こまち (列車)

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テンプレート:列車名 こまちは、東日本旅客鉄道(JR東日本)が主に東京駅 - 秋田駅間を東北新幹線秋田新幹線田沢湖線奥羽本線)経由で運行している特急列車である。種別を示す色ピンクテンプレート:Color)。

本項では、E6系による「スーパーこまち」と、秋田新幹線開業以前に田沢湖線で運転されていた特急「たざわ」についても記述する。

新幹線「こまち」・「スーパーこまち」

概要

「こまち」は、山形新幹線つばさ」に次ぐ2番目のミニ新幹線方式の列車として、1997年3月に秋田新幹線の開業より運転を開始した。東京都秋田県を結ぶ役割を担っている。

なお、営業上は在来線である盛岡駅 - 秋田駅間は在来線特急の扱いを受ける。

列車名の由来

列車名は、テンプレート:要出典範囲秋田県湯沢市小野出身とされる小野小町が由来とされている。運転開始までは「こまち」の名称は秋田支社のジョイフルトレインが使用していたが、こちらは「おばこ」に改名した。

2013年3月16日からはE6系電車の営業運転を開始し、E6系で東北新幹線を最高速度300km/hで走行する列車については、「スーパーこまち」として運転されていた[1]。(置換が進んだ2013年6月からは順次一部の「こまち」運用にもE6系が使用されている。)これは置き換えの過渡期に伴う区別のためで、E3系0番台の置き換えが完了する2014年3月15日のダイヤ改正で「こまち」に戻すと発表されており、「スーパーこまち」は1年足らずで名称が消えることとなった[2]

運行概況

2014年3月現在、定期列車は東京駅 - 秋田駅間に15往復、仙台駅 - 秋田駅間に1往復の計16往復が運転されている。東京駅 - 秋田駅間の所要時間は最短で3時間37分。

東京駅 - 盛岡駅間は、新青森駅発着の「はやぶさ」と併結し、東北新幹線上を最高320km/hで走行する。盛岡駅で増解結し、在来線である田沢湖線奥羽本線上を最高130km/hで走行する。一部の臨時列車には仙台で増解結し、以北を単独で走行するものがある。

なお、2013年春以降はE3系0番台をE6系に順次置き換え、2014年3月のダイヤ改正以降は東北新幹線上はE5系と併結して最高320km/hで走行されている(在来線上は従来通り最高130km/h)[1]

大幅なダイヤ乱れが発生した場合は、遅れ状況や運用の都合等に応じて以下のような対応を行うことがある。

  • 東京駅 - 盛岡駅間もしくは盛岡駅 - 秋田駅間で区間運休を行う。
  • 通常連結する「はやぶさ」とは別の「はやぶさ」(例えば「こまち」16号が「はやぶさ」18号)と連結して運転。
  • 東京駅 - 盛岡駅間の「はやぶさ」併結を取りやめ、(臨時列車として)同区間で単独運転を行い直通運転する。

停車駅

2014年3月15日現在
号数 運行本数\駅 東京駅 上野駅 大宮駅 仙台駅 古川駅 くりこま高原駅 一ノ関駅 水沢江刺駅 北上駅 新花巻駅 盛岡駅 雫石駅 田沢湖駅 角館駅 大曲駅 秋田駅 備考
テンプレート:01 - 38号
[3]
下りテンプレート:01本/上りテンプレート:01本
下り10本/上り10本
下りテンプレート:04本/上りテンプレート:04本
95・96号 下りテンプレート:01本/上りテンプレート:01本      
  • ●:停車 ○:一部列車のみ停車 -:通過

使用車両・編成

2014年3月15日現在の編成図
こまち
テンプレート:TrainDirection
11 12 13 14 15 16 17
G
  • 全車禁煙
  • 大曲駅 - 秋田駅間逆向き
凡例
テンプレート:Bgcolor=グリーン車座席指定席
指=普通車座席指定席

E6系(Z編成)により運転されている。在来線区間も走行することから車体は通常の新幹線より幅が小さい。なお、E5系と併結した状態で東北新幹線内のみを「やまびこ」・「なすの」または「はやぶさ」として運行するものもある。市販の時刻表ではこのような列車には「E6」(E6系)の案内がある。

グリーン車は1両のみで、(東京駅 - 大曲駅間で)東京駅側の先頭車両となる11号車に連結されている。座席配置は1列あたり2+2の4席。フル規格の新幹線のグリーン席と違い横幅が狭いため、簡易スリッパがウェルカムドリンクとともにサービスされている。

普通車は全席指定席で、座席配置はグリーン車と同様に2+2の4席構成になっている。

この列車は全車指定席で、自由席は設定されていない。これは区間列車や全国花火競技大会時に秋田駅 - 大曲駅間のみを運転する臨時列車のような場合でも全列車例外がない。ただし、東北地方太平洋沖地震後に在来線区間でのみ運行再開した際にはグリーン車は締め切り扱いとし、その他の車両を全車自由席で運行した例もある。

なお、盛岡駅 - 秋田駅間の相互間では特定特急券で普通車の空いている席を利用できる。ただし、座席指定券を持っている乗客が来た場合は席を譲る必要があり、当然満席の場合には立席となる。

「こまち」は大曲駅で必ずスイッチバックをするため、東京駅 - 大曲駅間と大曲駅 - 秋田駅間とでは進行方向が逆となる。秋田駅発の「こまち」の座席は予め進行方向逆向きにセットされている(大曲までの運転となる全国花火競技大会臨時運転時は除く)。座席の向きに関しては、開業前に盛岡支社秋田支社との協議が行われていた。

秋田新幹線開業当初から2014年3月まではE3系(0番台)も使用されていた。

テンプレート:-

臨時列車

毎年8月第4土曜日に秋田県大仙市で行われる全国花火競技大会では多数の臨時列車が運転されている。このとき、定期列車では運転されていない大曲駅始発・終着の列車も運転されることがある。全国花火競技大会の際には、以下のように大曲駅を発着する運転が行われる。

  • 秋田駅 - 大曲駅間
    • 停車駅は設定せず、通常の「こまち」と同様無停車となる。列車号数は2007年までは850 - 860番台が、2008年は350 - 360番台がつけられる(列車番号とは別につけられている)。
  • 仙台駅・盛岡駅 - 大曲駅間
    • 列車号数は、2007年まで主に270番台が、2008年は盛岡止が360 - 370(下りの一部が310)番台、仙台行きが220番台をつけられることが多い。上りは、田沢湖駅・角館駅を通過する列車が多い。盛岡駅始発・終着列車については、新幹線ホームではなく地上の田沢湖線ホームを使用する。また、大曲駅を深夜に発車する列車は、角館駅・田沢湖駅を通過する。

沿革

  • 1997年(平成9年)3月22日:「こまち」の運転を開始。当初の運行形態は、従来の特急「たざわ」のダイヤを踏襲した形で設定され、東京駅 - 盛岡駅間で「やまびこ」と併結していた。
    • このうち、3往復は上野駅・大宮駅・宇都宮駅郡山駅福島駅の順に停まり仙台駅で分割併合を行ったが、「やまびこ」は仙台駅 - 盛岡駅間の各駅に停車する一方、「こまち」は仙台駅 - 盛岡駅間をノンストップで運転されたため、東京方面から盛岡までの客が「こまち」に集中し、混雑するという問題があった。
  • 1998年(平成10年)
    • 10月26日:1両(14号車)増結し、順次6両編成化。増結編成は12月7日まで自由席であった。
    • 12月8日:6両編成化が完了し、増結編成を指定席に変更。1往復増発。仙台駅での分割併合をいったん廃止し、全列車東京駅 - 盛岡駅間を「やまびこ」と併結となる。
  • 1999年(平成11年)12月4日:全列車併結相手の「やまびこ」号がすべてE2系化したことにより、宇都宮駅 - 盛岡駅間はすべて最高速度が275km/hとなった。
  • 2000年(平成12年)12月31日:秋田駅 - 東京駅間の最終列車「こまち28号」は列車名を「ミレナリオこまち28号」に変更して運転。
  • 2001年(平成13年)12月1日:半室喫煙できたグリーン車を全面禁煙化。
ファイル:Shinkansen E3 R17 20090305.jpg
E2系「はやて」と連結するE3系「こまち」
  • 2002年(平成14年)12月1日:東北新幹線盛岡駅 - 八戸駅間開業に伴い、以下のように変更。
    1. 東京駅 - 盛岡駅間は「はやて」と併結。ただし、臨時列車の場合には「やまびこ」との併結もあった。
    2. 2両あった自由席を廃止し全車座席指定席に変更[4]
    3. 宇都宮駅・郡山駅・福島駅の各駅にそれぞれ1往復ずつ停車していたが、「はやて」に併結相手を変更したことにより、定期列車はすべて通過。
  • 2005年(平成17年)12月10日:臨時「やまびこ」併結列車を「はやて」との併結に変更し、1往復を定期列車に変更して増発。
  • 2006年(平成18年)
  • 2007年(平成19年)
    • 3月18日:全車両禁煙化。
    • 4月30日5月6日:「こまち」26号が全国花火競技大会以外では初となる、大曲駅始発で運転(大曲発15:50 → 東京着19:36)
  • 2008年(平成20年)3月31日:13号車に設置されていた列車内飲料自動販売機の営業を終了(撤去)。
  • 2009年(平成21年)3月14日:秋田発東京行きの始発列車である 「こまち」2号が大宮駅停車開始。これにより「こまち」は全列車が大宮駅停車になる。
  • 2010年(平成22年)12月4日:ダイヤ改正により、定期列車の仙台駅における「はやて」との分割併合が廃止される。
ファイル:E3 R18-E5 Coupling in omiya 20130608.jpg
E5系「はやて」と連結するE3系「こまち」
  • 2011年(平成23年)
    • 3月:東北地方太平洋沖地震東日本大震災)の影響により、東京 - 盛岡間が運休。盛岡 - 秋田間において、普通車全車自由席(グリーン車は指定席)で運転。
    • 4月29日:東京 - 秋田間の全線で臨時ダイヤで運転再開。東京 - 秋田間13往復、仙台 - 秋田間1往復[5]
    • 11月19日:東北新幹線内の併結相手の一部がE5系になる。
  • 2013年(平成25年)
    • 3月2日:神宮寺駅 - 刈和野駅間で、下り「こまち25号」の先頭車両が脱線。乗客130名には負傷なし。この事故の影響で盛岡駅 - 秋田駅間で4日まで運転見合わせ[6]
    • 3月16日:ダイヤ改正により、次のとおりに変更[1][7]
      1. E6系が営業運転を開始。「こまち」4往復を「スーパーこまち」に置き換え。
      2. 「スーパーこまち」と併結する列車を「はやて」から「はやぶさ」に変更し、宇都宮駅 - 盛岡駅間の最高速度を300km/hへ引き上げ。
    • 6月1日・15日:「こまち」2往復をE6系に置き換え[8]
    • 7月20日:「こまち」1往復をE6系に置き換え。他にも、6月から8月にかけてE6系で運転する「こまち」を複数設定[9]
    • 9月28日:「こまち」3往復を、新たに「スーパーこまち」に置き換え。同時に東北新幹線内の併結相手をE5系に統一[10]
    • 11月15日・16日:「こまち」の一部をE6系に置き換え。以後も、2014年(平成26年)2月にかけて、順次E3系の運用をE6系に置き換え[11]
  • 2014年(平成26年)
    • 3月15日:ダイヤ改正により、次の通りに変更[2]
      • 「スーパーこまち」を廃止し、列車名を「こまち」に統一。
      • 「こまち」充当列車全てをE6系に置き換え、E3系の定期運用終了[12]
      • 東北新幹線区間の併結列車を「はやぶさ」に統一し、宇都宮駅 - 盛岡駅間の最高速度を320km/hへ引き上げ。

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在来線特急「たざわ」

概要

ファイル:JR East 485series tazawa aomori.jpg
特急「たざわ」(1990年 青森駅)

急行「たざわ」は、田沢湖線の開業により運転を開始した急行「南八幡平」から名称を変更したもので、盛岡駅 - 秋田駅間で運転を開始した。1982年11月東北新幹線開業、田沢湖線全線電化にともなって電車特急列車となり、エル特急に指定された。1985年には青森駅まで運転区間が延長されている。

しかし、1996年3月には秋田新幹線建設工事のため田沢湖線全線が一時運休となったため、運転区間を秋田駅 - 青森駅間に変更し、1997年3月の秋田新幹線開業によって「たざわ」は、「かもしか」に改称されて、廃止された。

運行概況

停車駅

盛岡駅 - (小岩井駅) - (雫石駅) - 田沢湖駅 - 角館駅 - 大曲駅 - (刈和野駅) - 秋田駅 - 〔土崎駅〕 - 〔追分駅〕 - 〔大久保駅〕 - 八郎潟駅 - 森岳駅 - 東能代駅 - 二ツ井駅 - 鷹ノ巣駅 - (早口駅) - 大館駅 - 碇ケ関駅 - 大鰐温泉駅 - 弘前駅 - 川部駅 - 浪岡駅 - 青森駅

  • ( )は、一部の列車が停車。また、小岩井駅と刈和野駅については、一部期間のみ数本臨時停車。
  • 〔 〕は、東能代駅発着列車のみ停車。
  • 急行「たざわ」時代は小岩井駅羽後長野駅にも全列車停車していた。

新幹線接続特急「秋田リレー」

ファイル:Akita-relay.jpg
特急「秋田リレー」(1997年2月 北上駅)

暫定的に運転された列車ではあるが、1996年3月から1997年3月まで特急「秋田リレー」が北上駅 - 秋田駅間で北上線を経由して運行された。これは、秋田新幹線の建設工事により田沢湖線全線を約1年間運休することにより、「たざわ」が運転できないための代替措置として運行されたものであった。この列車がJR東日本で最後に新設されたエル特急となった。また2010年現在、JR東日本自社の気動車で定期運行された唯一の特急列車でもある。

停車駅は、北上駅・ほっとゆだ駅(一部列車のみ)・横手駅・大曲駅・秋田駅で、列車番号も「たざわ」の3000番台に列車号数を充て、気動車であるDを末尾に付していた。

車両は、キハ110系300番台が使用された。暫定運転であったことから、普通車のみで、3 - 4両編成(北上駅発最終のみ7両編成)で運転された。1997年3月の秋田新幹線開業に伴って本列車が廃止された後、余剰となったキハ110系300番台は、座席配置を変更し、他線区(長野地区と新潟地区)に転用された。

沿革

ファイル:Tazawa-ltdexp.jpg
特急「たざわ」(1992年11月 盛岡駅)
  • 1966年昭和41年):田沢湖線開業により、盛岡駅 - 秋田駅間を結ぶ急行列車として「南八幡平」(みなみはちまんたい)が設定される。設定当初は2往復。
  • 1968年(昭和43年):「南八幡平」の名称を「たざわ」に変更。この際、仙台駅発着の列車を1往復設定。
  • 1982年(昭和57年)11月15日:東北新幹線開業に伴い、「たざわ」は盛岡駅 - 秋田駅間を結ぶ特急列車(エル特急)とに変更し、新幹線連絡特急の役割を担う。運転本数も6往復に増加。なお、車両に関しては485系1000番台が使用された。
  • 1985年(昭和60年):「たざわ」の2往復を青森駅まで運転区間を延長。
  • 1986年(昭和61年):先頭車を半室グリーン車化改造。「たざわ」は9往復に増発し、このうち3往復が青森駅発着。
  • 1988年(昭和63年):「たざわ」が13往復に増発。このうち1往復が東能代駅まで延長。
  • 1989年平成元年):「たざわ」が14往復に増発。
  • 1993年(平成5年):「たざわ」の青森発着のうち2往復が秋田発着になる。
  • 1996年(平成8年)3月30日:秋田新幹線建設工事による田沢湖線全線運休のため、次のように変更。
    1. 「たざわ」の運転区間を、秋田駅 - 青森駅間に変更し、2往復運転。
    2. 北上駅 - 秋田駅間で特急「秋田リレー」が運転開始。
  • 1997年(平成9年)3月22日:秋田新幹線開業により「秋田リレー」廃止。「たざわ」を「かもしか」に統合し、廃止。

脚注

テンプレート:脚注ヘルプ テンプレート:Reflist

関連項目

テンプレート:日本の新幹線
  1. 1.0 1.1 1.2 テンプレート:Cite web
  2. 2.0 2.1 テンプレート:PDFLink - 東日本旅客鉄道株式会社 2013年12月20日
  3. 定期列車は下りテンプレート:01・テンプレート:03・テンプレート:07・テンプレート:09・13・17・19・21・23・25・27・29・31・33・35号、上りテンプレート:06・10・12・14・16・18・20・22・24・26・28・30・32・36・38号。下り15号と上りテンプレート:08号は臨時列車として運転される。
  4. 全車指定席に変更した際に元自由席であった15・16号車の座席の交換を行わなかったため、シートピッチが異なる現象が発生した。(2002年以降に落成した編成(R18 - R26編成)も同様)
  5. テンプレート:Cite web
  6. 秋田新幹線こまちが脱線 乗客130人にけがなし 産経新聞 2013年3月2日閲覧
  7. テンプレート:Cite web
  8. テンプレート:Cite web
  9. テンプレート:Cite web
  10. テンプレート:Cite web
  11. テンプレート:Cite web
  12. 東北新幹線内の定期運用は2014年3月15日以降も継続され、「やまびこ」・「なすの」の増結用として使用される。