カザフ語

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カザフ語Қазақ тілі)とは、テュルク諸語の北西語群(テンプレート:仮リンク)に属する、言語の1つである。カザフ語は、カザフスタンの他、中国の新疆ウイグル自治区モンゴルで多く話され、ウズベキスタントルクメニスタンなどでも話される。ISO 639による略語は2字が kk、3字が kaz で表される。なお、カザフスタンでは公用語として扱われている。

音韻論

母音

カザフ語の母音
−RTR
("前舌母音")
+RTR
("後舌母音")
二重母音 [/i̯ɘ/], ‹е› [/y̯ʉ/], ‹ө› [/u̯ʊ/], ‹о›
狭母音 [/ɘ/], ‹i› [/ʉ/], ‹ү› [/ə/], ‹ы› [/ʊ/], ‹ұ›
広母音 [/æ/], ‹ә› [/ɑ/], ‹а›

子音

カザフ語の子音
両唇音 唇歯音 歯音/
歯茎音
後部歯茎音 歯茎硬口蓋音 軟口蓋音 口蓋垂音 声門音
鼻音 [m] ‹м› [n] ‹н› [ŋ] ‹ң›
破裂音 [p] ‹п› [b] ‹б› [t] ‹т› [d] ‹д› [k] ‹к› [ɡ] ‹г› [q] ‹қ› [ɢ] ‹ғ›
摩擦音 [(f)] ‹ф› [(v)] ‹в› [s] ‹с› [z] ‹з› [ʃ] ‹ш› [ʒ] ‹ж› [(ɕ)] ‹щ› [(x)] ‹х› [h] ‹һ›
破擦音 [(tɕ)] ‹ч›
はじき音 [ɾ] ‹р›
接近音 [l] ‹л› [j] ‹й› [w] ‹у›

表記体系

カザフスタンでは、カザフ語が公用語であり、ソ連時代からキリル文字で書かれているが、現在、ラテン文字への転換も検討されている[1]

中国の少数民族カザフ族は、カザフ語を用い、アラビア文字をもとにしたテンプレート:仮リンクで書かれる。

カザフ語で使用されるキリル文字

カザフ語のキリル文字と対応するラテン文字
А Ә Б Г Ғ Д Е Ж З И І Й К Қ Л М Н Ң Һ О Ө П Р С Т У Ү Ұ Ф Х Ш Ы Ю Я
а ә б г ғ д е ж з и i й к қ л м н ң һ о ө п р с т у ү ұ ф х ш ы ю я
A Ä B G Ġ D E/Ye Ğ Z I Î J K Q L M N Ŋ/ H O Ö P R S T U Ü Û F X Ş Y Yu/Yü Ya

カザフ語で使うキリル文字ではないが、ラテン文字に対応させるものに、次のようなものがある(-は対応なし)

カザフ語外のキリル文字・ラテン文字対応
В Ё Ц Ч Щ Ъ Ь Э
в ё ц ч щ ъ ь э
V Yo C Ç Şç E

カザフスタンにおけるカザフ語の地位

カザフスタン共和国では、カザフ語はロシア語と並んで公用語に指定されている。また同国憲法では国家語とされるなど、重要な地位を与えられている。ソ連崩壊後の独立後、長い間ロシア語が優勢であったが、政府はメディアを通してカザフ語普及に努めており、アルマトイ等都市部を中心にカザフ語話者の数は着実に増えている。町中でロシア語を使うと「カザフ人ならカザフ語を使いなさい」と指摘されるケースも散見される。

関連項目

脚注

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外部リンク

テンプレート:Sister

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  1. 淺村卓生「カザフスタンにおける自国語振興政策政策及び文字改革の理念的側面」『外務省調査月報』2011(1):1-24.