苫小牧港
苫小牧港(とまこまいこう)は、北海道苫小牧市から勇払郡厚真町にわたる港湾。港湾法上の国際拠点港湾で港湾管理者は北海道・苫小牧市が設立する特別地方公共団体(一部事務組合)の苫小牧港管理組合。港則法上の特定港であり、全国8箇所の中核国際港湾の1つとして指定も受けている。
目次
概要
主に工業港を担う西港区と、主に物流基地を担う東港区からなる。西港区は、1951年に国内初の内陸堀込式港湾として工事が行われた[1]。貨物取扱量では国内第5位であり、北海道全体の港湾貨物取扱量の40%以上を占める。西港区およびその後背地を、東港区および苫東地域と区別して「現苫(げんとま)」と呼ぶことがある。
規模
埠頭
- 西港区([[[:テンプレート:座標URL]]42_38_11.8_N_141_37_49.8_E_&title=%E8%8B%AB%E5%B0%8F%E7%89%A7%E6%B8%AF%E3%83%BB%E8%A5%BF%E6%B8%AF%E5%8C%BA 地図])
- 東埠頭
- 西埠頭
- 南埠頭
- 北埠頭
- 入船埠頭(西港フェリーターミナル併設)
- 開発埠頭(太平洋フェリーターミナル併設)
- 日軽金埠頭
- 晴海埠頭
- 中央北埠頭
- 中央南埠頭
- 日の出電気化学埠頭
- 勇払埠頭
- 石油埠頭
- 出光埠頭(苫小牧オイルターミナル併設)
- 東港区([[[:テンプレート:座標URL]]42_36_9_N_141_48_1.9_E_region:JP&title=%E8%8B%AB%E5%B0%8F%E7%89%A7%E6%B8%AF%E3%83%BB%E6%9D%B1%E6%B8%AF%E5%8C%BA 地図])
- 中央ふ頭
- 周文(しゅうぶん)ふ頭(東港フェリーターミナル併設)
姉妹港・友好港
開港までの経緯
苫小牧の漁業は明治当初、イワシの地引き網漁が中心であったが、大正時代になると不振が続いた。そこで地元の漁家・今井寅之助は、沖合漁に乗り出すべく私財を使って漁港築港を試みたが、元来この近海は潮流の激しいところであったために失敗する。しかし今井の試みは地元の強い支持を受け、まもなく請願運動に発展した。
陳情を受け、大正後期から昭和初期にかけて、北海道庁技師・林千秋によって、石狩炭田の石炭積出港として計画された(「勇払築港論」と呼ばれる)。1935年漁港として苫小牧町(当時苫小牧は市制施行前である)が4千円を投じて試験工事を行うが、これも同様に失敗する。1939年には北海道庁土木部による工業港湾としての計画が策定されるが、太平洋戦争により完全に頓挫する。
だがそれでも地元は港をあきらめず、「勇払築港論」を唱えて請願を続けた。その結果、戦後になって1935年に着工したまま波に洗われていた試験突堤が「港湾」とみなされ、港湾統計法による調査対象とされた。 その後、政府から「60km先の室蘭に良港があるため、苫小牧に港湾は不要」という意見が浮上した。しかし最終的には、当時の石狩炭田の大増産にともない、室蘭、小樽では積み出しが追いつかない、という結論に達し、ここに国家計画として苫小牧港の築港が決定した。なお、石炭政策を重要視した政府は、第1船入港前の苫小牧港に対して異例ともいえる、重要港湾の指定を行った。
開港後、エネルギー政策の転換と日本列島改造論により東港区を新築し、大規模工業港としての変身をとげようとした。だが大規模工業港計画(苫小牧東部開発計画)は頓挫し、総合物流基地に計画を変更され、現在に至る。
沿革
- 1949年 地方港湾の指定を受ける
- 1951年 苫小牧港起工式
- 1954年 アイソトープ投入による漂砂追跡試験開始
- 1960年 内陸堀込作業開始
- 1963年 重要港湾の指定を受ける、第1船が入港する
- 1965年 苫小牧灯台が完成、苫小牧港管理組合発足、貨物定期航路開設
- 1966年 関税法上の開港指定、漁港区使用開始
- 1972年 フェリー就航
- 1975年 貨物取扱量北海道第1位(2005年現在に至るまで、以降29年連続)
- 1976年 東港区の着工
- 1978年 ネーピア港(ニュージーランド)と姉妹港締結
- 1979年 年間貿易額北海道第1位(2005年現在に至るまで、以降25年連続)
- 1980年 東港区に第1船が入港
- 1981年 特定重要港湾(現・国際拠点港湾)の昇格指定を受ける(北海道では室蘭港に次いで2番目)
- 1985年 秦皇島港(中華人民共和国)と友好港締結
- 1989年 外国貿易船1万隻目入港
- 1997年 入船ふ頭国際コンテナターミナル供用開始
- 1999年 日本海航路カーフェリー就航(東港区)、外国貿易船2万隻目入港
- 2003年 貨物取扱量が年間1億トンを突破
入港船舶数(2004年実績)
- 内航商船:10,172隻
- 外航商船:1,118隻
- その他:3,922隻
- 合計:15,212隻
貨物取扱量(2004年実績)
近年、海外向けコンテナ貨物の取扱量が急増。1995年から2005年にかけて取扱量が10倍になった。
- 輸出:903,939トン
- 輸入:15,479,280トン
- 輸出入計:16,383,219トン
- 移出:39,640,563トン
- 移入:46,009,662トン
- 移出入計:85,650,225トン
- 総計:102,033,444トン(国内の海洋港湾としては第5位)
主要定期航路
旅客・フェリー
便数・運航日等、運航に関する詳細は公式サイトで最新情報を確認されたい
苫小牧港フェリーターミナル
アクセス
- 道央自動車道:苫小牧東インターチェンジより約20分。
- 札幌駅バスターミナルより北海道中央バス「高速とまこまい号」(約1時間40分)。
- 苫小牧駅より道南バス(旧苫小牧市営バス)(約20分)または北海道中央バス「高速とまこまい号」(約13分)。
- 新千歳空港より北都交通(約30分)。
苫小牧東港周文フェリーターミナル
アクセス
- 自動車:日高自動車道 厚真インターチェンジより5分程度。
- バス:
- 苫小牧駅より道南バス(旧苫小牧市営バス)(約40分)。各フェリー便に連絡運転する。
- 札幌駅バスターミナルよりジェイ・アール北海道バス(約1時間30分、運行期間限定)。
- 鉄道:北海道旅客鉄道(JR北海道)日高本線・浜厚真駅より約2km(徒歩約30分)。
貨物
- 八戸港(青森県)
- 秋田港(秋田県)
- 仙台港(宮城県)
- 酒田港(山形県)
- 茨城港日立港区(茨城県)
- 茨城港常陸那珂港区(茨城県)
- 東京港(東京都)
- 川崎港(神奈川県)
- 横浜港(神奈川県)
- 清水港(静岡県)
- 伏木富山港(富山県)
- 金沢港(石川県)
- 名古屋港(愛知県)
- 堺泉北港(大阪府)
- 大阪港(大阪府)
- 神戸港(兵庫県)
- 水島港(岡山県)
- 境港(鳥取県)
- 高松港(香川県)
- 広島港(広島県)
- 大分港(大分県)
- 志布志港(鹿児島県)
海外
- ボストチニー(ロシア)
- 蔚山(大韓民国)
- 釜山(大韓民国)
- 上海(中華人民共和国)
- 福州(中華人民共和国)
- 泉州(中華人民共和国)
- 寧波(中華人民共和国)
- 香港(中華人民共和国)
- 青島(中華人民共和国)
- キールン(台湾)
- カオシュン(台湾)
- シンガポール(シンガポール)
- バンコク(タイ王国)
- シアトル(アメリカ合衆国)
- バンクーバー(カナダ)