萬年社)、ダイナミック企画
- プロデューサー:吉津正(NET)、高橋亦一
- 脚本:若槻文三、阿部桂一、高久進、深沢清澄
- 音楽:津島利章
- 主題歌:「カモン! アステカイザー」「ファイト! アステカイザー」
- 作詞:山川啓介 / 作曲:津島利章 / 編曲:筒井広志 / 歌:子門真人、コロムビアゆりかご会(日本コロムビア SCS-325)
- 撮影:内山五郎
- 照明:伊藤裕二
- 美術:大沢哲三
- 編集:小林煕昌
- 合成:宮重道久
- オプティカル:白子貴
- 操演:小野太吾
- 助監督:笠倉隆
- 殺陣:大塚秀宣とワールドアクション
- ナレーター:古川登志夫
- 合成作画:鯨井実
- アニメーター:白土武(ノンクレジット)、高木厚、グループ・ダート
- 制作担当:高山篤、木本誉志夫(萬年社)
- 協力:新日本プロレス、美津濃スポーツ、トヨタ自動車販売
- 掲載:小学館
- 監督:深沢清澄、岡崎明、大塚莞爾、東條昭平
- 制作:NET、円谷プロダクション、萬年社
放送リスト
話数 | 放送日 | サブタイトル | 脚本 | 監督 | 登場怪人 |
---|---|---|---|---|---|
1 | 1976年 10月7日 |
かがやけ! アステカの星 |
若槻文三 |
深沢清澄 |
|
2 | 10月14日 | 恐怖のサイボーグ格闘士 |
| ||
3 | 10月21日 | アステカイザーは俺だ!! |
岡崎明 |
| |
4 | 10月28日 | 出た! 必殺技カイザークラッシャー | |||
5 | 11月4日 | 誘拐魔 ブラック・ミストの恐怖 |
阿部桂一 |
深沢清澄 |
|
6 | 11月11日 | 少年よ見よ! アステカイザーの闘志を | |||
7 | 11月18日 | おそるべき敵 怪奇魔人サタン・デモン |
若槻文三 |
岡崎明 |
|
8 | 11月25日 | チャンピオンへの道 | |||
9 | 12月2日 | とどけ! この哀しき祈り |
阿部桂一 |
深沢清澄 |
|
10 | 12月9日 | 危うし! アステカイザー |
| ||
11 | 12月16日 | 栄光へのチャレンジャー!! |
若槻文三 |
大塚莞爾 |
|
12 | 12月23日 | 魔のリングに挑め!! | |||
13 | 12月30日 | 二人のアステカイザー |
阿部桂一 |
深沢清澄 |
|
14 | 1977年 1月6日 |
アステカイザーの正体を見た!? |
| ||
15 | 1月13日 | アステカイザーよ! いつの日か君とリングで! |
深沢清澄 |
大塚莞爾 |
|
16 | 1月20日 | 兄弟仁義だ! アステカイザー |
| ||
17 | 1月27日 | 謎のレスラー“キル”の秘密 |
若槻文三 |
深沢清澄 |
|
18 | 2月3日 | 危機一髪! 悪魔の足攻め アイアン・クロー |
| ||
19 | 2月10日 | ぼくのお父さんはアステカイザーだ! |
高久進 |
東條昭平 |
|
20 | 2月17日 | 殺人レスラーの涙 |
阿部桂一 | ||
21 | 2月24日 | 奪われたアステカの星! |
深沢清澄 |
| |
22 | 3月3日 | アマゾンの猛魚 パオラの毒 |
深沢清澄 | ||
23 | 3月10日 | 切り裂かれたファイティング・スーツ |
若槻文三 |
東條昭平 |
|
24 | 3月17日 | 零下700度の恐怖 |
阿部桂一 | ||
25 | 3月24日 | サタン・デモンの逆襲 |
深沢清澄 |
| |
26 | 3月31日 | 鷹よ! 栄光のリングへはばたけ |
若槻文三 |
映像ソフト化
- 2003年3月21日に全話収録のDVD-BOXが発売。
- 2004年に単品のDVDが発売。全5巻。
補足
- 1980年代までの誤解(書籍など)
- 「カイザー・イン!」は変身コードとされていた(実際は実写からアニメになる時のかけ声)[8]。
- 「サイボーグ格闘士」は「サイボーグレスラー」となっていた[9][10]。
- 「ファイティングスーツ」(アステカイザー用の強化スーツ)は「アステカイザースーツ」となっていた。
- 「サタン・デモン」は「サタン・デーモン」もしくは「サタンデモン[9]」(「・」がない)となっていた。
- ブラック・ミストの首領が、サタン・デモンとなっており、実際の首領ルアーを取り上げてない書籍(ケイブンシャ『全怪獣怪人大百科』など)があった。
- その他
- 本作の劇伴音楽の一部は、『恐竜大戦争アイゼンボーグ』で使用されている。
- 第2、3話のみに登場するブラック・ミストの特殊車両「サタン・バット号」は、『ウルトラマンタロウ』に登場した「ウルフ777」に再塗装と装飾を施して流用したもの[10]。
- 第19、20話に登場したサイボーグ格闘士、クライム・バリアンの頭部はのちに、『恐竜大戦争アイゼンボーグ』でボロロの頭部に流用された。同様に、第23、24話登場のサイボーグ格闘士、ジェセル・ハンターの頭部は、『恐竜戦隊コセイドン』のガバン将軍のヘルメットに流用されている。
- 客演
- 漫画『真マジンガーZERO』において、キューティハニーやけっこう仮面、ドス竜などの他の永井作品のキャラとともにアステカイザーも登場している。
漫画版
双葉社ACTION COMICS『アステカイザー』(全1巻)原作・永井豪、作画・石川賢&ダイナミックプロ。
掲載誌別サブタイトル
掲載期間は、同コミックス2頁(目次)、216頁による。
- 『小学三年生』1976年7月号 - 1977年3月号
- アステカの星の秘密
- 地獄よりの戦士
- 悪魔の子 グロリアス
- 恐怖のサイボーグ軍団
- サタンとの最後の戦い
- 『てれびくん』1976年8月号 - 11月号
- (上記期間より3話を選択し、収録。それぞれ第1話 - 第3話と表記)
- 『小学五年生』1976年2月号 - 3月号
- (サブタイトルなし)
漫画版での設定など
- 3誌共通の呼称・設定
- 「ブラックミスト」、「サタンデーモン」、と、中黒(「・」)のない呼称。
- 小学三年生、てれびくんの最終回
- ブラックミストの首領はサタンデーモンであり、サタンデーモンを倒して終了。
- 小学五年生
- アステカイザー登場編(誕生編)のみの掲載につき、最終回はない(アステカイザーの正体も不明のまま)。
- 小学三年生のみ
- 「恐怖のサイボーグ軍団」では、部下の科学者から「サイボーグに改造」という説明を聞き、サタンデーモンが驚いていた(他のエピソードでは「コスチュームに仕込んだ凶器」という描写)。
脚注
参考文献
関連項目
テンプレート:永井豪- ↑ 1.0 1.1 1.2 『メーキング・オブ・円谷ヒーロー・1』 講談社〈講談社X文庫〉、1987年、117頁。
- ↑ 2.0 2.1 2.2 テンプレート:Cite book
- ↑ 『メーキング・オブ・円谷ヒーロー・1』 120頁。
- ↑ 『永井豪TVアニメ大全』(双葉社・2003年) p.188
- ↑ この時のアステカイザーのポーズ・実写合成での描写は、8話までと9話以降とで異なる
- ↑ 6.0 6.1 第10話でのブラック・ミストによる調査データより。
- ↑ 『全怪獣怪人大百科』昭和53年度版(ケイブンシャ) p.101
- ↑ 『全怪獣怪人大百科』(昭和55年度版以降)
- ↑ 9.0 9.1 『メーキング・オブ・円谷ヒーロー・1』 118頁。
- ↑ 10.0 10.1 テンプレート:Cite book