函館運輸所
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』
テンプレート:出典の明記 テンプレート:車両基地 函館運輸所(はこだてうんゆしょ)は、北海道函館市にある北海道旅客鉄道(JR北海道)函館支社の車両基地および乗務員区所である。
組織体系
函館駅構内にある本所(ほんじょ)と、五稜郭駅に隣接する青函派出所(せいかんはしゅつじょ)から成る。
本所には主に函館本線(函館駅 - 長万部駅間)と江差線(全線)の普通・快速列車で運用される気動車のほか、特急列車で運用される電車・気動車が配置される。また、函館支社の車掌・運転士が所属している。当初は函館機関庫として発足したが、後に函館運転所に改称し現在に至る。
青函派出所は津軽海峡線用のED79形電気機関車が所属するほか、日本貨物鉄道(JR貨物)五稜郭機関区に所属するED79形の留置・仕業検査・交番検査・台車検査を受託しており、また函館地区で折り返すEH500形電気機関車の留置も行われる。1988年(昭和63年)の津軽海峡線開業に伴い青函運転区として発足したが、2002年(平成14年)に函館運輸所に統合され、同所の青函派出所となった。なお、統合前の所属略号は「青函」(=青函運転区)だった。
所属車両
2013年4月1日現在の所属車両は以下のとおり[1][2]。なお、所属車両の略号は旅客車両が「函ハコ」(函館支社=函+函館=ハコ)、機関車が「函」。ED79形電気機関車のみ青函派出所、それ以外の車両は全て本所に所属している。
区所 | 電車 | 気動車 | 機関車 | 客車 | 貨車 | 合計 |
---|---|---|---|---|---|---|
本所 | 42両 | 98両 | 20両 | 4両 | 16両 | 180両 |
青函 | 0両 | 0両 | 9両 | 0両 | 0両 | 9両 |
全体 | 42両 | 98両 | 29両 | 4両 | 16両 | 189両 |
電車
- 789系電車
- HE-100編成[3]が3両編成6本(101 - 106)、HE-200編成[4]が3両編成6本(201 - 206)、HE-300編成[5]が2両編成2本(301, 302)の計40両が配置されている。
- いずれも基本番台で、特急「スーパー白鳥」に使用される。函館・新青森方にHE-100編成と、青森方にHE-200編成を連結した6両編成で運用され、HE-300編成は増結用ユニットとなっている。
気動車
- キハ183系気動車
- キハ183形14両(208, 218, 405, 406, 1505 - 1507, 3563 - 3566, 4560 - 4562)、キハ182形21両(404 - 406, 413, 507 - 511, 2551 - 2562)、キロ182形5両(504, 505, 2551 - 2553)の計40両が配置されている。
- 特急「北斗」で使用される。200番台と400番台は波動輸送用で、臨時・団体列車を中心に使用される。
- キハ281系気動車
- キハ281形8両(1 - 6, 901, 902)、キハ280形15両(1 - 4, 101 - 110, 901)、キロ280形4両(1 - 4)の計27両が配置されている。
- 特急「スーパー北斗」で運用される。
- キハ40形気動車
- 700番台11両(734, 802, 808, 831, 835 - 841)、1700番台20両(1792, 1793, 1796 - 1801, 1803 - 1807, 1809 - 1815)の計31両が配置されている。
- 函館本線・江差線の普通列車のほか、快速「アイリス」でも運用される。なお、1700番台の内2両は「バーベキューカー」の動力車としても使用する。
ディーゼル機関車
- DD51形ディーゼル機関車
- 500番台13両(1054, 1083, 1093, 1095, 1100, 1102, 1137, 1138, 1140 - 1143, 1148)が配置されている。いずれも北斗星色で、全重連形。
- 寝台特急「北斗星」、「カシオペア」、「トワイライトエクスプレス」、急行「はまなす」で運用される。
- 札幌運転所および苗穂工場にて、間合い業務として列車増結時の入替・回送業務に使用される場合もある。また、五稜郭 - 苗穂工場間の789系電車・ED79形電気機関車における検査入出場時の回送業務にも順当される。ただし、これらは運用の都合上、鷲別機関区の所属機が充当される場合もある。
- DE10形ディーゼル機関車
- 1500番台7両(1661, 1690 - 1692, 1737 - 1739)が配置されている。
- 主に車両基地での入れ替え作業で使用する。2両(1690, 1692)は黒色塗装で、「SL函館大沼号」の補機としても使用される。また、4両(1661, 1737 - 1739)は青函トンネル救援用にも使用される。
電気機関車
- ED79形電気機関車
- 0番台が9両(4, 7, 9, 11 - 14, 18, 20)配置されている。JR北海道が所有する唯一の電気機関車で、うち6両(4, 7, 12 - 14, 20)は延命工事施工済み。
- 寝台特急「北斗星」、「カシオペア」、「トワイライトエクスプレス」、急行「はまなす」で使用される。
客車
- 50系客車
- オハ50形1両(5003)、オハフ50形1両(5007)、オハフ51形2両(5003, 5004)の計4両が配置されている。
- オハ50 5003は保留車となっているが、他の3両は救援車として使用される。
貨車
- チ1000形貨車
- 入替用として、1両(チ1015)が配置されている。
沿革
本所
- 1902年(明治35年)12月10日:北海道鉄道 (初代)が函館駅(初代)に機関庫設置[6]。
- 1904年(明治37年)7月1日:函館駅(2代目)が開業し、函館駅(初代)は亀田駅に改称。
- 1906年(明治39年)3月1日:亀田機関庫を函館機関庫に改称。
- 1907年(明治40年)7月1日:国有化。
- 1908年(明治41年)6月27日:函館機関庫(旧・亀田機関庫)焼失。
- 1913年(大正2年)6月2日:函館機関庫設置(北海道鉄道管理局の事務上制定)。
- 1915年(大正4年)11月10日:函館機関庫を旧・亀田駅付近から函館市若松町へ移転。
- 1929年(昭和4年)10月15日:函館機関庫を函館市海岸町へ移転。
- 1950年(昭和25年)2月10日:函館客車区設置。
- 1968年(昭和43年)12月12日:函館機関区と函館客車区が統合され、函館運転所が発足。
- 1986年(昭和61年)11月1日:五稜郭貨車区を函館運転所に統合。
- 1987年(昭和62年)4月1日:国鉄分割民営化によりJR北海道が継承、函館支社函館運転所となる。
- 1990年(平成2年)4月1日:函館車掌区が函館車掌所に改称。
- 1993年(平成5年)3月18日:長万部運転所を函館運転所に統合。
- 2002年(平成14年)7月1日:函館車掌所・函館運転所(気動車・客車部門、DC・DL運転士)・青函運転所(EC・EL運転士)が統合され、函館運輸所発足[7]。
青函派出所
- 1987年(昭和62年)5月12日:津軽海峡線開業準備のため五稜郭準備運転区として発足。それ以前に配置されていた機関車は、暫定的に函館運転所所属とされていたが、発足に伴いすべて当区所属となった。
- 1988年(昭和63年)3月13日:青函運転区に改称(EC・EL運転士を配置)。
- 1990年(平成2年)3月12日:青函運転所に改称。
- 2002年(平成14年)7月1日:函館運輸所 青函派出所に改称。運転士は函館運輸所へ移管[7]。
- 2005年(平成17年):貨物列車の牽引から撤退[8]。
脚注
テンプレート:ウィキ座標2段度分秒- ↑ 交友社『鉄道ファン』 2013年7月号「JR旅客会社の車両配置表」
- ↑ 交通新聞社『JR電車編成表2013夏』
- ↑ 函館・新青森方からクロハ789形100番台、モハ788形100番台、サハ789形100番台の3両編成。
- ↑ 函館・新青森方からモハ789形200番台、モハ788形200番台、クハ789形200番台の3両編成。
- ↑ 函館・新青森方からモハ788形300番台、クハ789形300番台の2両編成。
- ↑ 後に亀田機関庫と呼ばれているが、この時点では亀田機関庫もしくは函館機関庫のどちらで呼ばれたか不明。「遥」道南鉄道100年史 JR北海道函館支社 2003年発行では設置当初より亀田機関庫と記載。
- ↑ 7.0 7.1 「遥」道南鉄道100年史 JR北海道函館支社 2003年発行では、3月16日に函館運転所と函館車掌所とが統合して函館運輸所発足。12月1日に函館運輸所に青函運転所が統合され、函館運輸所青函派出所になったとされている。
- ↑ ただし、機関車運用のみで運転はJR貨物の乗務員が担当。