シティライナー (JR西日本)

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テンプレート:列車名 シティライナーは、西日本旅客鉄道(JR西日本)山陽本線岡山駅 - 徳山駅間で運転され、そのうち広島近郊の西条駅 - 岩国駅間で2010年3月12日まで速達運転を行っていた快速列車である。

概要

1991年3月に広島駅 - 西条駅間の駅には一切停車せずに糸崎駅・岡山駅へ運転する快速が設定された。山陽線広島地区の広島以東を定期運転する快速(呉線のものを除く)としては10年5ヶ月ぶりの復活であった。1994年7月には毎日運転の臨時快速列車「スーパーラビット号」として広島駅 - 福山駅間の途中駅には停車しない快速列車が運転を開始した。

1995年4月に「スーパーラビット号」は土曜・休日運転に変更され、2001年3月に日中の広島駅 - 岩国駅間で快速運転を行う列車を新設し、広島駅 - 西条駅間ノンストップ快速列車とあわせて、広島近郊の山陽本線で運転する快速列車群に「山陽シティライナー」の名称を付けて運転を開始した。1998年3月には朝ラッシュ時に、同年10月には夕方ラッシュ時に快速列車を新設し、現在の「通勤ライナー」に相当する列車が設定された。

2002年3月に「スーパーラビット号」が廃止され、2003年3月に「山陽シティライナー」のうち、日中に運転する列車を「シティライナー」、ラッシュ時に運転する列車を「通勤ライナー」として、分離することになった。

2010年3月13日のダイヤ改正よりすべての「シティライナー」とその愛称を廃止し、朝夕の通勤時間帯の快速「通勤ライナー」のみ運転。

廃止時の運行概況

基本的には山陽本線の長距離普通列車広島シティネットワークエリア内では快速「シティライナー」となり、快速区間以外では普通[1]と案内している。該当する列車の方向幕には「西条 - 岩国間快速」とあり、車内放送でも同様の案内をする。下り岡山駅発車時点での車内放送の例としては、「西条から岩国まで快速の○○行き」「広島県内の西条から岩国までは快速となります」というものがある。広島駅の放送でも「広島 - 瀬野間快速です」「広島 - 岩国間快速です」と案内していた。

列車は最遠で下関駅まで運転されていたが、徳山駅 - 下関駅間は普通列車として運転され、徳山駅で列車番号を変更していた。なお、以前は万富駅始発の列車が下り1本のみ設定されていたが2009年3月ダイヤ改正で廃止され、糸崎駅で系統分割されている。

朝は広島駅または白市駅始発の列車や可部線直通列車も設定されていたほか、糸崎駅始発の列車も多く運転されていた。かつては下関発三石行きがあり、運行距離が 425.7km で、日本最長であった(下関駅の西隣は福岡県の門司駅で、三石駅の東隣りは兵庫県の上郡駅であるため、九州福岡県)の少し先から関西兵庫県)の一歩手前まで走行していたことになる)。三石駅直通列車が廃止されてから2009年3月までは、下関駅 - 岡山駅を運行する列車が日本最長の 384.7km になり、それ以降は下りの最長距離を走る列車は岡山駅 - 新山口駅間の 315.8kmである。

停車駅

岡山駅 - (この間は各駅に停車) - 西条駅 - 八本松駅 - 瀬野駅 - 広島駅 - 横川駅 - 西広島駅 - 新井口駅 - 五日市駅 - 宮内串戸駅 - 宮島口駅 - 大竹駅 - 岩国駅 - (この間は各駅に停車) - 徳山駅

使用車両

115系電車(300番台・1000番台・2000番台・3000番台・3500番台)が使用され、日中は主に4両編成、朝ラッシュ時は2本併結した8両編成で運行される列車もあった。山陽本線には八本松駅 - 瀬野駅間に瀬野八と言われる急勾配があるため、113系103系が使用されることはなく、抑速ブレーキが装備されている115系が使用されていた。

なお、下り1本 (5459M) のみ、113系電車で4両編成が広島駅 - 岩国駅間で運転されていた。2009年3月の改正までは、岩国駅で先行の普通列車下関行と接続をとっていた。

また、2008年3月の改正から約1年間は、広島駅 - 岩国駅間で運転される昼間の1本のみ103系電車が使用されていたが、2009年2月ごろより、113系が使われるようになった。

歴史

ファイル:JR West 115 3500 superrabbit.jpg
「スーパーラビット号」
115系1000番台+115系3500番台(2000年8月 広島駅)
  • 1991年平成3年)3月16日:広島駅 - 西条駅間無停車で糸崎駅・岡山駅へ運行する快速列車が10年5ヶ月ぶりに復活。ほぼ毎時1本の運行。
    それ以前には、1975年3月山陽新幹線博多駅乗り入れによる昼行急行列車全廃の代替快速列車が運行されていた(「山陽本線優等列車沿革」参照)。
  • 1993年(平成5年)3月18日:広島駅 - 西条駅間ノンストップ快速列車の運行を毎時2本とする。
  • 1994年(平成6年)7月21日:毎日運行の臨時快速列車として、広島駅 - 福山駅間で「スーパーラビット」が運転開始[2]。途中の停車駅はなし。
  • 1995年(平成7年)4月20日:「スーパーラビット号」を土曜・休日運転に変更。運行区間を東福山駅 - 福山駅間延長。尾道駅三原駅が停車駅となる。
  • 1998年(平成10年)
    • 3月14日:朝ラッシュ時柳井駅・岩国駅 - 広島駅間に快速列車を新設。
    • 10月3日:夕方ラッシュ時に広島駅 - 岩国駅・柳井駅間に快速列車を新設し、上の快速列車と合わせ、現在の「通勤ライナー」に相当する列車が設定された。
  • 2001年(平成13年)3月3日:昼間時に広島駅 - 岩国駅間で快速運転を行う徳山駅・小郡(現在の新山口駅)・下関駅へ運行する列車を新設。広島駅 - 西条駅間ノンストップ快速列車とあわせて、広島近郊の山陽本線で運転する快速列車群に「山陽シティライナー」と名づける。なお、呉線の快速列車「安芸路ライナー」とは異なり、愛称決定時から全国版の時刻表にも快速「山陽シティライナー」と愛称が併記された。
  • 2002年(平成14年)
    • 3月23日「スーパーラビット号」廃止。また、朝ラッシュ時、八本松駅 - 広島駅間ノンストップ快速列車を新設。
    • 10月5日広島シティネットワークを制定。ダイヤ改正により、瀬野駅(昼間時のみ)・八本松駅が停車駅となる。
  • 2003年(平成15年)3月15日:「山陽シティライナー」を、昼間時の運行列車は「シティライナー」、ラッシュ時の運行列車は「通勤ライナー」と列車名を変更する。
  • 2008年(平成20年)3月15日和木駅の開業により普通の待避が生じるため宮内串戸駅・大竹駅が停車駅となる。広島駅以西の停車駅は「通勤ライナー」と同一となる。
  • 2009年(平成21年)3月14日:シティライナーと通勤ライナーの統廃合が行われ、データイム快速「シティライナー」の運転本数を削減し、大半を普通列車のみの運転とする。次に広島駅以西の「通勤ライナー」が「シティライナー」に改称され、広島駅 - 岩国駅間を運転する快速列車は終日「シティライナー」に。また、通勤時間帯の混雑を緩和する目的で広島駅 - 五日市駅に普通列車を増発し、「休日運休」の表記を「土休日運休」に変更した。
  • 2010年(平成22年)3月13日:ダイヤ改正により「シティライナー」を廃止[3]。同時に「通勤ライナー」の通過駅である瀬野駅は普通列車のみ停車となり、西条駅 - 岩国駅間を通し運転する快速列車も廃止。

脚注

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関連項目

  1. 岡山駅では一時期「区間快速」「区快」という案内がなされていたが、2007年7月のダイヤ改正以降、この種別表記はなされなくなった。現在、同駅の列車案内装置の種別部分には、他の普通と同様に「山陽線」(伯備線との誤乗防止のため)と表記されている。
  2. 『JR気動車客車編成表』'95年版 ジェー・アール・アール 1995年 ISBN 4-88283-116-3
  3. 広島支社 快速列車の愛称名変更について - 西日本旅客鉄道ニュースリリース2010年1月29日