カネボウ化粧品

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テンプレート:Pathnav テンプレート:Infobox 株式会社カネボウ化粧品(カネボウけしょうひん)は、日本に本社を持つ化粧品会社のひとつ。旧カネボウ株式会社から化粧品事業を切り離して2004年平成16年)5月に発足した会社。花王株式会社の完全子会社。

概説

まずカネボウ化粧品の化粧品市場での位置を知るために数字を紹介すると、カネボウ化粧品の2004年度の日本国内の化粧品出荷高は181,554百万円(つまりおよそ1816億円)。 シェアに関しては7.9%であり、それは資生堂(1位)、花王(2位)に次ぐものであった[1]

沿革

  • 2004年平成16年)
    • 2月 - カネボウ株式会社とメインバンクの三井住友銀行は、カネボウの化粧品事業部門への支援を産業再生機構へ要請。
    • 3月10日 - 産業再生機構が支援を決定。
    • 5月7日 - カネボウの子会社カネボウブティックへ化粧品事業が移管され、同時に株式会社カネボウ化粧品へ商号変更。
  • 2006年(平成18年)1月31日 - 花王株式会社の100%完全子会社に移行した。同時に旧カネボウ本体より「カネボウ」の商標権が譲渡された。
  • 2011年(平成23年)5月6日 - 本社を花王株式会社本社内に移転(本店は虎ノ門のまま)。

白斑症状問題

  • 2013年(平成25年)7月 - ロドデノールを用いた美白化粧品群が、使用者に深刻な白斑症状を引き起こすことが発覚し、大規模自主回収という事態になった。
ロドデノールを使用した化粧品で、「肌がまだらに白くなった」という訴えがあったため、7月4日 に大規模自主回収を行うと発表し、使用者に対し、手元に問題の製品がある場合、使用を中止して送料着払いで送ることを求め、商品代金を返金する、と発表した[2]。7月4日の自主回収発表の時点で把握していたのは症状は39例で、美白化粧品8ブランド、54製品、約103万個を自主回収すると発表したのだった[3]。ところが、7月4日の自主回収発表の後、10万人を超える人たちから問い合わせがあり、そのうち6808人が肌に関する不安を訴え、また「5センチ以上」「に明らかな白斑」などの重い症状を訴えた使用者が2250人にものぼった[4]。7月23日に社長の夏坂真澄が記者会見を行い、経緯の説明とお詫びの言葉を述べた。白斑症状を訴えている使用者が2250人と大きな数となったことについてコメントを記者から求められると、社長は「正直驚いている。(白斑などの症状は、自社製品が原因で起きたものではなく、顧客自身の)病気であるという思い込み、予断があった」と述べた[5]

主なブランド

カネボウ化粧品

スキンケア

  • BLANCHIR(ブランシール)- 美白化粧品。※ 自主回収製品[6]
  • Free plus(フリープラス)
  • suisai(スイサイ) ※自主回収製品を含む[6]

スキンケア、ベースメイク

  • BLANCHIR SUPERIOR(ブランシール スペリア)
  • DEW SUPERIOR(デュウ スペリア)
  • FAIR CREA(フェアクレア)
  • DOLTIER(ドルティア)
  • RAPHAIE(ラファイエ)

ベースメイク、ポイントメイク

  • COFFRET D'OR(コフレドール) ※T'ESTIMOとREVUEを統合した、2007年(平成19年)12月誕生の新トータルメイクアップブランド

トータル

  • TWANY(トワニー) ※自主回収製品を含む[6]

旧カネボウコスメット

  • Lavshuca(ラヴーシュカ)
  • ALLIE(アリー)
  • KATE(ケイト)
  • media(メディア)
  • EVITA(エビータ)
  • Liftulle(リフトゥール)
  • SALA(サラ)
  • Freshel(フレッシェル)
  • PreciousTurn(プレシャスターン)
  • TIFFA(ティファ)
  • Petit Garden(プチガーデン)
  • 薬用紫電改(やくようしでんかい)
  • NUDY(ヌーディ)
  • EROICA(エロイカ)※
  • VALCAN(バルカン)※
  • VALCAN II(バルカン ツー)
  • BUTTON DOWN CLUB(ボタンダウンクラブ)
  • 9 Nine O'Clock(ナインオクロック)

※印の製品の業務用(補充)サイズは、花王プロフェッショナル・サービスよりホテル・旅館向けに発売されている。その他の製品の業務用は、主にカネボウコスミリオンから発売されている。

カネボウコスミリオン扱い

  • 潤(うるり)

百貨店向け

  • Kanebo(カネボウ)
  • LUNASOL(ルナソル)
  • IMPRESS(インプレス) ※自主回収製品を含む[6]
  • ROSY AROMA(ロージーアロマ)
  • WHITE AROMA(ホワイトアロマ)
  • CENTURY(センチュリー)
  • RMK(アールエムケイ)

コンビニ向け

業務用製品

  • Sofy(ソフィ) - 業務用ヘアケア・ヘアメイク製品。理美容院向けであるが、一部ドラッグストアでも購入可能。(販売はカネボウコスミリオン
  • Jake!(ジェイク) - 旅館・ホテル向け男性化粧品。かつては旧カネボウコスメットより家庭用に販売されていた。なお現在、個人での(家庭用使用を目的とした)購入は原則不可である。(販売は花王プロフェッショナル・サービス
  • RELAXJEWEL(リラクジュエル) - 2013年2月発売。植物由来の香りで心とカラダに新しいエネルギーが満ちるアメニティケアブランド。(販売は花王プロフェッショナル・サービス)

以前あったブランド

スキンケア

  • REVUE FRAYAFRAYA(レヴューフレイヤ→フレイヤ)
    スイサイの前身の20代向けスキンケアブランド。スイサイ発売後も数年間併売された。
  • REVUE(レヴュー〈スキンケア〉)
    フレイヤの前身の20代向けスキンケアブランド。
  • TIFFA(ティファ〈旧〉)
  • TIFFA ARGA(ティファアルゲ)
    レヴュー(スキンケア)の前身の20代向けスキンケアブランド。
    2005年(平成17年)から発売されている同名のブランドとは別である。
  • LADY80(レディ80〈スキンケア〉)
    ティファ(旧)の前身の20代向けスキンケアブランド。
  • DADA(ダダ)
    50代以上向けスキンケアブランド。かつてはティファ→エビータルネージュ→ラファイエ→ダダ→アフィニークの序列で展開された。
    その後2005年(平成17年)のラファイエのリニューアルに伴いターゲット層が高齢化したためターゲットが重なるダダは存在意義が薄くなり現行ブランドだが縮小が続いている。
  • LUCIOLE(ルシオル)
    40代向けスキンケアブランド。位置づけやコンセプトはかつてのエビータルネージュとほぼ同じである。
    現在はドルティアやSUISAIプレミオリティが事実上の後継ブランドとして機能している。
  • EVITA RENEGE(エビータルネージュ)
    レディ80エビータの後継の30代 - 40代向けスキンケアブランド。なお、本ライン消滅後1999年(平成11年)に前述のルシオルが発売されるまでこの辺のラインは途絶えていた。
    上記のティファ(旧)と姉妹ブランド的な扱いでありCMや商品展開も両ブランド共同で行われることが多かった。
  • LADY80 EVITA(レディ80エビータ)
エビータルネージュの前身の30代向けスキンケアブランド。
  • COSMETIER(コスメティア)
    フリープラスの前身の敏感肌用スキンケアブランド。
  • WEIYOU(ウェイユー)
    旧カネボウ時代末期に発売された通信販売限定ブランド。漢方をウリにしたが1年程度の短命で終わった。
  • DEARLEST(ディアレスト)
    ミレニアムリテイリンググループの百貨店数店舗のみで販売された。
  • ASTY(アスティ)
  • MORPHEE EFINE(モルフェエフィーネ)
    エフィーネの前進のスキンケアブランド。
  • FIE(フィエ)
    10代向けスキンケアブランド。

スキンケア、ベースメイク

  • AFFINIQUE(アフィニーク)
    センチュリーの前身の最高級ブランド。現行ブランドだが縮小が進んでいる。
  • DEW(デュウ)
    DEWスペリアの前身ブランド。現行ブランドだが縮小が進んでいる。
  • CHYRIA(キリア)
    レヴューの前身ブランド。
  • HF EX(アシュエフEX)
    インプレスの前身の百貨店専用ブランド。
  • YUSUI(ユースイ)
    百貨店専用かつ化粧品事業分離化後の新ブランド第1号。現行ブランドだが縮小が進んでいる。
  • MORPHEE(モルフェ)
    30代向けブランド。モルフェエフィーネの前進ブランド。
  • EFINE(エフィーネ)
    エフィーネレビュー(ベースメイク)の前進ブランド。

ベースメイク、ポイントメイク

  • REVUE(レヴュー)
  • T'ESTIMO(テスティモ)
    以上はコフレドールに統合。共に現行ブランドだが縮小が進んでいる。
  • Kanebo(カネボウ)
    1989年(平成元年) - 1990年(平成2年)の一時期発売されたノーブランドのポイントメイク品。位置付けは「BIO Fitnet」と同じくテスティモの前身。
  • LADY80 BIOBIO Fitnet(レディ80バイオ→バイオフィットネット)
    テスティモの前身の主力メイクブランド。CMなどでは「BIO」と略された場合が多い。
    現時点で当時のアイドルの起用やキャンペーンとCMソングの大々的なタイアップを行った最後のブランドであるため記憶に残っている人が多い。
    「レディ80BIO」時代はベースメイクも発売されていたが「BIO Fitnet」になった際にベースメイクはウィンセラミィ(後述)として独立した。
  • LADY80(レディ80〈メイク〉)
    レディ80BIOの前身の主力ブランド。
  • IF(イフ)
    レディ80の前身の主力ブランド。
  • JOESET(ジョゼ)
  • EVITA DUY(エビータデュイ)
    レディ80エビータの後継の30代向けメイクブランド。
    上記のレディ80BIOと姉妹ブランド的な扱いでありCMや商品展開も両ブランド共同で行われることが多かった(「ノーブルレッド」「かぐや姫」「70colors」など)。
  • LADY80 EVITA(レディ80エビータ)
    エビータデュイの前身の30代向けメイクブランド。
  • LADY80 AVA(レディ80アバ)
    モード志向の強いメイクブランド。
  • MYUK(ミューク)
    若年層向けポイントメイクブランド。
  • it beit be switch(イットビー→イットビースウィッチ)
    業界初のコンビニ専用ブランド。(販売はカネボウコスミリオン
  • NAVI(ナビ)
    ナビレヴューの前身の春夏用ベースメイクブランド。
  • SUNCERAMY(サンセラミィ)
    ナビの前身の春夏用ベースメイクブランド。
    その後12年間カネボウのイメージガールを務めることになる鈴木保奈美を始め麻生祐未大塚寧々が本ブランドでCMに初出演した。
  • FRESHEL(フレッシェル〈旧〉)
    レディ80の前身の春夏用ベースメイクブランド。
    現在発売されている同名のブランドとは別である。
  • WINCERAMY(ウィンセラミィ)
    エフィーネレビュー(ベースメイク)の前身の秋冬用ベースメイクブランド。

トータル

  • YEAH!(イェイ!)
  • PSSST!(シー!)
    以上はローティーン向けに企画・販売された。またYEAH!は玩具店ルートで販売された。
  • BIO(バイオ)
    低価格ブランド。スキンケアとしては現行ブランドだが縮小が進んでいる。
    前述のレディ80BIOとは別ブランドである。
  • HF(アシュエフ)
  • ADESSO(アデッソ)
    以上はルナソルの前身の百貨店専用ブランド。
  • CHIC CHOC(シックショック)
  • OLIVE DES OLIVE(オリーブ・デ・オリーブ)
  • Cynthia Rowlie(シンシア・ローリー)
    以上は主にバラエティショップ向けに販売された。花王との合併に伴う事業範囲見直しやバラエティショップにおける外資系比率の高まりによりバラエティショップ専用ブランドは消滅した。

フレグランス

  • iffi(イフィー)
    低価格フレグランスブランド。花王との合併に伴う事業範囲見直しにより花王のリーゼやニベア花王エイト・フォーに機能統合。なお現在、このポジションはサラやヌーディが受け継ぐ。

ヘアケア

  • マジShan(マジシャン)
    髪から身体まで一気に洗えるリンスイン全身シャンプー。旧カネボウ時代に販売終了。
  • Fashion Color(ファッションカラー)
    白髪用ヘアカラー。旧カネボウ時代に販売終了。このポジションはサラが受け継いだ。

メンズ

  • SexAngle(セクサングル)
    女性をひきつけるフェロモナブレンドの男性用フレグランス。
  • EROICA VALIANT(エロイカバリアント)
    柑橘系の香り。
  • HairWildBond(ヘアワイルドボンド)
  • Zanax(ザナックス)
  • DEVICE(デバイス)

その他

  • VITA ROSSO(ヴィタロッソ)
    カプサイシン、ラズベリーケトンを配合したダイエットサプリメントなど。旧カネボウ時代に販売終了後、暫く代替製品が無かったが、花王の完全子会社に移行したことにより、このポジションは同社のヘルシアに引き継がれた。

販売推進・宣伝 活動

イメージキャラクター

現在
  • 松雪泰子 DEW SUPERIOR(デュウ スペリア)
  • 原田美枝子 RAPHAIE(ラファイエ)
  • 風吹ジュン EVITA(エビータ)
  • 樋口可南子 EVITA(エビータ)
  • 深津絵里 BLANCHIR(ブランシール)
  • 小林聡美 Freshel(フレッシェル)
  • 北川景子 SALA(サラ)2009年4月~, ALLIE(アリィー)2011年2月~, COFFRET D'OR(コフレドール)2013年6月~
  • 藤原紀香 suisai(スイサイ)2010年2月~
  • 瀬戸朝香 EVITA FIRSTAGE(エビータ・ファーステージ)2012年2月~
  • 黒木メイサ KATE TOKYO(ケイト トウキョウ)2012年8月~
  • 永作博美 COFFRET D'OR(コフレドール)2012年9月~、並行して親会社・花王CMにも出演
  • 加藤あい COFFRET D'OR(コフレドール)2014年2月~
  • SHELLY うるり 2013年2月~並行して親会社・花王CMにも出演
  • IKKO うるり 2013年2月~
  • 本田翼 Lavshuca(ラヴーシュカ)2013年9月~並行して親会社・花王CMにも出演
  • 戸田恵子 COFFRET D'OR Gran 2013年9月~
過去
  • 森富雄 EROIKA(エロイカ) 1970〜1971年
COFFRET D'OR(コフレドール)
T'ESTIMO(テスティモ)
REVUE(レヴュー)
FAIRCREA(フェアクレア)
KATE(ケイト)
SALA(サラ)
その他商品出演

代表的なCMソング

テンプレート:See also 2004年6月23日に同化粧品のコマーシャル・ソングのみを集めたコンピレーション・アルバムBelle 〜 Kanebo Hit Songs』がソニー・ミュージックダイレクトから発売された。

提供番組

現在提供しているもの
  • めざましテレビフジテレビジョン 7時台。2013年3月まではカネボウ化粧品単体で30秒提供していたが、同4月から花王グループの一員として隔日提供するようになった。基本30秒)[8]
  • それ以外は主にスポットCMが中心。
  • 2013年の7月-10月ごろにかけては、「めざましテレビ」で不定期に化粧品の回収を促すお詫びCMを放送、スポットCMも自粛していたが、11月から商品CMを再開している。
過去提供したもの
日本テレビ系
TBS系
フジテレビ系
テレビ朝日系

脚注

  1. 出典:矢野経済研究所『化粧品マーケティング総監』(2005)
  2. お詫びと自主回収についてのお知らせ カネボウ化粧品のニュースリリースの7月4日に発表された内容。
  3. [1]
  4. [2]
  5. [3]
  6. 6.0 6.1 6.2 6.3 [4]
  7. 「鐘紡、春の化粧品キャンペーンのキャラクター『パレット・キャット』ライセンス販売」『日経産業新聞』1982年1月5日付、11頁。
  8. 花王グループとしては2013年10月度からは5時台30秒の帯提供もしており、パート提供ながらも隔日90秒となった

関連項目

外部リンク

テンプレート:クラシエsv:Kanebo