朝鮮人民軍の兵器一覧
朝鮮人民軍の兵器一覧(ちょうせんじんみんぐんのへいきいちらん)は、朝鮮人民軍が保有する、もしくは保有していると考えられている兵器の一覧である。各兵器の詳細については、各項目を参照されたい。
名称が「M+4桁の数字」となっているのは、一部を除きアメリカ国防総省が名づけたコードネームで、正式名称ではない。4桁の数字は最初に確認された年を西暦で表したものである。
銃砲類
拳銃・自動拳銃
- 64式拳銃 - 北朝鮮が初めて国産化した拳銃。FN ブローニングM1900の改良型。将校自衛用と特殊部隊用の消音器装着型が有[1]。
- 66式拳銃 - マカロフ PMをライセンス生産したもの[2]。
- 68式[2]拳銃 - トカレフTT-33の独自改良型。人民軍のみならず、警察などで広く用いられているとされる。国外へも輸出されている[1]。韓国では、68式拳銃として知られる物が66式拳銃と認知されている。
- 70式拳銃 - 将校用に開発されたFN ブローニングM1910の改良型。アフリカなどへ輸出されている[1]。
- M1911 - アメリカ製の自動拳銃。金正日の警護官が携行しており、金正日や彼の料理人だったとする藤本健二が余興で発砲することもあったという[3]。
- ノーリンコ NZ75 - 中国北方工業公司が製造した、イタリアのタンフェリオ TA90のコピー。人民軍空軍の操縦士が自衛用に携行している。中国から輸入したのか、国産化したのかは不明[1]。
この他、Cz75も「白頭山拳銃」の名で下賜用に生産されているといわれている。また、朝鮮人民軍は1991年に「9ミリ白頭山拳銃」への更新が完了したとされているが[2]、68式ではない別の拳銃である(Cz75を国産化したものかは不明)金正日の警護官に選抜された兵士には、スローガンが彫られた「口径9.6mmの拳銃」が供与されている[4]。
短機関銃
- Vz61 - 特殊部隊に配備されており、韓国領内の南侵トンネルから消音器付きの状態で発見された。
- M3サブマシンガン - 1962年に発行された「米帝国主義の手先、朴傀儡政権を打倒せよ!!」と題した切手には、朴正煕風の男が2人の朝鮮人民軍兵士に突き立てられる絵が描かれているが、それぞれAK系のライフルとM3サブマシンガンを携行している[5]。また、軽歩兵旅団にも配備されているという[6]。
- 49式短機関銃 - ソ連のPPSh-41を国産化した短機関銃。1950年代まで製造され、63式小銃や58式小銃の配備で、民兵向けに払い下げられた[7]。
自動小銃
- 58式小銃 - AK-47のライセンス生産型。
- 63式小銃 - SKSカービンのライセンス生産型。独自の改良も行なわれている。
- 68式小銃 - AKMのライセンス生産型。
- 88式小銃 - AK-74のライセンス生産型。
- 98式小銃 - AK-74のライセンス生産型だが、プラスチック部品が金属製になっている。
- 折畳銃床のAKMSとAKS-74が九州南西海域工作船事件で使用され、海中から回収された。
- AK系の自動小銃にはライフルグレネードを装着することが可能である。
なお、軽歩兵旅団にM16が配備されているという説がある[6]。
狙撃銃
機関銃
- RPD 7.62mm機関銃 - 62式機関銃の名でライセンス生産した。
- RPK/RPK-74 機関銃 - 軽歩兵旅団に配備されている。
- PK 7.62mm機関銃 - 九州南西海域工作船事件で海中から回収された。82式機関銃とハングル文字が刻印されており、国産されているが特殊部隊向けで広範囲に配備されていないという[2]。
- KPV 14.5mm機関銃 - 戦車や装甲車の副武装に多数用いられており、T-54/55やT-62、59式戦車の砲塔上に搭載されているDShK 12.7mm重機関銃やNSV 12.7mm重機関銃もKPVに換装されている。
- 73式軽機関銃
その他携行火器
- AGS-17 - M1992装輪装甲車のキューポラに装備されている。
- RPG-7 - 「7号発射管」の名でライセンス生産されており、歩兵連隊の発射管中隊に配備されている[2]。九州南西海域工作船事件では2回にわたって使用され、ハングルで「68式7号発射管」と刻印された発射機が海中から回収された。
無反動砲
- SPG-9 - B-10を軽量化した無反動砲。
- B-10無反動砲 - 82mm口径の無反動砲。九州南西海域工作船事件でも海中から回収されたが、細部が異なる。
- B-11無反動砲 - B-10を大型化した107mm口径の無反動砲。海軍の特殊部隊である上陸狙撃旅団にB-10に替わって配備されている[6]。
野砲
- A-19 122mmカノン砲
- D-1 152mm榴弾砲
- D-20 152mm榴弾砲 - 中国製の66式も有。
- D-30 122mm榴弾砲
- D-74 122mmカノン砲 - 中国製の60式も有。
- M-10 152mm榴弾砲
- M-30 122mm榴弾砲 - 中国製の54式も有。
- M-46 130mmカノン砲 - 中国製の59-I式も有。
- ML-20 152mm榴弾砲(M1937)
対空砲
朝鮮人民軍では、航空戦力が著しく老朽化しているため、敵の航空戦力に対処するために対空砲の配備に力を入れている[2]。
- S-60 57mm対空砲 - 中国製の59式も有。
- ZPU-1 14.5mm機関砲
- ZPU-2 14.5mm連装機関砲 - 中国製の58式も有。九州南西海域工作船事件では工作船に格納されていた。
- ZPU-4 14.5mm4連装機関砲 - 中国製の56式も有。
- ZU-23-2 23mm機関砲
- 30mm多連装対空砲 - 1997年に開発が完了し、同年の軍事パレードに登場した直後に金正日が公開を中止させたという国産の新型対空砲。M61 バルカンに類似した6連装銃身を有する。自走型も有[2]。
- KS-12 85mm対空砲 - 中国製の72式も有。
- KS-19 100mm対空砲 - 中国製の59式も有。
- M1939 37mm機関砲 - 中国製の55式も有。
軍用車両
戦車は濃淡2色のオリーブドラブで迷彩が施され、自走砲など他の軍用車両は濃いオリーブドラブ一色で塗装されている。車両側面には白で3桁の数字が書かれてある。
非装甲車両
- UAZ-469 - ソ連製の4輪駆動車で東側陣営で多用された「ソ連版ジープ」とも呼べる車両。
- 勝利415 - UAZ-469に酷似した4輪駆動車で、同車をライセンス生産もしくはコピーした車両。「415」は金日成の誕生日4月15日に因んでいる[5]。
- 錦繍山(Kumsusan) - 40トン級のダンプカー。名前は、かつて金日成の主席宮殿で、現在では遺体が安置されている錦繍山記念宮殿がある地名。
- 勝利(Sung-ri)58 - ソ連製GAZ-51 2.5tトラックのライセンス生産型[5]。荷台の両側面に9K32(SA-7)携行対空ミサイル発射機を2基装備した基本型を基に、各種対空砲を搭載、または牽引するタイプなど多くの種類がある。
- 勝利1010 - 1961年に開発された6輪の大型トラック。車高が高く、馬力が出るため朝鮮人民軍に優先的に配備されている。設計には、帰国事業で北朝鮮に渡った元在日朝鮮人技術者金昶黙が関わっている[5]。
- 勝利64 - 1964年に開発された6輪の10t大型トラック。[5]。
- 勝利428 - 中型トラック。
トラックは勝利自動車工場で製造されており、製造されるトラックの大半が軍に優先的に配備されている。いずれも製造され始めてかなり経つが、マイナーチェンジなどはほとんどされていない。
この他、外為法改正による経済制裁以前に輸入した日本製の中古車(特にトラック)もかなり広範に用いられていると考えられる。また、中国製のジープやトラックも大隊長・連隊長用に用いられているが、故障しやすく馬力不足で不評である一方で、ジルなどのロシア製トラックは馬力が出て多くの物資を搭載できるため好評だったという[2]。重村智計によると、高速道路では故障して立ち往生しているトラックが目に付く上に、ジープは約60km/hほどでしか走行していなかったという[8]。
戦車
- T-34-85 - 既に退役したと考えられているが、1993年の軍事パレードに参加している。
- T-54/55
- 59式戦車 - T-54戦車を中国がライセンス生産したもの。
- 爆風号 - T-55の改良型とされる戦車で、暴風号とは別の車両。主砲を125mmに強化しているが、自動装填装置を有していない[2]。
- T-62 - 自国でもライセンス生産され、「天馬號(チョンマホ、천마호、Ch'ŏnma-ho)」と呼ばれている。「天馬號4号(チョンマサーホ)」は砲塔の形状が変化し、レーザー測距機やサイドスカート、爆発反応装甲を装備して近代化されている。
- T-72 - 1990年代に、購入したり、ライセンス生産したとされるが、どちらも確証はない。
- 暴風号 - 「ポップンホ(P'okpoong-Ho)」、米軍呼称でM2002とも呼ばれる。北朝鮮がT-62を基に独自の改修を加え、1990年代初頭から2002年頃にかけて開発したものと見られる[9]。具体的な改良点や性能について不明な点が多い。
軽戦車
歩兵戦闘車
装甲兵員輸送車
- MT-LB
- BTR-40
- BTR-50
- VTT-323 - 中国製の63式装甲兵員輸送車を北朝鮮で国産化した装軌式装甲車で、アメリカ側呼称はM1973。KPV 14.5mm機関銃2丁とPKT 7.62mm機関銃1丁、9K34対空ミサイル4本を装備した砲塔を搭載しており、APCの中でもかなり重武装である。対戦車ミサイル装備型(AT-3の4連装発射機を装備)、ロケットランチャー装備型などの派生型もある。PT-85戦車の原型にもなっている。
- K-61 - ソ連製の装軌式装甲車。舟形をした開放式の車体で、水陸両用。
装輪装甲車
- BTR-152
- BTR-60
- BTR-80 - BTR-80Aを10両のみ保有しているとされる。
- M1992 - 北朝鮮国産の装輪装甲車で、制式名称は不明。4輪で、浮航が可能だと考えられる。9K111「ファゴット」(AT-4「スピゴット」)対戦車ミサイル4連装発射機とAGS-17と思われるグレネードランチャーを装備したタイプと、107mm24連装ロケットランチャーを装備したタイプが確認されている[10]。
- BRDM-2 - 米軍呼称でM1996とも呼ばれる。改良型も有。
自走砲
北朝鮮は自走砲の国産化に非常に熱心であり、これまでに幾つものタイプが知られている。一部の自走砲にはソ連製のATS-59砲兵トラクター(en)を元にした「トクチョン(Tok-Ch'on)」という国産の装甲車両を使用している。
- M1978 170mm自走カノン砲「主体砲」 - 59式戦車の車体に沿岸砲を搭載したもの。駐鋤を装備している。アメリカのM110自走榴弾砲同様、砲弾や操作人員は別途の輸送が必要。M1989と交代して既に退役したとする文献[11]もある。イランに輸出されており、イラン・イラク戦争時にイラクが鹵獲した車体が湾岸戦争後に発見されている。
- M1989 170mm自走カノン砲「主体砲」 - M1978の後継か。トクチョン装甲車両を用いているが、車体はかなり大型化されており、要員・弾薬の輸送が可能になっている。外観はソ連製の2S7ピオン 203mm自走カノン砲に類似する。UAEに少数が輸出されたが、既に退役している。
- M1977 152mm自走カノン砲 - D-1 152mm榴弾砲を装備。
- M1992 130mm自走カノン砲 - SM-4-1 130mm沿岸砲をトクチョン装甲車両に装備。砲の周りに防盾が装備されている。
- M1975 130mm自走カノン砲 - M-46 130mmカノン砲を装備。改良型のM1981、M1991も有。
- M1985 122mm自走カノン砲 - A-19 122mmカノン砲を装備。
- M1991 122mm自走カノン砲 - D-74 122mmカノン砲を装備。確認されている自走カノン砲の中で唯一砲塔を備えている。
- M1981 122mm自走カノン砲 - D-74 122mmカノン砲を防盾ごとトクチョン装甲車両に装備。カノン砲の両側面には9K32(SA-7)携行対空ミサイル発射機も2基装備している。
- M1974 152mm自走榴弾砲 - D-20 152mm榴弾砲を装備。
- M1977 122mm自走榴弾砲 - D-30 122mm榴弾砲をトクチョン装甲車両に装備。
- M1992 120mm自走迫撃砲 - 砲塔を備えており、限定的ながら自走榴弾砲としても運用可。
対空戦車
- ZSU-57-2 57mm連装自走対空砲 - 中国で生産された56式の可能性もあり。一部は59式戦車の車体を使用。
- ZSU-23-4 23mm4連装対空砲
- M1985 37mm自走対空砲 - トクチョン装甲車両にM1939 37mm連装機関砲を開放式に搭載。機関砲の両側面には9K32(SA-7)携行対空ミサイル発射機を1基ずつ装備している。
- M1992 30mm自走対空砲 - M1991 122mm自走カノン砲と同型の車体にZSU-23-4に類似した砲塔と対空レーダーを搭載。ZSU-23-4の火力強化を図ったタイプ。
- M1990 30mm自走対空砲
- M1992 23mm自走対空砲
- M1983 14.5mm自走対空砲 - トクチョン装甲車両にZPU-4 4連装14.5mm機関砲を開放式砲塔に搭載。
自走ロケット砲
朝鮮人民軍は軍事境界線周辺の非武装地帯の北側にロケット砲を格納した地下シェルターを集中配置しており、南北開戦時には韓国側に先制攻撃を加えるという軍事ドクトリンを採用しているとされている。
- M1991 240mm自走ロケット砲 - 6×6輪の大型トラックに、22連装のかなり大型の240mmロケット砲を搭載。
- M1985 240mm自走ロケット砲
- M1985 122mm自走ロケット砲
- BMD-20 200mm自走ロケット砲
- RPU-14
- BM-24
- BM-21 122mm自走ロケット砲 - ソ連製。ベースとなったトラックは国産のものを使用している可能性あり。
- BM-14 122mm自走ロケット砲 - ソ連製。
- BM-11 122mm自走ロケット砲 - ソ連製。
- この他、2008年の軍事パレードには9K32(SA-7)携行対空ミサイル2基と63式107mm12連装ロケット砲を荷台に搭載した勝利58トラックが参加している。
軍用機
An-2やMi-2などの例外を除き、機体は銀または白一色で塗装されている。国籍マークは機体後部側面か垂直尾翼に描かれる。機体側面に赤で3桁から5桁の番号が書かれてある。
戦闘機
- Su-7BMK(戦闘爆撃機)
- MiG-15/bis
- MiG-17/F/P、F-5/A(F-5/Aは中華人民共和国製)
- MiG-19S/P、F-6(F-6は中華人民共和国製) - 150機
- MiG-21F-13/PF/PFM/bis、F-7B - 180機
- MiG-23MS/MLA - 46機(形式不明)
- MiG-29 «9.13» - 16機だと考えられているが、30機~最高45機程度との情報もある。さらに、泰川にライセンス生産施設があるという説もある。韓国国防部はMiG-29の数は40機であるとの見積もりを出しており、この見積もりに基づいた有時の要撃準備を進めている。
攻撃機
爆撃機
輸送機
- Li-2 - ソ連製の輸送機。第二次世界大戦時の機体だが、一部の基地に駐機したまま放置されている。14機がAn-2を補完する機体として未だに使われているとする文献もある[6]。
- An-2、Y-5 - 286機(300機という説もある[6]、Y-5は中華人民共和国製)運用状況は同項目を参照。
- An-24 - 6機
- この他、高麗航空の旅客機も有事には輸送機として運用すると考えられる。
練習機
- Su-7UMK
- MiG-15UTI
- FT-5 - 中華人民共和国製。テンプレート:Main
- FT-6 - 中華人民共和国製。テンプレート:Main
- MiG-21U/US/UM、FT-7
- MiG-23UB
- MiG-29UB
- Su-25UBK
- FB-5 - 中華人民共和国製。テンプレート:Main
- L-39 - 飛行訓練型のL-39Cと兵装訓練型のL-39ZAを計12機以上。
- CJ-6 - 中国製のレシプロ練習機。
- Yak-18 - ソ連製のレシプロ練習機。中国製のCJ-5も使用している可能性有。
ヘリコプター
- Mi-2 - ポーランド製。「革新(ヒョクシン)2号」の名でライセンス生産もされた。総生産数は約140機。
- Mi-4、Z-5(Z-5は中華人民共和国製) - 48機
- Mi-6
- Mi-8 - 27機、2001年にカザフスタンから数機を輸入している。
- Mi-14 - 8機
- Mi-17 - 20機
- Mi-24 - 50機
- Mi-26 - 4機
- ヒューズ300(アメリカ合衆国製) - 30機
- MD500(アメリカ合衆国製) - 87機
その他
軍艦
艦艇
フリゲート
- ナジン(羅津)級 - 2隻
- ソホ級 - 1隻
- クリヴァク3型国境警備艦 - 1隻。2009年になって、兵装を撤去した1隻が日本海側の港で係留されていることが判明した。ただし、運用や改装がされているかは不明[12]。元はロシアがスクラップとして売却した巡視船で、現役復帰の見込みはない。
コルベット
- 沙里院(サリウォン)型 3(4?)隻
- トラル級 1隻
潜水艦/潜水艇
- ウィスキー級 - 4隻。旧ソ連製。老朽化が著しいためほとんど行動不能と思われる。
- ロメオ級 - 22隻。一部は中国製だが、大半は1995年までに国産された。
- サンオ型 - 20隻程度。北朝鮮製。全長35mの小型潜水艦。1993年に江陵浸透事件で韓国軍に鹵獲された。
- ヨノ型 - 10隻程度。全長29mの新型潜水艇。韓国海軍「天安」を撃沈した可能性が提起されているほか、イランに輸出されている。日本語訳でサケ型とも呼ばれることもある。
- ユーゴ型 - 20隻程度。全長18mの浸透用潜水艇。数名の特殊部隊員を乗せることができる。1998年に韓国軍に鹵獲されている。
- 半潜水艇 - 船体のみ潜水可能な小型艇。韓国や日本への密入出国に用いられており、韓国沿岸で鹵獲されたものもある。
- 水中スクーター - 工作員の揚陸用に用いられているとされる。九州南西海域工作船事件で回収された他、韓国沿岸や日本の日本海側沿岸で漂着したのが見つかったことがある。
姜成山元総理の娘婿で韓国へ亡命した康明道は、1993年頃に北朝鮮が2隻のソ連製原子力潜水艦のスクラップを引き受けたが、その後、スクラップ作業を実施せずに北朝鮮国内の軍港に係留したままにしていたことを明かしている[13]。
小型艇
- ソジュ型ミサイル高速艇 50隻
- 全長:39m、全幅8.1m、排水量:210トン、速度:38ノット
- ソ連の「オーサ級ミサイル艇」を北朝鮮が独自に改良したもの。武装は、P-15(SS-N-2「スティックス」)対艦ミサイル4基、および20ミリCIWSを1基装備している。
- 206T「シュトールム」型魚雷艇 - 4隻 kpv
- 海南級警備艇 - 4隻
- 武装:57mm連装機関砲 - 2基 2-M-3 25mm連装機関砲 - 2基
- 中国製の警備艇で、中国をはじめアフリカ各国でも用いられている。1993年のノドン発射時には日本海に展開した。
- チョンジン型警備艇 - 52隻
- 工作船 - 密出入国に用いられている小型船。日本や中国の漁船に偽装しているが、大型のアンテナや小型艇を放出する扉を有しており、機関銃や携行ミサイルで武装している。自爆装置も有している。
その他
魚雷艇、哨戒艇、高速艇、兵員用の小型上陸用舟艇、ホバークラフト等を多数配備している。哨戒艇は半島西部沿岸のワタリガニ漁場で度々韓国漁船を拿捕しており、韓国海軍の哨戒艇と交戦し(第1延坪海戦、第2延坪海戦)、撃沈したこともある。
ミサイル
多連装ロケット砲
- M-1985/1989/1991
- M-1977/1985/1992/1993
- 63式130mm多連装ロケット砲
- 63式107mm 12連装ロケット砲 - 中国製の多連装ロケットランチャー。VTT-323装甲車やM1992装甲車などの陸上車両や小型艇にも搭載されている。
地対地ミサイル
- 9K52自走ロケット砲「ルナ」(R-70/FROG-7)
- P-15(SS-N-2「スティックス」)
- HY-2(CSS-N-3「シルクワーム」)
- 沿岸防衛用にM1991 122mm自走カノン砲と同型の車体に発射機を1基を搭載した車体を配備しており、積極的に演習で試射している。Il-28、An-2に搭載して空対地ミサイルとしても運用している。
対戦車ミサイル
- 9M14(AT-3「アダー」) - 「스성보(Susong-Po)」の名で用いている。ライセンス生産か?
地対空ミサイル
携帯式地対空ミサイル
- 9K32「ストレラ-2」(SA-7「グレイル」) - 「Hwasung-Chong」の名で生産。中国製のHY-5も用いられている。
- 9K310「イグラ-1」(SA-16「ギムレット」) - 九州南西海域工作船事件で海中から発射機が回収された。
弾道ミサイル
- 9K79「トーチカ」(SS-21「スカラブ」)
- KN-2 - SS-21の国産型。2008年の軍事パレードで日産製のトラックに搭載されて登場。
- スカッド
- ドクサ
- ノドン
- ノドン一号 - 初代ノドン。
- ノドン二号 - 二代目ノドン。
- 進歩型ノドン
- テポドンシリーズ
- ムスダン
その他兵器
- ATM-74 - ロシア製TMD-B地雷を基にした地雷。外ケースは木製。
- 爆薬 - 角筒形の容器に信管を組み込んだ破壊工作、および自爆用の携行爆薬が南侵トンネルや工作船から見つかっている。
- 自由-914 - 兵員降下用の落下傘。北朝鮮国産。
- 自由-91 - 自由-914の後継として配備されている落下傘。軽量化されている上に最低降下/開傘高度が低くなっており、亡命者の証言でも操作が容易で折り畳みやすく、着地時の衝撃も少ないと評されている[6]。
核兵器
脚注
- ↑ 1.0 1.1 1.2 1.3 床井雅美『現代軍用ピストル図鑑』徳間文庫 2002年 ISBN 4-19-891660-8
- ↑ 2.0 2.1 2.2 2.3 2.4 2.5 2.6 2.7 2.8 2.9 李ジョンヨン:著 宮田敦司:訳『北朝鮮軍のA to Z 亡命将校が明かす朝鮮人民軍のすべて』 光人社 2009年 ISBN 9784769814436
- ↑ 藤本健二『金正日の料理人 間近で見た権力者の素顔』扶桑社 2003年 ISBN 978-4-594-05846-3
- ↑ 李英國・著、李京榮・監訳『私は金正日の極私警護官だった 仮面に隠された戦慄、驚愕の素顔』ブックマン社 2003年 ISBN 9784893085252
- ↑ 5.0 5.1 5.2 5.3 5.4 内藤陽介『北朝鮮事典―切手で読み解く朝鮮民主主義人民共和国』竹内書店新社 2001年 ISBN 9784803503166
- ↑ 6.0 6.1 6.2 6.3 6.4 6.5 6.6 6.7 ジョゼフ・S・バーミューデッツ:著 高井三郎:訳『北朝鮮特殊部隊 -組織・装備・戦略戦術-』 並木書房 2003年 ISBN 4-89063-167-4
- ↑ 床井雅美『最新サブ・マシンガン図鑑』徳間文庫 2000年 ISBN 4-19-891342-0
- ↑ 重村智計 『北朝鮮データブック』講談社現代新書1359 1997年 ISBN 4-06-149359-0
- ↑ テンプレート:Cite news
- ↑ 日本兵器研究会『世界の軍用4WDカタログ』アリアドネ企画 2001年 ISBN 9784384025491
- ↑ 日本兵器研究会 編『世界の装軌装甲車カタログ』三修社 2001年 ISBN 4-384-02660-9
- ↑ 藤木平八郎「ネーバル・レビュー2009」『世界の艦船』2010年4月号 海人社
- ↑ 康明道『北朝鮮の最高機密』文藝春秋 1998年 ISBN 9784163508405