世界陸上競技選手権大会
テンプレート:スポーツ大会シリーズ 世界陸上競技選手権大会(せかいりくじょうきょうぎせんしゅけんたいかい、IAAF World Championships in Athletics)は、奇数年で開催される陸上競技で、世界最高峰の大会。通称世界陸上。
歴史
1980年のモスクワオリンピックの西側諸国のボイコットを機に新設され、1983年にヘルシンキで第1回大会を開催した。当初は4年ごとに開催されていたが、1991年の東京大会以降は2年ごとに開催されている。当初はヨーロッパ地域での開催が多かったが2005年のヘルシンキ大会以降現時点ではアジア(五輪前年の大会)とヨーロッパ(五輪翌年の大会)の交互開催となることが2017年まで決定している。世界選手権は、選手にとってオリンピックに並ぶ価値を持ち、数々の名勝負を演出してきた。
オリンピックよりも世界記録や参加する国と地域の総数が多く(2004年のアテネオリンピックの202に対し、2003年のパリ大会では210)、歴史は浅いが陸上競技では最高峰の大会である。
実施競技についてはこれまで次のように変化している。
- 1987年 - 女子の10000m・10km競歩を追加。
- 1993年 - 女子の三段跳を追加。
- 1995年 - 女子の5000mを追加し、3000mを除外。
- 1999年 - 女子の棒高跳・ハンマー投・20km競歩を追加し、10km競歩を除外。
- 2005年 - 女子の3000m障害を追加。
大会一覧
この他、当時オリンピックで行われなかった種目についての世界選手権として、以下の2大会3種目がIAAFから認められている。
- 1976年 - マルメ(テンプレート:Flagicon スウェーデン)
- 男子50km競歩
- 1980年 - シッタード(en)(テンプレート:NED)
- 女子3000m、女子400mハードル
全体の競技結果
1983年のヘルシンキ大会から2013年のモスクワ大会まで14回の大会で通算632の競技が行われ、合計1901個のメダルが授与されている[1]。そのうち、アメリカ合衆国選手団は国別で最多となる301個のメダルを獲得し、金メダル数では138個で他国を圧倒している(銀メダル88個、銅メダル75個)。メダル獲得総数・金メダル数とも2位はロシア連邦で、男子長距離走で有力な選手を多く揃えるケニアが金メダル数で3位となっている。また、今までに96の国や地域(現存しないものも含む)の選手がメダルを獲得し、そのうち64の国や地域(承前)では金メダルを獲得している。
全体の国別メダル獲得数は以下の通りである[2][3][4]。
- ドイツの数字は旧西ドイツ(1983-1989年)と統一後のドイツ(1991年以降)を合算したもの。また、マリオン・ジョーンズのドーピング違反によりアメリカのメダル数は減少すると見られている。
選手の参加資格
文字通り世界一の陸上競技選手を決する大会であるが、かつてのオリンピックの様に各国の陸上競技連盟の推薦のみ[5]で選手出場を無条件に認めてしまうと参加選手数が激増し、大会が肥大化して宿泊施設、食事の供給、選手の移動、競技の長時間化など様々な面で支障が発生する。そのため、開催年毎に各種目ごとにA・B二段階参加標準記録[2]が設定されており、この標準記録を突破した選手のみに参加資格が与えられるという一種の足切りが行われている。ただし、遠征費用などの都合からこれ以外にも派遣設定記録など個別に派遣条件を課している国もあり、たとえ標準記録を突破していても自国から大会参加が認められるとは限らない。
参加資格は、大きく分けて以下に大別できる[6]。
- A標準記録突破者もしくはB標準記録突破者
- A標準記録突破者は下記の特例選手を除いて1国3名まで(マラソンは7人エントリー5人出場、リレーは6人エントリー4人出場)参加できる。
- A標準記録突破者2名以内(0名の場合も含む)とB標準記録突破者1名の計3名までを参加させることができる[7]。
- 全種目でAとBいずれも突破者のいない国は特例として男女1名ずつの参加が許される[8]。特例としての出場ではあるがその1名のエントリーは何種目でも構わない(ただし、10000メートル、3000メートル障害、十種競技、七種競技を除く)。
- 2009年大会より標準記録さえ突破していれば1種目につき補欠選手を含めた4名までエントリーできるようになった(実際に出場するのは従来どおり上記の3名まで)。
- 各個人種目のエリアチャンピオン
- 各個人種目のエリアチャンピオン(アジア選手権などの優勝者)は自動的にエントリー資格を取得、A標準突破者として扱われる。(マラソンを除く)
- 開催国枠
- 開催国に限り、標準記録突破者がいない場合でも各種目1名(もしくはリレー1チーム)の出場枠が設けられている。
- 特別出場枠(ワイルドカード)
- 前回大会優勝者と、前年のIAAFダイヤモンドリーグ・ダイヤモンドレース優勝者[9]に、各国の出場枠に関係なくIAAFから特別出場枠(ワイルドカード)が与えられる。
- ただし両者とも同じ国の場合は片方だけ与えられる[10]。
大会記録
太字で記載されている記録は世界記録も兼ねている記録。
男子
女子
テレビ中継放送
1997年より日本のTBSがIAAFのオフィシャルブロードキャスターとなっている[11]。
陸上競技主要大会
脚注
- ↑ 同着などの理由により、授与メダル数は金メダル632個、銀メダル638個、銅メダル631個とばらつきがある。
- ↑ 1983-2009 Medal Statistics
- ↑ 2011 Medal Table
- ↑ 2013 Medal Table
- ↑ 1992年のバルセロナオリンピックまでは参加標準記録は設けられていたものの、標準記録を突破していなくても各種目に1名は出場可能という規定があった。現在は本大会同様AとBのどちらかの参加標準記録突破が必要で、全種目で突破者がいない国は特例として全種目を通じて男女1名ずつの出場が認められる。
- ↑ [1]
- ↑ 2007年第11回大会から2人以上出場する場合の規定が変更になり、それ以前はB標準突破者を出場させる場合にはその1名のみでA標準記録突破者と混ぜる事はできなかった(オリンピックではこの制度が採用され続けている)。
- ↑ 2013年第14回大会から男女いずれか片方のみ
- ↑ 2013年第14回大会から追加
- ↑ IAAF news 2011年11月9日
- ↑ IAAF and Tokyo Broadcasting System extend partnership IAAF(2009-08-19). 2012年4月6日閲覧
関連項目
外部リンク
- 世界陸上競技選手権大会(IAAF公式・英語)
- 世界陸上2005ヘルシンキ大会・TBSサイト
- 世界陸上2007大阪大会・TBSサイト
- 世界陸上2009ベルリン大会・TBSサイト
- 世界陸上2011大邱大会・TBSサイト
- 世界陸上2013モスクワ大会・TBSサイト
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