伯爵
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伯爵(はくしゃく、英:Count)とは爵位の一つである。侯爵の下位、子爵の上位に相当する[1]。古くは中国での名称で、のちに近代の日本の華族(「五爵」の第3位)やヨーロッパ・ロシアの貴族の階級を表す訳語として用いられた。
欧州との対応
- 伯爵と訳されることがある欧州の爵位。
日本の伯爵
- 皇族
- 公家
- 武家
- 徳川旧御三卿、旧中藩知事(現米五万石以上)
- 御三卿 - 清水徳川家(後爵位返上)、田安徳川家、一橋徳川家
- 大名家 - 備後福山藩阿部家、筑後久留米藩有馬家、近江彦根藩井伊家、出羽米沢藩上杉家、豊前小倉藩小笠原家、豊前中津藩奥平家、播磨姫路藩酒井家、出羽庄内藩酒井家、若狭小浜藩酒井家、筑後柳河藩立花家、伊予宇和島藩伊達家(後侯爵)、陸奥仙台藩伊達家、陸奥弘前藩津軽家、伊勢津藩藤堂家、美濃大垣藩戸田家、豊後岡藩中川家、陸奥盛岡藩南部家、伊予松山藩久松家、下総佐倉藩堀田家、越中富山藩前田家、越前福井藩松平家(後侯爵)、出雲松江藩松平家、上野前橋藩松平家、讃岐高松藩松平家、越後新発田藩溝口家、大和郡山藩柳沢家、対馬厳原藩宗家、肥前平戸藩松浦家
- 陞爵 - 肥前大村藩大村家、石見津和野藩亀井家、信濃松代藩真田家、日向佐土原藩島津家、信濃龍岡藩大給家
- その他
- 新華族
- 国家ニ勲功アル者
- 朝鮮貴族
- 韓国併合後に授爵
- 上記のうち、公家の1及び2、武家の1及び2、新華族の1が1884年(明治17年)の華族制度発足とともに伯爵を授爵された家である。
- 武家2のうちで太字となっているものは、内規(現米5万石以上)を満たしていないにもかかわらず特別な事情により伯爵を授爵した家である。朝鮮との外交を担ってきた宗家は国主・十万石格の家格をもっていたことが、松浦家は9代藩主松浦清の11女・中山愛子が明治天皇の生母中山慶子の母にあたり外戚であることが、それぞれ配慮されたと言われている。
- 公家3、武家3、新華族3は勲功によって子爵から陞爵された家である。ただし新華族3において斜字となっている家は男爵から直接伯爵に陞爵された。また新華族2のカテゴリーは、華族制度発足の際には授爵されなかったが、1884年(明治17年)以降に伯爵を陞爵ではなく直接与えられた家を意味している。
- 貴族院へは伯爵同士の互選により伯爵議員を選出した(華族議員)。
脚注
参照文献
文献資料
- 新村出編『広辞苑 第六版』(岩波書店、2011年)ISBN 400080121X
- 松村明編『大辞林 第三版』(三省堂、2006年)ISBN 4385139059