ユジノサハリンスク
テンプレート:世界の市 ユジノサハリンスク(テンプレート:Lang-ru-short、テンプレート:Lang-en-short)は、ロシア連邦極東連邦管区サハリン州の都市で、同州の州都である。
日本語では旧称である「豊原」と呼ぶこともあるが、ユジノサハリンスク市域は日本統治時代の行政区分では、豊原市、豊北村、川上村のそれぞれの一部にあたり、豊原とは区域が完全には一致していない。日本統治時代(1905年 - 1945年)は樺太庁が置かれていた。
目次
概要
人口約17万4千人(2005年)。サハリン州の州都で、州内で最大の都市である。市名は「南サハリンの町」の意。 サハリン島(樺太)の南部に位置し、東はススヤ連峰(鈴谷山脈)、西はユジノサハリンスキー山脈(樺太山脈)に囲まれた盆地(鈴谷平野)で、ススヤ川(鈴谷川)が市内を流れる。
人口のうち約2万人は第二次世界大戦前に日本統治下にあった朝鮮半島から移住した朝鮮人が、また約2万人は第二次世界大戦後に親ソ連の北朝鮮から移住した朝鮮人が占める。
ホルムスク(真岡)に通ずる鉄道の分岐点。輸送機関の修理工場をはじめ、鉱山、漁業、皮革、家具などの工場の他、高等師範学校、林、工、商の各種中等学校がある。
駅前には、レーニン像が残っている。
地理
サハリン島で唯一10万人以上の人口を持つ都市。ススヤ川に臨む。外国人の島内旅行や船での航行、海岸でのレクリエーションには連邦保安局や国境警備隊の許可が必要である。
気候
湿潤大陸性気候で、夏の最高気温は20度C前後で大陸のハバロフスクやイルクーツクより涼しく、霧が多発する。冬は最高-8度C、最低-19度Cと厳寒で、年間降水量は大陸内部より多い。 テンプレート:Weather box
歴史
- 1945年8月 - 日ソ中立条約を破棄して侵攻したソ連軍(赤軍)が豊原を爆撃後、占領。
- 1946年2月 - ソ連、南樺太を自国へ編入する事を宣言。
- 1946年6月 - 豊原をユジノサハリンスクに改称。
- 1947年4月 - サハリン州の州都をユジノサハリンスクに移転。
- 2001年1月 - 日本外務省が、ユジノサハリンスクに総領事館を設置。
交通
観光
- サハリンスキー・オブラスノイ・クラィエヴエチェスキー(サハリン州立ユジノサハリンスク郷土史博物館)
- 前庭 - 九七式中戦車など旧日本帝国陸軍兵器が野外展示されている。
- サハリン州立美術館
- サハリン鉄道歴史博物館
- 地質博物館
- サハリン州汎用学術図書館
- ゴールヌィ・ヴォーズドゥフ展望台(旧旭ヶ丘展望台) - ロシア御で「山の空気」を意味する名が付いている。
- 移動テントサーカス - ロシア正教会隣接地にて夏季期間のみ開催。
- チェホフ・センター(A.P.チェホフ記念サハリン国際ドラマ劇場) - ロシアの劇作家・短編小説家「アントン・チェーホフ」を偲び、記念に建造された屋内文化施設。
- ドラマ劇場
- 児童と若者用劇場
- 映画コンサートホール「キノ・テアトル・アクチャブリィ(ロシア語で「10月の映画館」)」 - 隔年1月下旬にて、「日本映画祭 in サハリン」が在ユジノサハリンスク日本総領事館主催で開催される。
- 若者文化センター(映画館)「コモソモール(共産青年同盟)」
- コンサートホール「カプリチオ(ロシア語で「狂想曲」「奇想曲」の意味)」
- チェホフ・センター併設施設以外の市内映画館(プリミエル(ロシア語で「主役」)、パノラマ(ロシア語で「眺望」))
- ガガーリン記念文化公園(旧豊原市民公園) - 下記施設の他、キオスクや喫茶施設も設置。
- V.I.記念広場(勝利広場) - ロシア正教会クリスマス・シーズン(日本の正月三が日とほぼ同じ期間)には、敷地内の樹木に装飾が施され、野外クリスマス・ツリーとなる。
- レーニン広場 - ユジノサハリンスク駅前にある公園施設(広さは200m☓100m)。噴水やレーニン像、複数のベンチ椅子が配置。
- シティモール
- 複合レジャー施設「ホリデー」 - 健康サウナやカジノ、ゲームセンターなど。
- 日本式健康ランド - 施設名の通り、日本にある健康ランドやスーパー銭湯を参考にしている。
- シネゴルスク・サナトリウム - 郊外。旧川上温泉。旧ソ連により洋風施設化され、現在は予約さえしていれば外国人旅行者も含め誰でも利用可能(同じく予約が必要だが、日帰り利用も可能)。屋内熱帯植物園なども併設。
祭り・催事
- ユジノサハリンスク「まちの日」祭典 - 毎年9月中旬、市役所前広場をメイン会場に市内各所(サハリン州立図書館、博物館など)で開催。夜には花火大会も開かれる。前身地方自治体とされるウラジミロフカ村開村を偲んで祝うイベント。
- サハリン国際映画祭
- 人形劇 国際フェステバル - 毎年9月、人形劇劇場「奇跡の島」で開催。
- マースレニッツァ - 毎年3月1日(「春の訪れを祝う日」)、ガガーリン公園にて開催。
名物・名産品
教育
- サハリン国立総合大学(道都大学、稚内北星学園大学、天理大学の提携校)
- ユジノサハリンスク情報大学(釧路公立大学の提携校)
進出している日系企業・団体
日本との関係
航空便
郊外にあるホムトヴォ空港と日本の間には、サハリン航空により新千歳空港との間に定期便がある。かつては函館空港との定期便も存在した。2009年には成田国際空港との間に定期チャーター便が運航されている。なお、これらの路線はボーイング737-200が就航している。
航路
4月から12月までは稚内からハートランドフェリーによるコルサコフまでのフェリーが出ており、コルサコフを経由してユジノサハリンスクへ向かう人も数多くいる。
日本製品など
ユジノサハリンスク市内のホテルでは、CNNの他にNHKの衛星放送を見ることが出来る。市内には、日本食レストランが数軒あり、日本から輸入した食材で食事ができる。市内にはみちのく銀行の支店があったが、2007年12月29日限りで営業を終了した。なお、ユジノサハリンスク駅の近くに「ホテル サハリン・サッポロ」というホテルがあり、かつては日露合弁だったが、今はロシア企業の経営であり、名称のみ合弁時代の名残を残している。
市内では日本製の中古車が走っている光景も見られる。
日本統治時代の建築も僅かながら残っている。旧樺太庁博物館の建築も現存し、現在はサハリン州郷土博物館として利用されている。また、市内には現在も日本統治時代からの残留日本人が在住している。
在外公館
- 在ユジノサハリンスク日本国総領事館 - 2001年1月、日本外務省がユジノサハリンスク市に設置。