第30回衆議院議員総選挙
テンプレート:Infobox 衆議院議員総選挙 第30回衆議院議員総選挙(だい30かいしゅうぎいんぎいんそうせんきょ)は、1963年(昭和38年)11月21日に行われた衆議院の総選挙。
目次
概説
この選挙は、池田勇人政権が推し進めていた所得倍増政策、翌年【1964年(昭和39年)】に控えた第18回夏季オリンピック東京大会へ向けて日本国内の政治の安定を期す為に、内閣総理大臣:池田勇人が国民への信を問うべく解散・総選挙を断行した。
この選挙運動期間中の11月9日に『国鉄横須賀線鶴見事故』と『三井三池三川炭鉱炭じん爆発事故』という重大災害事故が同時に発生した為、池田政権は選挙運動の傍ら、この二つの災害事故に対応することにもなった。
選挙の投票日は11月21日の木曜日(平日)であった。これ以後、現在に至るまで国政選挙が平日に施行された例はなく、現時点では最後の平日選挙となっている。投票時間も2時間延長されたが、投票率は当初の予想より伸びず前回を下回る71%に留まった。また投票時間の延長によって翌日開票になった地域が多く、当落判明は全国的にかなり遅れた[1]。
選挙の結果は前回と大差なく、自民党は6議席減の294議席、社会党は1議席減の144議席だった(追加公認含む)。池田内閣が信任された結果といえ、社会党は敗北声明を出した。ただ、「一桁になれば解党か」といわれた民社党は6議席増の23議席となり一息付いた。共産党は2議席増の5議席だった。
また、肥後亨などのいわゆる泡沫候補が大量に立候補したが、肥後らはまともに選挙運動を行わず、野党候補に対する妨害は元より、自民党内でもライバル候補への妨害に利用された。その結果選挙後摘発され、社会問題となった。このことから、その候補者がまともに選挙運動を行うかどうかに関係なく、「泡沫候補」一般を報道から排除するようになった。テンプレート:Main
選挙データ
内閣
- 第2次池田内閣第3次改造内閣(第59代)
解散日
解散名
- ムード解散
- 所得倍増解散
- 予告解散
公示日
- 1963年(昭和38年)10月31日
投票日
改選数
- 467議席
選挙制度
- 中選挙区制……候補者一名に投票する単記投票
立候補者数
- 立候補者:917名(うち女性候補者18名)
- 出所:朝日新聞選挙本部編『朝日選挙大観 第41回衆議院総選挙 第17回参議院通常選挙』(朝日新聞 1997年)、125頁の表「候補者数・投票率等」。
選挙結果
投票率
- 投票日当日の有権者数:58,281,678名
- 投票者数:41,462,551名
- 投票率:71.14%・・・前回比-2.37%
- 無効票を除いた実質投票率:70.38%
党派別獲得議席
党派 | 得票数 | 得票率 | 議席数 | ||
---|---|---|---|---|---|
候補 | 當選 | 議席率 | |||
自由民主党 | 22,423,915 | 54.67 | 359 | 283 | 60.6 |
日本社会党 | 11,906,766 | 29.03 | 198 | 144 | 30.8 |
民主社会党 | 3,023,302 | 7.37 | 59 | 23 | 4.9 |
日本共産党 | 1,646,477 | 4.01 | 118 | 5 | 1.1 |
諸派 | 59,765 | 0.15 | 64 | 0 | 0.0 |
無所属 | 1,956,313 | 4.77 | 119 | 12 | 2.6 |
総計 | 41,016,540 | 100.00 | 917 | 467 | 100.0 |
棄権・無効 | 17,265,138 | ||||
58,281,678 |
出所:石川真澄『戦後政治史 新版』岩波新書、<データ>国会議員選挙の結果
派閥名 | 議席数 |
---|---|
宏池会(池田勇人派) | 50 |
春秋会(河野一郎派) | 46 |
周山会(佐藤栄作派) | 44 |
政策懇談会(三木武夫派) | 37 |
睦政会(大野伴睦派) | 30 |
交友クラブ(川島正次郎派) | 24 |
党風刷新連盟(福田赳夫派) | 24 |
藤友会(藤山愛一郎派) | 23 |
水曜会(石井光次郎派) | 15 |
無派閥 | 5 |
党派 | 候補者 | 当選者 |
---|---|---|
自由民主党 | 4 | 2 |
日本社会党 | 6 | 4 |
民主社会党 | 2 | 1 |
諸派 | 5 | 0 |
無所属 | 1 | 0 |
合計 | 18 | 7 |
- 出所:朝日新聞選挙本部編『朝日選挙大観 第41回衆議院総選挙 第17回参議院通常選挙』(朝日新聞 1997年)125頁の表「党派別女性候補者数、当選者数の推移」。
各党役員
自由民主党
日本社会党
民主社会党
日本共産党
議員
この選挙で当選
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この選挙で初当選
※初当選者のうち、参議院議員経験者には「※」の表示があります。
- 自由民主党
- 日本社会党
- 民主社会党
- 日本共産党
- 無所属
この選挙で返り咲き
- 自由民主党
- 日本社会党
- 民主社会党
- 日本共産党
- 無所属
この選挙で引退
- 自由民主党
- 日本社会党
この選挙で落選
- 自由民主党
- 日本社会党
- 民主社会党
- 無所属
脚注
関連項目
- 自治省
- ケネディ大統領暗殺事件(日本時間で投票日の2日後に発生した)
- 第5回統一地方選挙(総選挙と同じ年の4月に行われた)