うたう!大龍宮城
東映不思議コメディーシリーズ | ||
通番 | 題名 | 放映期間 |
第12作 | 不思議少女 ナイルなトトメス |
1991年1月 - 同年12月 |
第13作 | うたう!大龍宮城 | 1992年1月 - 同年12月 |
第14作 | 有言実行三姉妹 シュシュトリアン |
1993年1月 - 同年10月 |
テンプレート:Infobox animanga/Header テンプレート:Infobox animanga/TVDrama テンプレート:Infobox animanga/Cast テンプレート:Infobox animanga/Footer 『うたう!大龍宮城』(うたう だいりゅうぐうじょう)は、1992年1月5日から同年12月27日までフジテレビ系列で放映された特撮テレビ番組。東映不思議コメディーシリーズ第13作。全51話。
目次
概要
地球環境の汚染によって壊滅的な被害を受けた竜宮城の乙姫(中山博子)らが人間界にやってきて、様々な騒動を巻き起こすコメディドラマ。エド山口、斉藤暁ら多くの役者が魚介類を擬人化したキャラクターを演じ、スラップスティックコメディの世界を繰り広げる。
浦島太郎をモチーフにしており、日本のテレビドラマとしては珍しい本格的なミュージカル仕立てになっているのが本作品の最大の特徴である[1]テンプレート:Sfn[2]。『宇宙船』テンプレート:Fullでの東映プロデューサーの日笠淳のインタビューによると、物語の骨子にミュージカルを提案したのは局側のプロデューサーである石原隆であったようである。最初は無謀な挑戦であると弱腰であった日笠だが、前作に引き続きメインライターの浦沢義雄とともに不条理で奇抜なコメディを構築していった。内容に相応しい奇抜なコミックソングも多いが、音楽監督の本間勇輔は主題曲やエンディングなどではストリングスを駆使した本格的ブロードウェイ調も披露、日本の映像ミュージカルという非常に類例の少ない分野に正面から切り込んだ。また当初は菅野美穂、『重甲ビーファイター』の葉月レイナも主役の乙姫役の候補に挙がっていたという[3]。
本作は企画書決定稿の存在が定かではなく、確認されている仮企画書のタイトルは「乙姫パニック」であり、内容も大きく異なっている。またミュージカル仕立てにするといった基本的な部分もこの段階では存在しなかった。さらに第1話脚本は、表題に『乙姫ピンピン』第1話「危ない芸能リポーター」と書かれたバージョンもあり、直前までこのタイトルが番組名として付いていたと思われる[3]。
全作品を書き上げた浦沢義雄が度々本作品に愛着があることをインタビューで語っていること、石原隆もラジオにて本作品に特別に言及するなど作り手側に非常に思い入れの深いシリーズであったようだが、視聴率面では苦戦。前番組『不思議少女ナイルなトトメス』では13.4%だった平均視聴率が10.1%に減少してしまう結果になった。
あらすじ
勉強嫌いの浦島タローはある日、テレビでおなじみの芸能レポーターに文句をつけられているタクシー運転手の亀山海吉(正体はカメ)を助けた事により、海の中にいる乙姫のもとへ連れて行かれる。しかし、龍宮城は海洋リゾート開発で海が汚染され崩壊してしまっていた。乙姫はタローに助けを求める。一方、タローの父親は1年間のフィジー転勤を迫られていた。いつも勉強を押し付ける母親もフィジーでのリゾート生活に乗り気で「タローの面倒を見てくれる人がいれば夫婦揃ってフィジーに行ける」とグチをこぼす。そこでタローは勉強から逃げられる事と少しばかりのいやらしい気持ちで乙姫に保護者として浦島家に住みこんでもらうことを提案し、両親は揃って家を空け乙姫との生活が始まった。しかし、思いも虚しく乙姫の両親の鯨大王と珊瑚女王も同居する事に。乙姫一家は浦島家での生活を通じ、散り散りになった龍宮城の生き物たちと再会するが、彼らは人間社会での暮らしで心がすさんでいた。龍宮城で歌い、踊っていた頃と同じ様に歌い、踊り、彼らを純粋な心に改心させていく。同時に人間の世界とその心も理解してゆく。
登場人物
- 乙姫
- 龍宮城の主。浦島タローに亀山海吉を助けてもらったついでに、崩壊した龍宮城から自分も助けてもらうようタローにお願いをし、浦島家に住み込む。常に散り散りになった龍宮城の魚介類の事を気にかけ、行方を捜し、さらに生活相談や就職相談も行っている。龍宮城の魚介類と会うときには正装になる。龍宮城最大の掟である「勉強をすると素直に遊べなくなるので、勉強はしてはいけない」に反発し、向学心旺盛。龍宮城を再建するのが夢。浦島家では掃除やお菓子作りもする。姉にタイがいるが龍宮城の継承権を放棄した。
- 19話より「人生は二度ない、三度ある。崩壊した龍宮城の主、乙姫!」の名乗り口上を使う。
- 龍宮城の魚介類は寿司が天敵で見るだけで足腰が立たなくなったり、毒気にやられ気絶する。
- イメージカラーはホワイト。
- 浦島タロー
- 浦島家の息子。小学5年生(中盤で6年生に進級)。両親の代わりに保護者になってくれる乙姫一家を自宅に居候させ同居する。勉強が嫌いだが、乙姫が勉強を教えてもらいたがるため勉強せざるを得なくなり、偏差値が少し上がる。少々スケベで可愛い女の子にめっぽう弱い。友達合わせて四人の乙姫に対する感情とスケベ心は劇中歌「この世にまさしく」で歌われる。男友達連中ともども、乙姫(と可愛い女の子)の匂いを嗅ぐのが好き。
- イメージカラーはレッド。
- キヨシ
- タローの友達。太目の少年。年上のかわいい女の子に弱いが、勇気と信頼、正義感を隠し持つ。
- イメージカラーはイエロー。
- トオル
- タローの友達。メガネをかけている少年。少々人生を達観している。母親と死別し、父親と二人暮らし。酔っ払いが嫌い。
- イメージカラーはピンク。
- マサヒコ
- タローの友達。痩せている少年。しょっちゅう初恋をしており、優しい看護婦(ブリ)・給食のおばさん・緑のおばさん・文房具屋のおばあちゃんと守備範囲は広い。
- イメージカラーはグリーン。
- 東シンコ
- タローと仲のよい女の子。タローの事が好きだが、タローが周りに冷やかされるのを嫌がり一緒にいてくれなくなり、不満を感じている。寿司屋「東鮨」の次女。
- 鯨大王
- 乙姫の父親。龍宮城の再建は乙姫に任せ、妻の珊瑚女王と一緒にいつもどこかに遊びに出かける。乙姫を溺愛しており、また魚介類やタローたちと一緒に遊ぶ面倒見の良い人物。弟がサバで父親はサンマ。
- 珊瑚女王
- 乙姫の母親。鯨大王といつも遊びに出かけるが、しっかり家事もしている。鯨大王と同じく面倒見の良い人物。夫婦関係はかかあ天下。
- 亀山海吉
- 正体はカメ。龍宮城の魚介類しか乗せないカメマークが付いたタクシー運転手であり、乙姫一家の世話役。歌以外では言葉を発せられないが、龍宮城の面々には言いたい事が理解できる。腕っ節が強い。タクシーのナンバーは「龍宮55あ12-12」
- タローのおばあちゃん(宇田川直美)
- 一流商事会社「丸藤商事」の会長。娘がタローの母で、タローの父が同社で課長として勤めている。祖母の会社で父が主導しているリゾート開発で龍宮城が崩壊し、龍宮城の魚介類はそれを恨んでいるため、タローは祖母の地位が龍宮城の面々に知られるのを回避しようとするが…。
- UFO
- 乙姫に恋した謎の未確認飛行物体。人間体の時は頭にUFOが付いた金色全身タイツ姿。自分が乙姫の子供を産みたいため、乙姫に執拗に迫る。
- "ひ"を"し"と発音するので、"おとしめ""未確認しこう物体"と言う。
- ナレーター
- サブタイトルに使用された魚介類の説明のみ行う。特に食材として説明に重点を置き、調理法や味、個人的な好みを言う。物語中のナレーションはタローが行う。
乙姫の能力
- 玉手箱の笛
- ペンダントを変化させたピンク色の横笛(前期オープニングテーマでのみ赤色)。吹き口がピンク色の貝で出来ている。音を聞かせた相手を若返らせたり、歳を取らせることが出来る。また、汚れた心を浄化したり雷を呼ぶなど様々な魔法を使える。
- ブレスレット
- 左手にはめられている。ホタテ貝のマークが付いている。相手に近づけると元の生き物を当てたり、状態を診断してくれる。
- コンパクト
- 指輪を6ヶ所にしまえ、5種類の指輪が入っている。6つ目はいつも乙姫がはめている。指輪には海のミネラルが詰まっており、弱った魚介類の指にはめる事で体調を回復させる。
- マント
- 正装で着用しているマント。名乗りを上げた後、相手に被せ目くらましに使うほか、なびかせて強風を起こす。
- 平和なハープ
- 乙姫しか奏でられない、貝の形をしたピンク色の小型ハープ。音色を聞くと穏やかな心になる。また、玉手箱の笛と同様に様々な魔法が使える。選ばれし者が選ばれし処で選ばれし時に奏でると龍宮城が復活する伝説がある。第30話から登場。
- 笛
- 乙姫がタローに渡した巻貝型のスライド笛。音色は必ず乙姫に届き、タローが乙姫に連絡する時に吹く。第35話から登場。
キャスト
- 乙姫 - 中山博子
- 浦島タロー - 大野修平
- キヨシ - 杉内竜太
- トオル - 菊地大助
- マサヒコ - 藤田豪
- 東シンコ - 若松恵
- 鯨大王 - エド山口
- 珊瑚女王 - ティナ・グレース
- 亀山海吉 - 斉藤暁
- 宇田川直美(タローのおばあちゃん) - 三條美紀
- UFO - 螢雪次朗
- ナレーター - 岡部政明
スタッフ
- 原作 - 石ノ森章太郎
- 企画 - 小林義明(東映)/木村京太郎(読売広告社)/石原隆、高橋松徳(フジテレビ)
- プロデューサー - 日笠淳、西村政行、髙寺成紀(東映)
- 監督 - 坂本太郎、佐伯孚治、岩原直樹、村山新治
- 脚本 - 浦沢義雄
- 撮影 - 大沢信吾、利根川曻、林迪雄
- 計測 - 高田謙一
- 助監督 - 河田章、北出和也、田部井稔、加藤弘之
- 音楽 - 本間勇輔
- 制作 - フジテレビ、東映、読売広告社(同社はノークレジット扱い)
主題歌
- オープニングテーマ - 「龍宮城でシュビドゥワー」
- 作詞 - あさくらせいら 作曲 - 本間勇輔 編曲 - 本間勇輔、丸川和範 歌 - タイム・ファイブ、伊東恵里(日本コロムビア)
- 12話までは歌詞表示がなかったが、13話より歌詞が表示され、それに伴いスタッフクレジット表示が変更された。また、一部歌詞表示のタイミングがずれていた部分があり15話から修正された。
- エンディングテーマ - 「フィナーレ」
- 作詞 - あさくらせいら 作曲 - 本間勇輔 編曲 - 本間勇輔、丸川和範 歌 - リュー・グー・フォー(中山博子、エド山口、ティナ・グレース、斉藤暁)(日本コロムビア)
- ミュージカル作品の性質から毎回のEDは本編の映像に乗せてその回の全出演者・スタッフがスクロール表記されるというシリーズでは一線を画した演出だった。(それまでのシリーズでは、OPで紹介された以外のキャスト及びスタッフがクレジットされる形式だった。ちなみに次作の「シュシュトリアン」ではこれ以前のシリーズと同様のパターンに戻る。)
- 役名の表示がなかったが、第31話から役名も表示されるようになった。最終回では、歌に入ると同時にセットの撤去が始まり、出番を終えた他の出演者が花束を持って次々に駆けつけ、素通しとなったスタジオで一同が舞い踊りながら幕を閉じるという趣向になっている。
劇中歌
番組オリジナル曲 作詞 - 浦沢義雄 作曲・編曲[4] - 本間勇輔
- 「目を閉じて」 歌 - 中山博子、斉藤 暁
- 「ログマ イタコタ」 歌 - 中山博子、大野修平
- 「哀しみと空き缶」 歌 - 梅垣義明、エド山口
- 「メソメソ」 歌 - リュー・グー・フォー&タキトマ・シャウフ
- 『タキトマ』はタロー・キヨシ・トオル・マサヒコの頭文字
- 「ラブ ラブ ラブ」 歌 - ティナ・グレース
- 「ウニ!ハイ!」 歌 - エド山口、他
- 「この世にまさしく」 歌 - 大野修平、他
- 放送版では実在の商品名が入っており、CDでは収録できないため[5]CD版では歌詞が変更されている。
- 「私は哀しい」 歌 - 柴田理恵、他
- 「美しい心」 歌 - 大野修平、他
- 「一番街に」 歌 - 螢雪次朗、他
- 「美しい心Part II」 歌 - 中山博子、斉藤 暁
- 「選ばれし者」 歌 - 獄道優子、他
- 「魚が笑った」 歌 - タキトマ、他
- 「シーラカンスは昔」 歌 - エド山口、他
- CD版は歌詞の一部が削除、2番は改変されている。
- 「するする」 歌 - エド山口、斉藤 暁
- 「ピーター!」 歌 - リュー・グー・フォー
- 「私はヒラマサ」 歌 - 大場健二
特別劇中歌
放送リスト
放送日 | 話数 | サブタイトル | ゲスト | 監督 |
---|---|---|---|---|
1月5日 | 1 | カメ | 坂本太郎 | |
1月12日 | 2 | タコ |
| |
1月19日 | 3 | イカ | 佐伯孚治 | |
1月26日 | 4 | サバ |
| |
2月2日 | 5 | アジ |
|
岩原直樹 |
2月9日 | 6 | ウニ | ||
2月16日 | 7 | フグ | 坂本太郎 | |
2月23日 | 8 | タイ | ||
3月1日 | 9 | サメ | 佐伯孚治 | |
3月8日 | 10 | ブリ | ||
3月15日 | 11 | カキ | 岩原直樹 | |
3月22日 | 12 | エイ | ||
3月29日 | 13 | シャコ |
|
村山新治 |
4月5日 | 14 | マグロ |
| |
4月12日 | 15 | クラゲ | 坂本太郎 | |
4月19日 | 16 | サヨリ | ||
4月26日 | 17 | カツオ | 岩原直樹 | |
15月3日 | 18 | サンマ | ||
5月10日 | 19 | アサリ | 佐伯孚治 | |
5月17日 | 20 | ヒラメ | ||
5月24日 | 21 | アワビ | 村山新治 | |
5月31日 | 22 | イワシ | ||
6月7日 | 23 | ナマコ | 岩原直樹 | |
6月14日 | 24 | ウツボ | ||
6月21日 | 25 | カサゴ | 村山新治 | |
6月28日 | 26 | ヒトデ | ||
7月5日 | 27 | マンボウ |
|
佐伯孚治 |
7月12日 | 28 | イセエビ | ||
7月26日 | 29 | ヤドカリ |
|
岩原直樹 |
8月2日 | 30 | アイナメ | ||
8月9日 | 31 | トビウオ |
|
村山新治 |
8月16日 | 32 | カワハギ | ||
8月23日 | 33 | ハマグリ | 佐伯孚治 | |
8月30日 | 34 | ヒラマサ |
| |
9月6日 | 35 | アカガイ | 岩原直樹 | |
9月13日 | 36 | イシモチ | ||
9月20日 | 37 | タチウオ | 坂本太郎 | |
9月27日 | 38 | フジツボ | ||
10月4日 | 39 | ホタテガイ | 村山新治 | |
10月11日 | 40 | コバンザメ | ||
10月18日 | 41 | ウミタナゴ |
|
岩原直樹 |
10月25日 | 42 | ホタルイカ | ||
11月1日 | 43 | ムツゴロウ | 坂本太郎 | |
11月8日 | 44 | タラバガニ | ||
11月15日 | 45 | スズメダイ | 岩原直樹 | |
11月22日 | 46 | シーラカンス | ||
11月29日 | 47 | スケトウダラ | 佐伯孚治 | |
12月6日 | 48 | プランクトン | ||
12月13日 | 49 | イソギンチャク | 村山新治 | |
12月20日 | 50 | タツノオトシゴ | ||
12月27日 | 51 | リュウグウノツカイ |
|
映像ソフト化
コミカライズ
脚注
参考文献
外部リンク
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- ↑ 3.0 3.1 『愛ある限り戦いましょう!~不思議美少女コレクション~』(2004年 主婦と生活社)
- ↑ 編曲担当はCD版のみ。エンディングクレジットでの編曲はリュー・グー・フォー。
- ↑ DVD VOL.4のブックレットで日笠プロデューサーの発言。