シボレー
シボレー (Chevrolet) は、アメリカ合衆国の自動車メーカー、ゼネラルモーターズ (GM) が製造・販売する自動車のブランドである。略称はシェビー (Chevy)。Chevrolet は、テンプレート:IPA-en(シェヴラレイ、シェヴォレイ)、テンプレート:IPA-fr(シュヴロレ、シュヴォレ[1])であり、Chevy は、テンプレート:IPA-en(シェヴィ)。フランス語に由来する Chevrolet が英語圏の人には発音し難いため略称がついたとされる。
日本ではスポーティーカー、あるいは大型SUVやピックアップなどに代表される、いわゆるアメリカ車のイメージが強いが、シボレーはオセアニアを除くほぼ全世界で展開される、GMでは数少ないグローバルブランドの一つであり、その製品ラインナップも多岐に渡る。なお、オセアニアではホールデンにリバッジされて販売されている。また、韓国市場においては2011年3月に「GM大宇」ブランドが廃止され、一部車種を除いてシボレーブランドに切り替えられた。
概要
創業者はスイス出身のレーシングドライバー、ルイ・シボレー (en:Louis Chevrolet) とGM設立に大きく関わったウィリアム・C・デュラントで、1911年に設立した。シボレーのエンブレムはそのデザインからボウタイ(蝶ネクタイ)とも呼ばれる。
1920年代、フォード・モデルTがベストセラーとなると、高級車に似せたより近代的なデザインと、豊富なカラーバリエーション(モデルTは黒1色)展開などで対抗し、実用本位だが旧態化したライバルを圧倒し、以来GMは規模面で常にフォードを凌駕する世界最大の自動車メーカーとなった。
その後第二次世界大戦や1950年代の黄金期を経て、長らくGMのブランド階層の最底辺に位置しながら、ごく真っ当な基本設計と時流を的確に捉えたスタイル戦略でアメリカナンバーワンブランドの地位を保っていた。1970年代に入ると、石油ショックの影響を受けて小型、軽量化を余儀なくされ、以後、ドイツのオペルや日本のいすゞやスズキ、さらにはトヨタと連携して行く。
北米以外の地域では主にオペル(特にラテンアメリカ諸国や南アフリカ共和国など)やホールデンのリバッジ車を製造・販売していたが、2000年代に入ると転機を迎える。
2002年に韓国の大宇自動車を傘下に収めてGM大宇(現:韓国GM)を発足させたGMは、2005年にヨーロッパでそれまで展開されていた大宇ブランドを廃止してシボレーに転換したほか、アジアやラテンアメリカなどの新興国市場でオペルに代わって大宇の車種をシボレーブランドで販売するようになった。その後、GMは北米向けとそれ以外の地域向けの車種の統合を進め、主力車種を世界戦略車としていった。
近年では、ブラジルや中国の開発拠点でも自主開発が行われており、一部車種は海外展開もされている。
日本におけるシボレー
日本には当初は輸入車として導入されたが、日本の乗用車、商用車市場の伸びを受けて1927年に日本ゼネラル・モータースが設立され、大阪に組立工場が建設された。日本国内(植民地の朝鮮半島や台湾島、国連信託統治領の南洋諸島を含む)で販売されたほか、1930年代に入ると満洲国へも輸出されたが、日米関係の悪化を受けて1941年に操業中止となった。
第二次世界大戦後には、連合国軍の1国として日本に駐留したアメリカ軍関係者の車両が輸入され、その多くがそのまま日本国内で中古車として販売された。その後の輸入車の全面解禁を受けて正規輸入が開始され、その後1982年からはヤナセが輸入販売を開始し、シボレーブランドの日本での普及に大きく貢献した。
また1995年から2000年までトヨタ自動車がシボレー・キャバリエのOEM供給を受けてトヨタ・キャバリエとして販売していた。一方、三井物産が子会社の「三井物産オートモーティブ」を通じて、アメリカのコーチビルダー「スタークラフト」によるアストロのコンバージョンバンの並行輸入販売を始めた。
2000年に、シボレー車の正規輸入権は日本ゼネラルモーターズ(現ゼネラルモーターズ・ジャパン・GMJ)の所有となった。GMJと三井物産がシボレーブランド車の輸入権を持っており、販売網はGMAPが展開するGMシボレー店・三井物産(主に並行輸入を手がける外車販売店等が代理店となっている)に加えヤナセの3系列体制となっていた。GMAPJと三井物産では輸入車種が異なるが、ヤナセを含め多くの販売店がGMAPJ・三井物産それぞれが輸入した正規輸入車を取り扱っていた。
一方、GMとスズキが資本提携を結んでいたため、スズキが2000年からMWのOEM供給を、2001年からはGMとの共同開発車クルーズの生産をそれぞれ開始し、2003年からはコルベットを除くシボレー車の輸入権をGMJから取得してトレイルブレイザー、アストロ、オプトラの取扱を行った。(クルーズ・MW・オプトラについては、ヤナセでの取扱いは極一部の販売店のみに留まっていた。)
しかし、2006年3月にGMがスズキの株式の大半を売却したのを機にスズキは事業の見直しを行い、スズキが保有するシボレー車の輸入権については2006年11月にゼネラルモーターズ・アジア・パシフィック・ジャパンへと移管すると発表した(資料)。アライアンスパートナーとしてのGMとスズキの両社間における戦略的業務提携関係はしばらくの間継続されたが、スズキが生産・販売しているクルーズは2008年で生産が終了し、残ったMWも2010年いっぱいで販売が終了した。
さらにGMの日本における戦略変更に伴い、三井物産が持っていた正規輸入権が2011年11月1日付をもってゼネラルモーターズ・ジャパンに譲渡される事になり、これにより三井物産は日本でのシボレービジネスから撤退することになった[2]。
現在はカマロやコルベットなどのスポーツモデルやSUVが中心に販売されているほか、近年ではシボレーのブランド名を冠した自転車も日本国内で販売されている[3]。
欧州への展開
2005年に欧州でのシボレーブランドの展開を再開。車両の多くは、韓国工場から欧州へ輸出して賄われた。しかしながらGMの他ブランドとの棲み分けができず販売は低迷。2013年12月、GMは2015年にシボレーブランドの展開を中止することを発表、戦略ブランドをオペルとボクソールにシフトすることとした[4]。
車種一覧
現行車種
- GMJ取扱車種
- カマロ - 2009年秋より輸入再開。
- コルベット - 2000年代の一時期、「コルベット」として輸入・販売されていたが、2009年より日本向けもシボレー・コルベットとして販売されている。
- アベオ/ソニック - 3代目。中国、韓国、欧州などでは「アベオ」、アメリカ大陸、日本、東南アジアなどでは「ソニック」の車名で販売される。
- キャプティバ
- 三井物産オートモーティブ旧取扱車種
- 日本未導入車種
- スパーク - 3代目。先代がオートレックス(旧:株式会社マティス)によって「GM・マティス」として輸入されていた
- セイル - 上海GM開発
- セルタ - GMブラジル開発
- プリズマ - GMブラジル開発
- アジャイル - GMブラジル開発
- モンタナ - GMブラジル開発
- コバルト - 2代目はGMブラジル開発
- スピン - GMブラジル開発
- トラックス
- クルーズ - 2代目
- オーランド
- ボルト
- エピカ - GM大宇開発
- マリブ
- インパラ
- カプリス - ホールデン製。中東および北米(警察車両のみ)で販売
- エクイノックス
- サバーバン
- コロラド
- トレイルブレイザー - 2代目
過去の生産車種
- 日本導入車種
- オプトラ - GM大宇製。スズキが輸入
- MW - スズキ製。ワゴンRプラス/ソリオベース
- クルーズ(初代)- スズキ製。初代スイフトベース
- HHR - 三井物産オートモーティブ旧取扱車種
- ブレイザー
- トレイルブレイザー(初代)- 2006年までスズキが、2007年よりGMAPJが輸入
- アストロ
- キャバリエ(3代目がトヨタ自動車へトヨタ・キャバリエとしてOEM供給されていた)
- モンテカルロ
- セレブリティ
- ノヴァ
- コルヴェア - 『ウルトラマン』において科特隊専用車のベース車両となった。
- 日本未導入車種
コンセプトカー
脚注
関連項目
外部リンク
- シボレー公式サイト(英語)
- シボレー日本公式サイト
- シボレーヨーロッパ
- シボレーラテンアメリカ
- ボスホスジャパン・オフィシャルサイト - V8シボレーのエンジン搭載「ボスホス」の総輸入元
- ボスホスサイクル東京 - ボスホス正規ディーラー
- ジック株式会社-シボレー自転車の販売元テンプレート:シボレー車種年表
- ↑ 「パリのʁ音」で発音した場合
- ↑ 同じGM車でもキャデラック・エスカレードに関してはGMJが引き続き導入し続ける。
- ↑ ジック株式会社
- ↑ テンプレート:Cite news