エマ (漫画)
テンプレート:Infobox animanga/Header テンプレート:Infobox animanga/Manga テンプレート:Infobox animanga/Manga テンプレート:Infobox animanga/Novel テンプレート:Infobox animanga/TVAnime テンプレート:Infobox animanga/TVAnime テンプレート:Infobox animanga/Footer テンプレート:Sidebar with collapsible lists 『エマ』(Emma)は、森薫による日本の漫画作品。エンターブレイン社の『コミックビーム』にて2002年1月号から2006年5月号まで連載された。また2006年9月号から2008年3月号まで後日談を含めた「番外編」を連載していた。
概要
作者の商業誌デビュー作であり、2005年春には『英國戀物語エマ』と題されてテレビアニメ化された。
ヴィクトリア朝時代のイギリスを舞台に、階級社会の光と影を穏やかに淡々と展開するストーリー。端々には作者特有のユーモアも見られ、原作は平成17年(2005年)度文化庁メディア芸術祭マンガ部門優秀賞を受賞している。
あらすじ
※この項目では概ね原作コミック1巻から4巻における内容をあらすじとして記載している。
オールワークス時代
舞台は1890年代、街にはまだ馬車が行き交うヴィクトリア朝時代のイギリス。そこには、持てる者と持たざる者との間に厳密な境界がある、階級社会があった。
主人公のエマは、良家の家庭教師を引退してロンドンで隠遁生活を送っている老婦人・ケリーの下で使用人としての教育を受け、家事全般を一人で取り仕切るメイドとして暮らしていた。そこへある日、ケリーの元教え子で有力な貿易商ジョーンズ家の跡取り息子・ウィリアムが訪れる。ウィリアムはそつなく控えめに応対したエマに強く惹かれる。
ウィリアムの穏やかな求愛に次第に心を開いていくエマだったが、2人の恋はインドの王族でウィリアムの友人であるハキムとケリー以外、祝福する者のないものであった。ケリーが亡くなり、訪れたジョーンズ家で2人の身分の差から叶わぬ恋と痛感したエマはウィリアムに行き先を告げぬまま、ロンドンを去る。
一方、エマと行き違いになったウィリアムはケリーの友人であるアルからエマの生い立ちについて聞かされる。
エマは生まれて間も無く両親を喪い孤児になっており、ヨークシャー州の貧しい漁村で叔父夫婦とともに暮らしていた。ある日人さらいにロンドンへ連れてこられ娼館に売られそうになったが、一瞬の隙をついて逃げ出した。以降数年間、ロンドンの路上で花売りとして生活する日々を過ごす。12、3歳の頃ガヴァネスを引退していたケリーに引き取られ、メイドとしての教育を受けたのだった。またケリーはエマの性格を愛し、メイドとしての教育以上のフランス語や文学の基礎なども教えていた。
エマと出会えず帰宅したウィリアムはハキムからエマが自分と別れる決意をしたと聞かされキングス・クロス駅まで追いかけるが、既に列車は発車した後であった。
ハワースでのハウスメイド勤め
故郷へと向かう汽車の中で偶然同席したドイツ系の貿易商・メルダース家のハウスメイドであるターシャの薦めにより、エマはハワース(Haworth)のメルダース家でハウスメイドとして勤めることとなる。そこで彼女はメイド長・アデーレに仕事振りを評価され、彼女の推薦によりメルダース夫人・ドロテアの身の回りの世話要員として主人夫妻と共に再びロンドンへ赴くこととなる。
ハワースでも交際があった友人ミセス・トロロープとロンドンで再会したドロテアは彼女が息子の婚約発表のパーティーへ出席するのに同行者を探していることを知り、エマをハウスメイドよりも上級の使用人である侍女=レディースメイドとして同行させることを提案した。実はミセス・トロロープの本名はオーレリア・ジョーンズでウィリアムたち兄弟姉妹の母親であり、彼女の婚約した息子というのはウィリアムのことであった。
エマを失ったウィリアム自身は上流階級という身分への復讐を込めて「階級がそれほど大事というなら、一生その上流階級として生き、誰もが認める上流階級の体現者になったら死ぬ時に全部捨てて死んでやる」と決意し、妹のグレイスの友人である貴族の令嬢・エレノアと婚約したのであった。
事情を知らぬままオーレリアの付き添いとしてパーティーへ出席したエマはウィリアムと思わぬ再会を果たす。ショックでその場に崩れ落ちたエマが休む部屋を訪れたウィリアムは、彼女をしっかりと抱きしめるのであった。
こうしてお互いの想いを確認し固い絆で結ばれあった2人だが、厳格なる上流社会と平民との格差はこの絆を試すかのように更なる試練を課していくこととなる。
登場人物
ここでの紹介は原則として原作のものである。声はテレビアニメ版『英國戀物語エマ』シリーズ、インターネットラジオ版『エマ放送協會』のもの。
主要人物
- エマ
- 声 - 冬馬由美
- この物語の主人公。
- 父はおらず、母が早くに亡くなったため母方の叔父によってヨークシャー州の漁村で育てられる。その後人買いに捕えられるが連れ去られた先のロンドンで逃げ出し、以後同じような境遇の子供の1人に教えられ小さな花束を作って売って日銭を稼ぐようになる。
- 15歳のとき[1]にケリーの友人の家で働いていた所をケリーの目にとまり、彼女の家のメイド・オブ・オールワークス=雑役女中として務めることとなった。その傍ら、ケリーによって同時代のメイドにしては珍しく立ち振る舞いの教育からフランス語や文学の基礎など様々な教養を教わっている。また、当時は高価なもので庶民には縁遠いものであった眼鏡もケリーから買い与えられていた。
- その後ケリーの下で働いているときにウィリアムと出会い、邂逅を重ねるうちにウィリアムに惹かれていく。元々容姿がよいためラブレターが頻繁に届いており、ウィリアム以外にも貴族だけでなく様々な方面から交際を申し込まれていたようである。
- ケリーの死後、行くあての無いまま故郷に戻る列車の中でターシャと出会い彼女の推薦と彼女が仕える女主人・ドロテアの強い希望もあり、紹介状も無いという異例のことではあるがメルダーズ家のハウスメイドとして働く事になる。
- なお、「美人で無口で眼鏡で照れ屋」という設定は作者の趣味から(本人曰く「最強の四段設定」)。初期稿では黒髪黒目で大人っぽい目付きであるなど、ややアデーレに近い外見をしていた[2]。
- ウィリアム・ジョーンズ
- 声 - 川島得愛、幼年時:世戸さおり
- ジェントリであるジョーンズ家の長男。ジョーンズ家は4代前に勃興した家で、爵位こそないが現在は裕福な貿易商でありウィリアムは家督を継ぐ者として厳格に育てられた。
- インドのマハラジャの王子から軍人の家系の家の子息まで交友は広く深く、人に信頼される紳士である。原作より、少なくとも弟・アーサーが在学しているイートン・カレッジを卒業していることは分かるが大学に進んだかどうかは不明。
- 父に言われ渋々訪ねた恩師・ケリー宅のメイドであるエマに一目惚れをする。
- 妹のグレイスからは「適当で面倒臭がりでボーッとしてて、優柔不断で自信なさそうで能天気」と評されており、基本的には良い所のお坊ちゃんである。何にでも真面目ではあるものの当初は今一つ目立った才覚が見られず少々頼りなく描かれているが、物語を通して理解力・判断力・行動力が開花していく事となる。
- ケリー・ストウナー
- 声 - 中西妙子、若い頃:野田順子
- エマが仕えていた家の主人。1838年生まれ。18歳で結婚したが2年後に夫が死去、それ以来30余年をガヴァネス=家庭教師として働いていた。引退後はエマを引き取り教育を施し、メイド・オブ・オールワークスとして育てたエマと共に暮らしていた。
- 裕福でない子供達を集めて寺子屋のようなことをしていたという隠れ設定がある。
- 我が子のように思っていたエマとウィリアムの恋路を陰ながら応援していたが、足を悪くして体調を崩し床に伏せがちとなり、その恋が成就したかどうかを見届けることなくこの世を去った。
- 番外編では彼女が夫と共にロンドン万国博覧会へ行くエピソードが収録されている。
- エレノア・キャンベル
- 声 - 小林沙苗
- キャンベル子爵家の三女。ウィリアムの妹・グレイスの友人であり、ウィリアムの婚約者。淑女としての教育を受けてきた。
- 素直で美人だがまだ性格的に幼さも残り、恋愛に憧れが強く思い込みが激しかったり勘違いが多かったりする。
- やや人見知りをする性質でなかなか自分を主張できない部分もあるが、誰からも好かれ感受性は強く聡明な部分も併せ持っている。
- ウィリアムに憧れを抱き、ウィリアムのプロポーズを受けて彼の婚約者となるも最終的にはエマへの想いを断ち切れないウィリアムに婚約を破棄されてしまった。
- 番外編ではブライトンに静養、そこでアーネスト・リーヴに出会う。
ジョーンズ家
- リチャード・ジョーンズ
- 声 - 野島昭生
- ウィリアムの父。貿易業を手広く営む[3]ジョーンズ家の3代目で、上流社会にも得意先や商売仲間が多い。
- パブリックスクールに通えず、社交界において30年以上苦労し現在の地位を築いてきた苦労人である。爵位は持っていない。
- 規律と伝統を重んじる良識人で常に自制を信条としているが、しばしばその苦労人としての経験が周囲にまで自制を強いることとなる。家族と妻を深く愛しているが、不器用な性格ゆえに愛情表現が下手である。また自分たち夫婦は社交界での人々の考え方に苦労したため、身分違いのエマとウィリアムの恋には、社交界でどのように扱われるか想像できるため断固反対の姿勢をとっている。
- グレイス・ジョーンズ
- 声 - 大原さやか
- ウィリアムの妹でジョーンズ家長女。しっかり者の美人。結婚を誓った恋人(最終話とコミック版のおまけとアニメ第2期で登場、後述)がいるが、父親にはまだ紹介していない。
- エレノアの友人で、面倒見のいい性格から他にも多数の友人や崇拝者を持つ。
- 兄・ウィリアムに先んじて結婚、ウィリアムとエマの結婚式の時点では男児をもうけている。
- アーサー・ジョーンズ
- 声 - 宮田幸季
- ウィリアムの弟でジョーンズ家次男。パブリックスクールであるイートン・カレッジではプリフェクト=監督生になっている。
- 将来はオックスフォード大学に進み、バリスター=法廷弁護士になろうと考えている。
- 無愛想だが世間を達観している部分もあり、自分の確固たる信念に基いて行動するなど性格は父親似で、容姿も父親の若い頃とよく似ている。
- 表情はめったに変わらないものの、酒に強くなく、酔うと饒舌になる。
- ヴィヴィアン・ジョーンズ
- 声 - 水橋かおり
- ウィリアムの妹でジョーンズ家次女。私立女子寄宿学校に在学中と思われる。通称「ヴィヴィー」。ませた所があってわがままで気が強く、アーサーと言い合いをするなど口も達者である。社交界に憧れを持っており、ウィリアムがエレノアと結婚することを望んでいる。
- エマがケリーの死後ウィリアムと待ち合わせるためにジョーンズ家を訪れた際、彼女に「身分の違いをわきまえない」「常識がない」と罵声を浴びせた。
- 後にレディでありながらエーリヒ(後述)に釣りを教える立場となっている。
- 愛読書は『ゼンダ城の虜』や『ロミオとジュリエット』ほか恋愛物など。
- コリン・ジョーンズ
- 声 - 下屋則子
- ウィリアムの弟でジョーンズ家三男。幼少のためまだ学校には通っていないと思われる。
- 引っ込み思案で甘えん坊な所が随所に見受けられる反面、褒められると一気に増長するなどまだまだ幼く遊びたい盛りであるが上の兄とは歳が離れていて、すぐ上の姉であるヴィヴィアンとは喧嘩してばかりである。
- オーレリア・ジョーンズ
- 声 - 島本須美
- リチャードの妻でウィリアムたち兄弟の母。ウィルトシャー州在住の医師の娘で社交界にも居場所がありながら、自然の中で自由闊達に育つ。旧姓はハートウィック。
- ジョーンズ家があるロンドンの社交界でも馴染めなかったため世間には極力関わらないような生活をしており、口さがない者からはミザントロープ(人間嫌い)のミセス・トロロープと呼ばれている。
- 社交界から距離を置くために家族とも離れ、ハワースに老いた使用人のマーサと2人で住んでいる。屋敷が近いこともあり、ドロテアとは深い交流がある。
- 後にエマとウィリアムの関係を知り、自らの経験から複雑な感情を抱きつつも二人を応援する事となる。
- マーサ
- 声 - すずき紀子
- オーレリア付きウェイティング・メイド=侍女。情が深く、やや涙もろい性格の持ち主でオーレリアのことは今でも「お嬢様」と呼ぶ。
- 作中では最年長[4]。
- スティーブンス
- 声 - 幹本雄之
- リチャードの代からジョーンズ家に仕えるバトラー=執事。気難しいキャンベル子爵以外の人物にはそつなく対応できる、非常に洗練されたバトラーである。
- 主人のためなら自分が叱責を受けようとも厭わない。上流社会の事情にも明るく、控えめながらも有能な人物である。
- ビル
- ウィリアムが幼い頃からジョーンズ家に仕えている庭師。子供達の自転車の練習のために芝生を荒らされるなど、苦労が耐えなかった。結婚式の時に、ウィリアム自ら水を注いでもらうという(当時の使用人に対しては考えられない行為)栄誉に浴した。
- テレサ
- ジョーンズ家に仕えるメイドで、かなりの老齢。グレイスが赤子の頃から知っており、グレイスの子がグレイスによく似ていると言った。
- ジェフリー
- ジョーンズ家に仕える厩舎係、老人。結婚式の席で、幼い頃のウィリアムは馬を見て泣いたと暴露していた。
キャンベル家
- キャンベル子爵
- 声 - 堀勝之祐
- キャンベル家の当主。世襲貴族であり成り上り者に対する侮蔑感を抱いている。ウィリアムとエレノアの婚約は経済的な有用性から認めたに過ぎず、一貫してジョーンズ家を見下した言動をとり続けている。
- 愛人がいるがその女性に対しても傲岸不遜な態度をとっている。
- エレノアの婚約破棄の原因にエマの存在があることを知り、オドネルに命じて彼女を誘拐させアメリカに置き去りにさせた。
- キャンベル夫人
- 声 - 相沢恵子
- エレノアら3姉妹の母。子爵夫人。夫に愛人がいることを知りながらも平静さを失わない、上流階級の女性。
- レディ・モニカ・ミルドレイク
- 声 - 井上喜久子
- エレノアの次姉。伯爵夫人。エレノアを溺愛するあまり彼女を傷つけたウィリアムに対して自ら彼の家に乗り込み文句を付ける勝気な性格の持ち主で自由奔放な行動力の持ち主、華やかな美人でもある。両親であるキャンベル子爵夫妻、特に父に対する嫌悪感を持っている。エレノアの純粋な性格はこれまでの彼女の庇護によるものである。
- 夫・フレデリックのことは好きでも嫌いでもなかったが、結婚した理由は彼のプロポーズが一番情熱的でモニカのためなら火中も辞せずの騎士道精神が一番だったからとエレノアに語る。
- 夫として一定の愛情は抱いており、その前では貞淑で可愛い妻の態度を崩さない。父親が夫を「頭が弱い」と痛罵した際には、憤激のあまり絶句している。
- インドからの帰国後はハキム・ガールズを幼くしたような3人の侍女たち(モニカ・ガールズ)を連れ歩く。
- レディ・ソフィア・ブラッドフォード
- エレノアの長姉。伯爵夫人。冷たい美貌の持ち主。番外編にのみ登場。過去5人と婚約を結んだが結婚せず、現在の夫であるブラッドフォード伯爵(原作・アニメ共に未登場)と6人目にしてようやく結婚したがそれを気にするそぶりもない。モニカに対し「かわいい」と思ったことがないともらしている。
- フレデリック・ミルドレイク伯爵
- モニカの夫。妻を溺愛している上にいささか気が弱く、モニカの自由奔放な行動には一切口出しできない。
- 天然なところがあり、少し頭が弱いとキャンベル子爵には思われているが、面と向かって悪し様に言われようとも意に介さず、じっと待ち続ける男である。
- アニー
- 声 - 本名陽子
- エレノア付きのウェイティング・メイド=侍女。ナース・メイド=子守り担当メイド時代からエレノアによく尽くす。
メルダース家
- ヴィルヘルム・メルダース
- 声 - 青山穣
- ドイツ人の貿易商。ドイツからの移住者でその商才と地位はイギリス社交界でも一目置かれている。イギリス社交界の内向的な階級偏重主義には内心で反感を抱いており、ウィリアムとエマが身分差を超えて愛し合っている事を知った際にも一定の理解を示した。一方で実務志向の現実主義者でもあり、ウィリアムの抱える問題点について指摘した上で、現状打開について話し合うことを提案した。
- 妻・ドロテアを熱烈に愛してやまない愛妻家で、妻に甘い部分がしばしば見うけられる。
- モノクル=単眼メガネとステッキを愛用しており、表情はほとんど顔に出さず必要最小限の事しか口にしないが、そのため彼の発言は尊重されている。
- ドロテア・メルダース
- 声 - 高島雅羅
- ヴィルヘルムの妻。黒髪で豊満な肢体の華やかな美人。派手好きな性格だが、一方で慎ましく暮らすミセス・トロロープことオーレリアの良き友でもある。
- 細かいことにはこだわらない一面を持ち、紹介状無しでエマを雇ったことを案じたミセス・ヴィークに対して「神経質すぎる」とも発言している。
- 単調な田舎暮らしに飽きており、エマとウィリアムの仲を知ると積極的に援助をしている。
- 若い頃はストレス解消に乗馬をやっていた。その際にヴィルヘルムを轢きかけたのが夫婦の初対面となっている。
- 社交界にも顔が利く才気煥発な人物で、エマ曰く「奥様は私のような者から見てもとても立派で、貴族の方の事はあまりよく知りませんが、きっと貴族の方以上に…」。
- 容姿のモデルはマリア・カラス。
- エーリヒ・メルダース
- 声 - 高木礼子
- メルダース家の長男。リスのテオを飼っている。
- 利発なしっかり者だが、まだ幼いためメイドたちの手を煩わす事もしばしばである。また、兄妹ともお風呂嫌いで、英語は理解できずにいた。兄妹とも、後にジョーンズ家との交流により簡単な英語は話せるようになった。ヴィヴィアンから釣りの指導を受ける。
- イルゼ・メルダース
- 声 - 下屋則子
- メルダース家の長女。まだ幼くおねしょをする事もある。作中では最年少[4]。数年後、ジョーンズ家との交流で、コリンと仲良くなる。
- ミセス・ヴィーク
- 声 - 竹口安芸子
- メルダース家のハウスキーパー=家政婦で、メイド達からは恐れられている模様。コックのヨハンナとは仲が悪いとの噂。ドイツ人。
- ヨハンナ
- 声 - 津田匠子
- メルダース家のコック長。キッチンが彼女の城であり、ここばかりはミセス・ヴィークも管轄外である。本人曰く「あたしだって、まあ若い頃はちょっとしたもんだったからね」。
- 家政婦のミセス・ヴィークと仲が悪い。基本的には気の良いおばさんであるが仕事には厳しく、部下からは恐れられている。英語は解らない。ドイツ人。
- アデーレ
- 声 - 斎賀みつき
- メルダース家のメイド長。黒髪のクールな美人。酒豪。エマのメイドとしての資質を高く評価している。常に冷静な性格で細部に渡って気を回す。ドイツ人。ドイツにいた頃は恋人がいたが、あくまでメイドを天職と決めていたため考えが合わず、別れてしまった。
- 最終巻ではハンスにキスをしていた。
- マリア
- 声 - 大原さやか
- メルダース家のハウスメイド。金髪のグラマー美人。少々野放図な性格の持ち主で規則破りの常習犯で、アデーレには悪い見本と評される。アデーレとは同室で仲も良い。ドイツ人。
- ターシャ
- 声 - 若林直美
- メルダース家のハウスメイド。ウィリアムと別れ故郷に帰ろうとしたエマと列車で同じコンパートメントに乗り合わせ、人手不足であるメルダース家のメイドになることを勧めた。その後エマと同室となり、友人となる。
- 何にでも喜びを見出す活発で闊達な性格で、仕事には熱心だがまだまだ熟練が足りず失敗が多く、少々おっちょこちょいなところがある。メルダース家に務める前は失敗続きで奉公先からすぐ暇を出されていたが、エマと組むようになってからは仕事の精度も上がってきた。イギリス人。
- 実家は8人家族(両親、兄、妹に弟が3人)。末弟からは呼び捨てにされている。
- ポリー
- 声 - 笹本優子
- メルダース家のハウスメイド。アルマと同室。ミーハーでうわさ好きのおしゃべり好き。休日に街に出て買い物をすることを楽しみとしている。
- アルマ
- 声 - 釘宮理恵
- メルダース家のハウスメイド。ポリーと同室。しっかり者で人気者。目元の涼しげな、サラサラな金髪の持ち主。ドイツ人。実家には多数の兄弟がおり、本人は「男はもううんざり」と発言している。
- リタ
- メルダース家のキッチンメイド。エマとハンスに仕事を押しつけ、裏方のため断念していた使用人たちのパーティに出席した。
- イーダ
- メルダース家の下級キッチンメイド。使用人たちのパーティに興味をもったものの、エマとハンスが厨房に来たことから役目を変わってもらった。
- ミスター・ブルッフ
- メルダース家の執事。口数は少ないが有能。仕事をしていると落ち着く性格で、客として赴いたはずのエマとウィリアムの結婚式でもグラス磨きをしていた。
- ハンス
- 声 - 東地宏樹
- メルダース家のセカンドフットマン、ドイツ人。トマスとは旧知の仲。無愛想でともすれば粗野な感じを与えるが、基本的に真面目で自分よりも下の者に対する思いやりもある人物。
- 経歴不詳でメルダース家に勤め始めたエマに対し、何かと警戒するような態度を取る。
- 最終巻ではアデーレにキスをされた。
- トマス
- 声 - 高木礼子
- メルダース家のフットマン。皮肉好き。フットマンの中では最年長。後年酒屋に転職、その後結婚。妻は本人よりもかなり背が高い。
- ヤン
- 声 - 釘宮理恵
- メルダース家のフットマン。お調子者の明るい若者。
- マルセル
- 名前のみの登場、もとメルダース家の使用人。辞職にハンスが関わっているらしいとトマスが語った。
- ベルタ
- もとメルダース家の使用人。就職時には「恋人はいない」と言っていたが、早々に結婚退職してしまった。
- ジェシカ
- メルダース家の使用人、名前のみの登場。休みを使って町に行くポリーに1シリングを預けて買い物を頼んだ。
- セシリー
- メルダース家の使用人、名前のみの登場。休みを使って町に行くポリーにスクラップブックを買ってくるよう頼んだ。
その他の登場人物
- ハキム・アタワーリ
- 声 - うえだゆうじ
- インドのマハラジャ=藩王の第2王子。ウィリアムの子供時代からの友人で、ロンドンのジョーンズ家に長期滞在をしている間にエマに恋をする。しかし、ウィリアムとエマが互いに想い合っていると知り、身を引いた。以降は2人の恋を見守るスタンスを取る。
- 真剣に彼らの恋の成就を願っていたようで2人の関係が切れかけた時には「つまらなくなったから(インドに)帰る」と漏らし、一時モニカを連れて帰国していた模様。
- 何事に関しても積極的。父親の教育方針とウィリアムの影響でイギリス上流階級の習慣には通じている[2]が、王族故か常識知らずで象を馬車代わりに使う、ジョーンズ邸内で自動車を暴走させる、側室と見られる女召使たちを常に周囲に侍らせるなど自国の貴族文化をそのまま英国内に持ち込んで生活をしている。ウィリアムとエマの結婚式では飛行機でやってきた。
- 子供の頃にウィリアムにテニスを教えてもらって以来、テニスの腕は互角。
- アル
- 声 - 西村知道、若い頃:千葉一伸
- ロンドンの下町に住む修理工。ケリーとその夫・ダグの古くからの友人。近所のパブの店先で仲間とトランプをしている事が多い。
- 寡黙で多くを語らないが、ケリーに対しては何らかの感情を持ち続けていた様子であった。
- ハキム・ガールズ
- ハキムに従う侍女たち。作者がつけた呼称だが作品中では使われず名前を呼ばれることもない。
- イライザ
- 声 - 宇乃音亜季
- グレイスの友人3人娘の1人。子爵家令嬢で黒髪。
- 結婚相手に対する注文は年収8万ポンド以上、4頭立て馬車所有、大勢の召使い、優しくて家柄がふさわしい、ブラウンの髪に灰色の瞳を持ち、しかし軍人は嫌、など。一方でお金の為の結婚ではなく愛を見つけるとも語る。
- ファニー
- 声 - 浅野るり
- グレイスの友人3人娘の1人。ブロンドの髪で垂れ目。おっとり型。
- アリス
- 声 - 村井かずさ
- グレイスの友人3人娘の1人。ブロンド。
- ロバート・ハルフォード
- 声 - 野島裕史
- ウィリアムの親友。軍人の家系の男爵家の跡取りだが、本人は軍人ではない。
- ウィリアムの行動により評判の落ちたジョーンズ家及びウィリアム本人と、一生付き合う覚悟を決めている度量の広さを持つ。学生時代は下級生からも慕われていた。
- オドネル
- キャンベル子爵配下の人物で、ただならぬ雰囲気を持つ。子爵の命令でメルダース家で働いていたエマをニセ電報で屋敷の外に誘い出し、誘拐する。
- 山高帽・黒髪・黒ひげ・黒一色の服装がトレードマーク。自身が何者かも語ろうとはしない。仕事仲間も人買いである。
- ダグラス(ダグ)・ストウナー
- 声 - 森岡弘一郎
- 流行り病に倒れ、結婚生活わずか2年ほどで没してしまったケリーの夫。アルとは古くからの友人で、子供の頃から一緒に遊んでいた仲であった。
- スバーシュ・チャンドラ
- ハキムの藩で雇われている通訳。専攻はサンスクリット文献とヒンドゥー文学。名前は作中では明らかにならず、単行本9巻のあとがきで判明した。
- アーネスト・リーヴ
- エレノアの静養先・ブライトンにてエレノアと出会った青年。パブリック・スクール「イートン校」出身。
- 母親がフランス人で、フランス語は堪能。
- コミックス10巻「後日」にて、エレノア・キャンベルと「社交以上の交際」を始めた模様。
- アニメ2期最終話エンディングにて、ピアノを弾くエレノアを見守る姿が出ている。
- ライオネル・ロイド
- グレイスの恋人で、後に夫となる。グレイスの怒った顔を見るのが好きで、よくからかっている。空気を読んで場をなだめる弁才もあり、エマと仲良くしにくいグレイスの心境を過不足なく説明した。
- アレン・バージェス
- 番外編『三人の歌手』に登場。コヴェント・ガーデンの劇場でオペラ『セビリアの理髪師』のアルマヴィーヴァ伯爵を演じる。
- ルイーズに想いを寄せている。パトロンに困らない程に、奥様方には人気がある。周囲には気が弱いと言いながらも、パトロンの奥方たちのご機嫌伺いはこなしている。
- ルイーズ・ミラー
- 番外編『三人の歌手』に登場。『セビリアの理髪師』でロジーナを演じる。
- アレンに想いを寄せられていたが、ジョージと結婚した。劇場との契約切れを切っ掛けに舞台からは引退することに。
- ジョージ
- 番外編『三人の歌手』に登場。『セビリアの理髪師』でフィガロを演じる。
- アレンとは幼なじみである。
- オコーナー
- 番外編『三人の歌手』に登場。『セビリアの理髪師』で医師バルトロを演じる。太り気味の壮年男性で、髪の生え際がかなり後退している。バリトン(低音の声質)の持ち主で、コヴェント・ガーデン劇場の大御所的存在。
- ミセス・ブロウ
- 公爵夫人でコヴェント・ガーデン劇場の大口出資者にてアレンのパトロン。大人しめな物腰ながら貴族らしく強引で、気が弱いと言っていたアレンに晩餐会で歌わせる約束を取り付けた。
- アメリア
- ルイーズに仕えるメイド。猫アレルギー。
- ヴァイオレット・グレイ
- トラヴィアータ(道を踏み外した女)の異称をもつ高級娼婦にしてキャンベル子爵の愛人。
- 子爵を裏切って別の男爵と逢瀬を楽しんでいたところを子爵に踏み込まれ、縁を切られる。その後、髭をたくわえた老人と愛人契約した。好みは髭を生やした男性。
- エドナ
- ジョーンズ家とキャンベル家が晩餐会に招かれた家でコックをしていた女性。
- 後に独立し、レストランのオーナーシェフとなった。当時の上司であったダリモアを尊敬している。
- ベティ、ジェイン
- 両名ともジョーンズ家とキャンベル家が晩餐会に招かれた家のキッチンメイド、名前のみの登場。
- ルース
- ジョーンズ家とキャンベル家が晩餐会に招かれた家のキッチンメイド。エドナの補佐的立場にある。
- ジェシー
- とある家に勤めるメイド。主人が慈善家で、物乞いの子供達を玄関に待機させて食料をあげていいか主人に「お伺い」に行っていた。新聞を読める程度には教養がある。
- ベア
- アルの行きつけのパブ「ルース&ベア」のマスター。元ボロワー家の執事で、子息に子供が生まれた際に私信として祝いの言葉を新聞に掲載してもらった。
- ステファン・ボロワー
- ロチェスターの事務弁護士。かつてベアが家の執事をしていた。妻に子供が生まれた時にベアより祝いの言葉をもらい、その返事を新聞の私信に載せた。
- ヘンリー・プレストン
- パブリック・スクール「イートン校」にてアーサーと同時期に監督生(プリフェクト)に任命された学生。アーサーと違い、優しさを身上として下級生を導こうとした。
- トーマス・ラムゼイ
- パブリック・スクール「イートン校」にてアーサーが監督生(プリフェクト)となった年に入学した少年。規律を守ることや命令されることを嫌悪しており、旺盛なバイタリティで規則を破り続ける。
- エリザベス・シェリング
- 著名オペラ歌手、名前のみの登場。キャンベル子爵の推薦によって人気を得た。
- ローズ・マリア
- 著名オペラ歌手、声域はソプラノ、名前のみの登場。ロイヤル・オペラのヴィオレッタで人気を博す。
- トリアーノ、カラージョ
- 両名とも著名オペラ歌手、声域はバリトン、名前のみの登場。トリアーノはキャンベル子爵のお気に入りで、大々的な公演の予定が入っていた。
- バーナビー、パーマー、ベインズ
- バーナビーは男爵、その他の者は爵位なし、名前のみの登場。ウィリアムが生まれた際に贈り物を送った。
- ターナー
- 男爵、地方判事、名前のみの登場。夫人がカシミア・ショールに執心で、ジョーンズ家はカシミア・ショール交易を縁にしてよしみを結んだ。
書籍
単行本
本編全7巻に加え、外伝が全3巻としてエンターブレインより刊行されている。
- 1巻:2002年8月30日発売 ISBN 4-7577-0972-2
- 2巻:2003年2月24日発売 ISBN 4-7577-1312-6
- 3巻:2003年11月25日発売 ISBN 4-7577-1642-7
- 4巻:2004年5月26日発売 ISBN 4-7577-1887-X
- 5巻:2005年3月31日発売 ISBN 4-7577-2168-4
- 6巻:2005年8月31日発売 ISBN 4-7577-2403-9
- 7巻:2006年5月25日発売 ISBN 4-7577-2787-9
- 8巻:2007年3月26日発売
- 通常版 ISBN 978-4-7577-3449-4
- 特装版[5] ISBN 978-4-7577-3450-0
- 9巻:2007年9月25日発売 ISBN 978-4-7577-3726-6
- 10巻:2008年4月25日発売 ISBN 978-4-7577-4178-2
ちなみに8巻以降は「番外篇」であり、エマ以外のキャラクターにスポットを当てている。エマはほとんど登場しない。
小説
関連書籍
- エマ ヴィクトリアンガイド(著者:村上リコ、挿絵:森薫):2003年11月25日発売 ISBN 4-7577-1643-5
- 森薫拾遺集:2012年2月15日発売 ISBN 978-404-727824-0
- 『Fellows!』にて発表された作品(過去の再録物を含む)をまとめたもの。本作品のサイン会用ペーパーや、DVD用の4コマ漫画等が収録されている。
テレビアニメ
第1期
『英國戀物語エマ』(えいこくこいものがたり エマ)というタイトルで2005年4月から6月まで全12回にわたり放送された。TBSが製作に参加しているが他系列での放送を制限するJNN排他協定の適用外番組としたためRKB毎日放送(福岡県のTBS系列局)・衛星放送以外のTBS系列局では放送せず、UHFアニメとして放送するという珍しい放送形態を採った(その後TBSが製作に関わったアニメでは、この様な放送形態を採ったアニメが数本製作されている)。
原作コミック1巻から2巻をベースにストーリーが構成されており、エマがキングス・クロス駅を発つところで終わっている。DVDは初回生産版と通常版共に全6巻にまとめられて発売中。また第1期のDVD-BOXとして「第一幕廉価版 英國戀物語エマDVD-BOX」(森薫書き下ろしイラスト入り)も発売された。
なお後述する第2期と区別するため、公式サイトでは第2期本格展開と同時に第1期を「第一幕」と呼称している(現状は便宜上の呼び名に過ぎない)。
オリジナルキャラクター
- フランシス
- 声 - 田上由希子
- ジョーンズ家のメイド。通称「フラニー」。エマ放送協會の教育ラジオにも出演。
- サラ
- 声 - 本名陽子
- ウィリアムがエマとの逢引に利用する骨董店「MATRTIN&SARAH」の看板娘(ただし原作第1巻では「LEYTON」の店のサラが登場するシーンがある)。
スタッフ
- 監督 - 小林常夫
- シリーズ構成 - 池田眞美子
- キャラクターデザイン - 楠本祐子、清水恵子
- プロップデザイン - 宮川治雄
- 美術監督 - 櫻井純子、矢野祐子
- カラーデザイン - 佐藤祐子
- 撮影監督 - 松本敦穂
- 編集 - 森田清次
- 音楽 - 梁邦彦
- 音響監督 - 菊田浩巳
- プロデューサー - 源生哲雄、福良啓、森下直文、渡辺隆、中山佳子
- アニメーション制作 - ぴえろ
- 製作 - ヴィクトリアン文化研究会(TBS、ぴえろ、東芝エンタテインメント、ポニーキャニオン、フジクリエイティブコーポレーション)
主題曲
- オープニングテーマ「Silhouette of a Breeze」
- 作曲・編曲 - 梁邦彦
- エンディングテーマ「Menuet for EMMA」
- 作曲 - 梁邦彦 / 編曲 - 金子健治 / 演奏 - 東京リコーダーオーケストラ
各話リスト
話数 | サブタイトル | 脚本 | 絵コンテ | 演出 | 作画監督 |
---|---|---|---|---|---|
第一章 | 贈り物 | 池田眞美子 | 小林常夫 | 楠本祐子 | |
第二章 | 二つの世界 | 岡村天斎 | 林有紀 | 齊藤寛 | |
第三章 | 告白 | 川端信也 | 金子玲 | 島崎奈々子 | 遠藤裕一 |
第四章 | ミューディーズ | 池田眞美子 | 中村哲治 | 門上洋子 | |
第五章 | 晩餐会 | 平見瞠 | 小島正士 | 金澤洪充 | 堀越久美子 |
第六章 | 訪問 | 吉田玲子 | 鎌倉由実 | 三宅綱太郎 | 西本真弓 |
第七章 | 水晶宮 | 池田眞美子 | 金子玲 | 林有紀 | 阿部純子 楠本祐子 木下裕孝 |
第八章 | 時計 | 平見瞠 | 小林常夫 | 鎌倉由実 | 荒尾英幸 |
第九章 | ひとり | 池田眞美子 | 島崎奈々子 | 窪詔之 | |
第十章 | すれ違い | 宮崎なぎさ | 金澤洪充 | 遠藤裕一 | |
第十一章 | 過去 | 中村哲治 | 木下裕孝 門上洋子 | ||
第十二章 | スズラン | 小林常夫 | 清水恵子 |
放送局
放送地域 | 放送局 | 放送期間 | 放送日時 | 放送系列 | 備考 |
---|---|---|---|---|---|
神奈川県 | tvk | 2005年4月2日 - 6月18日 | 土曜 24:30 - 25:00 | 独立UHF局 | |
福岡県 | RKB毎日放送 | 土曜 27:15 - 27:45 | TBS系列 | ||
千葉県 | ちばテレビ | 2005年4月3日 - 6月19日 | 日曜 24:00 - 24:30 | 独立UHF局 | |
埼玉県 | テレビ埼玉 | 日曜 24:35 - 25:05 | |||
兵庫県 | サンテレビ | 2005年4月4日 - 6月20日 | 月曜 24:00 - 24:30 | ||
愛知県 | テレビ愛知 | 2005年4月5日 - 6月21日 | 火曜 27:58 - 28:28 | テレビ東京系列 | |
日本全域 | TBSチャンネル | 2005年4月8日 - 6月24日 | 金曜 22:00 - 22:30 | CS放送 | リピート放送あり |
BS-i | 2005年7月14日 - 10月6日 | 木曜 24:30 - 25:00 | BS放送 | ||
アニマックス | 2006年10月20日 - 2007年1月12日 | 金曜 23:00 - 23:30 | CS放送 | リピート放送あり |
アニメ関連書籍
- エマ アニメーションガイド(著者:森薫・村上リコ、監修:小林常夫)
第2期
タイトルは『英國戀物語エマ 第二幕』(えいこくこいものがたり エマ だいにまく)。別名「メルダース編」。全12話構成。2007年4月より独立UHF局、5月よりメ〜テレでそれぞれ放送開始された。
第1期の制作に関わったTBSは第2期には不関与でアニメーション制作会社がStudioぴえろから亜細亜堂に変更、担当代理店もビッグショットから創通に変更されている。
放送局も第1期を放送したBS-iやRKBでは放送されず、逆に第1期を放送していないTOKYO MXが加わった(唯一夕方枠での放送となる)。さらに東海地区の放送局もテレビ東京系の愛知県域テレビ局であるテレビ愛知からテレビ朝日系の東海3県広域テレビ局であるメ〜テレに移行している。
オリジナルキャラクター(第2期)
- ナネット
- 声 - 甲斐田裕子
- メルダース家のレディーズメイド=侍女の一人。有能な侍女であるが、当初はエマを良く思っていなかった。付き合っていた男に唆されてドロテアの扇を盗み、その罪をエマに擦り付けようとしたところ、ハンスの働きにより全てが露見。ミセス・ヴィークに辞めさせられそうになるが、エマの進言とドロテアの執り成しによりハウスメイドへの格下げ処分で済み、深く反省する。以降はエマを見守る立場に。
原作と異なる点
第2期アニメは原作本編の残り、すなわち単行本では第3~7巻(後ほど詳述するが、一部第8巻の内容も組み込まれている)における動きを「幕間」を除くわずか全12話で描く為か、原作と比べて一部の物語や時系列が変更されている。原作のみ、アニメのみで内容を把握することが難しいので注意が必要である。
主な相違点は次の通りである。
- ナネットは原作に登場していない。
- イライザ、ファニー、アリスの3人娘の登場シーンが少ない。
- フレデリックの登場シーンはエピローグの1カットのみ。
- ウィリアムのエレノアへの求婚の場面がオペラ劇場ではない。
- メルダース家のハワース本邸でのボヤ騒ぎがロンドン別邸での火事騒ぎになっている。この火事騒ぎはエマが外出中の出来事になっており、メルダース家の使用人だけで消し止められずに消防隊の出動を仰いでいる。
- オドネル一味が登場しない。つまりエマの誘拐騒ぎとアメリカ大陸でのシーンが無い。
- 上記の代わりにキャンベル子爵の陰謀でジョーンズ家の家業「ジョーンズ商会」(原作では名称未登場)が手掛ける鉄道建設事業の資金繰りがカントリーリスクで難しくなり、家業が存亡の危機に立たされる。
- ウィリアムがエマへプロポーズをする舞台がクリスタルパレスになっている。
- エマへの求愛などを含めてハンスの登場が原作よりも多く、物語の中で重要な役割を担っている。
- 原作第7巻において本編が完結した時点では、ウィリアムがエマと結婚をする決意を語っただけであったが、アニメではエンディングで結婚をして4人の子供をもうけたことが描かれている。なお、アニメが終了した後に刊行された原作最終巻の第10巻で描かれた後日談では、結婚に数年の時間をかけている描写があり、実際の挙式が描かれ、その後メルダース家一行も交えた披露宴で終わっている。
- 第8巻に登場した、エレノアの保養地の場面とアーネストがエンディングに登場している(この点が前述した番外編におけるアニメのシナリオへ組み込まれた部分である)。
- 原作ではウィリアムがメルダース家を訪ねたり、エマもウィリアムも文通を通して想いを確かめ合うなど、恋人同士という描かれ方をしていた。しかし、第2期アニメでは前述のような場面は無く、エマとウィリアムが恋人同士として関わっているシーンは少ない。むしろ身分違いの恋と現実との差に呵責を抱いて頑なにウィリアムの求愛を拒むエマとそれを必死に追うウィリアムという形で描かれており、人間関係の構図が異なっている。
スタッフ(第2期)
- 監督 - 小林常夫
- シリーズ構成・脚本 - 池田眞美子
- キャラクターデザイン - 楠本祐子、清水ケイコ
- 総作画監督 - 柳田義明
- 美術監督 - 笹川真理
- 色彩設計 - 佐藤祐子
- 撮影監督 - 松本敦穂
- 編集 - 森田清次
- 音楽 - 梁邦彦
- 音響監督 - 菊田浩巳
- プロデューサー - 大場渉、川村仁、中山佳子、渡辺隆、近藤良英、矢尾坂克之
- アニメーション制作 - 亜細亜堂
- 製作 - 第2ヴィクトリアン文化研究会
主題曲(第2期)
- オープニングテーマ「Silhouette of a Breeze」Celtic version
- 作曲・編曲 - 梁邦彦
- エンディングテーマ「Rondo of Lily bell」
- 作曲・編曲 - 梁邦彦
各話リスト(第2期)
話数 | サブタイトル | 絵コンテ | 演出 | 作画監督 |
---|---|---|---|---|
第一章 | 新しい家 | 小林常夫 | 中村賢太郎 | 関根昌之 |
第二章 | 月光 | 宮崎なぎさ | 岩崎知子 | 西堀九郎、齊藤寛 |
第三章 | 涼雨 | 小林常夫 | 加藤顕 | 浦和文子 |
第四章 | 求婚 | 中村哲治 | 小林常夫 | 松田芳明 |
第五章 | 抱擁 | 小林常夫 | 狩生豊 | 金子志津枝 |
第六章 | 成功と喪失 | 岩崎知子 | 関根昌之、西堀九郎 | |
第七章 | 夕波 | 小島正士 | 加藤顕 | 千葉ゆみ、佐藤敏明 |
第八章 | 居場所 | 宮崎なぎさ | 津田義三 | 松田芳明、川口弘明 |
第九章 | 覚悟 | 杉田夏海 | 西岡夕樹、齊藤寛 楠本祐子、清水恵子 | |
第十章 | 窓辺 | 小島正士 | 佐藤洋二 | 岩佐とも子 |
第十一章 | 光陰 | 佐藤卓哉 | 岩崎知子 | 関根昌之、千葉ゆみ |
最終章 | 花 | 小林常夫 | 柳田義明、西堀九郎 西岡夕樹、清水恵子 楠本祐子 |
放送局(第2期)
放送地域 | 放送局 | 放送期間 | 放送日時 | 放送系列 | 備考 |
---|---|---|---|---|---|
埼玉県 | テレ玉 | 2007年4月16日 - 7月2日 | 月曜 25:30 - 26:00 | 独立UHF局 | |
千葉県 | チバテレビ | 月曜 26:10 - 26:40 | |||
兵庫県 | サンテレビ | ||||
東京都 | TOKYO MX | 2007年4月20日 - 7月6日 | 金曜 18:30 - 19:00 | ||
神奈川県 | tvk | 2007年4月21日 - 7月7日 | 土曜 25:30 - 26:00 | ||
中京広域圏 | メ〜テレ | 2007年5月11日 - 8月17日 | 金曜 27:15 - 27:45 | テレビ朝日系列 | |
日本全域 | アニマックス | 2007年8月28日 - 11月13日 | 火曜 22:30 - 23:00 | CS放送 | リピート放送あり |
※TOKYO MXとメ〜テレ以外の局では、放送開始の前週に第1期の総集編を放送した。
インターネットラジオ(エマ放送協會)
作品の舞台である19世紀のイギリスについて学べる「教育ラジオ」と作品(原作・アニメ)の情報とリスナーの投稿を中心にした「総合ラジオ」の2種類がある。
出演者
時代考証
この漫画はヴィクトリア期のイギリスの風俗を丁寧に描いている一方で本作品ならではのアレンジもいくつか存在し、考証の誤りも指摘されている。
- 第1話でウィリアムは複葉機の模型を手に取っているが、このような飛行機が登場したのは20世紀以降である。
- アニメでは19世紀にウィリアム・サミュエル・ヘンソンの発明した蒸気式飛行機(Aerial Steam Carriage)に変更された。
- 第2巻の終わりで登場するキングス・クロス駅のプラットフォームの柱が鍛鉄製となっているがこれはユーストン駅のデザインであり、実際は煉瓦製の柱である。
その他
脚注
関連項目
外部リンク
テンプレート:リダイレクトの所属カテゴリ- ↑ 株式会社エンターブレイン『エマ ヴィクトリアンガイド』128ページ
- ↑ 2.0 2.1 『森薫拾遺集』より。
- ↑ アメリカ大陸に支店があり、インドにも支店が存在する可能性がある。
- ↑ 4.0 4.1 単行本9巻巻末にある『登場人物年齢番付』より。ただし、年齢を具体的に決めているわけではないとのこと(誰より上で誰より下か、という程度)。
- ↑ 「幕間」と称した第1期と第2期の間を埋めるエピソード(ハキムやヴィヴィアン、アーサーの視点で展開)やノンテロップオープニングなどの特典映像、インターネットラジオのスペシャル版が収録されているDVDが付属している。
- ↑ メイド書店登場? いいえ、ブックフェアなんです(Excite Bit コネタ) - エキサイトニュース(1/2)