洛南高等学校・附属中学校
テンプレート:日本の高等学校 洛南高等学校(らくなんこうとうがっこう)および洛南高等学校附属中学校(-ふぞくちゅうがっこう)は、京都市南区壬生通八条下ル東寺町に所在し、中高一貫教育を提供する私立高等学校・中学校。設置者は真言宗各派が参画する学校法人真言宗洛南学園であり、学校は教王護国寺(東寺)の境内にある。
目次
概要
1980年代より急激に大学進学実績を伸ばし、真言宗系の高等学校としては随一の進学校である。また、バスケットボールやバレーボール、体操、陸上競技、吹奏楽などの部活動も盛んで、全国レベルで活躍している。長らく男子校であったが、2006年(平成18年)から男女共学になった。
高等学校では進学を重視し附属中学校からの内部進学生と合流する「空パラダイム」と、個性を伸ばすことを目的とする「海パラダイム」の2コースがあり、「海パラダイム」はさらに京阪神大学を目指す"α"と部活動などの課外活動を重視する"β"に分かれている(2013年度入学生より順次移行中)。
校訓
仏教でいう三宝(仏・法・僧)に帰依することに因んで定められている。
- 自己を尊重せよ
- 真理を探究せよ
- 社会に献身せよ
沿革
歴史
空海が平安時代の828年(天長5年)に庶民教育のために設立した綜芸種智院に端を発するとしているが、綜芸種智院は空海の死後、廃れ、廃されている。現在の洛南高校の源流は、1881年(明治14年)に真言宗の教育機関として釈雲照が設立した総黌である。総黌は幾多の変遷を経て、高等教育機関の真言宗京都専門学校(種智院大学の前身)と、中等教育機関の東寺中学校の両学となった。このうち東寺中学校が、戦後新学制の下で学校法人真言宗京都学園が設置する東寺高等学校となった。1960年代(昭和30年代後半)、当時の副校長三浦俊良らが中心になって学校内の改革を決断し、校名も洛南高等学校と改称した[1]。ただ改称するだけでなく、校則を厳しくし不良生徒を退学などの処分を含めて大幅に取り締まり、また特別進学コースを設置して優秀な生徒を集めた。改革後の洛南高等学校は、風紀は堅く守られ、また、学問、スポーツともに成績全国トップクラスの進学校として生まれ変わった。長らく男子校であったが、2006年(平成18年)から男女共学になった。2011年になり経営不振の種智院大学を擁する真言宗京都学園から切り離し、新法人の真言宗洛南学園へ移管された。
歴代学校長
- 木村澄覚(教王護国寺長者、種智院大学学長)
- 森諦圓(真言宗御室派総本山仁和寺門跡、種智院大学学長、三豊市覚城院住職)
- 三浦俊良(東寺真言宗別格本山宝菩提院住職)
- 生姜塚慶悟(真宗大谷派僧侶)
- 田中純應(真言宗御室派宗務総長(仁和寺執行長)、京北町教育長、小学校長を歴任、京北町大聖院住職)
- 後藤善猛(真言宗大覚寺派大本山大覚寺教学研究室審議委員、徳島県立城南高校元校長、阿南市梅谷寺住職)
- 柴垣弘巌(高野山真言宗延福寺住職)
- 川田信一
年表
- 828年(天長5年) - 起源
- 1881年(明治14年) - 総黌創立
- 1902年(明治35年) - 私立古義真言宗聯合中学校に改称
- 1917年(大正6年) - 真言宗京都大学(後の種智院大学)と分離し真言宗京都中学に改称
- 1926年(大正15年) - 東寺中学校に改称
- 1948年(昭和23年) - 東寺高等学校に改称
- 1962年(昭和37年)6月 - 洛南高等学校に改称
- 1965年(昭和40年)4月 - 自動車コース、特別進学コース創設
- 1978年(昭和53年)4月 - 準特別進学コース創設
- 1982年(昭和57年)4月 - コース呼称変更:普通科→I類、普通科(自動車コース)→II類、普通科(特別進学コース・準特別進学コース)→III類A・III類B
- 1985年(昭和60年)4月 - 洛南高等学校附属中学校開校(2クラス)
- 1993年(平成5年)4月 - II類(自動車コース)募集停止
- 1996年(平成8年)4月 - 洛南高等学校附属中学校2クラス増設
- 2001年(平成13年)4月 - 体育着(夏)がランニングシャツから半袖シャツへの移行が始まる
- 2002年(平成14年)4月 - 洛南高等学校附属中学校5クラスに(1クラス増設)
- 2003年(平成15年)4月 - 皮膚の弱い生徒に配慮し詰襟学生服が廃止され、ブレザーの制服(ネクタイは学年ごとに色が違う)への移行が始まる
- 2006年(平成18年)4月 - III類の共学化
- 2011年(平成23年)4月 - 学校法人真言宗洛南学園に設置者変更(経営移管)
- 2013年(平成25年)4月 - I類・III類を廃し、空パラダイム・海パラダイムの2コースに再編
アクセス
学寮
男子のみの学寮がある(睦寮)。入寮希望者は出願時に「入寮願」を提出しなければならない。その他、塔頭宝菩提院から通学をする場合もある。
シンボル
校章
三方亀甲
校歌
校風
行事
- 御影供 - 弘法大師の月命日である毎月21日に校長の講話を聴く。講話の前に三帰依及び講話の後には四弘誓願の合唱が行われる。
- 文化祭
- 体育祭
- 柔道大会
- バレーボール大会
- バスケットボール大会
- サッカー大会(高校のみ)
- 水泳大会
- 長距離記録会(中学のみ)
- 各種合宿
部活動
バスケットボール部は日本の高校でもトップクラスの1校となり、2008年にはウィンターカップ3連覇を達成している(男子では史上2校目)。体操部も大阪の清風高校と実績を二分する。また、陸上部は全国高校駅伝大会に19度の出場を誇る名門である。
また、国際物理オリンピック日本初の代表、銀メダルを獲得したのもここの生徒である。
- バスケットボール
- 体操
- 全国高校総体・団体総合優勝8回(1970年、1978年、1979年、1982年、1985年、1999年、2008年、2009年)
- 全国高校総体・団体総合優勝8回(1970年、1978年、1979年、1982年、1985年、1999年、2008年、2009年)
- バレーボール
- 全国高校総体・優勝1回(2004年)
- 全国高校総体・優勝1回(2004年)
- 吹奏楽
- 全日本吹奏楽コンクール・金賞4回(1988年、1992年、1997年、2003年)
- 全日本高等学校選抜吹奏楽大会・グランプリ1回(2005年)
- 全日本吹奏楽コンクール・金賞4回(1988年、1992年、1997年、2003年)
- ディベート
- 全国中学・高校ディベート選手権第15回大会 優勝(2010年)
- 全国中学・高校ディベート選手権第15回大会 優勝(2010年)
- 俳句創作
- 全国高等学校俳句選手権大会「松山俳句甲子園」 準優勝2回(第12回(2009年)、第16回(2013年))
- 全国高等学校俳句選手権大会「松山俳句甲子園」 準優勝2回(第12回(2009年)、第16回(2013年))
体罰問題
陸上部顧問の40歳代の男性教諭が、2011年11月に部の練習中に、男子部員の一人を平手打ちにする体罰を加えた。この部員は左耳の鼓膜が損傷し全治1ヶ月の怪我を負った。同校はこの顧問教諭を減給3ヶ月並びに譴責処分とし、陸上部の指導からも無期限で外している[2]。
著名な卒業生
政治・行政
- 平智之 - 元衆議院議員(民主党・京都1区)
- 山井和則 - 元厚生労働大臣政務官、衆議院議員(民主党・京都6区)
- 中島正純 - 元環境大臣政務官、衆議院議員(民主党・大阪3区)
- 伊佐進一 - 衆議院議員 (公明党・大阪6区)
- 尾形賢 - 京都府議会議員(自由民主党・京田辺市、綴喜郡)
- 富喜久夫 - 京都市議会議員、議長(自由民主党・山科区)
- 吉井章 - 京都市議会議員(自由民主党・山科区)
- 山本智-長岡京市議会議員(公明党)
- 巌博 - 八幡市議会議員(日本共産党)
- 岡高志 - 大田区議会議員(民主党)
- 嶋野浩一朗 - 摂津市議会議員、副議長(無所属・改革クラブ)
- 西田剛 - 草津市議会議員(無所属・新生会)
- 青木光治 - 橿原市議会議員(日本共産党)
宗教
- 筑波常遍 - 大本山勧修寺門跡、東寺高校卒業。
- 添野智譲 - 種智院大学名誉教授、洛南高校第1期卒業、茨木市真言宗御室派大門寺住職。
- 菱木政晴 - 同朋大学特任教授
- 大西真興 - 北法相宗大本山清水寺執事長
- 大谷光輪 - 本願寺門主
- 井上嘉浩 - 元オウム真理教幹部。死刑囚
伝統芸術
マスコミ
- 東裕二 - テレビ朝日ディレクター。彼と彼女の事情、柴門ふみセレクション、湘南女子寮物語。
- 訓覇圭 - NHKディレクター。
- 難波紀伝(山梨放送アナウンサー)
- 庄野数馬(山口放送アナウンサー)
- 田中宏明 - 元TBSアナウンサー。日経CNBCキャスター。
- 佐々木匡哉 - 朝日放送ディレクター。
音楽
- 水間博明 - ファゴット奏者、ケルン放送管弦楽団首席奏者
- 田中弘 - 大阪市音楽団トランペット奏者
- 岡本哲 - トロンボーン奏者、京都市交響楽団首席奏者
- 菊本和昭 - トランペット奏者、NHK交響楽団首席奏者、日本音楽コンクール第1位
文芸
- 鏑木蓮 - 作家(第52回江戸川乱歩賞、第一回立教・池袋ふくろう文芸賞受賞)
- 小林泰三 - 作家
- 長瀬弘樹 - 作詞/作曲家、アレンジャー。中島美嘉、KinKi Kids、NEWSなどの楽曲を手がける。
タレント
スポーツ
バスケットボール
- 福島雅人 - 京都産業大学、プロバスケットボール指導者
- 富永啓之 - 元バスケットボール選手
- 岡村憲司 - バスケットボール指導者
- 竹原太一 - 豊田通商ファイティングイーグルス名古屋所属
- 永山誠 - 和歌山トライアンズ所属
- 佐藤賢次 - 東芝ブレイブサンダース神奈川アシスタントコーチ
- 辻内伸也 - 豊田通商ファイティングイーグルス名古屋所属:2000年卒業
- 井上裕介 - 滋賀レイクスターズ所属:2001年卒業
- 小川伸也 - 滋賀レイクスターズ所属:2002年卒業
- 竹内公輔 - トヨタ自動車アルバルク東京所属:2003年卒業
- 竹内譲次 - 日立サンロッカーズ東京所属:2003年卒業
- 横尾達泰 - 島根スサノオマジック所属
- 西垣仁貴 - 元バスケットボール選手:2004年卒業
- 村上直 - 京都ハンナリーズ所属:2005年卒業
- 小林高晃 - 東京エクセレンス所属:2006年卒業
- 湊谷安玲久司朱 - 三菱電機ダイヤモンドドルフィンズ名古屋所属:2007年卒業
- 比江島慎 - アイシンシーホース三河所属:2009年卒業
体操
- 冨田洋之 - 順天堂大学、順天堂大学教員(2004年アテネオリンピック男子団体体操金メダリスト、2006年 体操世界選手権銀メダリスト、2008年北京オリンピック男子団体体操銀メダリスト)
- 中野大輔 - 九州共立大学、福岡教育大学大学院(2004年アテネオリンピック男子団体体操金メダリスト)
・芳村祐生 今は洛南高等学校・附属中学校の体育科教師
陸上
- 高岡寿成 - 龍谷大学、カネボウ所属、マラソン選手 2004年度東京国際マラソン第一位
- 幸田高明 - 明治大学競走部、旭化成所属
- 山口有希 - 東海大学、大阪ガス所属、陸上競技(400メートル日本ジュニア記録保持者・アテネオリンピック代表)
- 難波祐樹 - 順天堂大学、JALグランドサービス所属
- 松岡佑起 - 順天堂大学、大塚製薬所属
- 柴田博之 - 洛南高教、走り幅跳び(ソウルオリンピック代表)
- 桐生祥秀 - 東洋大学、100m日本歴代2位
サッカー
- 草木克洋 - 元Jリーグ京都パープルサンガ、成美大学監督
- 久保田陽 - 元Jリーグ京都パープルサンガ、ノートルダムVIRTUS代表
- 西島健介 - 元Jリーグガンバ大阪、MIOびわこ滋賀JRユースチームコーチ
- 東口順昭 - Jリーグガンバ大阪
バレーボール
- 福澤達哉 - 中央大学法学部卒、パナソニックパンサーズ、北京オリンピック日本代表
教育・研究
- 竹岡広信 - 駿台予備学校講師・現洛南高校非常勤講師(ドラゴン桜の英語講師のモデル)
- 大村善治 - 京都大学 生存圏研究所教授
- 福澤秀哉 - 京都大学 大学院生命科学研究科教授
- 井上正志 - 大阪大学 大学院理学研究科教授
- 中建介 - 京都工芸繊維大学 大学院物質工学専攻教授
- 川瀬晃道 - 名古屋大学 エコトピア科学研究所教授
- 忍久保洋 - 名古屋大学 大学院工学研究科・工学部教授
- 佐田和己 - 北海道大学 大学院理学研究院教授
- 太田聰一 - 慶應義塾大学 経済学部教授
- 近藤玄 - 京都大学再生医科学研究所教授
- 安達毅 - 東京大学 生産技術研究所准教授
- 醍醐市朗 - 東京大学 大学院工学系研究科 特任准教授
- 長﨑正朗 - 東北大学 東北メディカル・メガバンク機構バイオメディカル情報解析分野教授
- 古松慶之 - 大阪大学 大学院医学系研究科 医療経済産業政策学 特任助教
- 赤塚洋 - 東京工業大学 原子炉工学研究所准教授
- 梶田幸秀 - 九州大学 工学研究院准教授
- 佐々木健 - 京都大学 大学院法学研究科准教授
- 奥村英之 - 京都大学 大学院エネルギー科学研究科准教授
- 徳田陽明 - 京都大学化学研究所准教授
- 栗谷豪 - 東北大学 大学院理学研究科准教授
- 勝山真人 - 京都府立医科大学 大学院医学研究科准教授
- 中尾博之 - 東京大学 医学部附属病院災害医療マネジメント部長
- 筧康明 - 慶應義塾大学 環境情報学部准教授
- 伊藤将弘 - 立命館大学 生命科学部生命学科教授
- 千代章一郎 - 広島大学 大学院工学研究科准教授
- 川村康文 - 東京理科大学理学部物理学科教授
教職員
脚注および参照
併設学校
- 洛南高等学校附属小学校[1](2014年4月1日開校予定)