ニュースシャトル
テンプレート:基礎情報 テレビ番組 『ニュースシャトル』は、テレビ朝日(ANN)で、1987年10月19日から1989年9月29日にかけて放送していた平日夕方のニュース番組である。
『ANNニュースレーダー』の後番組[1]。
目次
番組の歴史、概略
1987年10月19日(ブラックマンデーの日として有名[2])スタート。キャッチコピーは、「なんだ、なんだの、ナナ・ニイ・マル。」。エンディングテーマは高中正義の「SMOOTHER」であった。
テレビ東京を除き、当時各局横並びで18時台に放送した夕方ニュースを19時台に移した画期的な編成と、メインキャスターを務めた女優、星野知子の番組冒頭のセリフ「7時20分、ニュースシャトルです」で注目を集めた。
19時20分という開始時間は、番組の企画段階でTBS系の『JNNニュースコープ』が19時20分で終了していたため、その視聴者を引き込む目的があったとされる。実質ゴールデンタイムでのニュース番組のポジションをバトンタッチされたことになる。
しかし番組開始と同時に『JNNニュースコープ』が19時終了に短縮されたため目論見は外れた。しかも19時台は『NHKニュース』(『7時のニュース』)が支持されており、また他局はアニメやバラエティ番組、プロ野球中継などの強力なソフトがそろう激戦区でもあり苦戦[3]。1年半後には他局と同じ18時台に移動した[4]。
開始時に新聞に掲載されていた広告には、「ローカルニュース」の文言が見られるものもあり、実際、番組後半はローカルセールス枠となっていたので、当初は番組内にローカルニュースを内包可能とする意図もあったと思われる。しかし、実際には内包した局はなく、従来通り夕方にローカルワイドニュースを編成する局が殆どだった。後述の通り、朝日放送と広島ホームテレビがプロ野球のローカル中継[5]のために10分間で飛び降りることがあった程度である。
なお、18時台に移動した後、テレビ朝日以外の系列民放では在来の18時台ローカルニュース番組[6]と合併という形となったこともあり、タイトルに局の略称を被せるようになった[7]。
1989年9月29日に打ち切りになり、『600ステーション ANN』に受け継がれる。
番組開始直後の1987年10月23日放送分から1989年3月31日放送分まで、毎週金曜日は星野からの挨拶の後すぐに「データフラッシュ」のコーナーがあり、本やCD等の売り上げランキングを紹介していた。このコーナーは当番組が18時台に移動した際に『はなきんデータランド』という番組に独立し、最終的には1996年3月22日放送分まで延べ8年半続いた。なお初代サブキャスターの朝岡は1995年3月まで『はなきん』でアシスタントを担当している。
歴代キャスター
その他の出演者
放送時間
- 1987年10月19日-1989年3月31日 - 19:20 - 20:00(※巨人戦中継の時は18:30 - 19:00、西武戦・ヤクルト戦中継の時は18:50 - 19:20に繰り上げた)
- ABCテレビと広島ホームテレビは、プロ野球のローカル中継を19:30から放送する場合に、19:30前に飛び降り、自局でネットスポンサーのCM・提供クレジット・エンディングを挿入していた。
- 1989年4月3日-9月29日 - 18:00 - 18:50(一部地域はローカルニュース放送のため18:25で飛び降り。この場合、ネットスポンサーの提供クレジット・オープニング・エンディングは各局単位での自局出しだった)
ネットしていた局
放送対象地域 | 放送局 | 系列 | 備考 |
---|---|---|---|
関東広域圏 | テレビ朝日 | ANN | |
北海道 | 北海道テレビ | ||
宮城県 | 東日本放送 | ||
福島県 | 福島放送 | ||
新潟県 | 新潟テレビ21 | ||
長野県 | テレビ信州 | ANN/NNN | |
静岡県 | 静岡県民放送 (けんみんテレビ) |
ANN | 現:静岡朝日テレビ |
中京広域圏 | 名古屋テレビ | ||
近畿広域圏 | 朝日放送 | ||
広島県 | 広島ホームテレビ | ||
香川県・岡山県 | 瀬戸内海放送 | ||
福岡県 | 九州朝日放送 | ||
鹿児島県 | 鹿児島放送 |
ネットしていた局で『ニュースシャトル』のタイトルを名乗っていたローカルニュースのタイトル
- 福島放送
- KFBニュースシャトル(1989.4-9)
- 新潟テレビ21
- テレビ信州
- TSBニュースシャトル(1989.4-9)
- 静岡県民放送(けんみんテレビ、現:静岡朝日テレビ)
- SKTニュースシャトル(1989.4-9)
- 瀬戸内海放送
- 広島ホームテレビ
- HOMEニュースシャトル(1989.4-9)
- 名古屋テレビ
- 名古屋テレビニュースシャトル ANN(1989.4-9)
ネットしていた局で『ニュースシャトル』のタイトルを名乗っていなかったローカルニュースのタイトル
- 北海道テレビ
- HTBニュースロータリー(1968年11月4日から1990年3月30日まで 18:00→18:25)
- 東日本放送
- 夕刊ですKHB(1989年9月29日まで)
- 福島放送
- KFBニュースレーダー(1989年3月31日まで 18:00)
- テレビ信州
- 信州TODAY(1987年10月19日から1989年3月31日まで 18:25)
- 静岡県民放送(けんみんテレビ、現:静岡朝日テレビ)
- けんみんテレビニュースアイ(1987年10月19日から1989年3月31日まで 17:30)
- 名古屋テレビ
- Nagoya TV ニュース広場(1989年3月末まで 18:25→18:45)
- 朝日放送
- ニュースウェーブABC(18:00→18:20)
- 広島ホームテレビ
- ニュースファイルHOME(18:00)
- 九州朝日放送
- KBCニュースプラザ(1978年4月10日から1989年3月31日まで 18:00)→KBCニュース ハーツトゥハーツ(1989年4月3日から1992年10月2日まで 18:25)
- 鹿児島放送
- KKBニュース(18:10→18:30)
当番組の開始による影響
主な番組枠への影響
- 新・水曜スペシャル(水曜19:00 - 20:51の単発番組)
- 本番組の開始時刻が18時に繰り上がる1989年3月まで一旦水曜日の単発枠は廃止された。そのため水曜20時枠は「ナイトライダー」( - 1988年2月)→「ビートたけしのスポーツ大将」(第2期)(同年2月10日 - )となった。
- 藤子不二雄ワイド(火曜19時台。『パーマン』『プロゴルファー猿』『エスパー魔美』のコンプレックス枠)
- 藤子不二雄劇場(日曜朝。『ウルトラB』『オバケのQ太郎』のコンプレックス枠)
- メタルヒーローシリーズ(月曜19:00 - 19:30。当時は『超人機メタルダー』)
- 宇宙船サジタリウス(金曜19:30 - 20:00)
- 番組として新主題歌の話も持ち上がっていたが、この番組開始により終了が決まった。同番組に代わって土曜19時30分枠でアニメ80日間世界一周がスタートした。
本番組の枠確保のため『藤子不二雄ワイド』を終了させる必要が生じ、その代替編成として、日曜朝の『藤子不二雄劇場』を『メタルヒーローシリーズ』の枠(当時低視聴率に喘いでいた)と交換して月曜夜に移行、『藤子不二雄ワールド』(『ウルトラB』『プロゴルファー猿』のコンプレックス枠)を開始。旧来の『~ワイド』の枠は30分に縮小して『エスパー魔美』の単独放送となり、月・火曜の30分枠に藤子アニメを並べる編成に変更された。
また、この番組の影響により、テレビ朝日で人気のアニメ番組の殆どが18:50-19:20という特殊な放送時間となっていた。ドラえもんも、金曜19:00-19:30が定番であるが、この番組があったときだけは18:50-19:20となっている。時間変更に関しては、ドラえもんが「6:50からで、10分得をする!」とアピールするCMが流れていた。他にもビリ犬、つるピカハゲ丸くん等のアニメがこの影響を受けていた。
朝日放送でもその影響でミニ番組『クイズABC』や京阪電鉄のCM枠(当時は「京阪電車TVインフォメーション」)がその分前倒して放送されていた。
テレビ信州への影響
この番組のネット局のうち、唯一クロスネット局だったテレビ信州は、ニュースシャトル放送開始当時(1987年)の時点では、4局化後テレビ朝日系列になる予定だった。テレビ信州では日本テレビとテレビ朝日の編成比率50対50を厳格に守っていた。ニュースも朝・深夜はNNN、昼・夕方はANNだった。この番組の開始以前(1987年9月)は曜日別クロスネットで、テレビ信州は曜日により、視聴率が高く見込めるほうを選択していた。曜日別クロス編成では、遅れネットを含め、両局の人気番組はほぼ見られた。テレビ信州も夕方はANNという規定から、この番組のネット受けに合わせた改編を行った。民放の19時台のニュースの編成は、全国的に受け入れられなかったので、当然3局地区だったテレビ信州の編成にも多大な影響を及ぼした。
検討段階では、枠交換の上、夕方のニュースを『NNNライブオンネットワーク』・深夜のニュースを『ニュースステーション』とする案もあった他、『ニュースシャトル』をテレビ朝日がテレビ信州向けに18時台に別制作する案もあったが、これも実現しなかった[8]。
この変更により、曜日別ネットでは日テレネット受け日の『プロ野球・巨人戦』は日曜以外は延長されたが、変更後は、金・土・日のみとなり、飛び乗りまたは飛び降りせざるを得なくなった。また、『木曜スペシャル』や日本テレビの月曜・木曜の19時前半枠といった人気番組が打ち切られたり、ローカルセールス枠での遅れネットになったり、信越放送(TBS系列)への番組販売になったりした[9][10]。この編成への不満が殺到し、この当時テレビ信州への抗議の電話が多々あった。また全国的な視聴率も、この辺りからテレビ朝日は低下し、日本テレビは上昇傾向となった。このような事情と読売新聞社との関係から、テレビ信州は長野県民放第4局(長野朝日放送)開局のメドがついた時、当初予定のテレビ朝日系列から、正式に日本テレビ系列に変更する事を決断した。
脚注
テンプレート:テレビ朝日系列の報道番組テンプレート:Asbox- ↑ 平日のみ放送。週末版は『ANNニュース&スポーツ』に改題。
- ↑ ただし、「ブラックマンデー」の事象が起こったのは当番組の放送後のため、番組初日のニュースでは取り上げていない(ニューヨーク証券取引所の取引開始時間が日本時間では深夜にあたるため)。
- ↑ ニュースシャトル自らも、プロ野球中継で放送時間を繰り上げることもあった。
- ↑ 星野の台詞は「7時20分、…」の箇所を「○月○日○曜日…」と改めて、時間移動後、および野球中継のための繰上げ処置(これは1988年度のプロ野球シーズンも同様)があったときも引き継がれた。
- ↑ ABC=阪神戦・近鉄戦、HOME=広島戦。なお編成上は名古屋テレビも可能であるが、同局は中日主催試合の放映権がなく実施されなかった。
- ↑ 但しテレビ朝日では18時台にローカルニュースは組まれていなかった。
- ↑ 例:『ABCニュースシャトル』なお、ABCなど『ニュースシャトル』に略称をかぶせる一方、引き続きローカルニュースを別番組扱いとする地域もあった。
- ↑ 前者の場合、NNN加盟局は原則として『NNNきょうの出来事』をネットしなければならないという内規や、日本テレビ系21・22時台番組との兼ね合いが影響した模様。
- ↑ 当時、長野放送(フジテレビ系列)はマストバイ化により日本テレビ・テレビ朝日系番組の購入を大幅に縮小していた。
- ↑ ただし、金曜ロードショーなど、信越放送から移行、同時ネット化された番組も僅かには存在する。