丸善
テンプレート:Infobox 丸善株式会社(まるぜん、テンプレート:Lang-en-short)は、日本の大手書店、出版社、専門商社である。文化施設の建築・内装、図書館業務のアウトソーシング等も行い、幅広い業務を手がけている。大日本印刷の子会社である、丸善CHIホールディングスの完全子会社である。
本店は東京都中央区日本橋二丁目に、本社事務所は港区海岸一丁目にある。
目次
社史概要
創業
創業は、明治2年1月1日(1869年2月11日)。創業時の社名は「丸屋商社」その登記簿に、代表者として「丸屋善八」という架空の人物を記載したことから丸善の名が生まれることになった。創業者は福澤諭吉の門人・早矢仕有的(はやしゆうてき)である。設立当初から、世襲が基本だった当時の商習慣を廃し、所有と経営を分離するなど、事実上日本初の近代的会社として知られる。丸善は近代日本における西洋の文化・学術紹介に貢献し、その紹介する商品によって培われた気風は「丸善文化」と呼ばれ、多くの文化人に愛された。また書店のみならず、学術情報から服飾・高級文具・建築まで幅広く手がけており、創業時よりの商社的性質が現在も残る。
近年の事業再構築・経営統合
1990年代、丸善の経営が悪化し、東証一部上場の同社株式は仕手株となった。1999年、プリンストン債事件に巻き込まれ、56億円もの多額の特別損失を計上した。
2004年9月、旧・日本橋店に代わる基幹店「丸の内本店」を丸の内オアゾに出店、日本橋店は一旦閉店して建て替えを実施する。
2005年8月3日、経済産業省に提出した産業再生法に基づく事業再構築計画が認定され、登録免許税の軽減措置を受けることとなった。翌8月4日に、大和証券SMBCプリンシパル・インベストメンツから1000億円の出資を受け、同社が21.66%の筆頭株主となり、再構築計画を実施することとなる。
2007年8月3日、大日本印刷(DNP)と資本・業務提携。同月10日の大和証券SMBCプリンシパル・インベストメンツからの株式譲渡、2008年5月13日と8月20日の第三者割当増資を経て、大日本印刷の子会社となる。
2009年9月、大日本印刷のプレスリリースにより、同社出資の下で、丸善株式会社、株式会社図書館流通センター、株式会社ジュンク堂書店の3社が経営統合する方針である旨を公表。
- 2010年2月1日、丸善と図書館流通センターが事業持株会社 「CHIグループ株式会社」を設立し、株式移転を行い経営統合した。これにより丸善は上場廃止となり、代わりにCHIグループが新規上場した。
- 2010年8月、店舗運営部門を分社し「丸善書店株式会社」を設立[1]。
- 2011年2月、ジュンク堂書店と丸善書店がCHIグループの子会社となる。出版事業部を分社化して「丸善出版株式会社」を設立[2]し、同日付でCHIグループの完全子会社へ移行した。
- 2011年5月、CHIグループが「丸善CHIホールディングス株式会社」に商号変更。
大日本印刷以外との提携
- 2004年には、IT関係子会社を統合後、京セラコミュニケーションシステムと資本・業務提携し、新会社「京セラ丸善システムインテグレーション(KMSI)」を設立、27.3%を出資している。
- 2007年6月26日に、Amazon.co.jpとオンラインストアの共同ブランドでの運営契約を締結し、8月28日からオンライン書店機能をAmazon.co.jpに移管して、「丸善オンラインストア」とした。2010年12月31日にて終了[3]。
- 2008年1月30日に、コンビニエンスストアチェーンのam/pmを運営する株式会社エーエム・ピーエム・ジャパンと業務提携し、4月に新業態店舗「丸善キャンパスショップ」を山梨学院大学・山梨学院短期大学キャンパス内に出店。以降、他の大学などでも展開する予定。
なお、かつての丸善石油(後のコスモ石油)、「チーかま」など珍味メーカーの丸善、業務用厨房機器メーカーのマルゼン、エアソフトガンメーカーのマルゼンとは無関係。
その他
2009年6月17日 創業140周年記念限定万年筆「檸檬」(新潮文庫版『檸檬』付き)を発売した。
店舗
現行店舗の詳細は公式サイト「店舗のご案内」を参照。
基幹店舗
- 丸の内本店 - 2004年9月に、東京都千代田区丸の内の丸の内オアゾに出店した旋艦店。
- 日本橋店(日本橋丸善東急ビル) - 丸善の本来(登記上)の本店。地下鉄日本橋駅と直結。丸善1号店で、開店は1870年(明治3年)。2004年10月に建替えの為に一時閉店し、東急不動産による再開発を経て、2007年3月9日に営業を再開した。
- 名古屋栄店 (丸善名古屋ビル) - 1874年(明治7年)開店。創業初期から続く中部地区の旗艦店。東京建物の関連会社が所有していた入居ビル建替えの為2012年6月24日をもって退店。道路を挟み隣接する「丸栄」の6・7階へ移転し同年9月より営業再開。さらに、栄地区で平和不動産が2015年に新築するビルへの再移転を検討している。
出店予定の店舗
- 丸広飯能店(埼玉県) - 丸広百貨店飯能店6Fに2013年9月5日に開店予定。
閉店した店舗
- 東京都
- 神奈川県
- 平塚店 - 2011年12月15日閉店。
- 千葉県
- 柏髙島屋ステーションモール店 - 2012年2月15日閉店。
- 埼玉県
- 北海道
- 岩手県
- 盛岡川徳店 - 2012年2月29日閉店。現在は後継店舗として東山堂が入居。
- 宮城県
- 仙台141店 - 閉店。
- 仙台藤崎店 - 2011年4月22日閉店。
- 静岡県
- 愛知県
- 京都府
- 大阪府
- 大阪心斎橋そごう店(2007年7月15日閉店) - 「大阪心斎橋そごう店」前身の「大阪心斎橋店」は、東京・日本橋店に次ぐ2号店として1871年に開業した。2005年9月、そごう心斎橋本店の再開に合わせて移転し「大阪心斎橋そごう店」として増床オープン。美術書や洋書などの専門書を手厚く揃えていたほか、高級文具などを扱い、熟年層向けに専門性の高いテナントを集めた「心祭橋筋商店街」(そごう心斎橋本店11、12階)の中核となっていた。撤退理由は明らかにされていないが、顧客対象を絞った品ぞろえのため、百貨店の上層階では計画通りの集客ができなかったものとみられ、前身の「大阪心斎橋店」から続く136年の歴史に幕を閉じた。撤退後の同年9月2日、後継店舗として三省堂書店が出店したがそごう心斎橋本店の閉店に伴い、同時に閉店となった。
- なんばOCAT店 - 大阪心斎橋そごう店の閉店により、大阪市内唯一の店舗となったが2009年9月末に閉店。
- 兵庫県
- 神戸元町店 - 閉店。
- 新神戸OPA店 - 閉店。
- 岡山県
- 表町店 - めがね・ゴルフ用品・高級洋服・輸入雑貨などの専門店。岡山シンフォニービルに書籍売場が移転し営業している。
- 広島県
- 福岡県
- 福岡ビル店 - 2010年6月19日閉店。
ハヤシライス
ハヤシライスの名前の由来の諸説のひとつとして、創業者の早矢仕有的だという説があるが真偽は不明である。これに関連してか、丸善では旧日本橋本店屋上にあった「丸善レストラン」(以前の名称はゴルファーズ・スナック、通称スナックで単純にポークのハヤシとカレーライスのみ、後年にメニューを増やした模様)のメニューにハヤシライスがあり(現在は丸の内本店4F、日本橋店3Fなど)、「ハヤシビーフ」、「ハヤシポーク」などを丸善ブランド「厨房楽(ちゅうぼうがく)」で販売している。