ジャパンレールパス
ジャパンレールパス (Japan Rail Pass) は、主に日本国外からの観光客などを対象にJRグループ各社が発行するJR各社の鉄道・路線バスが乗り降り自由で利用できる特別企画乗車券である。
目次
概説
基本的に、日本国外のJR指定発売店および代理店(旅行会社・航空会社等)でのみ発売されており、日本国内では購入できない。例外として、2002年FIFAワールドカップが開催された際に、大会期間中のみ日本国内で発売されたことはある。
ただし、日本国外では引換証のみが渡され、日本到着後、ジャパンレールパス引換箇所(大半は駅の旅行センターなど)で、パスポートを提示し、引換証と交換でパスが入手できる。
利用資格
下記の条件のいずれかにあてはまる者だけに、購入および利用資格がある。
- 外国から「短期滞在」の入国資格により観光目的で日本を訪れる日本以外の国籍の旅行者。
- 以下のいずれかに該当する日本国籍保持者。
- 2004年3月31日まで、10年以上国外に住んでいる日本国籍保持者にもパスの購入利用資格があったが、同年4月1日からこの条項は撤廃された。
種別と価格
ジャパンレールパスにはグリーン車用と普通車用(指定席)の2種類があり、さらにそれらが7日、14日、21日間用パスに分かれている。すべて使用開始日からの連続した日数が有効期限となる。運賃・料金は日本円建てで設定されており、引換証発行時の為替レートで購入地の現地通貨での価格に換算、発売される。なお引換券は購入から3か月以内に日本国内でパスの交付を受けるか、発売箇所で手数料を払って払い戻さないと無効になる。利用開始日は、パスの交付時に、その日から1か月以内の任意の日に設定可能だが、一旦設定した利用開始日はいかなる理由があろうと変更不可。また、交付されたパスは利用開始日前までは払い戻しが可能(手数料10%)だが、開始日以降はたとえ未使用でも払い戻し不可。また紛失した場合(盗難、引換券の紛失も含む)の再発行も不可。
2014年4月1日発売分より消費税増税に伴い料金改定が行われた。
種類 | 区分 | 7日間 | 14日間 | 21日間 |
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グリーン車 | 大人 | 38,880円 | 62,950円 | 81,870円 |
子供 | 19,440円 | 31,470円 | 40,930円 | |
普通車 | 大人 | 29,110円 | 46,390円 | 59,350円 |
子供 | 14,550円 | 23,190円 | 29,670円 |
ジャパンレールパスで乗車できる路線
- 鉄道
- 旅客鉄道各社の新幹線・特急・急行・快速を含む全列車
- 2010年10月21日より:羽田空港の国際線拡張に伴い、東京モノレールの全路線も利用できる。
- 2010年12月4日より:途中下車しない通過利用に限り、青い森鉄道線八戸 - 青森間が利用できる(JR線と接続する青森・野辺地・八戸の各駅は途中下車できる。それ以外の駅から乗車・下車した場合は乗車した全区間の青い森鉄道の乗車券が必要になる)。
- 以下の車両には乗車できない。
- 以下の車両に乗車するには、追加料金が必要となる。
- 寝台車。利用する際には寝台料金および特急料金もしくは急行料金が請求される。ただし、「あけぼの」の"ゴロンとシート"や、「サンライズ出雲・瀬戸」の"ノビノビ座席"、「はまなす」の寝台車以外の車両(自由席、ドリームカー、カーペットカー)を利用する場合については、指定席とみなされるため追加料金は不要。
- グランクラス。利用する際には特急料金とグランクラス料金が請求される。
- コンパートメント席(個室)。利用する際には追加料金が請求される。
- ホームライナーなどの乗車整理券・ライナー券が必要な列車。利用する際には追加料金が請求される。
- グリーン車用パスを保有している場合でも、JR九州の"DXグリーン"を利用する場合は、特急料金および"DXグリーン"に適用するグリーン料金が請求される。
- 航路
- JR西日本宮島フェリーの宮島航路
類似商品
JR北海道、JR東日本、JR西日本、JR九州が発行する基本的に自社線のみのレールパスもある。
ジャパンレールパスと同様の日本国外の代理店での販売のほか、日本国内でも発売各社の一部の駅で販売している。規定や有効期限は各社により異なる(後述)。ただし、購入は短期滞在の外国人のみに限定されている。
Hokkaido Rail Pass
JR北海道線全線、およびジェイ・アール北海道バスのバス路線に乗車可能(ただしバス路線のうち、札幌 - 旭川、紋別、帯広・十勝川温泉、キロロ各区間と一部不定期路線を除く。札幌 - 小樽はジェイ・アール北海道バス運行便に限る)。また、グリーン車、普通車用ともに、利用開始から10日間以内の4日間のみ利用可能な「フレキシブル4日間用パス」も設定している。寝台車の利用については、ジャパンレールパス同様、寝台料金と特急料金を払えば可能。2009年4月1日より料金改定。
種類 | 区分 | 3日間 | 5日間 | 7日間 | フレキシブル4日間 |
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グリーン車 | 大人 | 21,500円 | 27,000円 | 30,000円 | 27,000円 |
子供 | 10,750円 | 13,500円 | 15,000円 | 13,500円 | |
普通車 | 大人 | 15,000円 | 19,500円 | 22,000円 | 19,500円 |
子供 | 7,500円 | 9,250円 | 11,000円 | 9,250円 |
JR East Pass
JR東日本が発行する。2013年7月1日に商品内容が大幅に改定される予定[2]。
2013年6月30日までの発売分については、ジャパンレールパスにも設定のない、普通車用Youth Fare(12歳 - 25歳)を設定、また、グリーン車、普通車用ともに、利用開始から1か月以内の4日間のみ利用可能な"Flexible 4-day Pass"も設定している。
ホームライナー利用の際はライナー券を別払いする必要がある。寝台車およびグリーン個室も追加料金で利用可能である。北越急行線・伊豆急行線の特急列車および東武鉄道線の「日光」・「きぬがわ」・「スペーシア日光」・「スペーシアきぬがわ」についても追加料金なしで乗車可能となった。
2010年10月21日より羽田空港国際線拡張に伴い東京モノレール線も乗車可能となった。
種類 | 区分 | 5日間 | 10日間 | Flexible 4-day |
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グリーン車 | 大人 | 28,000円 | 44,800円 | 28,000円 |
子供 | 14,000円 | 22,400円 | 14,000円 | |
普通車 | 大人 | 20,000円 | 32,000円 | 20,000円 |
Youth | 16,000円 | 25,000円 | 16,000円 | |
子供 | 10,000円 | 16,000円 | 10,000円 |
2013年7月1日発売分より、以下のように内容が変更され利用開始から14日以内の5日間のみ利用可能な"Flexible 5-day Pass"のみとなり、グリーン車、ユース用の設定は無くなる。
JR東日本線全線(BRT含む)、伊豆急行線全線、北越急行線全線、青い森鉄道線全線、IGRいわて銀河鉄道線全線、東京モノレール線全線、仙台空港鉄道線全線、東京臨海高速鉄道線(りんかい線)全線の特急(新幹線を含む)・急行列車・普通列車及びJR・東武相互直通特急「日光号」「スペーシア日光号」「きぬがわ号」「スペーシアきぬがわ号」の普通車指定席が利用できる。 「はやぶさ号」・「スーパーこまち号」の普通車指定席も利用可能。
種類 | 区分 | Flexible 5-day |
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普通車 | 大人 | 22,000円 |
子供 | 11,000円 |
JR West Rail Pass
JR西日本では「山陽エリアパス」と「関西(京阪神)エリアパス」の2種類を発行。関西(京阪神)エリアパスは普通列車と「はるか」の自由席のみに限定されており、新幹線は利用することができない。
一方、「山陽エリアパス」の場合、ジャパンレールパスでは利用できない山陽新幹線の「のぞみ」「みずほ」も利用可能。ともにグリーン車用の設定はない。
種類 | 区分 | 1日間 | 2日間 | 3日間 | 4日間 | 8日間 |
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関西エリア | 大人 | 2,000円 | 4,000円 | 5,000円 | 6,000円 | - |
子供 | 1,000円 | 2,000円 | 2,500円 | 3,000円 | - | |
山陽エリア | 大人 | - | - | - | 20,000円 | 30,000円 |
子供 | - | - | - | 10,000円 | - |
Kyushu Rail Pass
JR九州線普通座席車のみの設定。九州内であってもJR西日本管轄の山陽新幹線および博多南線は乗車不可。
区分 普通車のみの設定 |
3日間 | 5日間 |
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大人 | 14,000円 | 17,000円 |
子供 | 7,000円 | 8,500円 |
関連項目
- KANSAI THRU PASS - スルッとKANSAI 3dayチケットの一種で、関西私鉄(一部除く)の各線に任意の3日間乗り降り可能となるきっぷで、外国人・在外邦人の旅行者及び、それと行動を共にする日本国内の居住者を対象に発売されている。
- KINTETSU RAIL PASS - 近畿日本鉄道(近鉄線)に連続5日間(ただし近鉄特急は3回まで)乗り降り可能となるきっぷで、外国人・在外邦人の旅行者を対象に発売されている。
- HANKYU TOURIST PASS - 阪急電鉄(阪急線)に任意の1日間、または2日間乗り降り可能となるきっぷで、外国人の旅行者を対象に発売されている。
- ユーレイル - ヨーロッパほぼ全域の鉄道に乗り降り可能なきっぷで、ヨーロッパ外居住者向けに発売されている。
- コリアレールパス - 大韓民国の韓国鉄道公社管轄の大部分の鉄道に乗り降り可能なきっぷで、外国人向けに発売されている。
- 日韓共同きっぷ - 下関・博多港と釜山港を結ぶフェリーと、各港から付近の大都市を結ぶ鉄道をセットしたきっぷ。