ウルトラマンパワード
テンプレート:Pathnav 『ウルトラマンパワード』(英題:Ultraman The Ultimate Hero)は円谷プロダクションがアメリカで制作した特撮作品、並びにその劇中に登場する巨大変身ヒーローの名称。
目次
概要
怪獣対特殊戦力チーム W.I.N.R. の隊員のひとりケンイチ・カイと合体したウルトラマンパワードの戦いを、アメリカを舞台に描く。登場するウルトラマンや怪獣は全て初代『ウルトラマン』のリメイクである[1]。
アメリカのケーブルテレビ局における『ウルトラマンG』の好評を受け、海外販売前提に巨大変身ヒーローの代名詞『ウルトラマン』を映画のメッカであるアメリカのハリウッドが持つ技術でリニューアルするという方針により、製作された。脚本やデザインは日本で、撮影などは全てアメリカで行われたテンプレート:Refnest。制作資金を多く負担していたため製作の主導権や著作権をハリウッド側が握り、円谷プロ側の権利は日本国内でのグッズ販売権に留まったテンプレート:Sfn。
巨大感を出すために、ウルトラマンや怪獣の登場シーンは高速度撮影で撮影されている。また、ウルトラマンや怪獣の造型レベルは非常に高く、着ぐるみ内部に細いパイプを埋め込み、冷却水を循環させてスーツアクターの負担を軽減させるテンプレート:Sfnなど、日本よりも進んだ技術も用いられた。特にレッドキングなどは表情が変わるギミックも搭載されている。
文芸設定は脚本家の伊藤和典によって行われ、脚本は伊藤と山口宏が分担して執筆したものを監督のキング・ワイルダーらハリウッド側が改稿するという方法がとられているテンプレート:Sfn。怪獣との格闘描写は、アメリカでのテレビ放送を考慮して激しい描写は避けられているテンプレート:Sfn。
第2話のパワードケムラーの「27年前の1976年に出現した」というデータから本作の時代設定は2003年になる。
本作の音楽は佐橋俊彦が担当、佐橋にとって初のウルトラシリーズの音楽担当となり、同時に特撮作品における佐橋のデビュー作でもある。
評価・影響
アメリカではテレビ放映されたが結果は振るわず、予定されていた次シリーズもハリウッド側の意向により中止となったテンプレート:Sfn。
日本ではビデオ発売ののち、テレビ放映された。当時円谷プロとTBSは『ウルトラマン80』を巡る対立以来冷戦状態となっていたが、プロジェクトに携わっていたバンダイや読売広告社などが放送枠獲得に協力しており、この放送が後のテレビシリーズ再開に至る起爆剤となったとされるテンプレート:Sfn。
登場人物
- ケンイチ・カイ隊員
- 本編主人公。怪獣と戦う力を得るためにパワードと一心同体となった。設定では日本人とのハーフとされている。
- 主に地上での情報収集や後方支援を担当することが多く、滅多に戦闘機には乗らなかった。そのため、危機に陥ったり負傷することも多々あった。また、あらゆる兵器や武器の知識に精通している。
- ラッセル・エドランド隊長
- W.I.N.R.アメリカ支部の隊長兼作戦司令官。隊長でありながら命令があまり的確ではなく、自ら出撃してもすぐに撃墜されることが多いが、生身でガボラを足止めしようとするなど任務の遂行には厳格である。
- テレサ・ベック隊員
- 科学や生物学等の知識に長けたデータ・アナリストで、W.I.N.R.のブレーン的存在。また、怪獣などの弱点を探る副隊長的存在でもあり、個人的にパワードのことを研究・調査していたが、最終話でパワードの正体がカイであることを知ってしまう。カイが地底人に拉致されて行方不明になった際には声を荒らげて取り乱し、帰ってきた彼に抱きつくという一面もあった。
- ジュリー・ヤング隊員
- ストライクビートルや潜航艇の操縦を担当する優秀なパイロット。頼りない言動が多いが腕は確か。ただし、スカイハンターを操縦することは少なく、最終話でスカイハンターを操縦した際は「あまり自信がない」と答えている。怪獣化したジャミラ・ミラーの義妹。
- リック・サンダース隊員
- W.I.N.R.のメンバーで一番のムードメーカー。ジョーク好きで常にメンバーに軽口を叩き、命令を無視することも多いが射撃の腕は一流。潜航艇を「イワシの缶詰になるのは御免だ」と毛嫌いしている。普段の軽口とは逆に思考は常識派で、最終話でカイの正体がウルトラマンという事実を最後まで認められなかった。
ウルトラマンパワード
- 名前:ウルトラマンパワード(ULTRAMAN POWERED)[2]
- 出身地:M78星雲・光の国
- 年齢:1万5000歳
- 身長:55メートル
- 体重:5万8000トン
- 飛行速度:マッハ27(地球大気圏内。宇宙空間では真紅の光球となって超光速移動)
- 走行速度:マッハ9.99
- 跳躍力:ひととび1800メートル
- 打撃力:1億トン(通常時)
- 蹴撃力:2億トン(通常時)
- 斬撃力:レーザーメス以上の切れ味を誇る
M78星雲・光の国から使命を帯び、凶悪な侵略者バルタン星人を追跡して地球に飛来した青い瞳が輝く銀色の巨人。パワードの肉体は地球での活動に適していないため、カイの精神(心)に決して立ち入らないと約束したうえで一体化(物理的融合)を果たした。その後、カイとの一体化により、地球では約3分間の活動時間を得る。
銀色のボディに初代ウルトラマン(以下ウルトラマン)を彷彿とさせる赤いラインが駆け巡っている。戦闘能力は単純計算でウルトラマンの5倍。パワードを象徴する青い瞳は「パワード・アイ」と呼称され、感情が高揚すると真紅に変色する。前腕には鰭状の器官「パワード・スタビライザー」を備える。カラータイマーは過去のウルトラ戦士のそれとは大きく異なり、中心部の光球外輪のフレームに細工が施された独特な形状をしている。光球外輪に装備された緑色の発光体「みなぎりメーター」は、エネルギーが充填されるとまばゆく発光し、活動時間の限界、または著しく体力を消耗すると輝きが衰退して点滅を開始する。
最終話では前話でドラコ戦でカイを負傷させてしまったことに責任を感じ、一体化していなければ十分な活動時間を得られないにもかかわらず、分離してゼットンと対峙。大苦戦のすえメガ=スペシウム光線の連射で殲滅するが、同時に自身もエネルギーを使い果たして力尽き、相討ちとなってしまった。しかし、パワードは仲間であるふたつの真紅の光球がサイコバルタン星人と宇宙母艦を駆逐した後、彼らにエネルギーを与えられて無事復活し、カイたちに別れを告げて光球となって故郷へと帰還した。
- デザイン・造型
- パワードのカラーリングは初代ウルトラマンをベースにして細部に手が加えられている。スーツは微妙なラインの起伏を表現するため、粘土原型で全身を作りフォームラバーの型抜きにより成型された[1]テンプレート:Sfn。生物としてのリアルな質感を醸し出せる反面、アクションでの損傷が激しく、撮影のたびに新しいスーツが用意された。またウルトラシリーズではマスクとボディースーツが一体化しているのがほとんどだが、パワードはマスクのみの着脱が可能となっていた。日本の雑誌媒体やアトラクションショー、および以降の劇場版では開米プロ制作のウェットスーツを使った衣装が使われており、胸・肩ラインの起伏、膝パーツが生地の積層で表現されている。
- クランクイン直前まで眼の色は従来のウルトラマンと同じ白光であったが、海外であるという理由で青に変更されたテンプレート:Sfn。
フラッシュプリズム
本編第一話でパワードが自身と一体化したカイへ託した変身アイテム。両端に青色、中央部に緑色の発光部がある、宇宙模様(銀色をベースに青色と赤色が入り混じっている)のカプセルで、光エネルギーを宿している。
カイは日常的にW.I.N.R.スーツの胸ポケットに入れて携帯している。変身機能だけでなく、外部からエネルギーを照射すると超強力なレーザーを発生させることも可能。最終話ではスカイハンターに装備されたレーザー砲『リダブライズド・システム・コンバーター』の動力源として使用された。
- 原語版ではオリジナル『ウルトラマン』と同じく"ベータ・カプセル"とパワードがカイに説明している。
変身方法
カイがフラッシュプリズムに右手に持って高く掲げてスイッチを入れると、3つの発光部が同時に輝いて、開放された光エネルギーがカイを包み、ウルトラマンパワードに変身する。窮地に陥ることが少なくなかったカイは、そのような状況の中で懸命にフラッシュプリズムを取り出して変身する事もしばしばあった。
能力
パワードの光線技は、初代ウルトラマンのそれをベースとしている。
- メガスペシウム光線
- 両腕を十字に組んで前腕の「パワード・スタビライザー(以下スタビライザー)」に"気力"を充填し、腕全体から一気に発射するまばゆい青白色の必殺光線。十字架をかたどるのが特徴。エドランド隊長は「ウルトラマンのレーザー」と呼称。設定上の威力はダイナマイト200万本分、初代ウルトラマンとウルトラマンジャックが使用していたスペシウム光線の5倍もの威力とされている。破壊力はスペシウム光線の5倍だが、両腕のスタビライザーにより熱量が強化され、その温度は一億度にも達する。狙い撃った対象を瞬時に蒸発させてしまう。
- 第五話、ガボラの頭部のみをピンポイントで撃ち抜いて核爆発する前に蒸発させた。第十二話、ドラコとの初戦では生体反射外骨格に反射されてパワードがダメージを受けたが、再戦でストライクビートルのミサイル連射で負った傷口にエネルギーを一点集中で撃ち込み撃破。最終話、一度目はゼットンに真正面から放つが吸収板に吸収されて反射、二度目はW.I.N.R本部の壁に反射して吸収板が装備されていない背中に放つがこれも振り向きざまに吸収、その直後最後のエネルギーを振り絞って背中に放ち殲滅。しかし第七話、ザンボラーに放つが無効化されてしまった。
- 『大怪獣バトル ウルトラ銀河伝説 THE MOVIE』登場時はウルトラマンベリアルに使用したが、ウルトラウーマンベスを身代りにされてしまい彼女にダメージを負わせてしまう。
- パワードスラッシュ(パワード八つ裂き光輪)
- エネルギーを丸のこぎり型に凝縮して投げつける光輪。初代ウルトラマンの八つ裂き光輪(ウルトラスラッシュ)と比較してやや小振りだが、鉄塔を30本まとめて切断できる威力を持つ。ドラコやゼットンに使用するが、ドラコには片手で弾き返され、ゼットンには吸収されてしまう。
- エナジーナックル
- 掌から放つ白色破壊光弾。ダダにダメージを与えた。
- パワードボム
- 両手で放つ青色爆発光弾。ドラコに使用するが効果はなかった。
- パワードバリヤー
- 透明なエネルギーの防御壁を作り出し、ドラコの高周波を防いだ。
- パワードアイビーム(本編未使用)
- 透視光線。主に特殊能力を持つ敵への対抗策として用いられる。
- テレパシー
- 怪獣や宇宙人に対して、意思の疎通を行う。集中する際には、合掌のポーズをとる。人間の森林伐採に対する怒りで暴れるザンボラーに対し、テレパシーで語りかけて説得した。
- ウルトラ念力(火災鎮火能力)
- ザンボラーが引き起こした山火事や、コンビナートの火災を、念力で静めた。
- ハンドシャットアウト(火炎反射能力)
- ペスターの火炎を、両手で押さえ込むように受け止めた。
- エナジーリバース
- バルタン星人のバイオビームを両手で投げ返し、ダダのアームレーザーを跳ね返した。
- ボディリバウンド
- アボラスの溶解泡とバニラの火炎を、それぞれ掌で受け止めた。
- パワードパンチ
- スタンダードな技。敵に連打し1億トンの破壊力で敵にダメージを与える。
- パワードキック
- 2億トンの破壊力を持つ強力な技でバニラやゴモラを吹き飛ばす威力を見せた。
- パワードチョップ
- 手刀と前腕のパワードスタビライザーを駆使した強力なチョップ。雌のレッドキングを一撃でダウンさせる威力がある。
- パワードダブルチョップ
- パワードチョップの変形版。手刀と前腕のパワードスタビライザーを駆使したパワードチョップを両手で打ち込む。
- ウルトラ・ヘッドパッド
- 強烈な頭突きでダダ戦でのみ使用。ダダを後退させた。
- ウルトラパワー
- 体中の気を集めることでパワーをアップさせる。劇中では雄のレッドキングの突進を押し返すなどしている。
- ジャイアントスロー
- 両腕で4万t級の怪獣の体をつかみ、一気に500m以上の上空まで放り投げる大技。大量のガソリンを摂取しているため、地上で倒すと危険なペスターに対して使用した。他に、背負い投げや、重さ13万tのテレスドンを両腕で頭上に掲げて投げ飛ばした「パワードリフター」も存在する。
W.I.N.R.
W.I.N.R.(ウィナー)は、Worldwide Investigation Network Responce の略で、超常現象や怪獣・異星人による怪事件などの調査・対応のために国連指揮の下で編成された特別捜査ネットワーク機関。
その運営は各国からの基金で成り立っており、世界各国に支部が点在する。基本的に調査・研究機関である為、怪獣対策時も第一に人命・共有財産保護を目的とし可能ならば怪獣を保護する場合もある。
しかしここ数年怪獣出現が頻発し、W.I.N.R.は対怪獣戦を主任務とした組織というイメージが強くなっている。時には各国の軍隊と共同作戦の展開なども行うが、W.I.N.R.の方針上、軍からの命令には拒否権を持ち、国家間戦争には決して介入しないことになっている。
組織のマークは『ウルトラマン』の科学特捜隊と同様、星に矢羽を付けたようなデザインになっている。
北米支部基地
- 本編の舞台で、劇中では本部と呼称される。カリフォルニア州ロサンゼルス郊外に位置する。
- 曲線を多用した銀色の基地で、最新の耐火・耐震設計が施されているため非常に頑強でレーザー砲・ミサイル砲各種も設置されている。基地の中枢となるコマンドルームは大規模な空間で、多数のモニターやコントロールパネル、軍のものを超える高度な研究システムを備え、他にも隊員たちの私室やメディカルルーム、科学室なども基地内部に置かれている。スカイハンターの格納庫や、ストライクビートルを直接発進させるリフトは基地の傍らの地下に存在する。
- 長く本編の舞台であったが、最終話の冒頭にて、宇宙から降ってきたゼットンの繭が直撃、破壊された。その後、ウルトラマンパワードのメガスペシウム光線を反射し、大爆発を起こし、完全に壊滅した。
装備
銃器類・特殊装備
- W.I.N.R.スーツ
- 鮮やかなブルーを基調とした隊員服で、出動時には左肩に個人IDが付いたジャケットをスーツの上に着込む。スーツとジャケットの左胸部分には各隊員の姓が英字でプリントされている。
- W.I.N.R.ヘルメット
- 戦闘時に着用するモニター機能を備えたゴーグル付きの特殊強化プラスチック製高性能ヘルメット。頑丈なだけでなく、赤外線捕捉機能やカメラマウントまで装備している。
- インターフェイス・コミュニケーター
- 隊員が携帯するリストシーバー。電磁波の影響を一切受けずに遠距離通信が可能で、円形の画面に送信者の姿が映される。
- W.I.N.R.ショット
- 隊員が携帯する0.6mm電磁レールガン。銃身を伸ばしたランチャーモードにすると、9mmロケット弾を発射できる。デザイン段階では弾頭部に劣化ウランを使うという案があった[3]。
- スティンガーミサイル
- 強力な破壊力があり、地上戦でリックが多用し、第1話でバルタン星人攻撃に使用したが、無効だった。
- 小型ロケットランチャー
- 発射口が4つあり、第9話でカイがアボラス攻撃に使った。ローバーの後部シートに搭載されている。
- 元素スキャナー
- 第2話ではケムラーを、第6話ではジャミラをそれぞれ探索するために使用された探知機。
- 放射能防護服
- 第5話で、ヤングとサンダースがウラン爆弾開発の為に着用した黄色の防護服。
- 耐熱服
- 第7話で、カイがザンボラーにローバーで接近した際に着用した。
- 絶縁服
- 第8話で、隊員たちがダダの電流攻撃を防ぐために着用した。
ライドメカ
- ストライクビートル
- 全長:15.8m 全幅:13.2m 重量:6.8t 最高速度:マッハ3.1 乗員:2名
- 対怪獣攻撃用に開発された主力戦闘機で、開発コードは「WR・FA-04A」。北米支部基地には4機ほど配備されており、機体番号「VTAC01」と「VTAC02」の2機が劇中で活躍した。二次元推力偏向ノズルを持つREJ-003 グリフォンMk VIIIエンジン2基を有し、主翼先端の浮遊翼と合わせて低速機動運動やホバリングだけではなく後進すら可能とする高い機動性を持つ。また、赤外線と音響の遮断を重視した対怪獣用のステルス性を有している。武装としてAI搭載の多目的ミサイルを装備するほか、状況に応じて対地レーザーユニットや30mm機関砲ユニットを搭載することも可能テンプレート:Sfn。世界中のW.I.N.R.各支部に配備されており、支部ごとに外観が異なるらしい。
- 初期企画段階では「レディビートル」という名称の女性専用機であったテンプレート:Sfn。
- スカイハンター
- 全長:313m 全幅:195m 重量:553t 最高速度:時速960km(大気圏内)・マッハ18.5(宇宙空間) 乗員:6名(非常時:200名以上)
- 宇宙航行も可能な巨大空中母艦(実写ウルトラシリーズに登場した防衛チームの大型機中歴代1位の大きさを誇る)で、開発コードは「WR・SC-02-1」。多目的硬質飛行船で、事件現場では作戦本部になる。ストライクビートル3機のほか、S-22号や各種車両を搭載するテンプレート:Sfn。武器は強力レーザー砲と大型ミサイル砲で、機体下部に装備した巨大メカハンドで怪獣の運搬も行う。基本乗員は6名だが、救助時は最大20名、最大非常時には200名まで搭乗可能。
- 最終回ではカイが持っていたフラッシュプリズムを利用して開発した強力レーザー砲「リダブライズド・システム・コンバーター」を装備してサイコバルタン星人の宇宙船を攻撃した。
- 初期企画段階での名称は「スカイマンタ」テンプレート:Sfn。
- ローバー
- 悪路も走行可能な4WDで、最高時速240kmの6人乗り高性能地上攻撃車。輸送や戦闘、パトロールなどに用いられる。
- ベース車両はハマー・H1の4ドアオープントップであるテンプレート:Sfn。
- 特殊潜航艇S-22号
- 深さ1万mの海底でも活動可能な水中作業用メカ。武器は2基の魚雷。
- ジュピターIV
- 人類初の有人木星探査船で、正確にはW.I.N.R.の装備ではない。木星への到達直前に、指揮官だったジャミラ・ミラー空軍少佐が青い球体に乗っ取られて怪獣化し、予定の軌道を外れて消息を絶った。その後、木星探査のデータは国家保安局によって重要機密として凍結されている。
その他の設備
- 通信衛星
- 第7話に登場。地上攻撃用の強力レーザー砲『サイクロープス・アイ・レーザー』を装備し、カイの遠隔操作で地上のザンボラーを攻撃した。
キャスト
レギュラー・準レギュラー
- ケンイチ・カイ - ケイン・コスギ(日本語吹き替え:森川智之)
- ラッセル・エドランド - ハリソン・ペイジ(内海賢二)
- テレサ・ベック - サンドラ・ギィバード(戸田恵子)
- ジュリー・ヤング - ロビン・ブライリー(久川綾)
- リック・サンダース - ロブ・ロイ・フィッツジェラルド(江原正士)
- ウルトラマンパワード(声) - ショー・コスギ(ショー・コスギ(第1話)、大塚明夫(第13話))
- 戦闘中の掛け声は初代ウルトラマン(中曽根雅夫)の流用。
- ビデオ版予告ナレーション - 森川智之
ゲスト出演者
- 警察官(第1話) - マリ・ワイス、スティーブン・R・バーネット(堀越真己、牛山茂)
- レポーター(第2話) - パティ・ペリカン(佐々木優子)
- ハリッキー(第2話) - コンバット・バックマン(峰恵研)
- 牧場主(第2話) - エド・モーガン(島香裕)
- ロジャー・シェクター(第3話) - ジェフリー・コムズ(菅生隆之)
- バマラ(第3話) - ジュリー・ウリベ(佐々木優子)
- カタンガ(第3話) - イライアス・ガレゴス(小室正幸)
- ピート(第3話) - フィリップ・タンジニ(相沢正輝)
- 太陽の民(第4話) - ジム・ユスタマン、ケビン・ハドソン(塚田正昭、他)
- 白衣の女性(第4話) - ジュディ・ジィーン・バーンズ(久保田民絵)
- カイル・モリソン(第4話) - アレックス・ネビル(成田剣)
- 陸軍将校(第4話) - ジョン・トゥイ(小島敏彦)
- ケインズ(第5話) - ダニー・ヒックス(小島敏彦)
- ウインディラ(第5話) - ケビン・ペイジ(福田信昭)
- 原発職員(第5話) - ブレンタ・クレミー、レイ・ラグリン(田中敦子、成田剣)
- 採掘会社社員(第5話) - アート・ボニーラ(塚田正昭)
- フェントン(第5話) - ビル・ムミー(特別出演)(坂東尚樹)
- ジャミラ・ミラー(第6話) - フィリップ・スチュアート(辻親八)
- カレン・ミラー(第6話) - マリッサ・セオドア(岡村明美)
- パティ・ミラー(第6話) - キンバリー・ベック(相沢恵子)
- エセックス大佐(第6話) - ジョン・マッカーン(有本欽隆)
- エセックス大佐の部下(第6話) - ジェシー・コインズ(荒川太郎)
- ダン(第6話) - スティーブン・クレーマー(水野龍司)
- 消防士(第7話) - マイケル・ハンガフォード(水野龍司)
- ダダ(声)(第8話) - 不明(田原アルノ)
- ニューロネット社幹部(第8話) - ウェンディ・ロビー(井上喜久子)
- マーク・ミッチェル(第8話)ウォルフ・ミュザー(平田広明)
- 刑事(第8話) - スティーブ・イースティン(大山高男)
- ドクター(第8話) - ジャック・オング(小山武宏)
- ミッチェル家の隣人(第8話) - ローズ・マリー(特別出演)(さとうあい)
- ウィッティガー博士(第9話) - ジェイソン・トッド・マジック(大山高男)
- ウィッティガーの助手(第9話) - シァーノ・パロビッチ(さとうあい)
- ジェシー(第9話) - キャサリン・ネガシ(井上喜久子)
- デニス(第9話) - ジョン・G・ハーツラー(平田広明)
- 水道局員(第9話) - スティーヴ・モナーク(小山武宏)
- アルツール・メンデス(第10話) - ハイメ・P・ゴメズ(影丸茂樹)
- ガーナース(第10話) - ミリ・ノバック(深見梨加)
- 検査官(第10話) - トム・フィンネガン(藤本譲)
- 石油会社職員(第10話) - E.E・ベール(長島雄一)
- TVレポーター(第10話) - ジュディ・ルイズ・ジョンソン(氷上恭子)
- ハセガワ博士(原語ではナガン博士)(第11話) - ダニー・カメコナ(藤本譲)
- 警備員(第11話) - トレシ・ウォルター(特別出演)(塚田正昭)
- ニュースキャスター(第11話) - ワーレン・スタンホップ(辻親八)
- シルビア・ジャクソン(第11話) - サンドラ・スプリグス(深見梨加)
- 気象予報士(第11話) - ダン・ロジェー(長島雄一)
- ヘリのパイロット(第12話) - カール・ルクット、テッド・プライーヤ(古田信幸、大塚明夫)
- カルシア将軍(第13話) - ハロルド・カンノン・ロペズ(大木民夫)
スーツアクター
- ウルトラマンパワード:スコット・ロジャース
- 怪獣:モンティ・L・サイモンズ、マイケル・R・ロング、テリー・ジェームズ、ゲイリー・ポール、アンソニー・Kramme、ジェニー・カプラン
放映リスト
本作品に関しては地上波における最初の放送を対象としている。 カッコ内はアメリカでの話数。
放送日 | 話数 | 視聴率[4] | サブタイトル(日・英) | 登場怪獣・宇宙人 | オリジナル脚本 | 脚本 |
---|---|---|---|---|---|---|
1995年4月8日 | 1 | 5.4% | 銀色の追跡者(On a Mission from M78) | 宇宙忍者バルタン星人(複数) | 伊藤和典 | キング・ワイルダー |
1995年4月15日 | 2 | 5.2% | その名はウルトラマン(Catch a Kemura by Tail) | 毒ガス怪獣ケムラー | ||
1995年4月22日 | 3 | 5.8% | 怪獣魔境へ飛べ!(A Quaret of Creatures) | 有翼怪獣チャンドラー 友好珍獣ピグモン 髑髏怪獣レッドキング(雌、雄) |
山口宏 | ジョン・ダグラス |
1995年4月29日 | 4 | 7.3% | 闇からの使者(The Dark Past) | 地底怪獣テレスドン 太陽の民(3人) |
伊藤和典 | スティーヴン・カランディ |
1995年5月6日 | 5 | 6.6% | 電撃防衛作戦(Monstrous Meltdown) | ウラン怪獣ガボラ | 山口宏 | バド・ロバートソン |
1995年5月13日 | 6(8) | 4.0% | 宇宙からの帰還(A Father's Love) | 棲星怪獣ジャミラ 謎の生命体 |
スティーヴン・カランディ | |
1995年5月20日 | 7(9) | 4.8% | 灼熱の復讐(Fire Below) | 灼熱怪獣ザンボラー | 伊藤和典 | トッド・ギルバート |
1995年5月27日 | 8(6) | 3.8% | 侵略回路(The Dada Effect) | 三面怪人ダダ(A、B、C) | 伊藤和典 ジョン・ダグラス |
ジョン・ダグラス |
1995年6月3日 | 9(7) | 5.5% | 復活!ニ大怪獣(Tails from the Crypts) | 赤色火焔怪獣バニラ 赤色火焔怪獣バニラ(再生) 青色発泡怪獣アボラス |
山口宏 | バド・ロバートソン |
1995年6月10日 | 10 | 3.4% | 二人の英雄(Deadly Starfish) | 油獣ペスター | 山口宏 バド・ロバートソン | |
1995年6月17日 | 11 | 6.9% | よみがえる巨獣(Dino Might) | 古代怪獣ゴモラ | 伊藤和典 | ティム・レーネーン |
1995年6月24日 | 12 | 3.8% | パワード暗殺計画(Falling Stars Spell Trouble) | 彗星怪獣ドラコ どくろ怪獣レッドキング(雄)(2体目) 宇宙恐竜ゼットン(シルエットのみ) |
ウォルター・A・ドォティ三世 | |
1995年7月1日 | 13 | 4.0% | さらば! ウルトラマン(The Final Showdown?) | 宇宙恐竜ゼットン 宇宙忍者サイコバルタン星人 宇宙忍者バルタン星人(複数) |
- 本作品に登場する怪獣は、映像作品中では『ウルトラマン』のものと全く同じ名(上記リスト中の表記)で呼ばれている。書籍によっては日本のウルトラ兄弟シリーズの後を受けて「xxx代目」とカウントされる場合もあるが、商品化時などほとんどの場合「パワードxxx」と呼んで『ウルトラマン』に登場した怪獣と区別している(サイコバルタン星人を除く)。
スタッフ
- 製作:円谷プロダクション、ウルトラマンパワード製作委員会(バンダイビジュアル、講談社、サントリー、丸紅、読売広告社)
- 製作総指揮:円谷皐
- プロデューサー:円谷一夫、渡辺繁
- 制作プロデューサー:ジュリエット・アボラ
- 監督:キング・ワイルダー
- 特殊効果:ジョセフ・ビスコーシレ
- 音楽プロデューサー:玉川静
- 音楽:佐橋俊彦
- 怪獣 & メカニックデザイン:樋口真嗣、前田真宏、三池敏夫
- ウルトラマン&モンスター造型:ケビン・ハドソン
- キャスティング:アロン・クリフィス
- コスチュームデザイナー:エリザベス・ジェット
- プロダクション・デザイナー:アロン・オズボーン
- 撮影監督:ドン・E・ファントリロイ、カルロス・ゴンザレス・バアレット
- 編集:ニナ・M・ギルバーティ
- 2ndユニット監督/撮影監督:R・マイケル・ストリンガー
- スタント・コーディネーター:ゲイリー・ポール
- 制作:メジャー・ハヴォック・エンターテイメント
- 日本語版演出:高橋剛
- 翻訳:佐藤恵子
- 調整:熊倉亨
- 日本語版製作:東北新社
映像ソフト化
ビデオ(VHS、セル・レンタル共通)とLD(セルのみ)の字幕版と日本語吹き替え版の両方が全話リリースされている。DVDの発売については2013年現在未定。
主題歌
- 『ウルトラマンパワード』
- 作詞 - 松井五郎/作曲 - 鈴木キサブロー/編曲 - 矢野立美/歌 - 前田達也
- オープニングテーマ。アメリカ版はインストを使用。
- 『この宇宙のどこかに』
- 作詞 - 松井五郎/作曲 - 鈴木キサブロー/編曲 - 矢野立美/歌 - 前田達也
- ビデオ版エンディングテーマ。映像は黒バックに白字でスタッフ・キャストがクレジットされる。
- 『STARLIGHT FANTASY』
- 作詞 - 森雪之丞/作曲 - 良実明宏/編曲 - Y2/歌 - 須藤ひとみ
- テレビ版エンディングテーマ。映像は本編の映像を編集したものに差し替えられた。
他のシリーズとの関係
『ウルトラマン』~『80(エイティ)』及び『G(グレート)』との世界観繋りは明確でない[5]。このような設定の曖昧な点は『ウルトラマンG』、『ウルトラマンネオス』でも見られる。
映画『大怪獣バトル ウルトラ銀河伝説 THE MOVIE』では当初は登場予定はなかったが、「設定上さしさわりないなら出したい」というスタッフの意向で宇宙警備隊の隊員としての姿が描かれた[6]。
『ウルトラマンティガ THE FINAL ODYSSEY』に登場した朽ち果てた巨人の中にパワードそっくりな石像も存在する[7]。
ウルトラシリーズでの客演
- 『新世紀ウルトラマン伝説』
- 他のウルトラ戦士と共に天空魔と戦った。
- 『新世紀2003ウルトラマン伝説 THE KING'S JUBILEE』
- ウルトラマンキングの誕生日を他のウルトラ戦士と共に祝福する。
- 『大怪獣バトル ウルトラ銀河伝説 THE MOVIE』
- 宇宙警備隊員としてパワードが登場。主に同じ海外作品の『ウルトラマンG』、『ウルトラマンUSA』のウルトラチームと一緒にいる場面が多い。
- ウルトラマンベリアルとの戦いではメガ=スペシウム光線を放つが、ベリアルが盾にしたベスに命中してしまい、他のウルトラ戦士と共に負けてしまった。その後、光の国の氷結に巻き込まれるが、ウルトラマンゼロがベリアルから「プラズマスパーク・エネルギーコア」を取り戻したことにより、無事復活する。最後の場面ではウルトラマンキングの演説を聞いている。
ゲーム版
テンプレート:Infobox 本作のゲーム版は1994年3月20日にバンダイから3DO用として発売された対戦型格闘ゲーム。日本国内では初の3DO規格マシン『3DO REAL』と同日に発売されたソフトの1つ。
CD-ROMの大容量を活用した実写取り込みの動画や高品質なBGMなど、発売当時としては先進的な演出がなされていた。1994年5月末までに5万本販売。
システム
ゲームシステムはスーパーファミコン用ゲームソフト『ウルトラマン』、『ウルトラセブン』がベースになっている。システム上の主な変更点は以下のとおり。
- 防御動作の追加
- 敵のゲージを吸収する「挑発」の追加
- 光線技などの必殺技はコマンド入力によって発動するようになった。技によってはゲージが必要。
- ウルトラマンパワード使用時にメガスペシウム光線を放つには、ゲージが満タンの状態を一定時間維持する必要がある。条件を満たすと、画面上部中央に表示されているカラータイマーを囲む8つの小さいランプが点滅する。
- 『ウルトラマン』、『ウルトラセブン』では、敵怪獣を倒すには体力を0にしてからとどめにレベル4の必殺技を使う必要があったが、本作ではこの手順を踏む必要が無くなった。敵怪獣の体力を0にすると自動的にとどめの演出が入る。
ゲーム内容
- VISUAL MODE
- ウルトラマンパワードを操作し、敵怪獣と対戦するモード。全3ステージ。ステージ開始時と終了時に原作からの取り込み映像を使用した動画が挿入される。また、とどめの演出がBATTLE MODEと一部異なる。
- BATTLE MODE
- ウルトラマンパワードを操作し、敵怪獣と対戦するモード。全8ステージ。
- VS MODE
- 1P vs CPU、または1P vs 2Pで対戦するモード。演出の都合上、1P側がウルトラマンパワード、2P側がいずれかの怪獣を選択することになる。隠しコマンドで1Pと2Pを交換することはできるが、怪獣同士で対戦することはできない。
- DATA BASE
- データベースモード。原作の画像が閲覧できる。
VISUAL MODEとBATTLE MODEでは怪獣との対戦前にVTOLによる3D視点のシューティングモードがあり、怪獣に撃墜されるまでの間、ある程度のダメージを与えておくことができる。
登場怪獣
BATTLE MODEでの登場順。※はVISUAL MODEにも登場する怪獣。
脚注
参考文献
関連項目
テンプレート:ウルトラシリーズ
- ↑ 1.0 1.1 テンプレート:Cite book
- ↑ 劇中では「宇宙の平和を守る組織に属する者」とだけカイに自己紹介しており、彼の命名によってW.I.N.R.のメンバーからは「ウルトラマン」と呼ばれている。劇中で"ウルトラマンパワード"や"パワード"と呼称されたことは一度もない
- ↑ 『B-CLUB』掲載記事
- ↑ ビデオリサーチ調べ(関東地区)
- ↑ パワードがM78星雲・光の国出身で宇宙警備隊の隊員であることと、メガ・スペシウム光線など技の威力について設定上のウルトラ兄弟との比較がなされていることで作中の繋がりが示唆されている程度である。
- ↑ 同映画パンフレット坂本浩一監督のインタビュー参照。
- ↑ 『テレビマガジン特別編集 平成ウルトラ映画全集』。