明治大学付属中野中学校・高等学校
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明治大学付属中野中学校・高等学校(めいじだいがくふぞくなかのちゅうがっこう・こうとうがっこう)は、東京都中野区東中野三丁目に所在し、中高一貫教育を提供する私立男子中学校・高等学校。設置者は学校法人中野学園。高等学校において、中学校から入学した内部進学の生徒と高等学校から入学した外部進学の生徒との間では、高等学校第1学年から混合してクラスを編成する併設型中高一貫校[1]。略称は「明大中野」(めいだいなかの)、「明中」(めいなか)。
目次
概要
明治大学の付属校の一つ。中高一貫制であるが、高等部からの入学定員も150名前後ある。姉妹校には明治大学付属中野八王子中学校・高等学校がある。明治大学付属であるが、学校の設置者は中野校・八王子校ともに学校法人中野学園という別法人で、実質上は系属校であり、2008年度明治大学内部進学率は80%程度となっている。しかし、国公立大等への外部進学者が一定の割合でいること、指定校推薦が充実していることなどから、推薦枠を多少余らせて返還しているのが実状である。
隣接地の取得による校地の拡大及び、校舎の全面改築が進行中であり、教育環境のより一層のバージョンアップが期待されている。
沿革
- 1929年4月 - ひとのみち教団(現在のパーフェクト リバティー教団)の御木徳一、財団法人「徳光育英会」を組織。その運営の元、旧制中野中学校開校。(開校式には田中義一内閣総理大臣、堀切善次郎東京市長等が出席)
- 1945年5月 - 空襲により校舎全焼。
- 1946年3月 - 片桐誠第8代校長就任。
- 1947年4月 - 新制中学校認可。
- 1948年3月 - 新制高等学校認可。
- 1949年4月 - 明治大学付属となる。
- 1950年12月 - 定時制併設認可。
- 1955年11月 - 創立25周年記念式典。
- 1956年4月 - 3号館落成。
- 1957年7月 - 館山施設(鏡明寮)完成。
- 1961年12月 - 新校舎建設5カ年計画1号館(特別教室)落成。
- 1963年1月 - 2号館(普通教室)落成。
- 1965年2月 - 講堂落成。
- 1965年7月 - 八ヶ岳富士見高原施設(岳明寮)完成。
- 1975年4月 - 4号館落成。
- 1976年12月 - 6号館落成。
- 1979年10月 - 創立50周年記念式典。
- 1982年9月 - 八王子戸吹総合グラウンド完成。
- 1984年4月 - 創立55周年事業として明治大学付属中野八王子中学校・高等学校開校。
- 1988年6月 - 片桐誠名誉校長に就任、片桐誠一郎第9代校長に就任。
- 1989年1月 - 創立60周年記念事業温水プール付き体育館新築落成。
- 1994年8月 - 創立65周年事業全館冷暖房設備。
- 1999年10月 - 創立70周年記念式典。
- 2003年3月 - 定時制閉課程。
- 2007年4月 - 小澤正昭第10代校長に就任。
- 2009年10月 - 創立80周年記念式典。
校歌
教育
- 「修学錬身」・「質実剛毅」・「協同自治」を基本理念としており、校則が厳格なことで知られる。
- 2年次より文理コース制を実施。30%前後の生徒が他大学を受験することもあり、高1より年数回、全国公開模試を校内で実施する。高校3年では大手予備校の受験スペシャリストによる進学講演会を実施。
- 外部受験生からは、東大、東工大、一橋大、慶應大、早稲田大、医学部といった難関大学にコンスタントに進学者が出ている。
- 明大経理研究所による、公認会計士志望の生徒などを対象にした簿記講座の他、同じく明大文学部・法学部の教員による語学講座、法学検定講座などが実施されている。
- 農学部入学を強く志望する生徒については、(通常の推薦に加えて)明大農学部で実施している、付属校の生徒を対象にした、付属校AO入試の利用が可能である。
- 体育の授業において、柔道・剣道に力を入れることにより、本物の礼儀作法への理解を深め、職業観や倫理観の養成、リーダーに求められる資質を養うとしている。
- 毎年、夏季休暇期間中に、ニュージーランド・オークランドの景勝地で、ホームステイによる語学研修を実施。
- 10年程前より、明治大学から共学化の打診を受けているが、実現していない。
付属施設
- 普通教室・特別教室(技術科教室・家庭科室・物理実験室・化学実験室・生物実験室・物理階段教室・化学階段教室・音楽室・美術室・中学社会科教室・高校社会科教室・コンピューター室・視聴覚室)・図書館・グラウンド・屋内プール・体育館・卓球場・柔道場・剣道場・相撲場・射撃場・バスケットコート・バレーボールコート・屋外バレーボールコート・屋外ピッチング練習場・テニスコート・トレーニングルーム・食堂・講堂・岳明寮(校外施設)
部活動
文武両道を掲げ、伝統ある強豪クラブが多く、音楽部、バスケットボール部、ラグビー部、ゴルフ部、水泳部、相撲部、射撃部、柔道部、スキー部、スケート部(アイスホッケー)、山岳部、アーチェリー部などが全国大会に出場した経験を持つ。
- 文化系
- 音楽部は、文化部の中で最大規模。男子のみで構成されているオーケストラを有し、第3回全国高等学校選抜オーケストラフェスタから毎年出場を果たしている。1994年、1999年、2010年には海外での演奏旅行を実施している。
- 写真映画部は、東京都写真美術展に於いて、会長賞や特選などに選出されている。
- 平成23年の全国大会・都大会で、放送部、棋道部等が入賞している。
- 体育系
- バスケットボール部は第1回全国高等学校バスケットボール選抜優勝大会(春の選抜、現・ウィンターカップ)優勝。
- 水泳部(水球)は全国大会優勝の常連であり、インターハイ4連覇の記録をもつ他、在学中に国際大会に日本代表として出場した選手など有力選手を輩出。2007年9月には校内プールにて、イアン・ソープ、リーゼル・ジョーンズらによるスイムクリニックを実施。
- 野球部は2008年秋季都大会では4強入りを果たし、2009年第78回選抜高校野球「21世紀枠校」として都高野連の推薦を受けた。また、中等部野球部は2008年度に東京都大会で優勝を果たすなど、同大会での優勝は通算12回を誇る。
- 相撲部は全国大会優勝の常連であり、かつて花田勝(元横綱・3代目若乃花)、花田光司(元横綱・貴乃花)、志賀太祐(元大関・栃東)らが所属していた。
- 射撃部は例年、関東大会・全国大会に出場している。
- 山岳部は近年、数回に亘り、全国大会へ出場している。
- その他、2009年度に於いては、中等部では庭球部が東京都私学大会優勝(団体)、ラグビー部が東京都大会で優勝。高等部では、ラグビー部、バレー部、ゴルフ部、スキー部などが全国大会出場を果たしている。
その他
- 1929年の開校式は、田中義一内閣総理大臣、堀切善次郎東京市長などの参加の下、開催された。
- OBの顔触れからも分かるように、所謂二世が目立つなど、都内でも指折りの“派手な学校”としてみられることが多いが、一方で一般的な生徒も多いとされる。
- 多くの文化人、タレント等を輩出した定時制課程は、2003年3月で廃止された。(2011年に放映された『超豪華!!スタア同窓会 〜 桜満開!会いたかった』(日本テレビ)において、「明大中野高校同窓会」という企画が組まれ、数名のOBが出演した)
- 隣接地の取得による校地の拡大及び、校舎の全面改築が進められており、教育環境のより一層の充実、地域の災害時避難所としての機能の強化が図られている。(新規に取得した土地から校舎建設を開始している為、仮設校舎等の使用はない。全工程の完了予定は平成29年1月)
- 平成24年、多摩市南野にクラブハウスが併設された両翼100mを超える野球場が完成。高校野球部の練習場として使用開始された。
著名な関係者
出身者
政治・経済
- 笹川尭 - 衆議院議員、自民党総務会長、国務大臣・科学技術政策担当大臣
- 新藤義孝 - 衆議院議員、自民党、総務大臣・内閣府特命担当大臣(地方分権改革担当)、『硫黄島の戦い』主人公・栗林忠道(陸軍大将)の孫
- 川島智太郎 - 衆議院議員、民主党
- 笹川博義 - 衆議院議員、自民党、ヤマト発動機社長、笹川尭(衆議院議員)三男
- 大野元裕 - 参議院議員、民主党、東京大学講師、財団法人中東調査会上席研究員、コメンテーター、大野元美(川口市長)の孫
- 三原じゅん子 - 参議院議員、自民党、女優、実業家、レーシングドライバー(定時制中退)
- 野尻佳孝 - 起業家(東証一部・二部上場最短記録)、テイクアンドギヴ・ニーズ創業者、ラグビー部出身、ヒルズ族、ファッションモデル田波涼子の夫
- 伊藤信吾 - 実業家
- 山野義友 - ヤマノホールディングス社長(創業家三代目)
演劇
- 西田敏行 - 俳優、『日本俳優連合』理事長、日本アカデミー賞最優秀主演男優賞等、紫綬褒章
- 津川雅彦 - 俳優、映画監督、日本アカデミー賞優秀主演男優賞等、マキノ家、歌舞伎俳優澤村國太郎(四代目)次男、グランパパプロダクション代表、紫綬褒章
- 松方弘樹 - 俳優、プロデューサー、映画監督、日本アカデミー賞優秀主演男優賞等、近衛十四郎(俳優)長男
- 宗方勝巳 - 俳優、番組司会者
- 松山鷹志 - 俳優、声優
- 佐野圭亮 - 俳優、里見浩太朗(俳優)子息、日本アカデミー新人俳優賞、新日本舞踊『正藤流』師範
- 一雫ライオン - 脚本家、俳優、『東京深夜舞台』創設、若林貴世志(TBSテレビ副社長・横浜ベイスターズ元オーナー)長男
- 坂口憲二 - 俳優、坂口征二(新日本プロレス社長)次男
- 勝地涼(中等部→堀越中転校) - 俳優、第29回日本アカデミー賞新人賞
- 手越祐也(中等部→高等部→堀越高転校) - タレント(NEWS)
- 高橋良明- 俳優、アイドル歌手。在学中に事故で他界
音楽
- 宇崎竜童 - ミュージシャン、作曲家、俳優、映画監督、日本アカデミー賞最優秀音楽賞・助演男優賞等
- 清水昭男 - 作曲家、ミュージシャン
- 御厨裕二 - ギタリスト(元T-SQUARE)
- 今井千尋 - ミュージシャン(サムシングエルス等)、作曲家
- 多戸幾久三 - 元NHK交響楽団、チューバ奏者
- 多戸アキヒト - クラシック音楽家(NHK交響楽団ステージマネージャー)
- 井出慎二(バークリー音楽院) - サックスプレイヤー
- 若旦那(中等部中退) - ミュージシャン(湘南乃風)
- MASAYA - 作詩・作曲家、ヴォーカリスト、プロデューサー、与論島プリシアリゾート創設者、元ミサワリゾート(現リゾートソリューション)取締役
- ugazin - ミュージシャン(デブパレード)
- 野辺剛正 - シンガーソングライター、ミュージシャン
- 大友ジュン - シンガーソングライター、作詞家、作曲家
- ブライアン新世界 - シンガーソングライター、2009『閃光ライオット』ファイナリスト
伝統芸能
マスコミ
- 小沼俊男 - アナウンサー、NHK放送研修センター日本語センター部長
- 坂井有生 - アナウンサー
- 三四六 - ラジオパーソナリティ、在学中全国中学校柔道大会78kg以下級で優勝
- 尾又泰二 - 気象予報士
- 中森明夫(高等部中退) - コラムニスト、作家、編集者、“オタク”の造語者
- 久田将義 - 編集者(『週刊朝日』等)
スポーツ
- 松田清 - 元プロ野球選手、投手として20連勝のプロ野球記録、最優秀防御率、最高勝率、新人王、南海ホークスコーチ
- 中村国雄 - 元プロ野球選手
- 津村潔 - 元プロ野球選手
- 武田一浩 - 元プロ野球選手、2006 ワールド・ベースボール・クラシック日本代表投手コーチ
- 内田直二 - 元プロ野球選手
- 舟山恭史 - 元プロ野球選手
- 深堀圭一郎 - プロゴルファー、日本ゴルフツアー機構選手会長
- 北原憲彦 - 元バスケットボール日本代表主将(モントリオール五輪代表)、女子日本代表監督、江戸川大学教授
- 廣瀬昌也 - プロバスケットボールコーチ、現TGI D-RISEアドバイザリーコーチ
- 川合俊一 - 元バレーボール日本代表主将(オリンピック2大会出場)、日本ビーチバレーボール連盟会長
- 塚原直也 - 元体操日本代表、全日本体操競技選手権大会5連覇、オリンピック3大会出場、アテネオリンピック団体総合金メダル
- 安藤和明 - スノーボーダー(長野オリンピック・スノーボードエアリアル代表)
- 戸川健太 - Jリーガー、ユニバーシアード日本代表
- 藤原敬生 - 新日鐵柔道部顧問
- 金平桂一郎 - 協栄ボクシングジム会長、金平正紀(同ジム創設者)長男
- 木村日出之 - 新日本木村ボクシングジム会長代行、木村七郎(同ジム創設者)次男
- 三迫貴志 - 三迫ボクシングジム会長、三迫仁志(同ジム創設者)子息
- 花田虎上(高等部中退) - 第66代大相撲横綱、実業家、タレント、若乃花幹士(初代)の甥、貴ノ花利彰の長男
- 花田光司(中等部卒) - 第65代大相撲横綱、貴乃花部屋親方、日本相撲協会理事、日本プロスポーツ大賞(1992)、若乃花幹士(初代)の甥、貴ノ花利彰の次男、河野景子(元フジテレビアナウンサー)の夫
- 栃東大裕 - 元大相撲大関、玉ノ井親方(十三代)次男
- 菊田早苗 - 綜合格闘家、菊田幸一(刑事法学者)次男
- 坂口征夫 - プロレスラー、元綜合格闘家、坂口征二(新日本プロレス社長)長男
その他
- 宮崎勤 - 元死刑囚、東京・埼玉連続幼女誘拐殺人事件の犯人
教員
著名な定時制(現在廃止)出身者
男性
- 植草克秀(中退)
- 宇梶剛士(2年時より転入)
- 宇治正高(元・イーグルスのメンバー)
- 内海光司(中退)
- 大沢秀高(元・ジャニーズJr.)
- 大沢樹生(中退)
- 神田利則
- 北原雅樹(グレートチキンパワーズ)(大阪府立箕面高等学校より編入)
- 近藤真彦(歌手)
- 西城秀樹(最初は昼間部に通っていたが、途中で定時制に編入)
- 城みちる(堀越高等学校へ転校)
- 岡本健一(中退)
- 高橋和也(中退)
- 千代の富士貢(中退) 第58代大相撲横綱、九重部屋親方
- 土田一徳(中退、元・ジャニーズJr.)
- 中村繁之
- 錦織一清(中退)(東京都立南葛飾高等学校より編入)
- 西川弘志(中退)
- 新田純一
- 野々村真(城西大学附属城西中学校・高等学校より編入)
- 野村義男
- パパイヤ鈴木(妹も明大中野を卒業)
- 東君平 画家、童話作家
- 東山紀之(中退)
- 布川敏和(2年生で中退)
- 保阪尚希(静岡北高等学校より編入)
- 保積ぺぺ
- 前田耕陽(明大中野八王子校より編入、延べ6年かけて卒業)
- 本木雅弘(中退)(私立浦和学院高等学校より編入)
- 宮下直紀(中等部から在籍)
- 宮田恭男
- 宗方勝巳
- 薬丸裕英(1年生の2学期から6年間通うも中退)
- 渡辺慶(グレートチキンパワーズ)(大阪府立箕面高等学校より編入)
- 三橋美智也
- 永山則夫(中退)
- レイジー (ロックバンド)
- 影山ヒロノブ(大阪府立大和川高等学校(現・大阪府教育センター附属高等学校)より編入)
- 井上俊次(大阪府立大和川高等学校(現・大阪府教育センター附属高等学校)より編入)
- 高崎晃(大阪府立藤井寺高等学校より編入)
- 田中宏幸(近畿大学附属高等学校より編入)
女性
- 相本久美子
- 麻丘めぐみ(堀越高等学校より編入)
- 清水由貴子(東京都立京橋商業高等学校(現・東京都立晴海総合高等学校)より編入)
- 浅香唯
- 東恵子(KEY WEST CLUB)
- 有森也実
- 石川秀美
- 伊藤智恵理(東横学園高等学校より編入)
- 大沢逸美(中退)
- 大東めぐみ(東京都立代々木高等学校へ転出)
- 奥居香(中退)(玉川聖学院高等部より編入)
- 小沢亜貴子(歌手)
- 小幡洋子(編入)
- 鹿取洋子
- 河合奈保子(編入)
- 川越美和
- 川崎葉子
- 川田あつ子(東京都立代々木高等学校へ転出)
- 小泉今日子(中退)(神奈川県立津久井高等学校より編入)
- さかもと聖朋
- 佐野量子(編入したが、東京都立代々木高等学校へ転出)
- 島崎路子
- 島崎和歌子(中退)
- 清水美沙(女優)
- 城之内早苗(歌手)
- 白田あゆみ
- 立花理佐(中退)
- つちやかおり
- 徳丸純子
- 中村あゆみ(中退)
- 中森明菜(1年生を2回留年して中退。大東学園高等学校より編入)
- 原田ゆかり(演歌歌手)
- 布川智子
- 宝生桜子
- 細川直美
- 堀川美貴
- 松居直美(1年の1学期で中退)
- 松田美由紀
- 前田有紀
- 三田寛子(東京都立代々木高等学校より編入)
- 観月ありさ(中退)
- 三原じゅん子(2日ほどの登校で中退) 参議院議員
- 森尾由美(私立中村高等学校からの編入)
- 森下恵理
- 守谷香
- 山口瑠美
- 吉沢京子
- 芳本美代子
- 渡辺桂子(転入)
- 若林加奈
交通
電車
バス
注釈
- ↑ 明治大学付属中野高校の学校情報(高校受験パスナビ)(旺文社)の「ワンポイント情報」の冒頭に「●内部進学生とは1年次から混合クラス。」と掲載されている。
関連項目
- 東京都中学校一覧
- 東京都高等学校一覧
- 旧制中学校 - 旧制中等教育学校の一覧 (東京都)
- 日本の男女別学校一覧
- 系属校
- 明治大学
- 明治大学付属明治中学校・高等学校
- 明治大学付属中野八王子中学校・高等学校