エリーゼのために
テンプレート:Otheruseslist テンプレート:Portal クラシック音楽 バガテル『エリーゼのために』(独:Für Elise)は、ルートヴィヒ・ヴァン・ベートーヴェンの作曲した、よく知られたピアノ曲である。1810年作曲、イ短調。ロンド形式。WoO59の番号が与えられている。
楽曲の概要
3/8拍子。イ短調の属音であるe音と、半音下の音が揺れ動き、両手のアルペッジョへと続く特徴的な主題により、有名である。ヘ長調に開始される愛らしいものと、主音の保続低音が鳴る激しいものと2つのエピソードを持ち、それらと主部との対比が明確で、形式的にも簡素で分かりやすい点などで、現代も多くの人に愛奏、愛聴されている。
エリーゼの正体
曲のタイトルにある「エリーゼ」とは、金持ち(貴族)の娘だった。あるところでベートーベンと知り合い、お互い恋に落ちる。しかし、ベートーベンは貴族ではないため、もちろん結婚すること、恋愛関係になることは許されなかった。「エリーゼのために」の明るく愛らしいところは共に楽しい時間を過ごしている様子、激しいところは辛さ、悲しさを表している。
「エリーゼのために」は、本来「テレーゼ(Therese)のために」という曲名だったが、悪筆で解読不可能など何らかの原因で「エリーゼ(Elise)」となったという説が有力視されている。本曲の原稿はテレーゼ・マルファッティ(de:Therese Malfatti)の書類から発見されたものであり、テレーゼはかつてベートーベンが愛した女性であった。この説ではテレーゼ・マルファッティがエリーゼの正体ということになる。
2010年ドイツの音楽学者クラウス·マルティン・コーピッツ(de:Klaus Martin Kopitz)はベートーヴェンがソプラノ歌手エリザベート・レッケル(de:Elisabeth Röckel)のために作曲しているという仮説を出版した。彼女は1813年に作曲家ヨハン·ネポムク·フンメル(de:Johann Nepomuk Hummel)と結婚した。
「エリーゼのために」を原曲とした楽曲
- 「情熱の花」(1959年、カテリーナ・ヴァレンテ。日本ではザ・ピーナッツのカヴァーもヒット)
- 「キッスは目にして!」(1981年、ザ・ヴィーナス)
- 「メタルハート」(1985年、アクセプト)
- 「イヴの誘惑」(1991年、井上晴美)
- 「幸せになろう」(2002年、宇多田ヒカル。アルバム『DEEP RIVER』収録)
- 「I Can」(2002年、Nas。アルバム『God's Son 』収録)
- 「アソコに毛がはえた(エリーゼのために)」(1995年、嘉門達夫。アルバム『娯楽の殿堂』収録)
その他
- プロ野球の千葉ロッテマリーンズが、試合で得点をいれた時や勝利したときは、その度にスタンドのサポーターが「エリーゼのために」のトランペット演奏に合わせて「千葉!!ロッテ!!マリーンズ!!」とリズミカルにコールをあげる(演奏の出だしは「キッスは目にして!」の歌い出しと同様)。
- ジェフユナイテッド千葉の巻誠一郎選手の応援歌でもある。
- 日産・スカイライン(7代目、クーペ)のCMでも流れていた。テクノ調にアレンジされている。
- 他にも、台湾などの一部の地域や国の清掃車の、「ごみ回収に来た」という合図のためにクラクションと使われている。
- さらに、チョロQの一部作品では、清掃車のクラクションとして使用されており、プレイヤーが購入することも出来、当然使用することも出来るようになっている。
サンプル
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著作
- Ludwig Nohl, Neue Briefe Beethovens', Stuttgart 1867
- Klaus Martin Kopitz, Beethoven, Elisabeth Röckel und das Albumblatt „Für Elise“, Köln 2010, ISBN 978-3-936655-87-2