東京都立北園高等学校
東京都立北園高等学校(とうきょうとりつ きたぞのこうとうがっこう)は、東京都板橋区板橋に所在する都立高等学校。
目次
概要
1928年(昭和3年)に開校した東京府立第九中学校を前身とする都立進学校。戦前は他の府立中学と同様に忠君愛国教育や軍隊式教育を採用していたが、その中で最も軍国主義的傾向が強かったのが九中であったと云われている。昭和史のスライドフィルムに残るそうした映像はほぼ当時の九中を写したものである。校名は「城北の学園」という意味に由来する(新制高校への改組時に所在地から「板橋」とする予定であったが、先に板橋高校に名付けられた為に「北園」と名付けたという)。
1950 - 1960年代は、第四学区で小石川高校に次ぐ位置にあり、10 - 30名前後(40人台の年もあった)を東大、100名以上を早慶へ輩出していた。グループ合同選抜制度時代には42グループの首位であったが、その後は他の都立高校と同様進学実績が低迷した。現在は2006年(平成18年)から土曜授業を復活するなど、進学実績上昇のために改革が進んでおり、都から進学指導推進校に指定されている。一般入試に於いては都の共通問題を使用しており、学力検査と調査書の総合点が高い順に男女とも各々上位9割を決定しているが、残り1割は調査書を無視して学力検査の合計点が高い順に合格者を決定する特別選考枠を設けている。
「自由の北園」と呼ばれるように、新制高校に改組された時からの私服校であり、旧制中学以来の自由で自主性を重んじる校風が根付いている。大学受験への取り組みも熱心に行われており、国公立大学・難関私立大学合格を目標とした進路指導を実施している。放課後や長期休業中に進学補習が開かれるほか、高3で小論文指導、英語と数学の勉強合宿を実施している。また、第二外国語教育に熱心なことでも知られている。
2010年度より、九曜会(同窓会)などの協力のもと、長野県や信州大学と提携した「信州北園プロジェクト」を開始する。プロジェクトでは、難関大学現役に合格できる学力と、未来を切り開く人間力の育成を目指して、長野県にて、勉強合宿や大学のキャンパス訪問、信州の森体験、森林保全奉仕合宿などを実施。
校地の由来
校地周辺を含めて、かつて加賀藩前田家の広大な庭園を含む下屋敷が存在した。現在の校地は、下屋敷の建物があった場所と言われている。
沿革
- 1928年4月 東京府立第九中學校として開校。
- 1943年10月 都制実施により、東京都立第九中學校と改称。
- 1946年4月 東京都立第二十四中學校を統合。
- 1948年4月 学制改革により、東京都立第九新制高等學校となる。
- 1949年4月 女子生徒26名が入学し、男女共学開始。
- 1950年1月 東京都立北園高等学校と改称、新校歌制定。
- 1952年 学区合同選抜制度導入。
- 1961年8月 「霧ヶ峰北園寮」が落成。
- 1967年 学校群制度導入、豊島高校・板橋高校と42群を組む。
- 1982年 グループ合同選抜制度導入。板橋・大山・北野・志村・高島の各校と42グループを組む。
- 1989年1月 現校舎竣工。
- 1994年 単独選抜制度導入。
- 1998年11月 創立70周年記念式典挙行。
- 2003年3月 定時制課程(夜間・4年制)が閉課程となる。
- 2006年 土曜授業を復活する。ITを活用した教育推進校に指定される。
- 2008年 創立80周年記念式典挙行。柔道選手の鈴木桂治がその際講演。
- 2010年 進学指導推進校に指定される。
信州北園プロジェクト
- 新入生セミナー合宿(1年次4月実施)
1泊2日で信州大学見学や勉強をする。
- 森林保全合宿(2年次5月実施)
2泊3日で信州の森で奉仕活動を行う。
- 勉強合宿(1・2年次夏休み実施 希望者)
3泊4日で信州で勉強をする。
第二外国語教育
伝統的に第二外国語教育に力を入れており、希望者は1年次から3年間継続してドイツ語、フランス語、ロシア語、中国語を学ぶことができる。高校課程でロシア語を3年間履修することができる高校は全国でもほとんど存在しない。
ドイツ語には特に力を入れており、3年次には、5単位の「英語」の代わりに「ドイツ語」を履修することができる(「独専」と呼ばれる)。このため、大学入試科目でドイツ語を選択する生徒も少なくない。 ドイツ外務省が主催するPASCHパートナー校に指定。2010年(平成22年)は3名のドイツ留学が実現した。また、全国高校生ドイツ語スピーチコンテストでは優勝者を輩出している。
交通・周辺環境
板橋区の東端にある。敷地は国道17号(中山道)から少し入った場所。
施設・設備
学園祭
- 文化祭は「柊祭(ひいらぎさい)」と呼ばれ毎年9月中旬に行われる。名称は校章のヒイラギを由来とする。かつては異種格闘技研究会のプロレス興行が開催されていた。現在では、服飾部によるファッションショーやストリートパフォーマンス部によるダンスパフォーマンスが看板となっている。
テーマ
- 2009年度「和」
- 2010年度「ワンダーランド」
- 2011年度「おもちゃ箱」
- 2012年度「タイムスリップ」
- 2013年度「魔法」
部活・同好会
運動部
- ラグビー部
- サッカー部
- 軟式野球部
- 陸上部
- 剣道部
- 男子バレー部
- 女子バレー部
- 男子バスケット部
- 女子バスケット部
- 水泳部
- 卓球部
- 硬式テニス部
- 軟式テニス部
- バドミントン部
- ソフトボール部
- ストリートパフォーマンス部(ダンス部)
- 柔道部
- 山岳部
文化部
- 演劇部
- 美術部
- 吹奏楽部
- 文芸部
- 茶道部
- 新聞部
- クッキング部
- 服飾部
- 漫画イラスト部
- 写真部
- 放送部
- アコースティックハーモニー部
- フリーミュージック部(軽音部)
- 理科学研究部
- 地球科学部
- 映像研究部
- 物理研究部
同窓会・後援会
- 九曜会 - 旧府立九中と北園高校の同窓会活動を行っている。九は府立九中から取られている。
- 財団法人 三五会 - 北園高校後援会。霧ヶ峰北園寮は本会が所有し管理運営を行う。
- 九柊会 定時制同窓会
著名な関係者
出身者
※括弧内は卒業年。ただし、中退者等は例外あり。
- 西条道彦- 脚本家、作家
- 原卓也 - ロシア文学者、元東京外国語大学学長
- 堀越孝一 - 歴史学者(西洋中世史)、学習院大学名誉教授
- 菊地昌典 - 政治学者(ソ連研究)元東京大学名誉教授
- 山極晃 - 政治学者(国際政治史)、元横浜市立大学国際文化学部教授
- 種村季弘 - 独文学者、評論家、随筆家
- 高柳重信 - 俳人
- 上原行雄 - 法学者、一橋大学名誉教授
- 榎本稔 - 医学者、元東京工業大学教授
- 山中健 - 数学者、日本大学名誉教授
- 蛭川久康 - 英文学・英国文化史、武蔵大学名誉教授
- 福山勝也 - 明治学院大学准教授
- 山本尚友 - 熊本学園大学教授
- 川村秀 - 日露センター代表、ロシア史家
- 藤川鉄馬 - 元大蔵省印刷局長
- 小山森也 - 元郵政事務次官、元NHK副会長
- 石川義夫 - 元東京高裁部総括判事
- 白眞勲 - 参議院議員(北園29期)
- 阿久津幸彦 - 衆議院議員
- 高橋一郎 - 元衆議院議員
- 貝原俊民 - 元兵庫県知事
- 鳥羽董 - 元ダイエー社長、元味の素社長
- 井上克信 - 日本曹達社長
- 喜多嶋隆 - 作家(昭和43年・北園20期)
- 出崎統 - アニメーション監督
- 菅谷政子 - 声優
- 多々良純 - 俳優
- みずしな孝之 - 漫画家
- 鈴木忠志- 演出家
- 江守徹 - 俳優(昭和37年・北園14期)
- 吉田日出子 - 女優
- 中山美穂 - 女優(定時制中退)
- 西村博之 - 2ちゃんねる管理人(平成7年・北園47期)
- 佐藤孝治 - ジョブウェブ代表取締役
- 岡安芳明 - ミュージシャン、日本を代表するジャズギタリスト
- 宮崎晃 - 映画監督
- 今野多久郎 - 音楽プロデューサー、パーカショニスト
- 渡辺秀文-音楽プロデューサー
- 片桐勝彦 - フラメンコギタリスト(昭和61年・北園38期)
- 手島英 - クラシック声楽家
- 津田大介 - ジャーナリスト
- 斎藤貴男 - ジャーナリスト
- 松田政男 - 政治運動家・映画評論家
- 小池清 - 元アナウンサー
- 原良馬 - 競馬評論家
- 立川談幸 - 落語家(北園25期)
- 三遊亭小圓楽 - 落語家(北園31期)
- 東美江 - 女優
- 吉田健司 - バスケットボール指導者
- ワキサカコウジ - イラストレーター
- 河野啓三 - ミュージシャン、T-SQUAREのキーボーディスト
- 相原正道 - 福山大学経済学部 准教授スポーツマネジメント2016年東京オリンピック・パラリンピック招致委員会マネージャー(1990年・北園42期)
- サニー成瀬 - 歌手、司会者