狼少年ケン
テンプレート:Sidebar with collapsible lists テンプレート:出典の明記 『狼少年ケン』(おおかみしょうねんケン)とは1963年11月25日から1965年7月12日にわたりNETテレビ(現:テレビ朝日)系列で全86話が放送された東映動画(現:東映アニメーション)製作のテレビアニメである。モノクロ。同局初の国産アニメ放映作でもあり、また東映動画が初めて製作したテレビアニメ作品でもある。
目次
ストーリー
アフリカのジャングルの中で狼に育てられた少年・ケンが、双子の子供狼・チッチとポッポや仲間たちとともにジャングルの平和を守る。主な脇役は老齢で頑固だが仲間を大切にするボス狼、二枚目役の片目のジャック、ユーモラスで少しずる賢いところもあるブラック(以上、狼たち)、ケンに襲いかかっては返り討ちにあってがけから落ちたり木に衝突するドジな熊、仲間の虎(以上、悪役)などである。
しかしケンがなぜ狼に育てられ、どのように成長してきたかは物語中では明らかにされず第1回でボス狼がケンを仲間たちに紹介するところから始まっている(その前に巨大な彗星が地球に接近して天変地異が起きる場面があるが、物語の展開との関係は不明)。
その後、ケンはチッチやポッポと共に或いは他の狼たちと猿の軍団やジャングルの動物たちを奴隷にしようとする凶悪な原住民と戦ったり、狼の仲間なのに「牙」が無いと言われて海の彼方に住む白銀のライオンから牙代わりの短剣をもらったり、墜落した飛行機から生き残ったお姫様を救出したり、動物たちに恐れられる「悪魔の森」を探検したり、自分とそっくりな某国の王子様と出会って一騒動起こしたり、父親のために湖の底に眠るウラニウムを持ち帰ろうとして恐竜に襲われた少年を助けたり……と大活躍をする。
制作の経緯
1963年元日に放映を開始した虫プロダクションの『鉄腕アトム』により、日本に本格的なテレビアニメの時代が始まった。3コマ撮りや止め絵・バンクシステムの多用などテレビ向けの省力化を徹底した『アトム』に対して、東映動画関係者の評価は当初低いものであったが、アトムが高い視聴率を獲得するとその存在は無視できなくなった。東映動画内部でテレビアニメの検討が開始されると、若手の俊英アニメーターであった月岡貞夫は自らテレビアニメの企画を提出した。これをベースに制作されたのが本作であるテンプレート:要出典。
月岡は自ら演出や原画を引き受けたが、毎週1本のペースで放映されるテレビアニメは、「天才」の異名を取った月岡といえどその全話を担当することは不可能で、各話ごとのスタッフが組まれて制作に当たった。しかし、当時は作品全体を統括する作画監督が置かれなかったこともあり、月岡はスタッフによる作品の不統一に耐えきれず、放映開始から3ヶ月後に東映動画を退社するに至ったテンプレート:要出典。
サブタイトル
- 二本足の狼
- 白銀のライオン
- 魔法使いタマタン
- 怪獣プロントサウルス
- アラビアの怪人
- くたばれ!まだら族
- 一本足の男
- 魔の岩の決闘
- トーテムポールの怪人
- 月世界の男
- 女王クレオパトラ
- おばけ嫌い
- ピストル騒動
- ジャングル史上最大の作戦
- 放浪の白狼
- 月夜の出来事
- チッチとポッポの冒険旅行
- ジャングル間違いつづき
- 毒薬騒動
- ジャングルの陰謀
- 吹矢の秘密
- 帰って来たあいつ
- サーカスから来た仲間
- 象牙の湖
- 天国はどこに
- ジャングル同盟
- 吼えろジャングル
- ぬすまれた天国
- 幻の狼
- ワーニーの神
- ジャングルの虹
- アマゾンから来たコンドル
- 悪魔の森
- 嵐のおくりもの
- ゴリラの復しゅう
- 疑われた狼達
- 謎の泉
- ねらわれた親子鹿
- ジャングルの太陽
- ポッポの子守歌
- つながれた狼
- 黒熊族との対決
- ケンとチノ
- 狼のおきて
- 人間と狼たち
- ジャングルの友情
- 三つの勇気
- ジャングルに来たわんぱく坊や
- ライオンの女王
- ワニ河の死闘
- 混血のジミー
- ジャングルの現代っ子
- ジャングルの無法者
- 狼族の危機
- のろまな英雄
- おく病なライオン
- 放浪児バリー
- 奇妙な逃亡者
- 魔法使いの弟子
- とびだした狼
- メロンの秘密
- 魔王の約束
- われらのボス
- 急げ!マウントジャングルへ
- 迷い子の五匹
- 寒い国から来た狼
- ○×騒動
- ジャングルの勇者
- おかしなおかしなチンパンジー
- ジャングルの星は消えず
- まだら族の王冠
- 誇り高きゴリラ
- チッチとポッポとチッポーと
- ケンとおてんば娘
- ジャングル・パトロール
- ケンと王子とお姫様
- ジャングル裁判
- 生きていた英雄
- 孤独なライオン
- とんでもない奴
- ブラックの魔術師
- 砂漠のならず者
- 地底の女王
- ユニコーンはどこに
- チビッコ旋風
- わんぱく旋風
スタッフ
- 企画:NET(宮崎慎一)、東映動画(籏野義文、有賀健)
- 原作:大野寛夫(=月岡貞夫)
- 脚本:飯島敬、芹川有吾、有賀健、征矢茂、他
- 美術:千葉秀雄、児玉橋夫、沼井肇、他
- 音楽:小林亜星
- 演奏:アンサンブル・ヒポ
- 撮影:菅原英明、岩崎惇、他
- 編集:千蔵豊
- 録音:小西進
- 効果:音響研究所
- 記録:関口泰子、他
- 仕上:宮沢あき子、他
- 進行:三沢徹夫、他
- 作画監督:喜多真佐武
- 演出:月岡貞夫、高畑勲、芹川有吾、田中亮三 他
- キャラクター設計:月岡貞夫
- 漫画:伊東章夫(講談社「ぼくら」連載)
- 制作:東映動画
主題歌
- オープニングテーマ&エンディングテーマ
- 「狼少年ケン」 (「狼少年ケンのテーマ」、「狼少年ケンの歌」という表記もあり)
- 作詞 大野寛夫 / 作曲 小林亜星 / 歌唱 西六郷少年少女合唱団(または西六郷少年合唱団)[1]
キャスト
- ケン:西本雄司(東映児童劇団)
- ポッポ:水垣洋子、青木勇嗣
- チッチ:田上和枝
- ボス:八奈見乗児
- ジャック、キラー:内海賢二
- ブラック:大竹宏
- ゴリラ:神山卓三
- 大熊:増岡弘
- ドロシー:桂玲子
- ウォーリー:山本圭子
- 他に野沢雅子、はせさんじ、野沢那智、永井一郎、松尾佳子、近石真介、島田彰、今西正男、小林修、小林清志、村瀬正彦、南谷智晴、麻生みつ子、俳協など
放送局
ほか
キャラクター商品
- 森永製菓がスポンサーで、まず「まんがココア」が発売された。オマケとしてキャラクターシールが挿入された。後に夏用として「まんがジュース」(粉末ジュース)が発売。こちらの方にもシールが挿入された。
- 「まんがココア」はヒット商品となり、これを飲んで初めてココアの味を知った人も多かったという。
- シールのキャラクターは圧倒的に狼一族が多く、人間は主人公のケンを除いて少ない。
- 其の後、ケンキャラメルが発売された(味はバナナ)。オマケとしてキャラクターの起き上がり小法師がついていた。
劇場版
- 1963年12月21日、東京地区のみ第2話「白銀のライオン」と第3話「魔法使いタマタン」をブローアップ再編集し上映。併映『わんわん忠臣蔵』『柳生武芸帳 片目の忍者』。
- テストケースとして、初めてテレビアニメがブローアップ上映された。これが好評となり、以後テレビアニメやテレビ特撮が劇場で公開される様になる。
- 1964年3月22日、第8話「魔の岩の決闘」と第5話「アラビアの怪人」を再編集し上映。併映『西遊記』(再映)。
- 初の全国上映。なお3月28日からは、東京地区のみ上記の2本に代わり、第9話「トーテムポールの魔人」と第13話「ピストル騒動」が再編集上映された。
- 1964年5月3日、第12話「おばけ嫌い」と第14話「ジャングル最大の作戦」を再編集し上映。併映『少年猿飛佐助』(再映)。
- 1964年6月14日、「月夜の出来事」を上映。併映『路傍の石』『おふくろ』。
- 一般映画と合わせて上映された、珍しいケース。
- 1964年7月21日、「まんが大行進」の1本として第23話「サーカスから来た仲間」を上映。併映『少年忍者風のフジ丸』(後に『忍者部隊月光』)『エイトマン』『鉄人28号』。
- 1965年3月20日、第56話「おく病なライオン」を上映。併映『ガリバーの宇宙旅行』『少年忍者 風のフジ丸』。
- 1965年7月24日、「まんが大行進」の1本として、第72話「誇り高きゴリラ」を上映。併映『少年忍者 風のフジ丸』『宇宙パトロールホッパ』『スーパージェッター』『宇宙少年ソラン』。
- 1965年12月25日、「まんが大行進」の1本として、第83話「地底の女王」と第86話(最終回)「わんぱく作戦」を再編集上映。併映『わんわん忠臣蔵』(再映)『オバケのQ太郎』。
- 劇場上映最後の作品。これで本作は限定上映も含めて、延べ9回上映された事になる。これはブローアップ上映作品の中では最多記録。
その他
- EDは2種類有り前期は止め絵、後期はケンや狼一族が走り回る動画だった。また主題歌も、前期の方がテンポが早かった。後期の方は後年の主題歌集ビデオ(東映ビデオ)には収録されておらず、意外に知られなかった。
- 1986年にTBSテレビで放送されたドラマ『お坊っチャマにはわかるまい!』の第11話において「狼少年ケンのテーマ」が挿入歌として使用された。
- 2004年に放送された『クイズ!家族でGO!!』(毎日放送制作・TBS系列)の「パパキャッチャー」の開始音楽に、「狼少年ケンのテーマ」のイントロとコーダが使われた。
- 2006年ごろに流れたサントリーフーズの「BOSSレインボーマウンテンブレンド」のCMに「狼少年ケンのテーマ」が使用されていた。ちなみに、このCMにはSMAPの草彅剛が出演していた。
- 2009年から流されているロッテのガム「Fit's」のCMでは「狼少年ケンのテーマ」の替え歌が使用されている。
- 『ひらけ!ポンキッキ』等の子供番組のBGMとして「狼少年ケンのテーマ」が使用されることもあった。
- 元プロ野球選手の平野謙が中日ドラゴンズ在籍時の応援歌が名前にちなんで「狼少年ケンのテーマ」だった。
2012年製作の三池崇史監督『愛と誠』で、伊原剛志が演じる座王権太の登場シーンで「狼少年ケンのテーマ」が使われている。
脚注
- ↑ この歌は数社から発売されており、題名や歌手名に表記上の違いがある。また、TVサイズでお馴染みの「ワーオ、ワーオ、ワオー、ボバンババンボン...」というイントロもレコード会社によって入っていたりいなかったりする。「朝日ソノラマ主題歌コレクション1」のライナーノーツによると、どの社の音源が正規版なのか長い間議論されて来たが、同盤収録のモノラル版ワーオ入りヴァージョンが正規版だとほぼ断言している。「小林亜星 アニメ・トラック・アンソロジー」にはステレオ版ワーオ入りヴァージョンが収録されているが、朝日ソノラマ版とは前奏や歌い方が微妙に異なる。