ダイヤモンドは砕けない
テンプレート:Pathnav テンプレート:Infobox animanga/Header テンプレート:Infobox animanga/Manga テンプレート:Infobox animanga/Footer テンプレート:Sidebar with collapsible lists 『ジョジョの奇妙な冒険 Part4 ダイヤモンドは砕けない』(ジョジョのきみょうなぼうけん パート4 ダイヤモンドはくだけない、JOJO'S BIZARRE ADVENTURE Part4 Diamond is unbreakble)は、荒木飛呂彦の漫画作品『ジョジョの奇妙な冒険』のPart4(第4部)。スタンド(幽波紋)シリーズ・第2弾。サスペンス・ホラー漫画に分類される。
単行本29巻 - 47巻(1992年 - 1995年)に収録。
『ダイヤモンドは砕けない』は後年に付けられた副題で、連載当時の副題は「第4部 東方仗助」。なお、文庫版で付けられた日本における英語表記はDiamond is not Crashだったが、これは英語としては誤った表現であるため、後に発売されたゲーム版や画集ではDiamond is unbreakableへと変更された。
目次
あらすじ
テンプレート:不十分なあらすじ 1999年、舞台は日本国M県S市杜王町(もりおうちょう)。ジョセフ・ジョースターの息子(隠し子)で、空条承太郎の年下の叔父である高校生・東方仗助(ひがしかた じょうすけ、ジョジョ)が、弓と矢によって生み出されたスタンド使い達の起こす事件に立ち向かうサスペンス・ホラー活劇。
登場人物
スタンドのパラメーターは『JOJO A-GO!GO!』より。声の項は『ジョジョの奇妙な冒険 オールスターバトル』のもの。
仗助とその仲間たち
- 東方 仗助(ひがしかた じょうすけ)
- 声 - 羽多野渉
- 本作の主人公。身長180cm(初登場時185cm(成長中)と記載されていたが後に180cmとなった)。双子座。爬虫類が苦手(特に亀)。第4部のJOJO。ジョセフの隠し子で、血縁上は承太郎の叔父。スタンドは触れたものを直す「クレイジー・ダイヤモンド」。
- 広瀬 康一(ひろせ こういち)
- 声 - 朴璐美
- 仗助の同級生。今作の語り部。1984年3月28日生まれ。牡羊座。設定上の身長は157cmだが、作中ではそれより低く描かれている。両親と姉との4人暮らしで老犬ポリスを飼っている。当初は一般人だったが、虹村形兆にスタンドの矢で射抜かれスタンド使いとなる。
- 最初はどこか頼りない性格だったが、自分で窮地を乗り越えていく度に人間的に成長していき、仗助たちから強く信頼されるようになる。特に承太郎や岸辺露伴からの信頼は厚い。また、一癖ある人物からも好かれる性質で、露伴は彼を親友と言い、山岸由花子は異常に彼を愛し、敵として交戦経験もあった玉美や間田からも親しくされている。当初は由花子の求愛に引き気味であったが、和解を申し出たのち、辻彩によるスタンドメイク術を経て彼女に想いを寄せる。メイク効果が切れた後も変わらず、むしろ由花子の内面的な魅力に惚れこみ、晴れて両思いとなった。由花子の顔が元通りにならなかった場合、自分に見られるのが嫌だろうと考えそれなら自分の両目を見えなくさせるよう求めるなど、真剣に由花子を愛しており、その行動が辻彩の心を動かした。
- Parte5『黄金の風』の序盤にも登場。そのためPlayStation 2用ゲーム『ジョジョの奇妙な冒険 黄金の旋風』に登場予定だったが事情により未登場となった[1]。名字の由来は、宮城県仙台市を流れる河川「広瀬川」[2]。
- エコーズ
- 虹村形兆に矢で射抜かれたことで発現したスタンド。当初卵の状態で出現し、玉美との戦いで殻を破って誕生した。康一の精神的成長に合わせて脱皮するように進化していく(「ACT2」の登場後は、初期のエコーズは「ACT1」と命名された)。進化直後は進化前の姿・能力を使用できず狼狽する場面もあったが、後に進化前・進化後のエコーズの姿・能力を任意で使い分けている。スタンド名の由来はイギリスのバンドピンク・フロイドの楽曲「エコーズ」[3]。
- ACT1(アクトワン)
- 【破壊力 - E / スピード - E / 射程距離 - B / 持続力 - B / 精密動作性 - C / 成長性 - A】
- 卵から孵ったエコーズ。射程は50m程度。パワー、スピードはほとんど無いが、物体に文字(擬音)を貼り付け、その音を繰り返し響かせる能力を持つ。また、康一の気持ちを文章にしたモノを相手に貼り付ければ、相手の心に直に想いを強く訴えることができる。ただし、異常なほど思い込みの激しい人間には通用しない。
- デザインのイメージはエイリアンの幼生[4]。
- ACT2(アクトツー)
- 【破壊力 - C / スピード - C / 射程距離 - B / 持続力 - B / 精密動作性 - C / 成長性 - A】
- 「ACT1」が進化した姿で、やや小型化したエコーズ。射程はACT1と変わらない。ACT1よりスピードが格段に上昇し、尻尾を切り離して変形させたしっぽ文字に触れた者に文字に応じた擬音の効果を体感させる能力を持つ。文字はACT1同様物体に貼り付けることも可能。
- デザインのイメージは立ち上がったアライグマ[4]。
- ACT3(アクトスリー)
- 【破壊力 - B / スピード - B / 射程距離 - C / 持続力 - B / 精密動作性 - C / 成長性 - A】
- 「ACT2」が進化した姿で、それまでのエコーズとは異なり子供のような姿をした人間型のスタンドとなった。自意識を持ち会話も可能であり、康一には従順で丁寧な言葉使いだが口汚く、「S・H・I・T(エス・エイチ・アイ・ティー)」が口癖。射程は短く5m程度だが、その分身体的強度とパワーが増し肉弾戦が可能となった。殴った物質を重くする「3 FREEZE(スリー・フリーズ)」の能力を持つ。重さは康一が対象に近づけば近づくほど重くなり、30cmくらいまで接近すればスタンドさえも地面にめり込みほとんど動けなくなるほど重くできるが、同時に一つのみしか重くできず、射程距離外に出てしまうと重さが消えるどころか能力自体が解除されてしまい、もう一度殴らないと重くできない。なお、『黄金の風』では破壊力がAに格上げされている。
- 虹村 億泰(にじむら おくやす)
- 声 - 高木渉
- 虹村形兆の弟。身長178cm。てんびん座。各部に貨幣に関するマークが入り、右肩に「億」、左肩に「BILLION」と書かれた学ランを着ている。
- 単純で直情的だが気のよい人物。頭が良くないことをたびたび指摘されており、本人いわく物事を深く考えると頭痛を起こすらしい。いつも兄を信じ頼って行動していたため、決断が苦手。女の子に縁がないらしく、康一と由花子の関係に嫉妬して泣いて悔しがる場面がある。強面な容姿に似合わず、なかなかにおぼっちゃん育ちでグルメ(ただし、自炊している)。甘党であり、カレーライスは甘口の物しか食べられず、トニオ(後述)の作る唐辛子入りパスタにも初めは難色を示した(最後は料理に惹かれ口にしている)他、幕の内弁当を食べながらミルクティーを注文したり、憂鬱な月曜の朝にはストロベリー&チョコチップアイスを舐めながら登校するのが心の慰めと語っている。
- 物語序盤は敵スタンド使いとして登場。DIOの手下だった父親が彼に植え付けられた肉の芽の暴走によって怪物と化し、弓矢で「父親を殺せるスタンド使い」を産み出すという兄の手助けのため仗助と戦ったが彼に助けられ改心し、それ以降は親友となる。仗助らと打ち解けた直後、レッド・ホット・チリ・ペッパーに兄の形兆を殺害され、捜索の末に本体の音石明を見つけ出し仇を討つことに成功(兄はスタンド使いを増やす過程で殺人を繰り返していたという事情から、命だけは見逃した)。その後も仗助らと行動を共にする。仗助と同じ高校に通っているが、クラスが違う。
- 作者によると、「虹村」という名前は漢和辞典を取り出しながら「虹がいいなあ」と考えて決めたという[5]。
- ザ・ハンド(手)
- 【破壊力 - B / スピード - B / 射程距離 - D / 持続力 - C / 精密動作性 - C / 成長性 - C】
- 右手で掴んだあらゆる物を空間ごと削り取る、人型のスタンド。削られた空間は自然に閉じ、間の削られたものがどこに行くのかは億泰自身にもわからず、クレイジー・ダイヤモンドの能力でも戻すことはできない。能力の応用として、相手と自分の間の空間を削り、空間が閉じる際に任意で自分や相手を瞬間移動させることが可能。高い攻撃力と、たとえ空振りしても一瞬で間合いを詰める力から「恐ろしいスタンド」と兄や仗助に称されている。しかし劇中の活躍はサポートが中心で、このスタンドが直接相手を殺傷するという場面は存在しなかった。
- スタンド名の由来はアメリカのバンド「ザ・バンド」[6]。
- 岸辺 露伴(きしべ ろはん)
- 声 - 神谷浩史
- 杜王町に住む人気漫画家。対象を本へと変える「ヘブンズ・ドアー(天国への扉)」を操る。
- 空条 承太郎(くうじょう じょうたろう)
- Part3の主人公。28歳。祖父のジョセフに何かがあった時のために遺産を整理していたところ、ジョセフに隠し子・仗助がいることが発覚。仗助への遺産分配の手続きと、ジョセフの念写により杜王町に潜伏していることが判明した殺人鬼・アンジェロの追跡のため、杜王町を来訪する。絶大な破壊力と精密性、時間停止能力を持つ最強のスタンド「スタープラチナ(星の白金)」を操る。
- ジョセフ・ジョースター
- 声 - 杉田智和
- Part2の主人公で仗助の父親。79歳。隠し子・仗助の存在を知り、仗助と対面するため、また音石明をそのスタンド能力で追跡するため、杜王町を訪れる。念写能力を持つ茨状のスタンド「ハーミットパープル(隠者の紫)」を操る。
杜王町のスタンド使い
- 小林 玉美(こばやし たまみ)
- 声 - 田中一成
- 仗助たちの高校のOBで、ゆすり屋。身長153cm(ただし、初登場時は仗助たち程とはいわないまでも長身で6頭身以上あったが、回を追うごとに身長が縮んでいった)。乙女座。20歳。口の左に十字型の傷がある。虹村形兆のスタンドの矢で射ぬかれスタンド使いになり、その能力を使って康一とその家族をゆすり、破滅させようとしたが、康一のスタンド「エコーズ」に倒されて改心し、一方的に彼の舎弟になる。その後ゆすり屋を辞め、金融業者の取立人となった模様(仗助からは怪しまれている)。
- 味方にはなったものの、彼の活躍は間田に関する情報を提供したのみで、実戦には一切参加していない。また間田のサーフィス(仗助に変身したもの)に攻撃され、一時期病院送りとなっている。退院後、罪悪感に反応する能力を買われて仗助と露伴のチンチロリン勝負に取立人として立ち会った。仗助に対しては心底憎んでいる描写がある。
- 後に、数コマだが『岸辺露伴は動かない -六壁坂-』にも登場。
- ザ・ロック(錠前)
- 【破壊力 - E / スピード - E / 射程距離 - A / 持続力 - A / 精密動作性 - E / 成長性 - E】
- 他者に取り付く南京錠型のスタンド。本体の周囲で罪悪感を感じた人間から自動的に現れ、対象の持つ罪悪感に応じて大きくなり、心身に重圧を与える。複数の相手に同時に取り付けることも可能。精神作用から相手の自殺を誘発することさえあるという。罪悪感を持たない相手には効果がなく、錠を取り付けられた場合でもその素である罪悪感が無くなれば解除される。
- 間田 敏和(はざまだ としかず)
- 声 - 松野太紀
- 仗助達と同じ高校の3年生。身長165cm。獅子座。虹村形兆のスタンドの矢で射抜かれスタンド使いとなった。かなり卑屈で陰険な性格。テニス部でマンガ好き。自分達より強いよそ者である承太郎の存在を嫌い、町から追い出そうと画策し最終的には殺害しようとするが、仗助達が先に承太郎の所にたどり着き、その一方で仗助が追跡途中で間田が痛めつけたバイカー達を怪我を治した上で呼び寄せていたために袋叩きにされ戦闘不能になる。敗北して入院後、仗助たちにスタンド使いは無意識のうちにひかれ合うという物語の重要なキーワードを初めて話した人物でもある。
- 最初は頭身が高く描写されていたが、やがて顔がギャグ調になり、身長も康一と同じ程度にまで縮んで描写されている。仗助のことは「女にモテる奴だ」とあまり好きではないが、反面康一のことは露伴同様「気が合いそうだ」と好感を持っており、同じ漫画好きという共通点で一方的に友人として接している。
- 露伴の大ファンで、康一と共に岸辺露伴の家を訪れた際、康一共々ヘブンズドアーで記憶を読まれ、露伴のためになるならと読まれることに感激していたが、康一の記憶は「最高だ」「読者にも好かれると思うよ」と高評価だったのに対し、彼の記憶は「最低なヤツだ」「こんなの書いても読者が喜ぶハズがない」と酷評された(その出来事は露伴により記憶から消された)ため「救いがない」と嘆く描写が見られた。
- サーフィス(うわっ面)
- 【破壊力 - B / スピード - B / 射程距離 - C(数十メートル) / 持続力 - B / 精密動作性 - C / 成長性 - C】
- 等身大の木製デッサン人形をベースに、触れた人間の姿、仕草、声紋から全てコピーするスタンド。自律型スタンドで性格までコピーされるため、大雑把な命令には従うが本体の間田に忠実な訳ではない。コピーした本体との見分け方は、サーフィスの方の額についている+ねじ。実体化しており、普通の人にも見える。コピーされた相手はサーフィスと向き合うと、鏡に映ったように同じ動作しか取れなくなる。外見が変わっても木製なのは変わらないため、衝撃により破損(作中では扉に挟まって手首がもげた)することがある。あくまでデッサン人形に憑依するタイプのスタンドで、人形にダメージを与えても本体である間田にダメージは反映されない。またクレイジー・ダイヤモンド程ではないが、パワー、スピード共に高い。
- スタンド名の由来はアメリカのバンド「サーフェス」[3]。作者は「漫画『パーマン』のコピーロボットのイメージかもしれない」と語っており[4]、作中でサーフィス自身も自分の能力に関してそのことに言及している。
- 山岸 由花子(やまぎし ゆかこ)
- 康一を異常に愛する容姿端麗な女子高生。身長167cm。射手座。腰まである長い髪が特徴。高校では億泰と同じクラス。形兆に矢で射抜かれてスタンド使いとなる。
- 普段はクールで素っ気無い態度だが、非常に身勝手でキレやすく、思い込みの激しい性格。康一に一目ぼれし、喫茶店に呼び出して告白するが、その後ストーカー紛いのアプローチを開始し、康一に関わる女生徒を殺そうとするなど、行動はエスカレートしていく。康一のテストの点数の悪さに見かねて、康一を自分好みに教育するため別荘に軟禁するが、求愛を拒否され、逆上して暴走する。結果として康一とエコーズが成長するきっかけとなり、髪の毛が真っ白になるほどのダメージを受けながらも抵抗するが、敵でさえ気にかける彼の優しさに触れて、完敗してもなお康一を愛しつづけた。
- 辻彩の介入の後、やがて両想いの関係となった。料理の腕は抜群で、康一は監禁されている間も彼女の作る料理だけは本心から喜んで食べていた。
- トニオ・トラサルディー(アントニーオ・トラサルディー / アントニーオ・ヴォルペ)
- 声 - 松原大典
- 杜王町でイタリア料理店「トラサルディー」を営むイタリア人の男性(ナポリ生まれ)。「自分の作った料理でお客様に快適になってもらうこと」を望み、それに情熱の全てをかける。年は若いが、料理人としての腕前は億秦の舌を唸らせ、「天使のような料理人」とまで言わせるほど。
- 自分の理想とする料理を求めて世界中を旅していた時にスタンド能力に目覚めたと語っている。故郷のイタリアではまだ若いという理由で自分の店を出すことを認められず、日本の杜王町に出店。店の仕事は全て彼一人でやっており、料理を運ぶウェイターの仕事も自らしなければならないため、テーブルの数はわずか2つという小さな店である。しかしながら、料理の才能は超一流であるのはもちろん、手のひらを見ただけで相手の体の状態を完璧に見抜くという特殊能力を持っており、それぞれの客の体調に合わせた健康に良い料理を出すことをポリシーとしている。そのため、彼の店には決まった形のメニューはない(ただし、彼の作る料理はどれも基本的にはイタリアの伝統的な家庭料理をベースとしている)。
- 基本的には善人だが、店の衛生管理には非常に気を使っており、手を洗わないまま厨房に踏み入る者がいると烈火のごとく怒り、包丁を投げ付けてくるという神経質な一面を持つ。
- 料理を食べる度に億秦が常軌を逸したリアクションをとったことから、敵スタンド使いとの連戦で疑心暗鬼気味になっていた仗助から敵ではないかと誤解されたが、結局誤解は解けて戦うことなく終わり、逆に厨房に勝手に入った仗助を掃除係としてこき使った。
- 小説『恥知らずのパープルヘイズ』では彼の過去が明かされている。本名はアントニーオ・ヴォルペで、トニオは愛称である。イタリアの貴族ヴォルペ家の跡継ぎだったが、その当時ヴォルペ家は血のつながりのない、貴族の地位を金で買っただけのブルジョア商人ばかりであり、彼らに対し表向きは媚びへつらい裏では罵倒する父に愛想を尽かして家を継がずに料理人の道を目指すことを決める。しかしそれに理解を示さない父親から勘当され、以降は母方の姓であるトラサルディーを名乗り、イタリアの料理界は貴族崩れの半端者である自分を受け入れてはくれないと判断してイタリアを離れ、修行のために世界中を回ったとされている(家を出た後、実家のヴォルペ家が借金で立ち行かなくなり、パッショーネに家名ごと身売りした事や、スタンド能力を身に着けた弟のマッシモ・ヴォルペの能力により、父親が廃人となっていることを知っているのかどうかは不明)。『岸辺露伴は動かない 〜エピソード6:密漁海岸〜』にも登場する。
- パール・ジャム
- 【破壊力 - E / スピード - C / 射程距離 - B / 持続力 - A / 精密動作性 - E / 成長性 - C】
- 料理に混入し、食べた者の身体の不調を治すスタンド。顔と腕のあるプチトマトのような姿をしており、複数いる。治し方は症状にもよるが、目から涙が滝のように流れて睡眠不足が解消されたり、虫歯が凄まじい勢いで抜けた後に新しい歯が猛スピードで生えてきたりするなど、常軌を逸したリアクションが起こる。ただし、治せる不調には限度があり、一定以上の重病には効果を発揮しない。本体が善人ということもあって、基本的に無害なスタンドである。なお、客に対しては治る理由を「食材に含まれる栄養素の効能」と説明しており、身体に不調の無い者が同じ料理を食べてもリアクションは起きない。治癒能力は基礎となる食材に大きく左右され、トニオの調理技術と食材と相成ってはじめてその力が発揮される。スタンド名の由来はアメリカのバンド「パール・ジャム」[7]。
- 静・ジョースター(しずか・ジョースター) / 透明の赤ちゃん
- 杜王町で迷子になっていた所をジョセフ・ジョースターに保護された身元不明の赤ん坊。性別は女。当初はストレスからくる無意識のスタンドの暴走であらゆる物を透明にして騒ぎを起こしたが、結果的に彼女の存在が仗助とジョセフのわだかまりを解消することとなった。その後はジョセフにだけは心を開き、彼のそばにいる間は能力を発動しなくなったが、ジョセフから離れたりカメラのフラッシュなどでショックを受けるとすぐに周囲を透明にしてしまう。
- 結局最後まで母親は分からず、ジョセフの養女となる。静・ジョースターはその後の名前であり、出生名は不明。
- 矢安宮 重清(やんぐう しげきよ)
- 声 - 山口勝平
- ぶどうヶ丘中学校に通う中学二年生。あだ名は「重ちー」。体重110kg。実年齢より精神年齢は幼く、口癖は「〜だど」「ししっ」「理解不能」。頭に無数のトゲが生えたような髪型。家で飼っている亀の名は「ゴン太」。自らのスタンドを使って町中に落ちている小銭を集めている。
- 欲深な守銭奴だが、仗助いわく「どこかほっとけない」人物。心の底には杜王町と両親を一心に想い愛する、『黄金の精神』を持っている。「サンジェルマン」のテリヤキチキンサンドが好物。当初は仗助と億泰から「小遣い稼ぎ」に利用され、三人で手に入れた宝くじの賞金を独り占めにしようとして一悶着起こしたが、結局は自分一人では宝くじを手に入れることはできなかったと悟り、改心。宝くじの賞金は平等に三等分した。その後は彼らと友人の間柄となる。
- 後日、吉良吉影と遭遇。偶然にも彼の秘密を知ったために交戦するが、爆殺されてしまう。しかし、死の間際に吉良の服のボタンを手に入れ、スタンドに運ばせることで仗助たちに手がかりを残した。彼の死は仗助、億泰に動揺を与え、殺人鬼・吉良吉影を探し出すきっかけを作った。
- 苗字の「矢安宮」はカナダの歌手ニール・ヤングに由来する[7]。仗助と並び、作者の一番のお気に入りキャラクターであり、『ジョジョ』シリーズ通して一番好きなキャラクターと評している[8]。
- ハーヴェスト(収穫)
- 【破壊力 - E / スピード - B / 射程距離 - A / 持続力 - A / 精密動作性 - E / 成長性 - C】
- 自称500体からなる、4本の腕を持つ小さな群体型スタンド。物を集めることを得意とする。破壊力自体は低いものの、相手の皮膚を「集める」能力で削り取ることは可能であり、また眼球や頸動脈といった急所をピンポイントで狙えるため高い殺傷力を発揮する。眉間から注射針のような器官を出して、酒など集めた液体を相手の体に直接注入する事ができる。バケツリレーのように重清自身を運ばせることで、素早い移動も可能。遠隔操作が可能で、射程距離については「迷子になるから杜王町の外には出ないようにしている」とのこと。
- 群体型スタンドとしての特性と「集める」能力を駆使したトリッキーな戦闘スタイルは、仗助と億泰の二人がかりでも奇策で降参させるのがやっとなほど強力で、(一応勝ったはずの)仗助から「ハーヴェストに勝てるやつがいるとは考えられない」と高く評価されている。このスタンドが強すぎるという事実は作者自身も西尾維新との対談内で認めており、「便利すぎるので早期に退場させざるを得なかった」事情を語っている。
- スタンド名の由来はニール・ヤングのアルバム「ハーヴェスト」[7]。
- 辻 彩(つじ あや)
- 杜王町でエステ「シンデレラ」を営むエステティシャン。世界各国のエステティシャンコンクールで優勝した実力派で「魔法使い」を自称する。ため息をつきながらの、低血圧っぽいしゃべり方が特徴。幼い頃から童話『シンデレラ』に登場する魔法使いに憧れ、エステティシャンとなった。
- 「愛と出遭うためのメイク」と称し、スタンド能力でエステを行っていた。康一を振り向かせたい由花子の願いを聞き入れ協力するが、由花子が顔を維持するための条件を守らなかったために顔が崩れ、逆恨みしてきた彼女に「無数の顔の中から自分の顔を見つけ出す」選択を迫る。しかし康一の、自身の犠牲を一切厭わない優しさを見て、本来ハズレであったところを由花子の顔を元に戻した(元々彩が用意した顔の中に正解はなかった)。
- その後、逃走中の吉良吉影に無理矢理、川尻浩作の顔と指紋を移植させられ、彼の仕掛けた「第一の爆弾」によって爆殺される。
- 噴上 裕也(ふんがみ ゆうや)
- 暴走族の高校生。「控えめに言ってもミケランジェロの彫刻のように美しい」と自称するナルシスト。取り巻きに「アケミ」「ヨシエ」「レイコ」というヤンキー女3人をはべらせている。自慢は猟犬以上に良い鼻(スタンド能力の影響と言われる)。
- バイク事故で重傷を負った際に矢で貫かれスタンド能力を発現、その後病院に運ばれるが、負傷を回復させたいという強い思いから、トンネルにワナを張り待ち構えていた。露伴と仗助との戦いの際、仗助が怪我人を攻撃するのは気が引けるという理由で、一度怪我を治した上で叩きのめし、そのまま入院生活を続けてしまう。
- 後にエニグマの回で仗助に再び怪我を治してもらい共闘する。最初は康一探しにだけ協力するつもりで、敵とは戦う気はなかったが、仗助の「罠の可能性が高くても友人を助けに行く」姿に心を打たれ、仗助が捕まった際には自ら敵スタンドの術中に嵌る捨て身の戦法で仗助と康一を救出した。
- ハイウェイ・スター
- 【破壊力 - C / スピード - B / 射程距離 - A / 持続力 - A / 精密動作性 - E / 成長性 - C】
- 網目状の身体を持ち、人型から足跡状に分離が可能。部屋を作り出し、好奇心でそこに入り込んだ者の匂いを覚え、標的をどこまでも追跡し、体内に侵入して養分を吸い取る遠隔操作型のスタンド。視覚や聴覚は本体と共有でき、遠隔自動操縦も可能。追跡スピードの最高は時速60kmで、追跡相手に振り切られた場合には瞬間移動して先回りし(正確には、スタンドを解除して相手の向かった先に再び出現させる)、匂いを頼りに再度追跡を開始する。遠距離での奇襲を得意とするが、ある程度なら近距離攻撃も可能。ただし、スタンド自体の破壊力は低く、シュレッダーを破壊することすらできない。
- スタンド名の由来はディープ・パープルの楽曲「ハイウェイ・スター」[9]。
- 支倉 未起隆(はぜくら みきたか) / ヌ・ミキタカゾ・ンシ
- 仗助の高校に転校してきた青年。自称「マゼラン星雲からやって来た宇宙人で、本名はヌ・ミキタカゾ・ンシ、年齢は216歳、職業は宇宙船のパイロットだ」と彼は語る。吉良吉廣の放ったスタンドの矢をはじき返すという、全シリーズ中でも彼にしか起きたことのない現象を見せた。
- つかみ所の無い性格で一般常識に乏しい。ポケットティッシュを丸飲みするなど常軌を逸した行動をとったこともあったが、仗助からは悪人でないと判断された。登場当初はスタンドが見えていない描写があったが、後の相関図(44巻)には「スタンドは見えるらしい」との記述がある(実際にスーパーフライ戦でもクレイジー・ダイヤモンドが見えているかのような発言をしていた)。サイレンの音に対してアレルギーを持つらしく、耳にするとジンマシンが出たり、悲鳴を上げたり、嘔吐したりしていた。
- ミステリーサークルの中央に倒れていたところを、仗助と億泰に発見される。サイレンの音から逃げるために仗助のスニーカーに変身して逃げ、その恩を返そうとする。仗助は彼をサイコロに変身させ、イカサマ博打で岸辺露伴から金を巻き上げようと画策した。鋼田一との戦闘の際には変身能力を駆使して仗助と共に戦い、億泰からもその覚悟を認められた。
- エピソード終盤に登場した彼の母親は「息子が『自分は宇宙人だ』と言って転校する先々の学校を混乱させて困る」と言うが、当の未起隆は彼女のことを「母親役を演じさせるために洗脳している」と語っていた。結局彼が宇宙人なのかスタンド使いなのかは明らかにされず、真実は謎のままとなっている。作者は「本当はどっちなんだろうな、というのが面白い」ということで、自分では決めていないと語っている[10]。
- アース・ウインド・アンド・ファイヤー
- 【破壊力 - C / スピード - C / 射程距離 - なし / 持続力 - A / 精密動作性 - C / 成長性 - C】
- 本体を布のようにバラけさせ、何にでも変身できる能力を持つスタンド。小型な物や軽いものなら何でも変身でき、複数に分裂することもできるが、自分以上に力のあるものや複雑な機械には変身できず、また人の顔真似などもできない。本体の一部を分離して変身させることも可能。支倉自身はスタンド能力ではなく宇宙人としての特殊能力だと語っている。なお『ストーンオーシャン』でも同名の能力が登場していたが、そちらは後から名称が変更されている。
- 能力名は劇中には登場せず、画集『JOJO A-GO!GO!』でつけられた。能力名の由来はアメリカのバンド「アース・ウィンド・アンド・ファイアー」[9]。
敵スタンド使い
- 片桐 安十郎(かたぎり あんじゅうろう) / アンジェロ
- 「日本犯罪史上最低の殺人鬼」。1964年杜王町生まれ。IQ160。
- 「いい気になっている奴」を破滅させることが生き甲斐。12歳の時に強姦と強盗を犯し、投獄。それからも罪を犯し続け青春の大半を獄中で過ごしてきた。三人の少年を強姦殺人し、死刑判決を受けていたが、虹村形兆によりスタンド使いとなり、絞首刑を執行されるもスタンド能力で生き延びて脱獄。
- その後杜王町でスタンドを一般市民に取り付かせ、本体は安全な所から犯罪を楽しんでいた。そこを仗助に邪魔をされ、彼を逆恨みする。仗助の母に取り付こうとしたが失敗し、スタンドを小瓶の中に閉じ込められてしまった。そこへかつて自分を逮捕した仗助の祖父を偶然発見し、私怨により殺害。仗助と承太郎にも襲い掛かるが、仗助の機転により再度スタンドを捕らえられ、本体の居場所が暴かれてしまった。最後は粉々に粉砕した岩と融合させられ、承太郎によってスタンド能力を得た経緯を白状させられるが、それでも悪あがきをした上に仗助の髪型をバカにしたため、キレた仗助の手でより念入りに融合させられ、スタンド能力を失った上で「アンジェロ岩」と呼ばれる杜王町の観光名所になる。
- 通称の由来はアメリカの作曲家「アンジェロ・バダラメンティ」[3]。
- アクア・ネックレス(水の首かざり)
- 【破壊力 - C / スピード - C / 射程距離 - A / 持続力 - A / 精密動作性 - C / 成長性 - E】
- 水分に混ざり相手の体内に進入して攻撃するスタンド。水蒸気にも同化することが可能。簡単なものになら姿を変えることもできる。人型で全身には無数の目がある。人間に取り憑いて操ることもできる。弱点とされるのは、物質同化タイプのスタンドなので自由に消すことができず、閉じ込められてもガラスを破るパワーもないという点である。
- 虹村 形兆(にじむら けいちょう)
- 虹村億泰の兄。18歳。億泰とは対照的に冷静沈着で、非常に几帳面な性格。
- 杜王町で弓と矢を使いスタンド使いを増やしていた張本人で、スタンドの素質のない人間を弓矢で撃って何人もの人を殺してきた。その目的は、かつてのDIOの部下で、肉の芽の暴走により不死身の化け物になってしまった父親を「普通に死なせてやる」ことのできる能力者を探すこと。
- 仗助に倒された億泰に重傷を負わせ、自身はスタンドにより仗助を迎え打つが、クレイジー・ダイヤモンドにより再生したミサイルを撃ち返されて敗北。父親の家族を想う気持ちを仗助により知らされた直後、レッド・ホット・チリ・ペッパーの攻撃から億泰を庇い、電線に引き込まれて命を落とす。
- 後に吉良吉影との戦いで重傷を負った億泰の夢の中に現れ、彼自身に進むべき道を決断させ、戦線へ復帰させることに貢献している。
- バッド・カンパニー(極悪中隊)
- 【破壊力 - B / スピード - B / 射程距離 - C / 持続力 - B / 精密動作性 - C / 成長性 - C】
- 歩兵60名、戦車7台、AH-64 アパッチ4機で構成されているミニチュア軍隊のスタンド。他にも地雷や、康一のスタンドを覚醒させるためにけしかけたグリーンベレーがいる。群体のスタンドであるため、数体倒されたところで本体には影響はほとんどない。軍隊の武器のサイズは小さいが威力は本物であり、数体の同時攻撃やミサイルでの攻撃は高い殺傷力を誇る。
- スタンド名の由来はイギリスのバンド「バッド・カンパニー」[6]。作者は「『G.I.ジョー』のフィギュアなどからの発想」と語っている[4]。
- 音石 明(おといし あきら)
- 声 - 森久保祥太郎
- ギターを愛するロッカー。19歳。ライトハンド奏法ができる。一見自信家でお調子者のように見えるが、仗助や承太郎らと渡り合うために力を蓄えてから彼らの前に姿を現したり、相手の実力を見極めて反省し瞬時にその戦いに適応するなど、戦いの駆け引きに関しては優れた能力を持つ。
- 虹村形兆によりスタンド能力を引き出されるが、スタンド能力が成長した後、彼を殺害して弓と矢を奪い、以降はスタンドによる窃盗などを繰り返しながら力を蓄えていた。その後仗助らの前に姿を現し、自身を探知できるジョセフの存在を知り彼を殺そうとするが、億泰、仗助に阻まれる。億泰には勝利し、仗助にはスタンドパワーを最大限に引き出して圧倒するが、スタンドが弱点の海に落ちたことで立ったまま再起不能になったと思いきや、ジョセフの乗った船に自ら泳いで乗り込み、船員のふりをしてジョセフを殺害しようとしたところを億泰に倒された。スタンド能力で5億円相当の窃盗を働いていたことで窃盗罪により逮捕され懲役刑に科せられる(殺人罪はスタンドによる殺人なので立件できず)。その際、承太郎と億泰に「今度スタンドで悪事をしたら、徹底的に叩きのめす」と脅された。そして承太郎から依頼を受けたスピードワゴン財団から、秘密裏に弓と矢を所有していた間の行動を自白剤などで尋問され、二匹のドブネズミを射たことを自白した。なお、彼が奪った弓と矢は、スピードワゴン財団によって回収・管理されている。
- 後に、『岸辺露伴は動かない -六壁坂-』にも登場しており、この頃にはすでに刑期を終え、出所していることが判明している。
- ゲーム「ジョジョの奇妙な冒険 オールスターバトル」において、康一に仲良くしようと歩み寄ったり岸辺露伴にかなり真剣にサインを求めるなど作中でほぼ描かれなかった一面を見せた。
- レッド・ホット・チリ・ペッパー
- 【破壊力 - A / スピード - A / 射程距離 - A / 持続力 - A / 精密動作性 - C / 成長性 - A】
- 電気を操り、電気と同化する人型のパキケファロサウルスを思わせる姿をしたスタンド。電気があるところならどこにでも移動可能であり、普段はコンセントや電線の中を移動する。他の物体を電気と同化させて電線の中に引っ張り込むこともできる。遠隔操作型のスタンドだが、電気を吸収すればするほど強くなる。特にスピードは電気と同化している関係上光速に近いスピードを持ち、スター・プラチナのような時間を止めるスタンドでもない限り追いつけないほどである。弱点はスタンドが電気と一体になっていることで、電気が失われるとパワーダウンにとどまらずスタンド自体が消滅(=本体の死)してしまう危険があること(同化タイプのスタンドなので自由に消すことができない)。スタンドが顕現している状態では常に電気を消費し続けているため、長く活動するにはそれだけ大量の電気が必要となる。また電気抵抗の影響も直に受けるため、ゴムなどの絶縁体の内部では電気の補給も通過もできず、逆に導体である海に転落すれば瞬く間に拡散していってしまう。舞台となった杜王町では、町一帯の電力を全て吸い上げることでクレイジー・ダイヤモンドを遥かに超えるスピードとパワーを発揮できるが、それをやるとしばらく杜王町が停電に陥りバッテリーなどの弱い電力でしか活動できなくなるため、最後の切り札としていた。
- スタンド名の由来はアメリカのバンド「レッド・ホット・チリ・ペッパーズ」[6]。デザインは漫画『恐竜大紀行』の頭突きの強い恐竜と『ドラゴンボール』のフリーザの影響を受けている[4]。
- ネズミ(虫喰い、虫食いでない[11])
- 杜王町に生息する2匹のドブネズミ。音石明の手によってスタンド使いとなる。承太郎を襲った個体は耳たぶが虫喰い状にちぎれているため、承太郎が「虫喰い」という通称を名付けた。
- 普通の鼠では考えられない高度な知能を持ち合わせており、同種の鼠や人間を襲っていた。音石の自白からそのことを知った承太郎が仗助と共に狩りに乗り出し、1匹は仗助によって仕留められるが、さらに奸智に長けたもう1匹(虫喰い)は仗助と承太郎を苦戦させる。罠を逆に利用したり、バックトラックを用いたりして二人を手玉にとるが、仗助が放った銃弾が外れたことで油断して岩陰から顔を出した所を二発目の銃弾で仕留められた。
- ラット
- 【破壊力 - B / スピード - C / 射程距離 - D / 持続力 - B / 精密動作性 - E / 成長性 - C】
- 生物や物、さらにはスタンドさえ溶かしてしまう毒針を発射する、背中に乗せた砲台型のスタンド。詳細は不明だが、溶かしたものを煮こごりのように固めることもできる模様。毒針自体の威力はさほどではなく、金属製のフライパンなど、ある程度硬いものには跳ね返された。またスタープラチナのようなスピードと精密性に優れるスタンドならば容易に針を掴んで止めることができるが、針に触っただけで毒がまわってしまうため、実質的に避けるしかない。
- この毒で溶かされた生物はすぐ死ぬわけではなく、原形を止めないほどに溶かされて形を変えられていても、頭などの重要な部分が原形を保っていれば生きていることが多い。そのため、息さえあればクレイジー・ダイヤモンドで元の溶かされる前の姿に戻せるようである。
- 本体が別々に存在するが同時に刺されたためか、二匹とも同じデザイン・同じ能力の珍しいスタンドである。スタンド名の由来はアメリカのバンド「ラット」[7]。
- 吉良 吉影(きら よしかげ)
- 声 - 小山力也
- 手の綺麗な女性を48人殺してきた連続殺人鬼。本作の最終的な敵。スタンドは爆弾に関する能力を持つ「キラークイーン」。
- 吉良 吉廣(きら よしひろ) / 写真のおやじ
- 声 - 島田敏
- 吉良吉影の父親。吉影が21歳の時に癌により死亡するが、幽霊となった後もスタンド能力で現世に残り息子を護ろうとする。エンヤ婆からスタンドの矢を譲り受け、その時点でスタンド能力を手にした。息子の異常な性癖を理解している唯一の人物。寝間着を着ており、綻びさせた毛糸を巧みに操り、物をとったり移動したりする。
- 吉良家を調査に来た仗助たちに襲い掛かり、一度は捕われるものの奇策を使って、「弓と矢」を奪い脱出する。その後はスタンド使いを増やして仗助を倒し、吉影を守ろうとする。仗助と吉影の最終決戦では、早人のポケットに隠れて息子を援護したが、仗助に気づかれ空気弾を逆に誘導され、吉影に仗助と間違われて爆破されてしまう。
- アトム・ハート・ファーザー
- 【破壊力 - E / スピード - E / 射程距離 - なし / 持続力 - A / 精密動作性 - C / 成長性 - C】
- 自身が写っている写真の中に空間を隔離するスタンド。写真の中で起きたことは隔離された空間の中にも作用する。写真と同じ空間にいる人間は、その枠内から出ることはできず、枠の外から干渉することも不可能(干渉しようとすると、枠の外から反対側へ移動する)。写真の中に干渉することはできず、写真自体に攻撃してもそのダメージは写っている人間にそのまま返ってくるため、写真の中からの攻撃を防ぐ手段はない。ただし影響を及ぼせる写真は本体が最後に写った一枚のみなので、新たに写真を撮り直せばリセットされる。「写真の中」と一体化しているようで、このスタンドの影響下にある写真を吉廣ごと撮影すれば、その部分がくり抜かれたようになる。吉廣本人のセリフによると生前は写真に入り込む能力だったらしく、幽霊となった現在も感光された後の写真の中に自身や物を出し入れすることが可能。スタンド名の由来はピンク・フロイドのアルバム「アトム・ハート・マザー」(邦題「原子心母」)[9]。
- 大柳 賢(おおやなぎ けん) / ジャンケン小僧
- 声 - 日野未歩
- 年齢11歳の小学6年生。吉良吉廣のスタンドの矢でスタンド使いとなる。左頬には矢が刺さった際にできた穴が開いているが、痛みはないらしい。ジャンケンを単なる運ではなく、心の強さで勝つものだという持論を持つ。
- 20歳という年齢で漫画家として社会で活躍している岸辺露伴に目をつけ、彼を心の強さで打ち負かして乗り越えるため、ジャンケン勝負を挑む。スタンド能力でヘブンズ・ドアーの2/3を奪うところまで追い詰めるが、静・ジョースターを利用した露伴の策にハマりヘブンズ・ドアーを奪い返され、さらに「運」を味方につけた露伴に敗北。「露伴に倒されるくらいなら」と自ら道路に飛び出し自殺を図るが、その行動に感銘を受けた露伴に救われ、「再起可能」となって完敗を認める。左頬の穴は結局ふさがらなかった。
- ボーイ・II・マン
- 【破壊力 - C / スピード - B / 射程距離 - C / 持続力 - A / 精密動作性 - C / 成長性 - C】
- 5回勝負のジャンケンを行い、勝った相手のスタンド能力を本体の頬の穴から1/3ずつ吸収するスタンド(自身は2敗までは影響なし)。フードを被った鋼鉄のロボットのような容姿をしている。吸収したスタンドは、ジャンケン勝負の途中であっても吸収した分ならばスタンド能力を使える。奪われた相手は同じくその時点からスタンド能力を該当する分だけ使えなくなる。また、該当する部分の身体を本体の意のままに操ることも可能。負ければスタンドは逆に奪い返され、相手が3勝していれば吸収した分に関係なくすべて奪い返される。
- スタンド名の由来はアメリカのコーラス・グループ「ボーイズIIメン」[9]。デザインのイメージは横山光輝の漫画に登場するロボット[4]。
- ストレイ・キャット / 猫草(ねこぐさ) / 元「タマ」
- 元はブリティッシュ・ブルー種の猫、タマ。スタンドの矢に貫かれた後、川尻しのぶに誤って殺されてしまい、川尻家の庭に埋葬されるが実際には仮死状態であったため、スタンドの影響で埋葬場所から猫とも草ともつかない生き物として生まれ変わる。
- 一応植物なので歩けず、日の当たらないところではほとんど活動しない。また猫なので性格は気まぐれ。「本能と欲望のままに生きる」がモットー。殺されそうになった時の恨みからしのぶを攻撃し、その様子を見た吉良が危険性を察知し始末しようとするがスタンドの相性の悪さから断念。扱いようによっては利用できると考えた吉良によって川尻家の屋根裏部屋で飼われていた。その後成長したことにより凶悪な姿へと変貌。仗助との最終決戦時には「キラークイーン」の腹部に内蔵され能力を利用された。しかし億泰の「ザ・ハンド」により「キラークイーン」の腹部から瞬間移動させられ捕まる。吉良との最終決戦の後は億泰の父と友達になった。
- 鋼田一 豊大(かねだいち とよひろ)
- 杜王町郊外の鉄塔を10万円で買い取り、3年間その中だけで自給自足していた謎の男。素顔をマスクで隠し、名前も偽名。掌のタコが異常なほど硬く発達しており、電線に引っかけたり、カッターなどの小物をしまえるなど幅広く応用が利く。
- 実は自らのスタンドである鉄塔に閉じ込められており、吉良吉廣にそそのかされ、仗助ら追跡者の誰かを鉄塔に閉じ込めるために敵対する。鉄塔に入り込んだ仗助と未起隆に対し、鉄塔への攻撃エネルギーをコントロールして圧倒するが、クレイジー・ダイヤモンドの「治す」能力でエネルギーを撃ち返され敗北。仗助との対戦後、自分が一番安心して生活できる場所はこの鉄塔しかないと認識し、この中で生涯を過ごすことを決意した。改心後、康一が既にエニグマの少年の手にかけられたことを仗助らに伝えた。
- スーパーフライ
- 【破壊力 - E / スピード - E / 射程距離 - なし / 持続力 - A / 精密動作性 - E / 成長性 - E】
- 住居としている鉄塔と一体化したスタンド。鉄塔の枠の中に一人以上残っていない状態で枠の外に出ようとすると、枠の外に出た部分が金属に変化してしまう。一度捕らわれれば誰かと入れ替わるまで脱出できない。本体の豊大にも操作ができず同調もしていない状態のため、彼自身も囚われてしまっている。また、攻撃を受けるとその破壊エネルギーを鉄塔内で循環させた後、攻撃を受けた場所から同じ威力の攻撃を返すため、破壊することも不可能。この性質を利用し、豊大は放出される破壊エネルギーの軌道を見切ることで攻撃や移動にも使用している。スタンド名の由来はアメリカの歌手カーティス・メイフィールドの楽曲およびその収録アルバム「スーパーフライ」[9]。
- 宮本 輝之輔(みやもと てるのすけ) / エニグマの少年
- 声 - 成瀬誠
- 杜王町に住み、人が恐怖する姿を観察するのが好きな謎の少年。吉良吉廣によりスタンド使いになる。
- 康一や朋子をスタンド能力で人質にして、仗助を追い詰めるが、噴上裕也の協力もあり抹殺に失敗。その卑劣な手段と陰湿な性格が仗助の怒りを買い、最後は彼によってシュレッダーの紙屑と融合させられて本になり、杜王町の図書館に寄贈される(本にされてもなお意識があるのか、時折声が聞こえるらしい)。劇中では本名が出ておらず、「エニグマの少年」と表記されている。
- 乙 雅三(きのと まさぞう)
- 1970年生まれの一級建築士。吉良吉廣にスタンドの矢で背中を射抜かれ、スタンド能力を得た。しかし、スタンドを認識できていない上にスタンド自体が自我を持っていたため、全く制御できていない。能力には最後まで無自覚だったものの「背中を見られたくない」「見られたらおしまいだ」という恐怖だけは感じ、他人に背中を見せずに生活していた。
- 半焼した露伴の自宅の改修工事の見積りのために露伴の家を訪れ、背中を見せまいと振舞うがそれが逆に露伴の興味を引いてしまい、露伴に背中を見られたことで自らのスタンド能力により異常な程小さく干からびて死亡した。
- チープ・トリック
- 【破壊力 - E / スピード - E / 射程距離 - E / 持続力 - A / 精密動作性 - E / 成長性 - E】
- 自意識を持ち、宿主の背中にとり憑く完全な自律型スタンド。パワーはほとんどゼロに近く、絆創膏を剥がすほどの力さえも持っていないが、作中で電話の受話器を持って出前を注文しているシーンはある。人のボケに対してツッコミをしたり、慰めたりもする。「ね?」が口癖。
- 宿主の耳元で囁くことで精神的なダメージを負わせる他、周囲の人や動物に話しかけ、宿主の背中を見るように仕向ける。宿主が誰かに背中を見られると、このスタンドは背中を見た者の背中へと移動してその者を新たな宿主とする(動物相手でもいい模様)。その際に元の宿主は背中を引き裂かれ、精気を吸われて死亡する。能力によって貼り付いているために力で引き剥がすことは不可能で、無理に剥がそうとすれば背中ごと裂けてしまう上、スタンド攻撃もそのまま宿主へ跳ね返ってくる。自他ともにろくな行動ができず、能力の発現に第三者を必要とするなど、恐ろしく受動的なスタンド。
- 乙の背中を見た岸辺露伴に取り憑き殺そうとしたが、露伴に「ふり向いてはいけない小道」に連れて行かれそこで広瀬康一にとりつこうとしてふり向いてしまい、あの世へと引きこまれてしまった。
- スタンド名の由来はアメリカのバンド「チープ・トリック」[12]。モチーフはおんぶおばけ[4]。
その他・杜王町の住人
- 杉本 鈴美(すぎもと れいみ)
- 声 - 広橋涼
- コンビニ「オーソン」と薬局「ドラッグのキサラ」の間にある道(地図上にはない)に住む。15年前に自宅で吉良吉影に両親や飼い犬アーノルドと共に殺され、幽霊(地縛霊)となって現世に留まる。享年16(墓標に昭和58年8月13日と表記)。吉良の危険性を街中の人に伝えるため、死後も現世へ留まっている。実は吉良が鈴美の家に現れた時に偶然幼少時の岸辺露伴を預かっており、自らの命を犠牲にすることによって露伴を逃がしていた(露伴は恐怖のためか記憶を喪失していた)。前述のように、幼少時の露伴を知っているため、彼のことをちゃん付けで呼ぶ。吉良の死後、露伴、康一、そして杜王町の人々に見守られながら、アーノルドと共に成仏する。
- アーノルド
- 杉本鈴美の飼い犬。鈴美と共に吉良吉影によって首を切られて殺され、地縛霊となる。死してなお、首から血を滴らせている。吉良の死後、鈴美と共に成仏する。
- 虹村兄弟の父親
- 虹村兄弟の父親。下の名前は不明。元々は東京在住で会社を経営していたが、1987年には妻(形兆、億泰の母)を病で失い、その2年後にはバブル真っ最中ながらも莫大な借金を残して会社は倒産した。
- スタンドの才能があったらしく、その才能をDIOに見いだされ、彼の部下になる。億泰が「5〜6年は生活していく蓄えはある」「食ってくだけの金はある」と発言していることから、DIOの部下になったことにより借金を返済して余りあるほどの報酬を得ていた様子。だが、肉の芽を頭に打ち込まれており、DIOが死亡したことにより肉の芽が暴走して肉体を侵食され、醜い見た目になって知能が低下し、生き続けるだけの肉塊となってしまう。しかし、そんな姿になっても家族を思う気持ちだけは残っていた。吉良吉影との決戦後、吉良が飼っていた猫草と仲良くなり、一緒に暮らしているらしい。
- 川尻 早人(かわじり はやと)
- 声 - 佐藤ゆうこ
- 川尻浩作の息子。11歳。登場時点では自分の両親の盗撮や盗聴が趣味の暗い性格の少年。母いわく「何を考えてるか分からない子」だが、本人いわく「本当に自分は両親から求められて生まれた子なのか?」と両親の愛が欲しかったゆえ、考えた末に「記録と観察」という結論で盗撮に走った模様。盗撮の中で浩作(吉良吉影)の不審な行動に疑念を抱き、猫草の一件でそれが確信に変わったことから吉良と戦う決心をする。後にはスタンド使いの仗助たちと共に吉良を追いつめた。
- スタンド能力はないが、当初見せていなかった意志の強さと度胸を持つ。また、吉良との戦いの中で更なる成長を遂げた様子も垣間見え、バイツァ・ダストを解除したり、仗助の対吉良戦でも仗助の代わりに爆弾に変えられた億泰に触り、捨て身で第一の爆弾を解除するなど、共闘した仗助を驚愕させるほどの行動力を発揮し、「ブッ飛んでる根性」の持ち主であると言わしめた。
- 父とは決して仲が良いわけではなかったが、吉良(浩作)亡き後、いつまでも夫を待ち続ける母の姿を見て、自分も父を一緒に待ち続けると涙した。
- 川尻 浩作(かわじり こうさく)
- 会社員。妻のしのぶいわく「つまらない男」、息子の早人いわく「普段から会話をする機会もなく、親子仲は決して良いものとはいえなかった」。吉良吉影に年齢と体格が似ているために殺害され、成り代わられる。昇進を狙っていたとのことであり、妻子のために努力していた模様。椎茸が大の苦手で、それを食した浩作(=吉良)をしのぶは珍しいと指摘した。
- 川尻 しのぶ(かわじり しのぶ)
- 川尻浩作の妻。学生時代に浩作と付き合い、早人を身ごもったために結婚したものの、結婚後の生活と平凡な夫がつまらないとずっと鬱屈した感情を抱き、息子の存在を枷と考え、内心では疎んじていた。だが、浩作が吉良吉影と入れ替わってからは、打って変わってスリルのある行動を取るようになった夫に対し、ときめきを感じるようになる。
- 吉良も猫草にしのぶが襲われた時は彼女の傷を心配し、軽傷であることに心から安心したシーンがあった。しかし、女性に対して初めて発したその感情に困惑した吉良は、直後に「自分自身のためだ」と打ち消した。
- 最後の決戦で吉良は事故死し、浩作は失踪する形になるが、しのぶは夫の帰りを今後も待ち続けるであろうと語られた。猫好きだが、猫草になる前の猫(タマ)を事故で殺してしまったことにより、猫草には嫌われている。
- 東方 朋子(ひがしかた ともこ)
- 仗助の母で職業は教師。大学在学中に62歳のジョセフと不倫し、仗助を産む。実年齢よりも若く見え、時々ナンパされるほどの美人であるが、仗助と同様にキレやすい性格。ジョセフのことは今でも愛しており、承太郎が家を訪ねてきたときにはジョセフと間違えて抱きついたうえ、勘違いと分かった後でも惚気ていたほどである。好物は菓子の「鎌倉カスター」。
- 東方 良平(ひがしかた りょうへい)
- 仗助の祖父で警官。定年間近で出世こそ無かったが、35年間杜王町を守ってきた正義感あふれる警官だった。普段はお茶目な姿も見せるが、時折見せる顔は町を守る男の顔。片桐安十郎(アンジェロ)を最初に捕まえた警官でもあり、彼の逆恨みを込められたアクア・ネックレスによって殺害され、死因は急性心臓発作として扱われた。
- 杜王町と朋子、仗助を深く愛する男であり、大好きな尊敬すべき祖父を殺害された後悔から、仗助は祖父の代わりに杜王町を守ろうと決意することになった。
- 広瀬姉弟の母親
- 下の名は不明。温和な性格で息子である康一を信じている良き理解者。
- 広瀬 綾那(ひろせ あやな)
- 康一の2つ年上の姉で、女子高の3年生。母親似で康一を「康ちゃん」と呼んでいる。名前は露伴の「ヘブンズ・ドアー」によって判明した。
- ポリス
- 広瀬家で飼っている犬。動くことが苦手ですぐ眠ろうとする。康一いわく「ボケ犬」らしい。
- DIO(ディオ)
- Part1やPart3でジョースター家の宿敵として登場した人物。Part3で空条承太郎に倒されたため、今作では直接の登場はないが、虹村形兆の回想で登場する。
- テンプレート:Main
- エンヤ婆
- Part3の登場人物で、「魔女」の異名を持つ老婆。スタンド能力を発現させる「弓と矢」を使い、DIOをはじめとする多くのスタンド使いを生み出した。今作ではかつて虹村形兆や吉良吉廣に接触し、「弓と矢」を託していたことが明らかとなる。
関連項目
- M県S市杜王町
- 人口約50000人の東北地方の中心都市の郊外にある大規模なニュータウン。町の花は「フクジュソウ」。特産品は「牛たんのみそづけ」。1980年前半からS市のベッドタウンとして急速に発展した。その後の外伝『デッドマンズQ』ではS市の政令指定都市化によって行政区化している。その範囲は海岸部から丘陵部まで幅広い(『The Book』より)。
- モデルとなっているのは、作者の出身地である宮城県仙台市[13]であり、作中に出てくる地名には実際の仙台市北部・中心部の地名と同一のものもみられる。市の名前がS市と伏せ字になっているのは本作に殺人鬼が出てくることから、仙台を舞台とすることをためらったため。「杜王町」という架空の街を舞台にしたのも「仙台市民になるべく迷惑がかからないように」という配慮からである[13]。また、連載時(1992年 - 1995年)はS市というのが仙台市で、杜王町はその郊外の街という設定で、仙台市そのものが舞台ではなかった。
- 地理上のモデルは、松島町の北から東松島市のあたりが参考にされている。また、ベッドタウンとしての街のイメージは、1970〜1980年代に仙台市北部周辺に造成されていった新興住宅地(仙台市泉区(旧・泉市)や宮城野区の鶴ヶ谷ニュータウンなど)がモデルとなっている[13]。
- この地名はPart8など作中だけではなく、作者の原画展の告知にも使われている[14]。
- 弓と矢
- この矢に射抜かれた者(ただし人間に限らない)は、スタンド使いの素質があれば死なずにスタンド使いとなる。素質のないものは、致命傷であれば命を落とすことになる。劇中では2本登場し、1本目を手に入れていた虹村形兆は無差別に人間を射抜いてスタンド使いを探していたが、吉良吉廣が持っていた2本目は、スタンドの素質を持つ者を意思を持ったかのように選び出し、吉良吉影の「バイツァ・ダスト」を目覚めさせたときには吉廣の意思とは関係なく勝手に動き吉影を貫いた。
- 鏃は50,000年ほど前に地球に飛来した隕石を加工したもので、確認されている矢の数は6本(多くの情報はPart5に登場)。弓および矢の胴体部分には、特に特殊な能力はない。
- オーソン
- 杜王町の名所「少女の幽霊に会える小道」に隣接したコンビニ。康一が利用するほか、吉良に関する打ち合わせを店の前で行っている。
- 綴りは「OWSON」。モデルになったローソン(LAWSON)は連載より前の1978年に仙台市に出店している。
- 2012年に開催された作者の原画展に合わせ、仙台市のローソン仙台柳町通店の看板を改装し「オーソンS市杜王町店」として期間限定で営業した[15]。
杜王町の名所
- アンジェロ岩
- 名所その(1)。片桐安十郎が仗助によって岩と一体化させられ、そのまま放置されている。不気味な外見とは裏腹に、意外にも町民には親しまれており、恋人の待ち合わせの場所として人気を博している。話しかけると時々「アギ…」という唸り声が聴こえてくることがある。
- ボヨヨン岬
- 名所その(2)。岬の崖から転落し岩にぶつかりそうになった由花子が、エコーズACT2の能力によって助けられた瞬間を漁師が目撃したことから広まった。漁師たちの間では海の神様がいると信じられている。
- 岸辺露伴の家
- 名所その(3)。3ヶ月前に越してきた。本人はとても忙しいためか、サインをもらおうと家を訪れても出てこない。仗助のせいで火事にあっている。
- 少女の幽霊に会える小道
- 名所その(4)。「振り向いてはいけない小道」とも呼ばれる。自縛霊になった杉本鈴美と愛犬アーノルドがいる場所であり死者の魂の通り道。入口はオーソンとドラッグのキサラの間の道(入口は地図に載っていない)、出口はポストを越えて曲がった後20m先の道にある。その間ポストを越えて出口につくまでの間は決して後ろをふり返って見てはいけない決まりがあり、ふり返って見た者は無数の手によりあの世へと引きずり込まれる。道を通る間は、後ろから得体の知れない何者かが振り向かせようと、様々な嫌がらせや誘惑、脅しをかけてくるが、振り向かない限りその実体には捕まらない。吉良吉廣は「この世とあの世の通り道」と息子・吉影に話している。
- 送電鉄塔に住む男
- 名所その(5)。鋼田一豊大が住んでいる鉄塔。自給自足し鉄塔ライフを確立させている彼だが、塩や菓子類は手に入らないため、持って行くと喜んで写真撮影などに応じてくれるという。
- エニグマの本
- 名所その(6)テンプレート:要出典。仗助が宮本輝之輔を本に変えて杜王町立図書館に寄贈したもので、題名は「エニグマの少年」。時々本から少年の呻き声が聞こえる。本の内容は今まで見たことのない羅列のような文面で構成され、解読不能。
その他
- 『ジョジョの奇妙な冒険』シリーズを象徴する主人公の愛称は「ジョジョ」だが、仗助に対しては序盤で一度用いられただけである。
- 読者や編集部から「第4部になって敵が弱くなった」という意見が多く寄せられたという。これに対して作者は「第4部は人の心の弱さがテーマ」、「心に弱さをもった人が、その弱さを攻撃に向けることが真の怖さである」といった趣旨の反論をしている[16]。
- 物語の途中で杜王町内の一部の地名が変更されている。
- 「定禅寺」が読みはそのままで字が「浄禅寺」に変わっている(なお、モデルである仙台市の地名は最初に使われていた「定禅寺」の字)。
- 「杜王駅」が「杜王町駅」に変わっている。
- 33巻に登場した杜王町地図にて、32巻に登場した「CAFE れんが亭」の位置に「カフェ ドゥ・マゴ」と表記されている。しかし、38巻に登場した杜王駅前上面図でのカフェ ドゥ・マゴの位置は33巻の地図と異なっている。なお、リミックス版のおまけページでの特集では、先に発売された一部抜粋収録版ではれんが亭の名前が変わったと書かれているが、後に発売された全話収録版ではれんが亭とドゥ・マゴを別々の店として扱っている。
- 作中「旅行するなら日本のここベスト100」なる本の出版元として宮下あきらの漫画作品『魁!!男塾』で登場した架空の出版社、民明書房の名が出る。
- 本作の時代設定は連載当時からは未来に当たり、作者によると世紀末の不安と日常が描けるということで1999年という近い未来にされた。また、初めは死後の世界の話にしようとしたが、馴染みがないため止めたと語られている[5]。
- 作者によると、本作のテーマの1つは「街を描く、街を創る」ということ[5]。本来はPart3で『ジョジョ』を完結させて、次回作として隣の街にいそうな殺人鬼の話を新しく描く予定だったが、蜘蛛の巣を張って待ち構えているタイプのスタンドのアイデアが残っていたため、「街を舞台にして第4部をやろう」ということになった[10]。また、「第1部から第3部のひとつの流れから緩やかにつながって広がっていったのが第4部であり、第5部からはテーマ性が深化したため、初期の構想から考えると『ジョジョ』は第4部で終わっていたと言えるかもしれない」とも語られている[8]。
- ジョースターの血を引く者の精神性を表現するのにしばしば出てくる「黄金の精神」が初めて出てきた部である。実際は仗助を含めた杜王町の若者たちに向けてジョセフが彼らを賞賛した言葉であり、ジョースター特有の精神性という訳ではない。
小説
『“The Book”jojo's bizarre adventure 4th another day』(著:乙一。2007年。ジャンプ j-BOOKS) - Part4の後日談を扱ったノベライズ作品。 テンプレート:Main
脚注
外部リンク
- ジョジョの奇妙な冒険公式サイト
- JOJO×乙一 - JUMP j-BOOKS内 ノベライズ本公式サイト
- ↑ ゲームのサウンドトラックにはボイスの一部が収録されており、夏樹リオが演じている。
- ↑ テンプレート:Cite web
- ↑ 3.0 3.1 3.2 3.3 『集英社ジャンプリミックス ダイヤモンドは砕けないvol14 ラブ・デラックス編』 P86「The origin of STANDS!」part.2
- ↑ 4.0 4.1 4.2 4.3 4.4 4.5 4.6 『JOJOVELLER完全限定版 STANDS』より。
- ↑ 5.0 5.1 5.2 画集『JoJo6251 [荒木飛呂彦の世界]』より。
- ↑ 6.0 6.1 6.2 『集英社ジャンプリミックス ダイヤモンドは砕けないvol14 ラブ・デラックス編』 P83「The origin of STANDS!」part.1
- ↑ 7.0 7.1 7.2 7.3 7.4 7.5 『集英社ジャンプリミックス ダイヤモンドは砕けないvol16 ヘブンズ・ドアー編』 P90「The origin of STANDS!」part.3
- ↑ 8.0 8.1 SPURムック『JOJOmenon』より。
- ↑ 9.0 9.1 9.2 9.3 9.4 9.5 『集英社ジャンプリミックス ダイヤモンドは砕けないvol17ハーヴェスト編』 P106-107「The origin of STANDS!」part.4
- ↑ 10.0 10.1 『JOJO-A-GO!GO!』 DISC.3 ARAKI HIROHIKOより。
- ↑ 画集『JOJO A GOGO』、およびTCG『ジョジョの奇妙な冒険 Adventure Battle Card』における呼称
- ↑ 12.0 12.1 『集英社ジャンプリミックス ダイヤモンドは砕けないvol17ハーヴェスト編』 P188「The origin of STANDS!」part.5
- ↑ 13.0 13.1 13.2 私の広瀬川インタビューVol.18 マンガ家 荒木飛呂彦さん「第1回 「杜王町」と仙台市との関係は?」
- ↑ 荒木飛呂彦原画展 ジョジョ展 in S市杜王町
- ↑ ジョジョの奇妙な冒険キャンペーン
- ↑ 単行本第46巻のカバー折り返しより。