国際度量衡総会
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国際度量衡総会(こくさいどりょうこうそうかい)とは、メートル条約に基づき、世界で通用する単位系(国際単位系)を維持するために、加盟国参加によって開催される総会議を指す。この会議は他の2つの機関(国際度量衡委員会(CIPM)及び国際度量衡局(BIPM))の上位機関と位置づけられる。開催は4年(当初は6年)に1度パリで行われる。フランス語の「Conférence générale des poids et mesures」に従い、英語圏においても、CGPMを頭字語とする。
2003年の総会には51の加盟国と新たな10の准加盟国が参加した。2005年現在、准加盟国は17か国になっている。2011年10月には第24回国際度量衡総会が開催される予定で、キログラムの再定義などが焦点となっている。
年譜
- 第1回(1889年) - キログラムを、白金とイリジウムの合金である国際キログラム原器の質量と定義し、国際キログラム原器を国際度量衡局(BIPM)が保管することが決定された。国際メートル原器も承認された。
- 第2回(1897年)
- 第3回(1901年) - リットルが1キログラムの水の体積と再定義された。キログラムが質量の単位であることを明確にし、「標準重量」と標準重力加速度を定義し、重力の単位にはグラム重(重量グラム)を使用すべきとして、その定義を明確にした。
- 第4回(1907年) - カラットを 200 ミリグラム とすることが承認された。
- 第5回(1913年) - 国際温度目盛が提案された。
- 第6回(1921年) - メートル条約が改正された。
- 第7回(1927年) - 電気・磁気諮問委員会(CCE)が創設された。
- 第8回(1933年) - 電気の絶対単位の必要性が確認された。
- 第9回(1948年) - アンペア、クーロン、ファラド、ヘンリー、ジュール、ニュートン、オーム、ボルト、ワット、ウェーバが定義された。3種類の名前の候補の中からセルシウス度が選ばれた。リットルの単位を小文字の"l"とすることが採択された。小数点の表記にコンマとピリオドの両方が承認された。ステールと秒の記号が変更された[1]。
- 第10回(1954年) - ケルビン、標準大気圧が定義された。メートル、キログラム、秒、アンペア、ケルビン度、カンデラを基本単位とする国際単位系がスタートした。
- 第11回(1960年) - メートルが、光の波長に基づいて再定義された。ヘルツ、ルーメン、ルクス、テスラが採択された。新しい国際的な単位系の略称を、「Système International d'Unités」の頭文字からSIとした。接頭辞ピコ、ナノ、マイクロ、メガ、ギガ、テラが承認された。
- 第12回(1964年) - リットルの定義が元の1 dm³に戻された。接頭辞アト、フェムトが承認された。
- 第13回(1967年) - 秒がセシウム原子の振動に基づいて再定義された。ケルビン度をケルビンに改称した。カンデラが再定義された。
- 第14回(1971年) - 新しいSI基本単位であるモルを定義した。パスカル、ジーメンスを採択した。
- 第15回(1975年) - 接頭辞ペタ、エクサが承認された。グレイ、ベクレルが採択された。
- 第16回(1979年) - シーベルトが定義された。 リットルの記号としてLとlの両方が仮に許容された。
- 第17回(1983年) - メートルが光速度に基づいて再定義された。
- 第18回(1987年) - ジョセフソン定数KJとフォン・クリッツィング定数RKの協定値が採択された。これにより、アンペアとキログラムの新たな定義法への道が開かれた。
- 第19回(1991年) - 接頭辞ヨクト、ゼプト、ゼタ、ヨタが承認された。
- 第20回(1995年) - 補助単位とされていたラジアンとステラジアンが組立単位とされた。
- 第21回(1999年) - 新しいSI組立単位としてカタールが採択された。
- 第22回(2003年) - 小数点の表記としてコンマとピリオドの両方が同等であることが再確認された[2]。