大日本印刷

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テンプレート:Infobox 大日本印刷株式会社(だいにっぽんいんさつ、テンプレート:Lang-en 、通称DNP)は、世界最大規模の総合印刷会社[1]東京証券取引所一部上場

コンセプトワードは、「P&IソリューションDNP」。

概要

本社は東京都新宿区市谷加賀町

ライバルは凸版印刷であるが、連結売上高・利益だけでなく財務内容においても優位性を保っている。

1876年(明治9年)の創業以来の印刷技術と情報技術を強みとして、1950年代より他分野進出を図り、建材分野へ進出したのに始って、情報産業や生活産業のほか、ディスプレイ電子デバイスなどのエレクトロニクス分野にも進出し、世界シェアになっている製品もある。最近では、環境、エネルギー、ライフサイエンス分野にも事業を拡大している。

拠点は日本を中心にアメリカ全土やロンドン、パリ、オランダ、上海、台湾、シンガポール、シドニーなど全世界に広がる。

現在、拠点である市谷地区を再開発中。 地上125mの高層棟と27mの低層棟に、企画開発、営業、本社機能などを集約し、既存の市谷工場は環境に優しい印刷工場へ進化させる。その他、体育施設や文化施設などの建設を予定している。 さらに、これら諸施設の周囲には、緑地「市谷の森」を整備するなど、周辺の景観と環境に配慮しつつ、地域と調和した開発を進めている。 2009年(平成21年)から工事に着手し、2017年(平成29年)の完成を目指している。

主な事業部門と製品

一般生活者向けの主なウェブコンテンツ

社外からの評価

  • 2012年(平成24年)10月 - 日本科学技術連盟 第7回品質経営度調査 3位
  • 2012年(平成24年)9月 - 日本経済新聞社 働きやすい会社ランキング2012 34位
  • 2012年(平成24年)3月 - インテグレックス 第11回インテグレックスアンケート 企業の誠実さ・透明性(倫理性・社会性)調査 15位
  • 2012年(平成24年)1月 - 日本総合研究所 わが国企業のCSR経営動向調査2011にて 「社会的責任経営の進んだ企業」 
  • 2012年(平成24年)1月 - Sustainable Asset Management SAM Corporate Sustainability Assessment 2012 にて「Sustainability Leaders 2011 / 2012」
  • 2011年(平成23年)11月 - Carbon Disclosure Project カーボン・ディスクロージャー・プロジェクト2011 11位/国内214社
  • 2011年(平成23年)9月 - 日本経済新聞社 働きやすい会社ランキング2011 27位
  • 2011年(平成23年)3月 - インテグレックス 第10回インテグレックスアンケート 企業の誠実さ・透明性(倫理性・社会性)調査 8位
  • 2011年(平成23年)1月 - 日本経済新聞社 第14回環境経営度調査 21位
  • 2011年(平成23年)1月 - 日刊工業新聞社 第7回企業力格付け 7位
  • 2010年(平成22年)10月 - 日本科学技術連盟 第6回品質経営度調査 5位
  • 2010年(平成22年)9月 - 日本経済新聞社 働きやすい会社ランキング2010 13位
  • 2010年(平成22年)5月 - トランスペアレンシー・ジャパン 2009年度、日本企業の倫理度上位30社 4位
  • 2010年(平成22年)3月 - インテグレックス 第9回インテグレックスアンケート 企業の誠実さ・透明性(倫理性・社会性)調査 9位
  • 2010年(平成22年)1月 - 日刊工業新聞社 第6回企業力格付け 24位

DNPは国内外のSRIインデックスに組み入れられている。

前身

前身は1876年(明治9年)10月9日に創立した秀英舎である。1935年(昭和10年)2月26日日清印刷と合併し、大日本印刷となった。その後も日本精版(現:大阪工場)、弘益印刷(現・DNP中部)、北日本印刷(現・DNP北海道)などと合併して全国規模に拡大した。

秀英舎は佐久間貞一を中心に宏仏海、大内青巒、保田久成が共同出資して、活版での印刷会社として東京京橋の弥左衛門町に創立した。佐久間が大教院の教会新聞発行を引継ぎ、その印刷のために活版所を買い取ったのが由来である。秀英舎は主に新聞印刷や、中村正直の「西国立志編」の活版による再版などに代表する書物の印刷会社として発展した。

その頃活字の供給は印刷局築地活版のみが行っており、創立当初は活字を購入していたが、1881年(明治14年)、保田の創案のもと、字母(父型)を購入し活字の自家鋳造を開始、更に1882年(明治15年)、山下町に製文堂を設置、それを本格化させた。築地活版や印刷局の書体を受け継ぐ五号系統と、筆跡新しい初号系統の2書体はここで形成された。明治30年代は中葉のことである。後に秀英体(秀英型とも。特に初号系統をいう)と呼ばれた書体群で、活版印刷減衰の後も、写植書体やディジタル・タイプとして覆刻され、また、大日本印刷の書体としてポイント制活字、ベントン母型を経ながらも使用され続けている。

日清印刷は東京専門学校(後の早稲田大学)の印刷所として創立した。しかし、一般の印刷も引き受けるようになり、1907年(明治40年)に会社組織をつくり、工場も設置したのである。創立に関わったのは高田早苗らであった。1913年(大正2年)のオフセット印刷など、積極的な技術開発も試みた。

沿革

M&A

近年は、既存事業に関連する会社を中心としてM&Aを積極的に行い、規模を拡大している。

証明写真事業等

2006年(平成18年)10月、コニカミノルタホールディングスが写真フィルム印画紙事業から撤退したのに伴い、これらの事業を譲り受けた[2]。現在は子会社のDNPフォトルシオを中心として同事業を行っている。

教育・出版流通事業

2008年(平成20年)に丸善、ジュンク堂書店、図書館流通センターを次々に子会社化した。また、2009年(平成21年)には長きに渡って出版業界の目の敵だった新古書店最大手・ブックオフコーポレーション出資し持分法適用関連会社とした[3]。その他、2009年(平成21年)に出版社の主婦の友社を持分法適用関連会社に、2010年(平成22年)には文教堂グループホールディングス、洋書販売の雄松堂書店 を相次いで連結子会社化するなど、出版流通業界再編のキーマンになりつつある。

2010年(平成22年)2月には子会社の丸善、図書館流通センターを統合し、CHIグループを設立した[4]。 また、同じく子会社のジュンク堂書店及び雄松堂書店についても、2011年(平成23年)2月にCHIグループに参加させた[5]

2010年(平成22年)11月CHIグループと共同で国内最大級のハイブリッド型総合書店hontoを開設した[6]。 コミックから文芸・ノンフィクション、ビジネス書など、数多くのジャンルの本を取り揃え、PC・iPhone(iPod touch含む)・iPad・ドコモスマートフォン・ドコモのブックリーダーに対応している。 一般書籍向けに提供する電子書籍閲覧用ソフトhonto BOOKは、電子書籍の標準的なフォーマットへの対応に加え、画像系電子書籍に対応する大日本印刷独自の「Image Viewer」を内蔵。コミックについては専用の閲覧用ソフトhonto COMICを利用する。 2011年(平成23年)1月より、エヌ・ティ・ティ・ドコモとの共同出資会社2Dfactoで運営している。

日本ユニシスとの業務提携

2012年(平成24年)8月三井物産が保有する日本ユニシスの普通株式の一部20,726,410 株(発行済株式総数の約18.90%、議決権割合 約22.08%)を取得し、日本ユニシスを持分法適用関連会社とした。 急速に拡大するIT 社会に対応するため、幅広いIT リソース・ノウハウの強化が重要として、IT 基盤の整備・強化の観点から総合的に検討した結果、三井物産の保有する日本ユニシスの普通株式を取得し、日本ユニシスとの間で業務提携を行うことが企業価値向上に資すると判断したもの。

秀英体

過去には活字供給も手がけていた。

秀英体という呼称には製文堂が整備した号数活字の書体に加えてポイント活字として新規開発された数種の書体、戦後ベントン向けに開発された書体の二種が該当する。前者は、更に初から四、六号の系と五号の系とに分類でき、前者は製文堂で開発された書体、後者は築地活版の明治10 - 20年代の五号活字を享け、印刷局のかなを混合するなどして調整した書体であった。

最初活字を購入していたのが、母型を買い自家鋳造するようになり、そして父型の開発を始めたのが1890年代中葉であった。まず四号の開発から始まり、明治30年中葉に大体の完成を見せるが、開発は大正にまで及んだ。五号以外の初号から六号は、築地活版の活字を享けつつも、自社独自の風の書体であった。五号の系は1902年(明治35年)ごろ、新活字に改まった。

号数活字はサイズ毎に書体が全て異なっていた。また、二号から六号までには太かながあった。秀英舎の活字書体は、明朝体のラインナップがよく知られるが、そのほかにも、電気版などの図版、罫、ゴシックや隷行草などから髭文字などの雑書体の開発もなされていた。電気版は日露戦争の号外などで用いられたし、雑書体は明治後期から第二次世界大戦前まで盛んに開発されていた。

明治終期に築地活版がポイント活字を提唱したのを享け、ポイント活字の開発を行った同社は、外注などで号数を相当するサイズにほぼそのまま鋳込んだほかに、新設のサイズに書体を新しく作ったが、1948年(昭和23年)から60年後半に、A1書体と呼ばれるベントンやパンチなどの機械式活字母型彫刻機向けの書体が新作され、その後の写植書体や電子書体の開発に使われた。

写植書体として、写研より初号活字を覆刻した「秀英明朝 (SHM)」が発売されたほか(1981年(昭和56年))、モリサワより「秀英三号」、「秀英五号」のファミリーが発売された(モリサワの書体はコンピュータ・フォントとしても発売されている)。戦後のベントン書体は大日本印刷の印刷物に幅広く用いられ、大日本で印刷を続けていた印刷物を電子化する際に書体も大日本のものを合わせた。慣れた書体を使いたいという要望から電子書籍のソフトウェアに搭載したりするなどの展開が見られる。また、ディスプレイむけに低解像度用の書体も開発されている。

2007年(平成19年)に「平成の大改刻」と称して、本文用の明朝3書体のリニューアル、見出し用書体「秀英初号明朝」のデジタル化に取り組む。2007年(平成19年)から2009年(平成21年)にかけて完成の予定。一般販売も予定されている。

主な工場

主な研究所

  • 研究開発センター (千葉県 柏市
  • 技術開発センター (茨城県 つくば市
  • 情報コミュニケーション研究開発センター (東京都 品川区
  • ナノサイエンス研究センター (茨城県 つくば市)
  • 電子モジュール開発センター (埼玉県 ふじみの市)
  • 包装研究所 (東京都 北区)
  • 産業資材研究所 (東京都 北区)
  • 住空間マテリアル研究所 (埼玉県 入間郡)
  • 情報記録材研究所 (埼玉県 狭山市)
  • オプトマテリアル研究所 (千葉県 柏市)
  • ディスプレイ製品研究所 (埼玉県 北埼玉郡
  • 電子デバイス研究所 (埼玉県 ふじみの市)

関係会社

DNPグループは、大日本印刷及び子会社155社、関連会社15社で構成されている。(2012年(平成24年)3月現在)

主な子会社

国内

海外

主な関連会社

不祥事

  • 2007年(平成19年)2月21日、同社が扱うJACCSカード会員の個人情報15万件が流出していたことが明らかとなった。警視庁は同社がソフト開発を委託した企業に勤務していた元プログラマを窃盗の容疑で逮捕している。
    • 2007年(平成19年)3月12日、同容疑者により、同社が販促用ダイレクトメール業務委託を受けて預かっていた個人情報の一部、43社分の個人情報863万件以上が流出していたことが明らかとなった[7]
  • 2008年(平成20年)10月31日、大手食品加工メーカー伊藤ハムは、東京工場(千葉県柏市)にて製造された商品(ソーセージ)の一部からトルエンが検出された問題で、大日本印刷の関連会社DNPテクノパック 狭山工場が製造した包装用フィルムにトルエンが残留していたことが原因と発表した[8]
  • 2011年(平成23年)12月5日、DNP C&I事業部で手掛けていたソリューションの 公衆無線LANを用いた情報配信サービス 「connectFree」(コネクトフリー)で[9]、利用者のFacebook、TwitterのアカウントIDやAmazonのアフィリエイトリンクの書き換えを行なっていたことが判明した[10]。 このため、「MARUZEN&ジュンク堂書店渋谷店」で提供していたサービス[11]を中止した。[12]

日本人最高の報酬

2010年(平成22年)3月期の有価証券報告書で、在職30年社長の北島義俊2010年(平成22年)3月期の報酬が7億8700万円だったと明らかになった。同社長は、前社長の北島織衛長男。この報酬はこれまで明らかになった中では、日本人最高額である。報酬の内訳は、大日本印刷からの基本報酬が7億1000万円で大半を占めた。2010年(平成22年)3月期決算は、最終利益は232億円と、直近ピークの2006年(平成18年)3月期の3分の1程度の水準にとどまっているものの、前2009年(平成21年)3月期の最終赤字からは大幅に回復してはいる[13]

また、トップと社員(従業員平均年収647万円)の「年収格差」は122倍と、こちらも日本人トップとの差では最高であった[出典 1]

関連項目

  • 青木弘 - 大日本印刷の前々社長(三男は北島織衛)
  • 北島織衛 - 大日本印刷の前社長(実父は青木弘。養子に入った北島家を継ぐ。長男は北島義俊)
  • 大日本印刷イーグルス - かつて存在した男子バスケットボールチーム。

脚注

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出典

  1. 朝日新聞 2007年7月10日3面「トップ>社員 年収差100倍は3社」

参考文献

  • 片塩二朗『秀英体研究』大日本印刷、2004
  • 大日本印刷『P&I Solutions for your life』2004
  • 内田明「秀英舎(製文堂)の五号平仮名は明治30年代半ばに急激なモデルチェンジを遂げる」『引き続き日本語練習中』2005
  • 府川充男撰輯『聚珍録–圖説=近世・近代日本〈文字-文化〉文化史』第三篇、三省堂、2005

外部リンク

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  8. テンプレート:Cite web
  9. [1] connectFree(コネクトフリー):ソリューション紹介|DNP C&I事業部
  10. [2] 公衆無線LAN「コネクトフリー」、ユーザー情報を無断収集していたとして謝罪
  11. [3] 公衆無線LANを利用する生活者向けプッシュ型情報配信サービスを開始
  12. [4] 無料の無線LAN「connectFree」、ユーザーからTwitter IDや閲覧URLなど無断取得
  13. 大日本印刷、在職30年社長の報酬7億8700万円 日本人トップ - SankeiBiz(サンケイビズ) - SankeiBiz 2010年6月29日
  14. ゴーン社長の役員報酬8.9億円は「もらい過ぎ」か | エコノMIX異論正論 | コラム&ブログ | ニューズウィーク日本版 オフィシャルサイト
  15. 大日本印刷株式会社 - コーポレート・ガバナンスの状況 (出版,印刷,同関連産業) - 有報リーダー 〜有価証券報告書オンライン閲覧サービス〜
  16. 大日本印刷株式会社 - コーポレート・ガバナンスの状況 (出版,印刷,同関連産業) - 有報リーダー 〜有価証券報告書オンライン閲覧サービス〜