マイルチャンピオンシップ南部杯
テンプレート:競馬の競走 マイルチャンピオンシップ南部杯(マイルチャンピオンシップなんぶはい)とは岩手県競馬組合が盛岡競馬場のダート1600メートルで施行する地方競馬の重賞競走(JpnI)である。農林水産大臣が賞を提供、またRoad to JBCに指定されているため、正式名称は「農林水産大臣賞典[注 1] Road to JBC マイルチャンピオンシップ南部杯」と表記される。通称:南部杯。また中央競馬でのマイルチャンピオンシップと区別するためマイルCS南部杯、マイル南部杯、MCS南部杯と表記される事がある。
正賞は南部杯、農林水産大臣賞、日本中央競馬会理事長賞、日本馬主協会連合会会長賞、岩手県馬主会会長賞、日本地方競馬馬主振興協会会長賞、地方競馬全国協会理事長賞、全国公営競馬主催者協議会会長賞、岩手県知事賞。
目次
概要
1988年に北日本マイルチャンピオンシップ南部杯として創設され、第1回は水沢競馬場のダート1600mで施行された。創設当初は北日本地区交流競走として、地方競馬の北日本地区のマイル最強馬決定戦の位置付けとされた。
1995年に中央・地方全国指定交流競走に指定されたと同時に現在のマイルチャンピオンシップ南部杯に改名、北日本地区以外の地方所属馬及び中央競馬所属馬も出走可能になった。1996年には開催場を現在の盛岡競馬場に変更、1997年には前年から施行されたダートグレード競走のGI(統一GI)に格付け、日本の秋のダートのマイル最強馬決定戦として定着していった。
2002年からはRoad to JBCに指定され、優勝馬にはジャパンブリーディングファームズカップ2競走(JBCクラシック・JBCスプリント)への優先出走権(出走できるのはどちらか一方の競走)が与えられる。
競走名は江戸時代に盛岡藩を治めていた南部氏に由来し45代当主・南部利昭の許可の下、名付けられた。表彰式には毎年南部家当主が出席し、正賞である南部杯を授与している。
出走条件はサラ系3歳(旧4歳)以上の競走馬でフルゲート15頭の内、岩手所属馬4頭、岩手以外の所属馬5頭、JRA所属馬6頭と所属別で出走枠が決められている。
負担重量は定量で3歳55kg、4歳以上57kg、牝馬は2kg減である。
優先出走権付与競走
以下の競走にて1着の馬は1着入賞馬は優先出走権で出走でき、優先出走権を行使するのが岩手競馬以外の所属馬である場合、岩手競馬枠(厳密には岩手競馬枠から引かれ自所属枠が増える)から出走できる。
競走 | 格付け | 競馬場 | 距離 |
---|---|---|---|
青藍賞 | 重賞 | 水沢競馬場 | ダート1600m |
賞金
回数 | 総額賞金 (万円) |
1着賞金 (万円) |
2着賞金 (万円) |
3着賞金 (万円) |
4着賞金 (万円) |
5着賞金 (万円) |
---|---|---|---|---|---|---|
第8回(1995年) | 9,250 | 5,000 | 2,000 | 1,000 | 750 | 500 |
第9回(1996年) | ||||||
第10回(1997年) | 1億1,100 | 6,000 | 2,400 | 1,200 | 900 | 600 |
第11回(1998年) | ||||||
第12回(1999年) | 1億500 | 2,100 | 1,020 | 780 | ||
第13回(2000年) | ||||||
第14回(2001年) | 1億200 | 1,800 | ||||
第15回(2002年) | ||||||
第16回(2003年) | ||||||
第17回(2004年) | ||||||
第18回(2005年) | ||||||
第19回(2006年) | ||||||
第20回(2007年) | ||||||
第21回(2008年) | 8,500 | 5,000 | 1,500 | 850 | 650 | 500 |
第22回(2009年) | 7,500 | 1,150 | 650 | 450 | 250 | |
第23回(2010年) | 6,750[1] | 4,500 | 1,035 | 585 | 405 | 225 |
第24回(2011年) | 8,530 | 1,800 | 1,100 | 680 | 450 | |
第25回(2012年) | 6,750[2] | 1,035 | 585 | 405 | 225 | |
第26回(2013年) |
歴史
- 1988年 - 3歳以上の競走馬による北日本地区交流競走「北日本マイルチャンピオンシップ南部杯」として創設。水沢競馬場のダート1600mで施行。
- 1995年
- 中央・地方全国交流競走に指定。
- 名称を「マイルチャンピオンシップ南部杯」に変更。
- 開催日が体育の日に固定される(祝日改正法適用前で日曜日にあたった1999年を除く)。
- 1996年 - 施行場を盛岡競馬場に変更。
- 1997年 - ダート競走格付け委員会にGI(統一GI)に格付けされる。
- 2002年 - Road to JBCに指定される。
- 2007年 - 国際セリ名簿基準委員会(ICSC)の勧告に伴い、統一グレード表記をJpnIに変更。
- 2011年
- 本年のみJRAが主催し、東京競馬場のダート1600mで「農林水産省賞典 マイルチャンピオンシップ南部杯」の名称で施行、売上の一部を支援金として岩手県競馬組合に拠出。このため、岩手県馬主会会長賞の寄贈を行わなかった。
- 本年のみ、出走枠を地方競馬所属馬は5頭(うち岩手所属馬2頭まで)、フルゲート16頭までに変更。
- 2012年 - 施行場を盛岡競馬場に戻す。
歴代優勝馬
コース種別を記載していない距離は、ダートコースを表す。
回数 | 施行日 | 競馬場 | 距離 | 優勝馬 | 性齢 | 所属 | 勝時計 | 優勝騎手 | 管理調教師 | 馬主[3] |
---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|
第1回 | 1988年10月9日 | 水沢 | 1600m | グレートサーペン | 牡6 | 高崎 | 1:42.4 | 工藤勉 | 渡辺和泰 | 三原勝太郎 |
第2回 | 1989年10月8日 | 水沢 | 1600m | ダイコウガルダン | 牡4 | 上山 | 1:42.4 | 水戸賢二 | 村山博 | 熊久保勅夫 |
第3回 | 1990年10月7日 | 水沢 | 1600m | グレートホープ | 牡4 | 盛岡 | 1:40.0 | 菅原勲 | 小西重征 | 小野寺喜久男 |
第4回 | 1991年10月13日 | 水沢 | 1600m | タケデンファイター | 牡5 | 新潟 | 1:40.8 | 大枝幹也 | 佐藤忠雄 | 赤川喜一郎 |
第5回 | 1992年10月11日 | 水沢 | 1600m | タケデンマンゲツ | 牡6 | 宇都宮 | 1:42.0 | 平沢則雄 | 平石正己 | 熊久保勅夫 |
第6回 | 1993年11月23日 | 水沢 | 1600m | トウケイニセイ | 牡6 | 盛岡 | 1:39.8 | 菅原勲 | 小西重征 | 小野寺喜久男 |
第7回 | 1994年9月25日 | 水沢 | 1600m | トウケイニセイ | 牡7 | 盛岡 | 1:39.5 | 菅原勲 | 小西重征 | 小野寺喜久男 |
第8回 | 1995年10月10日 | 水沢 | 1600m | ライブリマウント | 牡4 | JRA | 1:40.6 | 石橋守 | 柴田不二男 | 加藤哲郎 他2名 |
第9回 | 1996年10月10日 | 盛岡 | 1600m | ホクトベガ | 牝6 | JRA | 1:38.3 | 的場均 | 中野隆良 | 金森森商事(株) |
第10回 | 1997年10月10日 | 盛岡 | 1600m | タイキシャーロック | 牡5 | JRA | 1:36.2 | 横山典弘 | 土田稔 | (有)大樹ファーム |
第11回 | 1998年10月10日 | 盛岡 | 1600m | メイセイオペラ | 牡4 | 水沢 | 1:35.1 | 菅原勲 | 佐々木修一 | (有)明正商事 |
第12回 | 1999年10月11日 | 盛岡 | 1600m | ニホンピロジュピタ | 牡4 | JRA | 1:38.4 | 武豊 | 目野哲也 | 小林百太郎 |
第13回 | 2000年10月9日 | 盛岡 | 1600m | ゴールドティアラ | 牝4 | JRA | 1:38.3 | 後藤浩輝 | 松田国英 | 吉田和子 |
第14回 | 2001年10月8日 | 盛岡 | 1600m | アグネスデジタル | 牡4 | JRA | 1:37.7 | 四位洋文 | 白井寿昭 | 渡辺孝男 |
第15回 | 2002年10月14日 | 盛岡 | 1600m | トーホウエンペラー | 牡6 | 水沢 | 1:38.7 | 菅原勲 | 千葉四美 | 東豊物産(株) |
第16回 | 2003年10月13日 | 盛岡 | 1600m | アドマイヤドン | 牡4 | JRA | 1:35.4 | 安藤勝己 | 松田博資 | 近藤利一 |
第17回 | 2004年10月11日 | 盛岡 | 1600m | ユートピア | 牡4 | JRA | 1:35.9 | 横山典弘 | 橋口弘次郎 | 金子真人 |
第18回 | 2005年10月10日 | 盛岡 | 1600m | ユートピア | 牡5 | JRA | 1:36.7 | 安藤勝己 | 橋口弘次郎 | 金子真人ホールディングス(株) |
第19回 | 2006年10月9日 | 盛岡 | 1600m | ブルーコンコルド | 牡6 | JRA | 1:36.6 | 幸英明 | 服部利之 | (株)荻伏レーシング・クラブ |
第20回 | 2007年10月8日 | 盛岡 | 1600m | ブルーコンコルド | 牡7 | JRA | 1:36.8 | 幸英明 | 服部利之 | (株)ブルーマネジメント |
第21回 | 2008年10月13日 | 盛岡 | 1600m | ブルーコンコルド | 牡8 | JRA | 1:37.3 | 幸英明 | 服部利之 | (株)ブルーマネジメント |
第22回 | 2009年10月12日 | 盛岡 | 1600m | エスポワールシチー | 牡4 | JRA | 1:35.4 | 佐藤哲三 | 安達昭夫 | (株)友駿ホースクラブ |
第23回 | 2010年10月11日 | 盛岡 | 1600m | オーロマイスター | 牡5 | JRA | 1:34.8 | 吉田豊 | 大久保洋吉 | (有)サンデーレーシング |
第24回 | 2011年10月10日 | JRA東京 | 1600m | トランセンド | 牡5 | JRA | 1:34.8 | 藤田伸二 | 安田隆行 | 前田幸治[4] |
第25回 | 2012年10月8日 | 盛岡 | 1600m | エスポワールシチー | 牡7 | JRA | 1:35.9 | 佐藤哲三 | 安達昭夫 | (株)友駿ホースクラブ[5] |
第26回 | 2013年10月14日 | 盛岡 | 1600m | エスポワールシチー | 牡8 | JRA | 1:35.1 | 後藤浩輝 | 安達昭夫 | (株)友駿ホースクラブ[6] |
本競走からのJBCスプリント優勝馬
2002年からJBCスプリントのトライアル競走として施行され、2006年のJBCマイルを含めると3頭がJBCスプリントを制している。
回数 | 馬名 | 性齢 | 所属 | 着順 | 備考 |
---|---|---|---|---|---|
第15回 | スターリングローズ | 牡5 | JRA | 7着 | |
第19回 | ブルーコンコルド | 牡6 | JRA | 1着 | 2005年の第5回JBCスプリントも制覇 |
第26回 | エスポワールシチー | 牡8 | JRA | 1着 |
本競走からのJBCクラシック優勝馬
2002年からJBCクラシックのトライアル競走として施行され、3頭がJBCクラシックを制している。なおホッコータルマエを除く2頭はJBCクラシックを連覇している。
回数 | 馬名 | 性齢 | 所属 | 着順 | 備考 |
---|---|---|---|---|---|
第16回 | アドマイヤドン | 牡4 | JRA | 1着 | 2002年もJBCクラシックを制覇 |
第17回 | 牡5 | 2着 | |||
第18回 | タイムパラドックス | 牡7 | JRA | 3着 | |
第19回 | 牡8 | 5着 | |||
第26回 | ホッコータルマエ | 牡4 | JRA | 2着 |
東京競馬場での施行
2011年はこの年に発生した東日本大震災の影響により、東京競馬場にて施行された[7]。岩手県競馬自体は5月より盛岡競馬場での開催を再開しダートグレード競走も施行されていたが競馬関連の施設が大きな被害を受けるなどして開催日数の減少による経営環境の厳しさなどからJRAに要請を行い、本競走は盛岡競馬場と姉妹提携を結んでいる東京競馬場にてJRA主催により施行されることとなった。
JRAは当初開催予定のなかった10月10日を「岩手競馬を支援する日」と題して東京競馬場開催を追加し(震災で中止となった3月13日の阪神競馬の事実上代替開催)、岩手競馬所属で活躍した競走馬の名前(トーホウエンペラー、メイセイオペラ)を冠した競走も行われた。当競走のスタート前のファンファーレは、例年通り盛岡競馬場で使用されている曲を使用した。[8]また日曜日以外の競走で初めてWIN5が実施され、南部杯を含めた第8競走から第12競走が対象となった。
この年の入場人員は5万9475人で同年のフェブラリーステークスを上回ったほか、売り上げは70億2941万6200円で前年の本競走の約14倍を記録した[9]。
脚注・出典
注釈
出典
各回競走結果の出典
- マイルチャンピオンシップ南部杯 歴代優勝馬(第24回を除く) - 地方競馬全国協会、2014年6月19日閲覧
- 第24回マイルチャンピオンシップ南部杯 成績 - 日本中央競馬会、2014年6月19日閲覧
関連項目
外部リンク
- JRA公式サイト「今週の注目レース」から(2011年版)
テンプレート:ジャパンブリーディングファームズカップ テンプレート:ダートグレード競走
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