新幹線鉄道規格新線

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新幹線鉄道規格新線(しんかんせんてつどうきかくしんせん)とは、新幹線の形態の一つで、一般的には「スーパー特急」と呼ばれている。

概要

整備新幹線建設のトータルコスト削減という目的から、路盤やトンネル高架橋といった構造物は新幹線規格(フル規格)で整備するが、軌道は在来線と同じ軌間の1,067mm狭軌)として建設するもの。架線電圧も在来線と同じ交流20,000Vとなっている。

主たる区間を200km/h以上で運行するため、法令(全国新幹線鉄道整備法)上もれっきとした新幹線であるが、狭軌のため在来線との直通運転が可能なことが大きな特徴である。スーパー特急用の車両の新造は必要であるが、車両基地停車場などを在来線と共用できる。一方、着工区間によってはフル規格と比べて時間短縮効果が低いことや、フル規格新幹線区間との直通にはフリーゲージトレインが必要な点などが課題となる。建設費はフル規格とさほど変わらないとされている。建設当初はスーパー特急方式として整備されていた区間があるが、それらは途中で全てフル規格新幹線に変更されているため、今のところスーパー特急方式の路線は存在しない。

非スーパー特急方式の新幹線対応在来線

スーパー特急方式は、整備新幹線として認可される工事実施計画の一つの方式である。次の路線はスーパー特急方式ではなく、将来の新幹線路線の敷設も対応した通常の在来線として開業している。なお、これらの路線は新幹線路線を全く新規に作ると建設費が莫大になるため、このような方法を採用した。

北海道新幹線海峡線):新中小国信号場 - 木古内駅
青函トンネルとその前後の区間は整備新幹線計画に合わせて新幹線規格で建設されたが、在来線(狭軌・架線電圧交流20kV)として開業した。2005年度より新青森 - 新函館北斗間がフル規格で着工され、上記区間は三線軌条化されて新幹線と在来線が共用する予定。
四国横断新幹線本四備讃線):茶屋町駅 - 宇多津駅
瀬戸大橋の下層には4本の線路を敷設できる空間が設けられているが、現在は在来線の複線のみが敷設されている。四国横断新幹線の建設時は新幹線と在来線の複々線にする計画であるが、具体的な建設計画は未だ白紙状態のままである。仮に建設決定になったとしても、現状でも瀬戸大橋区間において騒音問題ゆえにフル速度運転が出来ない状況にある等、難題は多い。

着工後、フル規格に変更された区間

北陸新幹線
石動(西石動信号場) - 金沢
1992年着工。当初、高岡(西高岡信号場、北陸本線西高岡駅とは異なる地点) - 金沢とされていたが、地元自治体が北陸本線・石動 - 高岡の在来線分離に消極的だったことから、起点が石動に変更された。このルート変更によって、難工事区間として先行着工されていた加越トンネルは不要となり、既に投入された建設費は富山県が負担した。2004年末の建設計画見直しで富山 - 白山車両基地の着工が決まり、フル規格に格上げ。
糸魚川(西糸魚川信号場) - 魚津(東魚津信号場)
1993年着工。2000年末の建設計画見直しで上越 - 富山の着工が決まり、フル規格に格上げ。
九州新幹線鹿児島ルート
八代(南八代信号場)のち新八代 - 西鹿児島(現在は鹿児島中央
1991年着工。1998年の建設計画の見直しで船小屋 - 新八代の着工が決まり、起点を新八代に変更。2000年の建設計画の見直しで博多 - 船小屋の新規着工が決まり、フル規格に格上げ。2004年フル規格で開業。
船小屋(船小屋信号場、現在は筑後船小屋) - 新八代
1998年着工。2000年の建設計画の見直しで博多 - 船小屋の新規着工が決まり、新八代 - 鹿児島中央とともにフル規格に格上げ。2011年フル規格で開業。
九州新幹線長崎ルート武雄温泉 - 諫早
2004年末の建設計画見直しで武雄温泉 - 諫早間の着工が決定した。2007年末に沿線自治体が建設に合意、2008年4月にスーパー特急方式で着工。2012年に諫早 - 長崎間のフル規格での着工が決定し、この区間もフル規格へと変更された。

関連項目

テンプレート:日本の新幹線