越後交通

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越後交通株式会社(えちごこうつう)は、新潟県長岡市に本社を置くバス会社。新潟県中越地方を中心に路線網を持つ。通称EKK (Echigo Kotsu Kabusikigaisha)。かつて、元首相田中角栄が社長を務め、現在も田中家が主要株主であることで知られる。かつては鉄道事業も行っていた。

沿革

営業所

グループ各社の営業所・車庫は一部を除き、行先上は「車庫」とされるケースが多い(例:小千谷車庫、栃尾車庫など)。

越後交通

  • 本社営業所
  • 西長岡案内所
  • 東長岡営業所(悠久山)
  • 小千谷営業所(小千谷車庫)
  • 十日町営業所
  • 栃尾営業所(栃尾車庫)
  • 柏崎営業所
  • 三条営業所

三条営業所所属の車両のみ新潟ナンバー、その他はすべて長岡ナンバー登録(後述も参照)。

南越後観光バス

ファイル:MEKK831 070128.JPG
南越後観光バス所属車
  • 本社(六日町)営業所
  • 小出営業所
  • 津南営業所(大割野車庫)

他に湯沢車庫がある。また乗り入れの関係で十日町、小千谷にも車庫がある。

北越後観光バス

  • 本社(柏崎)営業所(越後交通柏崎営業所構内)
  • 長岡営業所(越後交通栃尾営業所構内、2008年4月に越後交通北長岡営業所構内より移転)
  • 小千谷営業所(越後交通小千谷営業所構内)

他に十日町、岡野町、出雲崎、見附に案内所・車庫を持つ。

バスの特徴

ファイル:Unchinhyo-Minamiechigo-Kanko.jpg
旧式の運賃表示器 現在でも南越後観光バスで使用されている
  • 路線バスは大型4メーカー全ての車両を導入している。貸切車両は三菱ふそう日野自動車製を、県内高速線用は三菱ふそうを中心に日野製、最近ではいすゞ自動車製の車両も導入している。
  • 県外高速線のうち、東京線(新潟 - 東京線、上越・柏崎 - 東京線)用はほとんどが日産ディーゼル工業(現・UDトラックス)製だが、最近では三菱ふそう製の車両も導入。三条・長岡・柏崎 - 京都・大阪線用には日野製および三菱ふそう製の車両を導入している。
  • 路線車は1980年代末までは営業所毎に以下のように主力メーカーが決まっていた。
    • 本社営業所、小出営業所、六日町営業所 - 三菱ふそう
    • 北長岡営業所(現在は廃止)、東長岡営業所、三条営業所、寺泊営業所、小千谷営業所 - いすゞ
    • 栃尾営業所、見附営業所(現在は廃止)、柏崎営業所、十日町営業所 - 日野
  • 日産ディーゼル製は路線・貸切とも1980年代前半までは導入しなかったが、1985年の新潟 - 東京線開業時に初めて採用し(西武バスとの兼ね合いによるものと思われる)、1990年代に入ってからは一般路線用にも導入されている。
  • 1990年代に入り、日産ディーゼル車が導入されるようになってからとほぼ同時に、これまでの「イチ営業所=同一メーカー」の形態をやめ、色々なメーカーの車輌が各営業所に配属されるようになった。
  • いすゞの路線自社発注車は、エルガが発売される前までは純正車体(キュービック)ではなく、富士重工製の5E、7E車体を採用していた。これは、万一、飛び石等によりフロントガラスを破損した際、一枚ガラスの純正車体よりも、二枚分割ガラスの富士重工製車体の方が修理コストが安く済むからである。なお、富士5Eが導入されるまでのいすゞ車は北村製作所製車体を採用していた。
  • 長岡地区(特に市町村合併前の旧市内)を中心にノンステップバスなど低床車両の導入を推進する一方で、地方路線や傍系会社では中古車両の導入も積極的に行い、車両更新のバランスを考慮している。最近では長岡駅を発着する郊外線(長岡 - 柏崎、長岡 - 栃尾、長岡 - 上見附、長岡 - 小千谷など)にもノンステップバスやワンステップバスを導入している。
  • 路線バスは夜行の高速バスを除き、基本的にワンマン運行である。一部の車両を除き、後ろ(中)乗り・前降りの運賃後払い方式である。
  • 路線バスの運賃表示器は近年まで紙製の運賃表が落ちてゆく旧式のものを使用していたが、南観光バスなど地域子会社の車輌を除き、現在はほぼデジタル式に入れ替えられている。
  • 北長岡営業所(北長岡車庫)廃止に伴い、それまで北長岡車庫所属だった車両が各地の営業所(主に本社・東長岡・三条)に移籍している。三条市国土交通省新潟運輸支局本局の管轄下にあるため、新潟 - 東京線用車両など三条営業所に移籍した車両は全て長岡ナンバーから新潟ナンバーに登録変更された。その他の営業所はいずれも同支局長岡自動車検査登録事務所の管轄下にあるため、転籍車両のナンバープレートの変更は行われていない。
  • 北長岡営業所(北長岡車庫)廃止後、北長岡営業所が受け持っていた路線は、新設された三条営業所を中心に各営業所が受け持つようになり、例えば長岡市内で完結する路線でも栃尾車庫のバスと乗務員で運行されたり、今までその路線には使われていなかったバスが使われるようになった。
  • すべての車両に日本バス協会のステッカーが貼られている。
  • 系列の北越後観光バス・南越後観光バスでは、東急バスをはじめ神奈川中央交通都営バス川崎市営バスなど大手事業者からの中古車を導入しているが、近年では越後交通本体でも中古車の導入が進んでいる(実際に、長岡市内の各路線でも主に三条営業所の受け持ちの路線を中心に越後交通県央観光だった時のバスが使われているのを見ることができる)。
  • 近年まで、新潟県内の路線バス事業者の中で、大型4メーカーの車両を保有している唯一の事業者だった(現在では越後交通グループほどの台数はないが、頸城自動車グループも4メーカーを保有している)。

カラーリング(塗色)

  • 路線バスはシルバー色に赤色のラインが入ったものだが、これはかつて東急グループ傘下だった旧中越バスの塗色を踏襲している。
    • 越後交通の路線車のカラーリングは東急バスのそれとほぼ同じことから、東急バスの中古車を社名表記のみ変えた状態で走らせていることも少なからずある。
    • 近年は長岡の中央循環(くるりん号)や柏崎市内循環(かざぐるま号)など専用塗色を施した車両や全面広告バスも登場している。
  • また、かつて貸切車両で使用していた旧塗色が地域子会社の一部車両(貸切車両・路線車両とも)に残存しており、白地に車体横のウインドウ下に薄紺の4本ラインを施している。側面後方には「越 後 交 通」と社名表記(所属により「南越後観光」などとなる)を記し、窓上部に「ECHIGO KOTSU」の表記が入っている(ローマ字表記のない車両もある)。一部の沿線住民やバスファンは、このデザインがたばこハイライトのパッケージに似ていることから「ハイライトカラー」などと呼んでいる。
  • 現在の貸切用車両および三条・長岡・柏崎 - 京都・大阪線以外の高速路線用車両は、ガンメタリックグレーの地に濃紺・白・赤の3本線が入り、車体横部には「ECHIGO KOTSU」と社名表記を金色のローマ字で記している。
  • 長岡・柏崎 - 京都・大阪線開設時に新車で購入した車両(日野・セレガ)は上記の塗色とは異なったデザインを採用した。車体には紺をベースとして車体後部に黄色のラインが入り、側面中央には白の活字体で「越後交通」の文字を大きく記している。
    • なお、同路線を開設するまで独立3列シート車を所有していなかったことから、南海バスより予備・続行便用車両(三菱ふそう・エアロクイーン)を1台譲り受け、こちらは南海バス在籍時の塗色[1]のまま、社名表記のみ変更して使用していたが、2011年5月頃に上記の貸切・高速用デザインに塗り替えを行った。

高速バス

現在高速バスは県外線3路線、県内線4路線を運行している。高速バスは県内線・県外線の全線でGPSによるバスロケーションシステム「にいがたバス-i」が導入されている。

各路線に括弧書きで示すのは、運行車両が所属しかつ運行業務を担当している営業所の名称。下段は共同運行を行うバス事業者である。

県外線

県内線

以上3路線は、新潟交通と共同運行

路線バス

現在、越後交通は主に長岡柏崎小千谷見附三条等を中心に運行している。柏崎・小千谷・見附・栃尾地区では北越後観光バス南魚沼魚沼十日町津南湯沢南越後観光バスがそれぞれ運行している。南越後観光バスは一部は長野県栄村に乗り入れている路線がある。なお、栄村(森宮野原駅前)を結ぶ路線は越後湯沢駅から出ており、県境を越える唯一の「急行バス」である。

  • 北長岡車庫が廃止されたことにより、今まで不定期で運行していた長岡駅(大手口) - 北長岡車庫の路線はなくなってしまった(越後交通)。
  • 主に大手口を発着する路線で長岡から各地(長岡 - 小千谷、長岡 - 柏崎など)を結ぶバスを「郊外線」、合併前の旧長岡市内のみを結ぶバスを「市内線」と呼ぶこともある(越後交通)。
  • 【急行】と付いている路線でも近年のダイヤ改正で長岡市内を中心に元々は停車しなかった停留所にも新たに停車する路線が増えている(越後交通)。
  • 【急行】長岡 - 十日町線と【急行・快速】長岡 - 柏崎線には高速バスで使われる車両が高速バスの間合い運用として使われることがある。柏崎線の場合は西山・刈羽経由の【急行】に使われることが多い(越後交通)。
  • 今では見られないが【急行】の場合、バスの正面に逆台形の赤字で書かれた木製の急行プレートを付けていたこともあった。車両にもよるが現在でもそのプレートの枠が付いている車両を見ることができ、かつての急行バスを彷彿とさせる。現在では方向幕(LED式では急行と四角に囲まれて表示)にオレンジ色で【急行】と表示される。【快速】も同様(越後交通)。

広報活動

グループ企業

地域子会社

かつては越後交通県央観光もあったが、2008年7月1日をもって越後交通に吸収合併されている。

その他

  • 長鐵工業株式会社(建設業、砂利販売業)
  • 越後交通物産株式会社(石油販売、タイヤ、自動車部品販売)
  • 越後交通整備株式会社(自動車整備)
  • 越後ビルサービス株式会社(建物内清掃、ビルメンテナンス)
  • 株式会社カンコー(広告業、タクシー、保険代理業)
  • 株式会社越後交通鉄工所(鋼構造物製造業)
  • ネッツトヨタ越後株式会社(トヨタ系自動車販売店)

出資比率のきわめて高い放送事業者

越後交通は、かつて社主であった田中角栄(当時は長岡鉄道と言った)が郵政族議員であったという背景もあり、県内の民放各局に出資している。また会社組織を立ち上げる際には、役員の人選等にも影響を与えていた。

かつて行っていた事業

鉄道事業

野球場

脚注

  1. 詳細は南海バス#高速・空港路線車の項を参照。

関連項目

外部リンク

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