いわて銀河鉄道線

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|} いわて銀河鉄道線(いわてぎんがてつどうせん)は、岩手県盛岡市盛岡駅青森県三戸郡三戸町目時駅を結ぶIGRいわて銀河鉄道鉄道路線第一種鉄道事業者)である。また、日本貨物鉄道(JR貨物)が第二種鉄道事業者となっている。元は東北本線の一部で、2002年12月1日東北新幹線盛岡駅 - 八戸駅間開業の際に東日本旅客鉄道(JR東日本)から経営分離された。

路線データ

なお、IGRいわて銀河鉄道が自社で鉄道資産を保有する線路区間は、東日本旅客鉄道(JR東日本)盛岡駅北側の場内信号機付近にある会社境界点から青い森鉄道線目時駅南側の県境上の会社分界点までである(ただし、盛岡駅 - 盛岡車両センター間の引上線および、好摩駅構内のJR花輪線との会社境界点より大館方をのぞく)。またキロポストは分離前のJR東北本線時代の東京起点のものがそのまま使用され、IGR線内各踏切に書かれているキロ数表示も東北本線時代のまま東京からの通算表示となっている(起点である盛岡駅0・1番ホームにもIGR線用0キロポストは設置されていない。青い森鉄道線内キロポストも当線同様東京起点からの通算表示で、目時駅構内に青い森鉄道線用0キロポストは設置されていない)。

運行形態

地域輸送

運転系統としては青い森鉄道線目時駅 - 八戸駅間と事実上一体の運行である。盛岡駅 - 八戸駅間の直通運転が1時間あたり1本運行されており、盛岡駅 - 滝沢駅・いわて沼宮内駅間の区間列車も多数設定されている(夜の滝沢行き2本は土曜・休日運休)ほか、八戸駅 - 盛岡駅間の快速列車が上り1本、盛岡駅 - 二戸駅間の各駅停車が1往復、盛岡駅 - 金田一温泉駅間の各駅停車が朝に上り1本と夕方に1往復、二戸駅 - 八戸駅・青森駅間の各駅停車が1往復(下り1本は青森行き)、三沢駅 - 盛岡駅間の各駅停車(八戸で列車番号が変更)[1]が上り1本それぞれ設定されている。2013年3月16日のダイヤ改正より、盛岡駅 - 好摩駅間の区間運転列車も設定されている。なお、会社境界である目時駅を始発・終着とする列車はなく、乗務員も目時駅で交代せずに盛岡駅 - 八戸駅間を通し乗務する。

好摩駅を起点とするJR花輪線の列車は、全列車が当線に乗り入れ、盛岡駅まで運行する(平日の荒屋新町駅発の上り1本は、さらに盛岡駅を越えて東北本線日詰駅まで運行する)。なお、両社境界の盛岡駅および好摩駅における両社間引継は行われず、これらの直通気動車列車はJR東日本の運転士と車掌が盛岡駅 - 好摩駅まで通しで乗務している。小鳥谷駅 - 鮫駅間に下り1本が運行されている青い森鉄道線・JR八戸線直通気動車列車についてもJR東日本の運転士と車掌が乗務している。

朝の通勤・通学の時間帯には、JR東北本線への直通列車として、一ノ関駅 - 滝沢駅間の列車が1往復設定されているほか、下りは一ノ関駅→いわて沼宮内駅間が1本、上りは荒屋新町駅→日詰駅間(土曜・休日は盛岡止)が1本、いわて沼宮内駅→北上駅間が1本、あわせて下り2本・上り3本設定されている。なお、2010年12月3日までは釜石花巻経由好摩行きが1本設定されていた(翌4日からは盛岡止め)。東北本線と直通運転する電車列車(IGR7000系・JR東日本701系を使用)については、盛岡駅で乗務員が交代している。

当線盛岡方面各駅と花輪線各駅相互間は連絡運輸が設定されているため通しの乗車券で乗車できるが、好摩駅において花輪線大更鹿角花輪大館方面と当線・青い森鉄道線いわて沼宮内・二戸・八戸方面は連絡運輸が設定されていないため、乗車券は好摩駅で打ち切りとなる。ただしJR線の前後で利用する場合に限っては通過連絡運輸が設定されている。また、前述の下り二戸発青森行きと上り三沢発盛岡行きなど、IGR線各駅から陸奥市川駅 - 青森駅の各駅間を乗車する場合は、IGR線各駅 - 目時駅間の乗車券と青い森鉄道線目時駅 - 陸奥市川駅以遠の乗車券または運賃がそれぞれ必要となる(八戸駅で乗り換え時間や停車時間に余裕がある場合は、目時までのIGR乗車券を改札口に提示すれば目時起点の陸奥市川以北への青い森鉄道線乗車券を購入できる)。

広域輸送

新幹線開通前は多くの特急列車が走っていた。東北本線時代と同様、本州と北海道を結ぶ物流の幹線ルートの一部であり、JRから多数の貨物列車のほか、上野駅 - 札幌駅間の寝台特急北斗星」・「カシオペア」が直通・通過するが、盛岡駅をのぞいて線内に停車駅はない。特急列車で通過する場合には運賃のほかに特急料金500円が収受される。これはIGRいわて銀河鉄道にとって重要な収入源の一つでもある。これらの機関車牽引列車は、JR貨物及びJR東日本の乗務員で運転されている。

かつて当区間の貨物牽引機はED75形電気機関車重連だったが、車両の老朽化と線路使用料節約の観点からEH500形への置き換えが急速に進み、2010年3月13日ダイヤ改正時からは当区間(青い森鉄道線も含む)よりED75形が完全撤退しすべてEH500形に統一された。

使用車両

旅客列車

歴史

前史

  • 1891年(明治24年)9月1日日本鉄道盛岡 - (目時 - 青森)間が開業。当時目時駅は未開業。
  • 1893年(明治26年)2月15日:一ノ戸駅(現在の一戸駅)開業。
  • 1898年(明治31年)1月11日:川口駅(現在の岩手川口駅)開業。
  • 1906年(明治39年)
  • 1907年(明治40年)11月1日:一ノ戸駅を一戸駅に改称。
  • 1909年(明治42年)
  • 1915年(大正4年)9月11日:中山駅を奥中山駅に改称。
  • 1918年(大正7年)11月1日:厨川駅開業。御堂信号場開設。
  • 1921年(大正10年)6月1日:福岡駅を北福岡駅に改称。
  • 1924年(大正13年)12月20日:目時信号場開設。
  • 1934年(昭和9年)2月1日:川口駅を岩手川口駅に改称(同年2月15日に埼玉県の川口町駅を川口駅に改称)。
  • 1943年(昭和18年)10月1日:滝沢 - 好摩間に渋民信号場、奥中山 - 小繋間に西岳信号場開設。
  • 1944年(昭和19年)10月11日:厨川 - 滝沢間に長根信号場、御堂信号場 - 奥中山間に吉谷地信号場、小繋 - 小鳥谷間に滝見信号場開設。
  • 1948年(昭和23年)10月1日:目時信号場を駅に変更して目時駅開業。
  • 1949年(昭和24年)9月15日:御堂信号場 - 奥中山間の吉谷地信号場廃止。
  • 1950年(昭和25年)12月1日:渋民信号場を駅に変更して渋民駅開業。
  • 1956年(昭和31年)10月8日:御堂信号場 - 奥中山間が複線化。
  • 1960年(昭和35年)11月1日:盛岡 - 厨川間に青山信号場開設。
  • 1961年(昭和36年)4月15日:御堂信号場を駅に変更して御堂駅開業。
  • 1962年(昭和37年)12月10日:斗米信号場開設。
  • 1964年(昭和39年)12月8日:盛岡 - 青山信号場間が複線化。
  • 1965年(昭和40年)
    • 8月4日:青山信号場 - 厨川間が複線化。青山信号場廃止。
    • 9月21日:渋民 - 好摩間が複線化。
    • 9月25日:一戸 - 鳥越信号場間が複線化。鳥越信号場開設。
    • 9月27日:小繋 - 滝見信号場間が複線化。
    • 12月14日:西岳信号場 - 小繋間が複線化。
  • 1966年(昭和41年)
    • 9月26日:奥中山 - 西岳信号場間が複線化。西岳信号場廃止。
    • 10月1日:斗米信号場を駅に変更して斗米駅開業。
  • 1967年(昭和42年)
    • 7月25日:滝見信号場 - 小鳥谷間 複線化。滝見信号場廃止。
    • 9月15日:岩手川口 - 沼宮内間が複線化。滝沢駅移転。
    • 9月29日:滝沢 - 渋民間が複線化。
    • 12月14日:金田一 - 目時間を複線新線に切り替え。
  • 1968年(昭和43年)
    • 4月25日:厨川 - 滝沢間が複線化。長根信号場廃止。
    • 6月4日:沼宮内 - 御堂間が複線化。
    • 6月11日:鳥越信号場 - 北福岡間が複線化。鳥越信号場廃止。
    • 6月17日:好摩 - 岩手川口間が複線化。
    • 6月21日:北福岡 - 金田一間が複線化。
    • 7月12日:小鳥谷 - 一戸間が複線化。盛岡 - 目時間の複線化完成。
    • 8月22日:盛岡 - 目時( - 青森)間が交流電化。
  • 1976年(昭和51年)8月2日:盛岡 - 目時( - 青森)間CTC化。
  • 1987年(昭和62年)
    • 2月1日:北福岡駅を二戸駅に、金田一駅を金田一温泉駅に改称。
    • 4月1日:国鉄分割民営化に伴い東日本旅客鉄道に承継。

IGRいわて銀河鉄道移管後

  • 2002年(平成14年)12月1日:東北新幹線八戸延伸に伴い並行在来線として東日本旅客鉄道(JR東日本)から移管しいわて銀河鉄道線となる。沼宮内駅をいわて沼宮内駅、奥中山駅を奥中山高原駅に改称。各駅列車の本数を毎時1本に増発。
  • 2005年(平成17年)
    • 1月:小繋駅に置かれた「命のノート」を題材にした映画待合室』ロケにIGRいわて銀河鉄道が全面協力。
    • 9月10日:開業3周年特別企画として社を全国にPRすべく、歌手大川栄策を招いて臨時列車「大川栄策号」を盛岡 - いわて沼宮内間で運行。
  • 2006年(平成18年)3月18日:青山駅、巣子駅開業。
  • 2008年(平成20年)
    • 10月1日 - 12月20日:盛岡 - 青山間において、岩手県交通岩手県北バス発行のバスカードの利用を試験的に実施[2]
    • 11月5日:「地域医療ライン」として平日の八戸 - 盛岡間1往復に盛岡方面の病院への通院者などの優先車両を設定開始。この車両を利用する往復割引乗車券「あんしん通院きっぷ」発売。
  • 2010年 (平成22年)
    • 12月4日:JR花輪線直通快速「八幡平」がいわて銀河鉄道線内各駅停車となる。盛岡 - 青山間のみで設定されていた「IGR・バス乗継通勤定期券」の発駅エリアが、盛岡駅から指定エリアまで岩手県交通バスを利用する場合に限り、IGR全駅に拡大[3]
    • 12月11日:JR東日本と共同使用していたシステムから新指令システムへ切替を実施[4]
  • 2011年(平成23年)
    • 8月1日:東北本線との直通運転区間が、金田一温泉 - 一ノ関間からいわて沼宮内 - 一ノ関間に短縮。
    • 9月1日:盛岡 - 金田一温泉の全駅において駅構内が全面禁煙となる[5][6]
  • 2012年(平成24年)
    • 7月14日:いわて銀河鉄道線各駅から花巻空港へのアクセスを目的とし、岩手県交通の空港連絡バスと組み合わせた割引乗車券「らくとく空港きっぷ」を発売[7]
  • 2013年(平成25年)
    • 4月1日:運賃改定。50キロ以上の普通運賃並びに一部区間の定期運賃を値下げ[8][9][10]

駅一覧

  • ※:東京からの累計営業キロは、国鉄・JR時代に使われていたもの
  • 停車駅
    • 普通…すべての駅に停車
    • 快速…●印の駅は停車、↑印の駅は通過
      • 左欄の快速は八戸方面から直通の快速列車(上りのみ)
駅名 駅間
営業
キロ
累計
営業
キロ
東京
からの
営業
キロ
快速 快速八幡平 接続路線・備考 所在地
盛岡駅 - 0.0 535.3 東日本旅客鉄道東北新幹線秋田新幹線東北本線(花巻方面から一部直通)・田沢湖線山田線 岩手県 盛岡市
青山駅 3.2 3.2 - (IGR新設駅)
厨川駅 2.4 5.6 540.9  
巣子駅 4.6 10.2 - (IGR新設駅) 滝沢市
滝沢駅 2.0 12.2 547.5  
渋民駅 4.4 16.6 551.9   盛岡市玉山区
好摩駅 4.7 21.3 556.6 東日本旅客鉄道:花輪線(盛岡方面から一部直通)
岩手川口駅 5.6 26.9 562.2     岩手郡岩手町
いわて沼宮内駅 5.1 32.0 567.3   (旧・沼宮内駅)
東日本旅客鉄道:東北新幹線
御堂駅 5.3 37.3 572.6    
奥中山高原駅 7.1 44.4 579.7   (旧・奥中山駅) 二戸郡一戸町
小繋駅 7.8 52.2 587.5    
小鳥谷駅 7.6 59.8 595.1    
一戸駅 4.7 64.5 599.8    
二戸駅 6.3 70.8 606.1   東日本旅客鉄道:東北新幹線 二戸市
斗米駅 2.9 73.7 609.0    
金田一温泉駅 4.7 78.4 613.7    
目時駅 3.6 82.0 617.3   青い森鉄道青い森鉄道線八戸駅まで直通運転) 青森県
三戸郡三戸町

脚注および参考文献

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関連項目

外部リンク

  • 2011年1月11日より三沢駅 - 八戸駅間を臨時列車として設定され、同年3月12日からは定期列車となった。ただし、実際の運行は、東日本大震災の影響で3月18日から。八戸で夜間滞泊したIGR7000系が盛岡行きで戻るまでの間合いを活用した、八戸駅以北における同系唯一の運用であったが、2013年3月16日のダイヤ改正で、当該列車の使用車両が青い森701系に変更されたため前日の15日をもって八戸駅以北での運用を終了。
  • テンプレート:PDFlinkテンプレート:リンク切れ。ただし、試験的なものだったため、JRや大手私鉄のように自動改札機を設置したりはせず、路線バスで使用されているカードリーダーを採用した。
  • テンプレート:PDFlink IGRいわて銀河鉄道プレスリリース 2010年11月26日
  • テンプレート:PDFlink IGRいわて銀河鉄道プレスリリース 2010年12月11日
  • テンプレート:PDFlinkテンプレート:リンク切れ IGRいわて銀河鉄道プレスリリース 2011年8月10日
  • IGRが9月から全面禁煙へ 全17駅の灰皿撤去テンプレート:リンク切れ 岩手日報 2011年8月11日
  • テンプレート:PDFlink
  • 運賃を改定しました - IGRいわて銀河鉄道、2013年4月1日
  • テンプレート:PDFlink - IGRいわて銀河鉄道
  • テンプレート:PDFlink(Internet Archive) - IGRいわて銀河鉄道、2012年9月