東濃鉄道
東濃鉄道株式会社(とうのうてつどう、Tohnoh Tetsudou Co., Ltd. )は、岐阜県東南部(東濃地方)を営業エリアとする名鉄グループのバス会社。通称は東鉄バス。
かつては笠原線と駄知線の2つの鉄道路線を有する鉄道事業者であったが、1978年までに2路線とも廃止されている。鉄道線が廃止されたのちも社名を変更することなく、バス事業のみを継続している。高速路線に愛知県名古屋市・東京都と岐阜県多治見市・可児市を結ぶ路線を持ち、一般路線は岐阜県多治見市・土岐市・瑞浪市・恵那市・中津川市・可児市・美濃加茂市・可児郡御嵩町・加茂郡八百津町に路線網を持つ。
歴史
- 1944年(昭和19年)3月1日 - 駄知線の前身である駄知鉄道、笠原線の前身である笠原鉄道など6社が合併し、東濃鉄道株式会社を設立する。同日より笠原線(多治見駅 - 笠原駅4.9km)および駄知線(土岐津駅 - 東駄知駅10.4km)の鉄道事業と周辺地域における乗合バス事業を開始する。
- 1949年(昭和24年)12月 - 貸切バス事業を開始する。
- 1961年(昭和36年)[1] - 多治見駅南口にテンプレート:要出典範囲の「東鉄ビル」が竣工し、本社・バス待合室のほか多くのテナントが入居する。
- 1971年(昭和46年)5月1日 - 名古屋鉄道への第三者割当増資を実施、同社より役員を受け入れ名鉄グループの一員となる。
- 6月12日 - 乗客数の減少により、笠原線の旅客営業を休止し、同線は貨物営業のみとなる。
- 1972年(昭和47年)7月13日 - 集中豪雨により駄知線土岐市駅 - 神明口駅間の土岐川鉄橋が流失する。資金の不足のため復旧が困難なことから、駄知線は事実上の営業休止となる。
- 1974年(昭和49年)10月21日 - 駄知線は事実上の営業休止状態のまま、全線(土岐市駅 - 東駄知駅10.4km)が廃止される。
- 1978年(昭和53年)11月1日 - 笠原線(多治見駅 - 笠原駅4.9km)が廃止され、これをもって鉄道事業から撤退する。
- 1996年(平成8年)12月[2] - 本社を移転する。
- 2001年(平成13年)10月20日 - 高速バス路線の運行を開始する。
- 2006年(平成18年)7月20日 - 新宿駅と多治見市・可児市間を結ぶ高速バスの運行を開始する。
- 2009年(平成21年)10月1日 - 西可児 - 名古屋線の単独運行を開始する。
- 2013年(平成25年)4月1日 - 同じ名鉄グループの一員である北恵那交通から観光バス事業の営業譲渡を受ける。
バス路線
高速路線
- 長距離路線
- 中・短距離路線
- 桜ヶ丘ハイツ - 名古屋線 (桂ヶ丘3丁目 - 名鉄バスセンター)名鉄バスと共同運行
- 可児市役所前 - 名古屋線 (可児車庫前 - 可児市役所前 - 清水ヶ丘 - 光が丘 - 名鉄バスセンター)
- 西可児 - 名古屋線 (可児車庫前 - 可児市役所 - 鳴子公園 - 名鉄バスセンター)
- ※中央道高速バスも参照。
一般路線
- 旭ヶ丘=小泉線(多治見駅前 - 多治見市民病院前 - 県病院 - 北丘団地)
- 旭ヶ丘循環線(多治見駅前 - 大森口 - 旭ヶ丘10丁目 - 明和団地 - 多治見駅前)
- 名鉄緑台線(多治見駅北口 - 名鉄緑台 - 旭が丘9丁目)
- 桜ヶ丘ハイツ線(多治見駅北口 - 光が丘・名鉄緑台 - 桂ヶ丘3丁目・皐ヶ丘9丁目)
- 緑ヶ丘線(多治見駅北口 -桂ケ丘‐ 緑ヶ丘団地 ‐可児駅前)
- 緑ヶ丘線(可児高校前 - 可児駅前 - 桜ヶ丘ハイツ)
- 久々利線(多治見駅前 - (東濃西部総合庁舎) - 小名田小滝)
- 久々利線(可児駅前 - 久々利)
- 多治見市内線(多治見駅前 - 多治見北高前 - 多治見サービスセンター)
- 駄知線(多治見駅前 - 土岐市駅前 - 駄知)
- 瑞浪=駄知=多治見線(多治見駅前・旭ヶ丘南・旭ヶ丘北 - 駄知 - 瑞浪駅前)
- 妻木線(多治見駅前 - 総合グランド口・タウン滝呂センター - 妻木上郷)
- 滝呂台線(多治見駅前 - 滝呂台 - 笠原車庫前)
- 学園都市線(多治見駅前 - (タウン滝呂センター) - 研究学園都市センター‐土岐プレミアム・アウトレット)
- グランド循環線(多治見駅前 - 総合グランド口 - 多治見駅前)
- 笠原線(多治見駅前 - 笠原車庫前 - 曽木中切・東草口・梅平団地)
- ホワイトタウン線(多治見駅前 - ホワイトタウン - 多治見駅前)
- 下半田川線(多治見駅前 - 市之倉 - 下半田川)
- 市之倉ハイランド線(多治見駅前 - 陶都大橋・多治見市民病院前 - 市之倉ハイランド)
- 東濃フロンティア高校線(土岐市駅前 - 河合 - 東濃フロンティア高校)
- 瑞浪=土岐線(土岐総合病院前 - 土岐市駅前 - 瑞浪駅前)
- 土岐プラズマ・リサーチパーク線(土岐市駅前 - 土岐市役所 - 土岐プレミアム・アウトレット)
- 土岐=下石=駄知線(土岐市駅前 - (土岐総合病院前) - 旭が丘北・旭が丘南・東駄知)
- 土岐=下石=駄知線(土岐総合病院前 - 東駄知 - 瑞浪駅前)
- 土岐=妻木線(土岐市駅前 - 下石 - 妻木上郷)
- 土岐=笠原線(土岐市駅前 - 下石 - 笠原役場前)
- 明智線(瑞浪駅前 - 陶町口 - 明智駅前)
- 春里線(西可児駅 - 愛岐ヶ丘 - 光陽台・西可児駅 - 長坂八丁目・西可児駅 - 鳩吹台 - 緑)
- 花フェスタ公園線(可児駅前 - (広見町) - 花フェスタ記念公園)
- 八百津線(可児駅前 - 可児川合 - 八百津ファミリーセンター前・可茂特別支援学校前)
- 八百津線(美濃太田駅 - 古井駅前 - 八百津ファミリーセンター前・八百津高校前)
- 北山線(八百津ファミリーセンタ前 - 北山 - 久田見)
- 蛭川線(恵那駅前 - (恵那峡) - 蛭川和田)
- 恵那峡線(恵那駅前 - 土々ヶ根 - 恵那峡)
- 恵那病院シャトル便(恵那駅前 - 石橋 - 恵那病院)100円バス。
- 恵那病院シャトル便(恵那病院 - 山中口・旭が丘 - 恵那駅前)100円バス。
- 丸池線(恵那駅前 - 石橋 - 旭が丘 - 丸池市営住宅前)
- 丸池線(恵那駅前 - 文化センター前 - 恵那病院 - 丸池市営住宅前)
- 中津川線(恵那駅前 - 雀子ヶ根 - 中津川駅前・市民病院・恵那総合庁舎)
- 中津川線(恵那駅前 - 関戸 - 東岡瀬沢)
- 中津川線(サンライフ中津川 - 中津川駅前)
- 小野川線(恵那駅前 - 東野向島・東野大門 - 小野川)
- 三郷線(恵那駅前 - 大洞団地口・神明町 - 三郷殿畑)
- 三郷線(恵那駅前 - 大洞団地口 - 恵那駅前)
- 藤線(恵那駅前 - 武並駅前 - 藤 - 奥山足)
- 中野方線(恵那駅前 - (恵那病院) - 中野方馬越)
- 飯地線(恵那駅前 - 飯地 - 篠原)
- 飯地線(下栃窪 - 河合 - 恵那駅前)
- 笠置線(恵那駅前 - (茂立) - 笠置公民館前)
- 笠置線(姫栗 - 河合 - 笠置公民館前 - 姫栗 - (茂立)- 恵那駅前)
- 毛呂窪線(恵那駅前 - (恵那病院) - 毛呂窪小学校前 - (栩抗) - 東雲橋)
- 阿妻=横通線(明智駅前 - 阿妻 - 明智駅前)
- 明智=峰山線(明智駅前 - (峰山) - 串原中沢)
主な廃止路線
- 名多線(名鉄バスセンター~多治見駅前):1995年廃止
- 小原線(陶町口 - 小原中部小学校):1997年4月廃止
- 清水ヶ丘線(可児駅前 - 清水ヶ丘 - 西可児駅前) : 2000年9月29日廃止
- 鬼岩公園線→美濃太田=御嵩線・美濃焼団地線(美濃太田駅 - 日本ライン今渡駅前 - 御嵩駅前 - 鬼岩公園前 - 土岐市駅前) : 2000年9月30日廃止
- 泉ヶ丘線(土岐市駅前 - 久々利大平) : 2000年9月30日廃止
- 広見線(可児駅前 - 日本ライン今渡駅前 - 美濃太田駅) : 2006年9月30日廃止
- 可児車庫線(可児駅前 - 可児市役所前 - 可児車庫) : 2009年9月30日廃止
運行受託
かつて東濃鉄道が運行していた路線を自治体に委譲したのちコミュニティバスとして運行している路線のほか、名鉄バス春日井営業所の一部の路線の運行も受託している。
以下のコミュニティバスの運行を受託している。
- 多治見市自主運行バス(多治見市)
- ききょうバス(多治見市)
- 土岐市民バス(土岐市)
- YAOバス(可児市・八百津町・御嵩町)
- 八百津町コミュニティバス「802」(八百津町)
- 恵那市自主運行バス(恵那市)
- さつきバス(可児市)
- 御嵩町ふれあいバス(御嵩町)
営業所
バス車両
名鉄グループであるため、三菱ふそう車が多く在籍するが、名鉄傘下となるのが比較的遅かったこともあり独自性が残されており、UDトラックス(旧:日産ディーゼル)製も多いのが特徴である。
なお、富士重工業が2003年3月にバス車体製造から撤退した際、最後の生産車となったのが東鉄の観光バス(日産ディーゼル・スペースアロー)2台であった。東鉄としては、今後も富士重工業に架装して欲しい旨を伝えたものの、撤退の意向は変わらなかったことから、せめて最後の生産車を購入したいと意向を伝えたことで、次年度の購入予定を前倒しして実現したという。以後は西日本車体工業(西工)製で納入されている。また、2007年には日野・セレガも導入されている。
一般路線車の塗装は、名鉄傘下に入ってからは名鉄グループカラー(赤+白)に変更を迫られるが、窓下にグリーンの帯を入れることで独自性を主張した。近年グループカラーが強制されなくなったことから、新車は傘下入り前のグリーンの濃淡を使った塗装で購入されているが、一方で観光バスに近いイメージのオリジナル塗装も登場している。
観光バス・高速バスは、白に名鉄カラーの赤と東鉄のグリーンに、花や鳥の絵が描かれており、名鉄グループでありながらオリジナリティを出しているのが特徴である。
運賃精算の際、名鉄バスのmanacaや岐阜バスのayucaなどは、桜ヶ丘ハイツ - 名古屋線の名鉄バス担当便に限りmanacaが使用できるが、東鉄バスの車両にて運行する便には使用できない。なお、カード乗車券の導入予定は2012年7月時点では発表されていない。
グループ会社
- 東鉄観光株式会社(多治見市) - 旅行業、1967年4月1日設立。
- 東濃鉄道の貸切バス(観光バス)を利用した国内旅行などを中心とした「とうてつグリーンツアー」を主催しており、東濃鉄道の営業エリア内にある主要駅付近に設置する6店舗で販売するほか、同社の営業所にも販売を委託している。
- 東鉄商事株式会社(多治見市) - 石油類販売、1962年5月21日設立。
- 東鉄タクシー株式会社(多治見市) - 一般乗用旅客自動車運送事業、1973年4月11日設立。
- 坂下タクシー株式会社(愛知県春日井市) - 一般乗用旅客自動車運送事業、1959年6月26日設立。
脚注ヘルプ
関連項目
外部リンク
テンプレート:Multimedia テンプレート:Sister
- 東濃鉄道株式会社(東鉄バス)ホームページ(公式サイト)
テンプレート:名鉄グループテンプレート:リダイレクトの所属カテゴリ
- ↑ 『東鉄だより』 1961年2月号、東濃鉄道
- ↑ 東濃鉄道株式会社>会社概要