鴨川日東バス
テンプレート:Infobox 鴨川日東バス(かもがわにっとうバス)は千葉県鴨川市周辺で主に事業を展開するバス事業者である。 1994年10月に日東交通の鴨川営業所を分社化して設立された。
目次
沿革
- 1994年(平成6年)4月25日 - 鴨川日東バス(同様に館山日東バス・天羽日東バスも)を設立。
- 1994年(平成6年)10月1日 - 日東交通から鴨川営業所を分社化、営業を開始する。
- 1998年(平成10年)12月5日 - グループ共同で環境定期券制度を導入する。
- 2011年(平成23年)7月1日 - グループ共同でノーカー・サポート優待証制度を導入する[1]。
現行路線
高速バス
鴨川 - 東京線
鴨川 - 千葉線
安房小湊・御宿 - 東京線
京成バス・小湊鐵道との共同運行路線である。</br> この路線が発着する御宿 - 勝浦 - 大多喜地区は、本来、小湊鐵道の営業エリアであるが、当時の御宿町は「アクシー号」で実績のある同社と京成電鉄(当時)に運行を要請[2]、路線開設に至った経緯があり、2013年4月28日の圏央道開通に伴うダイヤ改正で、小湊鐵道が参入するまでは同社と京成バスでの2社共同運行であった。</br> 途中の市原鶴舞バスターミナルにて、羽田空港・横浜駅・成田空港各方面のバスへ乗り換えができる。
- 御宿 - 勝浦駅 - 大多喜 - 市原鶴舞バスターミナル - 木更津金田バスターミナル - 東京駅八重洲口前 - 浜松町バスターミナル
- 安房小湊 - 勝浦駅 - 大多喜 - 市原鶴舞バスターミナル - 木更津金田バスターミナル - 東京駅八重洲口前 - 浜松町バスターミナル
- 2002年(平成14年)8月2日 - 8往復(安房小湊系統・御宿系統各4往復)にて運行を開始する。
- 2006年(平成18年)9月15日 - 6往復(安房小湊系統・御宿系統各3往復)に減便する。
- 2007年(平成19年)6月1日 - 「木更津金田バスターミナル」停留所に停車を開始し、下り便の乗車/上り便の降車ができるようになる。
- 2009年(平成21年)11月1日 - 予約取扱い(電話・インターネット)を廃止。
- 2013年(平成25年)4月28日 - 小湊鐵道が、同路線に新規参入。併せて、圏央道経由への経路変更に伴う、「鶴舞」・「上総牛久」・「高谷」・「東横田」・「横田」の各停留所の廃止と、市原鶴舞バスターミナルでの乗降取扱いを開始。
急行バス
鴨川 - 木更津線
その名の通り、房総半島を横断する形で鴨川市と木更津市を結ぶ急行路線である。</br> 木更津駅にて川崎・横浜・羽田・品川各方面の高速バスに乗継が出来る。そのためか案内放送では急行バスであるにも関わらず、高速バスの位置づけとなっている[3]。車両についても路線バスタイプのものではなく、主に高速バスと同仕様のもの(格下げ車)が運用される。</br> また、2005年(平成17年)10月1日以降は日東交通・三島線が粟倉までの運行(現在は小糸中島まで)になった為、君津市豊英(とよふさ)・三島・清和地区から木更津駅へ直通する唯一の路線となった。</br> 利便性を図るため、発行から3日間有効の往復割引乗車券(2,000円)を本社窓口で発売している。
- 1-7:亀田病院 - 鴨川シーワールド - 安房鴨川駅 - 追分 - 主基駅 - 長狭学園正門前 - サン・ラポール - ロマンの森共和国 - 下の台 - 宿原 - 清和中 - 東粟倉 - 猪原 - 大野台 - 小糸小入口 - 上根本自治会館入口 - 長石大橋 - DNA研究所 - かずさアーク - 矢那川ダム - 日枝神社 - 伊豆島 - 木更津駅東口
鴨川市内・館山線【くろしお号】
後述の鴨川市内・館山線(館山系統)の通し運行再開への布石となった急行路線である(館山日東バスとの共同運行)。
利便性を図るため、往復割引乗車券(1,300円)を本社窓口・車内などで発売している。</br>
当初は病院休診日は全便運休となっていたが、鴨川市内・館山線へ編入されてからは毎日運行に格上げされた。
- 1-9:亀田病院 - 鴨川シーワールド - 鴨川駅西口 - 横渚 - フラワーセンター入口 - 天面 - 太夫崎 - 吉浦 - 江見駅入口 - 東真門 - お花畑 - 和田浦駅入口 - 真浦 - 南三原郵便局 - 南三原駅前 - 古川十字路 - 加茂瓦屋前 - 加茂坂下 - 大井火の見前 - 水玉 - 九重小前 - 竹原口 - 九重駅入口 - 稲村 - 滝川口 - 安房地域医療センター - 館野 - 国分寺前 - 館野農協前 - 上野原 - 南総文化ホール - 南町 - 館山駅
一般路線バス
自家用車の増加などにより、利用客離れに歯止めがかからず、国・県・自治体が補助金で赤字分を補いながら、運行を継続しているのが現状である。
鴨川市内・館山線
鴨川日東バスの幹線路線(館山系統のみ館山日東バスとの共同運行)で、運行区間のほとんどは国道128号線を介している。</br> また、利便性を図るため、往復割引乗車券(亀田病院・鴨川駅 - 館山駅間1,300円)を本社窓口・車内などで発売している。</br> ちなみに停留所名や案内放送等では安房・上総等の旧国名を除いて「鴨川駅」・「興津駅」の様に表示・案内している(但し、この路線に限ったことではない)。</br>
- 1-1:鴨川駅東口 - 亀田病院 - 天津駅前 - 小湊駅前 - 行川アイランド
- 1-2:鴨川駅東口 - 亀田病院 - 天津駅前 - 小湊駅前 - 行川アイランド - 興津駅
- 1-3:仁右衛門島入口 - 鴨川松島 - 前原海岸 - 鴨川駅東口 - 亀田病院 - 天津駅前
- 1-8:館山駅 - 古川 - お花畑 - 仁右衛門島入口 - 鴨川松島 - 前原海岸 - 鴨川駅東口 - 亀田病院
- 鴨川駅東口 - 亀田病院
- 1918年(大正7年)1月23日 - 万歳館が鴨川 - 安房北条間の運行を開始する(その後、路線縮小)。
- 1921年(大正10年)頃 - 万歳自動車(万歳館を法人化)が鴨川 - 小湊間の運行を開始する[4]。
- 1928年(昭和3年)7月28日 - 同区間を競合していた、三日月自動車へ万歳自動車運行の路線を譲り渡す(その後、万歳自動車は解散)。
- 1928年(昭和3年) - 三日月自動車(太海 - 上総興津間・運行時期不明)から外房遊覧自動車(のちの外房内湾自動車)へ路線を譲渡する。
- 1952年(昭和27年) - 日東交通が鴨川 - 館山間、鴨川 - 行川間、鴨川 - 太海間として運行を再開する。
- 1994年(平成6年)3月16日 - 鴨川駅 - 館山駅間((旧)鴨川 - 館山線)の通し運行を廃止、それを吸収する形でお花畑まで路線を延長する。
- 2003年(平成15年)10月1日 - 平日ダイヤ・休日ダイヤを設定する。
- 2007年(平成19年)10月1日 - 館山日東バスの和田線(館山駅 - 古川 - お花畑)と系統統合、亀田病院 - 鴨川駅 - 館山駅の直通路線となる。同時に路線名を鴨川市内線から鴨川市内・館山線へと変更する。
- 2012年(平成24年)4月1日 - 出入庫(鴨川駅東口 - 亀田病院)系統を新設する。
長狭 - 金谷線
千葉県道34号鴨川保田線(長狭街道)を介する路線である。</br> 東京湾フェリー行きは急行便扱い(平塚入口 - 東京湾フェリー間)となり、1日4往復が設定されている。</br> また、利便性を図るため、発行から3日間有効の往復割引乗車券(鴨川駅 - 平塚本郷間800円[5]・鴨川駅 - 東京湾フェリー間1,500円・長狭学園 - 東京湾フェリー間1,200円)を本社窓口などで発売している。</br> ちなみに全盛期(1960年代)は鴨川 - 上総湊間を結ぶ、国鉄連絡バスの役割を担っていた。その名残からか現在でも「主基駅」・「吉尾駅」と「○○駅」と付く停留所があるのも特徴である。
- 1-5:亀田病院 - 鴨川駅東口 - みんなみの里 - 金束 - 湯沢 - 保田中央 - 東京湾フェリー
- 1-6:亀田病院 - 鴨川駅東口 - みんなみの里 - 金束 - 平塚本郷
- 1918年(大正7年)夏頃 - 改進社が鴨川 - 保田間の運行を開始する。
- 1921年(大正10年) - 改進社の解散により鴨川 - 保田間を廃止。
- 1921年(大正10年)頃 - 万歳自動車(万歳館を法人化)が鴨川 - 保田間の運行を開始する[4]。
- 1928年(昭和3年) - 三日月自動車(運行時期不明)から外房遊覧自動車(のちの外房内湾自動車)へ路線を譲渡する。
- 1933年(昭和8年) - 上総湊へ路線を延長する。
- 1951年(昭和26年)7月1日 - 日東交通が鴨川 - 保田間として運行を再開する。
- 1995年(平成7年)7月17日 - 西条(福祉センター)経由の便を新設する。
- 2003年(平成15年)10月1日 - 西条経由の便を廃止
- 2005年(平成17年)10月1日 - 亀田病院及び東京湾フェリーまで路線をそれぞれ延長する。
- 2009年(平成21年)4月1日 - みんなみの里への乗り入れを開始する。
大学線
安房鴨川駅と城西国際大学観光学部(安房キャンパス)を結ぶ路線である。</br> 早稲田大学鴨川セミナーハウスでの乗降は、デマンド方式を取っている。そのため、当該停留所から鴨川駅方面に乗車する場合は所定の方法で乗車の旨を連絡しなければならない。</br>
- 1-10:鴨川駅西口 - 横渚 - JOSAI安房ラーニングセンター( - 早稲田大学鴨川セミナーハウス) - 城西国際大学観光学部
太海線
安房鴨川駅と太海公民館を結ぶ路線である。</br> 横渚橋 - 太海間は、大学線と同一経路。休日と年末年始は全便運休。
- 1-4:鴨川駅東口 - 横渚 - 太海公民館
- 2012年(平成24年)5月16日 - 運行を開始する。
コミュニティ路線
かつて運行していた一般路線バスの廃止代替バス(21条バス)に端を発する。運行形態は主に、同社で車両を用意する場合と、自治体が用意した自家用車両を同社が運転管理を請け負う場合の2種類が存在する。
鴨川市コミュニティバス
これまで鴨川日東バスが運行していた代替バス路線(鴨川市内の全線)を再編し、鴨川市からの委託を受けて運行する路線である。
コミュニティバスの運行にあたり、法定協議会が事前に運行事業者を公募したところ鴨川日東バスに決定したことから、回数券・定期券は同社発行のものが従来通り使用できる。また、運賃は他社路線と競合を避けるため、対キロ制を採用しているが、競合のない清澄ルートについては簡易運賃制となる(初乗り200円と上限の400円のみ)。
- 《北ルート》金山ダム - 安房鴨川駅(西口) - 浦の脇 - 安房天津駅 - 安房小湊駅 - 鯛の浦
- 《南ルート》曽呂終点 - 太海駅 - (鴨川バイパス) - 安房鴨川駅(西口) - 浦の脇 - 安房鴨川駅(東口)
- 《清澄ルート》天津小湊支所 - 安房天津駅 - 清澄寺 - 奥清澄
- 2008年(平成20年)11月1日 - 運行を開始する(翌年10月31日までの実証運行)。
- 2009年(平成21年)11月1日 - 本格運行に移行する。
- 2012年(平成24年)7月1日 - 《南ルート》畑地区への乗り入れを開始する。併せて、太海地区への乗り入れを廃止。
- 2013年(平成25年)4月1日 - 《清澄ルート》清澄寺 - 奥清澄間をデマンド運行に移行する(一部便を除く)。
その他
- 鴨川シーワールド行き送迎バス
安房鴨川駅は原則として西口発着だが、出入庫と重複する便は東口発着となる。専用ラッピング車両で運行しているが、車検等で使用不能となる場合は、一般車両で代替することがある。
- 鴨川駅西口 - 鴨川シーワールドホテル(希望者のみ) - 鴨川シーワールド
過去の路線
廃止路線
表記の運行区間は、廃止時点のものである。</br>
- 湯沢線
天羽日東バスとの共同運行路線だった。金束では長狭線(当時)、湯沢では鋸南町営循環バスにそれぞれ連絡、運賃は200円均一だった。この路線の廃止後も長狭 - 金谷線における同区間のみの利用に限っては200円の均一運賃が引き継がれている。
- 金束 - 山中峠 - 湯沢
- 2002年(平成14年)1月1日 - 運行を開始する。
- 2005年(平成17年)10月1日 - 廃止
- 亀山線
鴨川駅前と県道24号線を介して、亀山駅を結ぶ路線だった。代替バス(当時)としては珍しく、県道区間内ながら有料道路を経由していた。</br> 現在はカピーナ号と鴨川市コミュニティバスが一部区間を代替運行している。
- 鴨川駅前 - 花房 - (鴨川有料道路) - 香木原 - 亀山駅
- 香木原線
香木原と県道24号線・国道465号線を介して、黄和田車庫を結ぶ路線だった。</br> 現在は君津市コミュニティバスが代替運行している。
- 香木原 - 亀山駅 - 黄和田車庫
- 東条線
鴨川駅前と県道181号線などを介して、浦の脇を結ぶ路線だった。</br> 現在は鴨川市コミュニティバスが代替運行している。
- 鴨川駅前 - 浦の脇
- 1993年(平成5年)10月1日 - 代替路線に移行する。
- 2008年(平成20年)11月1日 - 廃止
- 西条線
鴨川駅前を起点に県道24号線を介して、循環運行などをしていた路線だった。</br> 現在は鴨川市コミュニティバスが代替運行している。
- 鴨川駅前 - 花房 - 金山ダム
- 鴨川駅前 - 花房 - 福祉センター - 根形 - 鴨川駅前
- 2007年(平成19年)10月1日 - 亀山線と西条循環線を統合。同時に路線名を西条線へと変更する。
- 2008年(平成20年)11月1日 - 廃止
- 曽呂線
太海駅と県道89号線を介して、曽呂終点を結ぶ路線だった。元々は鴨川駅前 - 曽呂終点間で運行されていたが、鴨川駅前 - 太海駅間は鴨川市内線(当時)と並行していた関係上、運行区間を短縮。以降は廃止まで下記区間で運行されてきた。</br> 現在は鴨川市コミュニティバスが代替運行している。
- 太海駅 - 曽呂終点
- 清澄線
天津駅と県道81号線を介して、清澄温泉を結ぶ路線だった。『登山バス』の別称を持ち、車内放送でも同様に案内されていた。</br> 現在は鴨川市コミュニティバスが代替運行している。
- 天津駅 - 清澄寺 - 四方木(西原) - 古川 - 清澄温泉
車両
国内4メーカーを揃えている。
- 一般路線バス
日東交通からの移管車両は前後扉車(後は引戸)となっている。また、グループの中でも特に同社は、旧型車から新造車・移籍車への代替を積極的に行なっている。また、行先表示機の幕式からLED式への移行率も高い。</br> 一方で急行路線(館山線を除く)には、主にトップドア(折戸)の貸切格下げ車が使用される。</br> 車載機器については、整理券発行機・運賃箱は小田原機器製、運賃表示器はレシップ製、車内放送装置・LED式方向幕はクラリオン製のものをそれぞれ採用している。
- 高速バス
ハイデッカーの前扉車(スイングドア)が就役する。このうち、東京線に就役する車両には所要時間の関係上、化粧室が付いている。また行き先表示は当初幕式だったが、2001年(平成13年)以降の新造車はLED式に変更されている(併せて、一部の既存車も車体更新時にLED式に改造された)。</br> 車載機器については、整理券発行機・運賃箱は小田原機器製、車内放送装置・LED式方向幕はクラリオン製のものをそれぞれ採用しているが、一部は一水製作所製の運賃箱を採用した車両もある。
脚注
参考文献
- 天津小湊町史編さん委員会編 『天津小湊の歴史』 天津小湊町、1998年。
- 鴨川市史編さん委員会編 『鴨川市史』通史編 鴨川市、1996年。
- 鴨川市役所秘書課 『広報かもがわ・縮刷版』No.501 - No.683 鴨川市役所秘書課、1991年。
- 鴨川風土記編纂委員会 『鴨川風土記』 鴨川市立図書館、1980年。
- 鋸南町 『鋸南町史』 鋸南町、1969年。
- 黄和田畑生活史研究会編 『きわだ風土記』 黄和田畑生活史研究会、1981年。
- 佐藤信之 『房総の乗合自動車』 崙書房、1988年。
- 千葉県企画部交通計画課編 『千葉県の鉄道・バス』2000年版 千葉県企画部交通計画課、2000年。
- 富津市史編さん委員会編 『富津市史』通史 富津市、1982年。