釧路運輸車両所

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』
移動先: 案内検索

テンプレート:出典の明記 テンプレート:車両基地 釧路運輸車両所(くしろうんゆしゃりょうじょ)は、北海道釧路市喜多町2番16号にある北海道旅客鉄道(JR北海道)の車両工場・車両基地および、運転士・車掌が所属している組織である。釧路運輸所(釧路車掌所と釧路運転所が合併)と釧路車両所(工場部門)が合併して誕生した。

2004年平成16年)3月改正で花咲線運輸営業所から運転業務(運転士・交番)を移管し、根室本線釧路駅 - 根室駅間(通称・花咲線)の運転業務を受け持つようになった。

車両部門

配置車両

主に、釧網本線・根室本線で運用される気動車のほか、特急スーパーおおぞら」系統で運用される気動車が配置される。2014年4月1日現在の所属車両は以下のとおり[1]

所属車両の車体に記される略号は、旅客車が「釧クシ」(釧=釧路支社、クシ=釧路の旧電報略号)、機関車が「」(=釧路)である。

電車 気動車 機関車 客車 貨車 合計
0両 67両 4両 8両 25両 104両

ディーゼル機関車

DE10形ディーゼル機関車
1500番台1両(1660)が配置されている。
「ノロッコ号」牽引用として専用塗色を配する。「ノロッコ号」運行時以外は、構内入替用として使用される。
DE15形ディーゼル機関車
2500番台3両(2510, 2526, 2527)が配置されている。
主に除雪に使用される。DE15 2510は「SL冬の湿原号」の補機として使用されるため、専用塗色となっている。DE15 2527は「ノロッコ号」塗色に変更された。

気動車

キハ283系気動車
キハ283形9両(3, 5, 7, 11, 13, 15, 17, 19, 21)、キハ282形13両(3, 5, 7, 103, 105, 107, 109, 111, 2003, 2005, 2007, 2009, 3003)、キロ282形3両(1, 3, 5)の計25両が配置されている。
特急「スーパーおおぞら」「スーパーとかち」に用いられる。2007年(平成19年)10月に札幌運転所から31両が転属したが、2011年(平成23年)5月27日に石勝線清風山信号場で発生した脱線火災事故の影響により、同年6月30日付で6両(キハ283-1、キハ283-9、キロ282-7、キハ282-1、キハ282-101、キハ282-3001)が廃車となった[2]
キハ40形気動車
700番台4両(739, 757, 777, 781)、1700番台24両(1709, 1722, 1723, 1737, 1738, 1740 - 1742, 1749, 1751, 1752, 1754 - 1756, 1758 - 1760, 1765, 1766, 1768, 1774 - 1776, 1778, 1779)の計29両が配置されている。
キハ54形気動車
500番台13両(507, 514 - 519, 521 - 526)が配置されている。
キハ54 522は、2012年より「ルパン三世」のラッピングが施されている。

客車

510系客車
オハテフ500形1両(51)、オクハテ510形1両(1)、オハ510形1両(1)、オハテフ510形2両(1, 2)の計5両が配置されている。
トロッコ列車「釧路湿原ノロッコ号」などで運用されている。
ナハ29000形客車
「バーベキューカー」仕様の2両(29001, 29002)が配置されている。
スユニ50形客車
救援車代用として、1両(スユニ50 514)が配置されている。

貨車

ホキ800形貨車
バラスト輸送用ホッパ車として、24両が配置されている。
ヨ3500形貨車
1両 (4350) が配置されている。車掌車であるが、専らイベント用途に用いる。

DMVの配置

過去にDMV(デュアル・モード・ビークル)が配置されていた事がある。DMV911と912の2両が存在したが、新しく大型のDMV921が登場し911と912は2009年度内に除籍となった。事業用バスとしての車籍は網走バスの名義となっていた。

工場部門

車両の検査や修繕の他に、車両改造も行っている。鉄道車両に記入される記号は「KR」、「釧路運両」。

旧・日本国有鉄道(国鉄)時代から各種車両の製造、改造、整備、廃車解体を行っている。北海道内で車両の製造ができる工場は苗穂工場・釧路工場の二箇所だけでであった。

海峡線用のオハ50系の一部や札沼線用のキハ141系の一部もここで改造された。気動車の検査修繕が主であり、キハ54形の台車交換や前面強化工事、キハ40形の特別延命工事(1700番台化)も当車両所で行われている。

運輸部門

車掌乗務範囲

運転士乗務範囲

  • 根室本線:新得駅 - 根室駅間
  • 釧網本線:東釧路駅 - 網走駅間

歴史

ファイル:Kushiro kikanku.jpg
1977年の釧路機関区、客貨車区、および操車場。周囲約1km範囲。右が根室方面。国土交通省 国土画像情報(カラー空中写真)を基に作成

車両基地

  • 1901年明治34年)7月20日:初代釧路駅(黒金町)に併設の釧路機関庫として開設[3]
  • 1917年大正6年)12月1日:釧路駅が現在地に移転し、初代釧路駅は貨物駅浜釧路駅となるが、機関庫などの付帯施設は全て残される。釧路機関庫を浜釧路機関庫に改称[3]
  • 1932年昭和7年)3月1日:浜釧路機関庫を釧路機関庫に改称[3]
  • 1936年(昭和11年)9月1日:釧路機関庫を釧路機関区に改称[3]
  • 1950年(昭和25年)2月15日:初代浜釧路駅に釧路客貨車区設置[3]
  • 1953年(昭和28年)3月14日:初代浜釧路駅併設の釧路機関区が現在地の喜多町(当時は宝町)に移転[3]
  • 1959年(昭和34年)10月26日:新しい釧路客貨車区が現在地に完成。浜釧路駅から移転開始[3]。(移転完了は翌年12月26日[4]
  • 1960年(昭和35年)8月20日:現在地に隣接する宝町に新設された釧路操車場が使用開始[4]。(それまでは釧路駅に下り仕訳線群、浜釧路駅に上り仕訳線群と分かれていたため作業性が悪く不経済であった。[5]
  • 1979年(昭和54年)5月7日:釧路機関区改築[4]
  • 1984年(昭和59年)2月1日:帯広運転区池田支区の廃止[4]により、車両が池田から転属。
  • 1986年(昭和61年)11月1日:現在地の釧路機関区および客貨車区が統合し釧路運転区となる[4]
  • 1987年(昭和62年)
    • 3月1日:釧路運転区を釧路運転所に改称[4]
    • 4月1日:国鉄分割民営化により北海道旅客鉄道が継承、釧路支社釧路運転所となる。
  • 1989年(平成元年)7月31日:二代目(貨)浜釧路駅が廃止[4]。貨物業務は新富士駅へ移管[4]
  • 1993年(平成5年)10月20日:釧路操車場内で本線を海側外周から内陸側外周へ切替[4]
  • 1994年(平成6年)3月1日:釧路運転所と釧路車掌所を統合し釧路運輸所発足[4]
  • 1996年(平成8年)5月1日:釧路車両所が幸町から現在地へ移転すると同時に[6]、釧路運輸所と統合し釧路運輸車両所発足[4]。また帯広車掌所廃止に伴い、特急行路の大半を当所が引き継ぐ。
  • 2004年(平成16年)3月:花咲線運輸営業所から運転・検修部門を移管。
  • 2009年(平成21年)3月:花咲線運輸営業所から車両を移管。ただし、花咲線運輸営業所に所属していた車両は当所所属車両と混合して同一の運用をされていた。

車両工場

  • 1902年(明治35年)
    • 3月31日:釧路機関事務所設置[7]
    • 4月10日:釧路機関事務所が工場(車両修繕)業務を兼務[7]
  • 1913年大正2年)6月10日:旭川工場釧路派出所設置[7]
  • 1916年(大正5年)11月1日:旭川工場釧路派出所が釧路工場に昇格[3]
  • 1933年(昭和8年)5月12日:釧路工場が浪花町から幸町に新築移転[3]
  • 1942年(昭和17年)9月11日:初代(貨)浜釧路駅の釧路工場を釧路工機部に改称[3]
  • 1945年(昭和20年)7月1415日:米軍の攻撃(空襲・艦砲射撃)により大被害[3]
  • 1950年(昭和25年)1月10日:釧路工機部が釧路工場に改称[3]
  • 1961年(昭和36年)7月20日:(貨)浜釧路駅が黒金町から、釧路川のかつて幸町岸壁のあった幸町3丁目から同4丁目の敷地に移転新築されるが、釧路工場は旧敷地西側の幸町9丁目から同11丁目に残される。
  • 1973年(昭和48年)9月1日:幸町の釧路工場が釧路車両管理所に改称[4]
  • 1985年(昭和60年)3月20日:幸町の釧路車両管理所が釧路車両所に改称[4]
  • 1987年(昭和62年)4月1日:国鉄分割民営化により北海道旅客鉄道が継承。
  • 1996年(平成8年)5月1日:釧路車両所が幸町から現在地へ移転すると同時に[8]、釧路運輸所と統合し釧路運輸車両所発足[4]
  • 2003年(平成15年)9月1日旭川運転所の移転により、旭川運転所所属の車両の整備の一部と廃車解体業務が移管される。

脚注

テンプレート:脚注ヘルプ テンプレート:Reflist

関連項目

テンプレート:Sister

テンプレート:北海道旅客鉄道釧路支社 テンプレート:ウィキ座標2段度分秒

  1. 交友社鉄道ファン』 2014年7月号「JR旅客会社の車両配置表」
  2. 「JR電車編成表2012年冬」359頁。ISBN 9784330256115
  3. 3.00 3.01 3.02 3.03 3.04 3.05 3.06 3.07 3.08 3.09 3.10 3.11 釧路鉄道管理局史 昭和47年11月発行。
  4. 4.00 4.01 4.02 4.03 4.04 4.05 4.06 4.07 4.08 4.09 4.10 4.11 4.12 4.13 JR釧路支社「鉄道百年の歩み」平成13年12月発行。
  5. 札幌工事局70年史 昭和52年3月発行 p514。
  6. 釧路車両所の閉所式は1996年(平成8年)4月30日。
  7. 7.0 7.1 7.2 北海道鉄道百年史 上巻 日本国有鉄道北海道総局 昭和51年3月発行 p291,p293,p660。
  8. 釧路車両所の閉所式は1996年(平成8年)4月30日。