青海駅 (新潟県)
青海駅(おうみえき)は、新潟県糸魚川市大字青海にある、西日本旅客鉄道(JR西日本)・日本貨物鉄道(JR貨物)北陸本線の駅である。
2005年(平成17年)3月に合併して廃止された旧青海町の中心部にある。
歴史
- 1912年(大正元年)10月15日 - 国鉄北陸本線の泊駅 - 青海駅間延伸により、その終着として開業(一般駅)。
- 1913年(大正2年)4月1日 - 北陸本線が糸魚川駅まで延伸し、途中駅となる(北陸本線全通)。
- 1922年(大正11年)2月3日 - 親不知駅との間にある勝山トンネルの西口で雪崩の直撃を受けた列車が脱線し、除雪作業員などの乗員乗客90名が死亡(北陸線列車雪崩直撃事故)。
- 1965年(昭和40年)9月30日 - 青海駅を含む泊駅- 糸魚川駅間が交流電化。
- 1966年(昭和41年)10月1日 - 新潟駅始発→青海駅終着の準急列車「ひめかわ」運転開始。ただし、直江津駅から青海駅までは普通列車。
- 1968年(昭和43年)8月 - 2代目の現駅舎に改築。
- 1969年(昭和44年)10月1日 - 「ひめかわ」、急行列車として青海駅 - 新潟駅間で運行を開始。柏崎駅 - 新潟駅間は越後線経由で運転。
- 1982年(昭和57年)11月15日 - 急行「ひめかわ」廃止。
- 1984年(昭和59年)2月1日 - 専用線発着を除く車扱貨物の取扱いを廃止。
- 1985年(昭和60年)3月14日 - 旅客手荷物・小荷物の取扱いを廃止。
- 1987年(昭和62年)4月1日 - 国鉄分割民営化により、西日本旅客鉄道(JR西日本)・日本貨物鉄道(JR貨物)が継承。
- 1988年(昭和63年)3月13日 - コンテナホーム設置。
- 2008年(平成20年)3月15日 - 定期貨物列車の設定廃止。青海オフレールステーションを開設し、コンテナ輸送をトラック代行化。
今後の予定
2014年度内に予定される北陸新幹線の長野駅 - 金沢駅間開業後は、青海駅を含む北陸本線の直江津駅 - 市振駅間がJR西日本から経営が分離され、えちごトキめき鉄道株式会社の「日本海ひすいライン」となる。
駅構造
島式ホーム2面4線を有する地上駅である。北から順に北口、1番のりば、2番のりば、3番のりば、4番のりば、南口の順に並んでいる。駅舎(橋上駅舎)はホームの親不知方の上空から北口にかけて設けられ、駅舎から南口と二つの島式ホームにそれぞれ橋がのびている。旅客列車は1・2番のりばに発着し、3・4番のりばは元々貨物専用であったため普段は使用されない。
駅そのものは糸魚川地域鉄道部の管理下にある。1968年(昭和43年)8月築の橋上駅舎の内部には、コンコースのほか独立した待合室があり、出札口ではJR貨物による簡易委託駅として、POS端末による発券のほか、補充券による指定席券の発行が可能である。
貨物駅としての機能もあるが、2008年(平成20年)3月以降は定期貨物列車の発着はない[1]。
ホーム | 路線 | 方向 | 行先 |
---|---|---|---|
1 | テンプレート:Color北陸本線 | 下り | 糸魚川・直江津方面 |
2 | テンプレート:Color北陸本線 | 上り | 富山・金沢方面 |
3・4 | (貨物専用のため立入不可) |
- 列車運転指令上では、1番のりばから順に「下り本線」「上り本線」「上り1番線」「上り2番線」とされている。また、4番のりばの山側にはホームのない待避線(「上り3番線」)があり、さらに山側には側線も存在する。
- 接近警告機から鳴るメロディは、1番のりばが「エリーゼのために」、2番のりばが「アニーローリー」である。
貨物取扱
JR貨物青海駅は、コンテナ貨物と臨時車扱貨物の取扱駅である。2008年(平成20年)3月のダイヤ改正までは、コンテナ貨物や車扱貨物を輸送するための貨物列車が発着していた。
1963年度(昭和38年度)には1日平均5000トン、使用貨車数250両を数えた[2]。
青海オフレールステーション
青海オフレールステーション(略称、青海ORS)は、駅構内南方にありJR貨物青海駅に属するコンテナ集配基地である。12フィートのコンテナ貨物を取扱い、貨物列車代替のトラック便が富山貨物駅との間に1日4往復、黒井駅との間に1日2往復の運行される。
コンテナ輸送列車が設定されていた当時は、現在コンテナ基地となっている場所がコンテナホームとして使用されていた。コンテナ荷役線は1線あった。
専用鉄道
当駅から南西方向へ分岐し青海川に沿って南下する電気化学工業の専用鉄道がある[3][4]。工場敷地内に敷設された全長8.6kmの当路線は製品の発送や原料の輸送に使用されており、青海駅 - 青海工場間の路線(通称・セメント線[3])、青海工場 - 原石鉱山間の路線(通称・原石線[3])、青海工場構内の路線(通称・工場線[3])の3路線から成る。セメント線は、工場で生産された苛性ソーダや液体塩素、セメントの運搬に使用され、原石線は同社の石灰石鉱山で採掘・粉砕された石灰石を工場へ運搬する際に使用される。前者については、2008年(平成20年)3月13日を最後に定期貨物列車は運行されていないが、稀に臨時列車が運行されることがあるほか、青海駅構内のJR分界点まで錆取り列車として機関車が回送されることがある。後者は運行が継続されている。
かつては、糸魚川方の貨車操車場から糸魚川方向へ北陸本線に沿って並走し電気化学工業青海工場田海製造所へ至る路線(通称・田海線)があり、主に化学品の発送が行われていた[3]。更に以前は、操車場から南東方向へ分岐し田海川沿いに南下して明星セメント糸魚川工場田海鉱業所へ至る専用線も存在した。
利用状況
1日の平均乗車人員は以下の通りである。[5]
乗車人員推移 | |
---|---|
年度 | 一日平均乗車人員 |
2004 | 232 |
2005 | 220 |
2006 | 229 |
2007 | 221 |
2008 | 209 |
2009 | 182 |
2010 | 175 |
2011 | 163 |
2012 | 168 |
駅周辺
北口を出て北の方向を見ると海が見える。この駅は海に大変近く、駅から海岸までの距離は300メートルに満たないほどである。北口駅前から海岸までの通りが青海の中心部で、銀行の支店などがある。糸魚川市役所青海事務所(旧青海町役場)へはこの駅から500メートルほどの道のりである。
当駅の親不知方で北陸本線の線路は青海川を渡る。この川の上流ではヒスイの産出があり、青海川硬玉産地として国の天然記念物に指定されているが、北陸本線が渡るところはこの川の河口に近い場所である。
隣の駅
- 西日本旅客鉄道
- テンプレート:Color北陸本線
脚注
関連項目
外部リンク
テンプレート:北陸本線- ↑ 2008年3月13日付で発車したセメント貨物列車が最終列車である。行先は越中大門駅などであった。
- ↑ 『列車ダイヤの話』阪田貞之、1964年、中公新書
- ↑ 3.0 3.1 3.2 3.3 3.4 テンプレート:Cite book
- ↑ 『地方鉄道及軌道一覧 : 昭和10年4月1日現在』(国立国会図書館近代デジタルライブラリー)
- ↑ テンプレート:PDFlink