和歌山県立桐蔭中学校・高等学校
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和歌山県立桐蔭中学校・高等学校(わかやまけんりつとういんちゅうがっこう・こうとうがっこう)は、和歌山県和歌山市吹上五丁目に立地する県立の併設型中高一貫校。スーパーサイエンスハイスクール(SSH)に指定されていた。
目次
概要
旧制和歌山県立和歌山中学校・旧制和歌山県立和歌山高等女学校からの伝統を引きつぐ。また、旧制中学時代は野球の強豪校といわれ、特に1921年、22年に全国中等学校優勝野球大会で夏の甲子園で史上初となる2連覇を成し遂げている。学制改革を経て桐蔭高校となってからは1948年、61年、86年に夏の甲子園に出場し、1948年と1961年は準優勝を果たした。
2001年度にスタートした講義体験事業である「桐蔭総合大学」は、全国の大学から教授、准教授など講師陣を招き、生徒の知的好奇心の喚起や将来の進路を考えるきっかけとすべく行われている。
また、文部科学省から2003年度より3年間、スーパーサイエンスハイスクールに指定されていたが、05年度末を以て終了した。
2007年度より、中学校(併設型中高一貫校)が新たに設立された。
校名
1948年5月10日の開校に際し、初代校長・松野三郎の命名によるもので、有名な漢詩である「少年易老学難成 一寸光陰不可軽 未覚池塘春草夢 階前梧葉已秋声」(少年老い易く学成り難し。一寸の光陰軽んずべからず。未だ覚めず池塘春草(ちとうしゅんそう)の夢。階前の梧葉(ごよう)已(すで)に秋声。)から、「桐のようにすくすくと真っすぐに育て」という願いと「寸刻を惜しんで勉強をせよ」という意味が込められている。
校章
高等学校
桐の花に「高」の字を図案化したもの。美術教諭が考案した5種類の候補から教職員、生徒の投票によって決定した。
中学校
桐の葉3枚と白菊(旧制和歌山中学校章)に「中」の字を図案化したもの。美術教諭が考案した。
沿革
- 1879年3月1日 - 和歌山県立和歌山中学校開校(現在の和歌山県立近代美術館・和歌山県立博物館付近)
- 1889年3月17日 - 和歌山城西の丸跡に新築移転
- 1915年4月 - 現在地に移転
- 1948年
- 4月27日 - 学制改革により新制高等学校G校として旧和歌山県立和歌山高等女学校校舎に設置。全日制(普通課程・商業課程)・定時制・通信教育部をおく
- 5月10日 - 和歌山県立桐蔭高等学校として開校
- 1949年4月1日 - 旧制和歌山県立和歌山中学校校舎の一部を東校舎として使用
- 1951年4月1日 - 東校舎に移転。普通科のみの単一制高等学校として使用
- 1954年4月1日 - 定時制が和歌山県立青陵高等学校として独立
- 1964年4月1日 - 通信制が和歌山県立通信制高等学校(現和歌山県立陵雲高等学校)として独立
- 1991年4月1日 - 数理科学科を設置
- 1999年4月1日 - 総合人文科を設置
- 2007年4月6日 - 和歌山県立桐蔭中学校(併設型中高一貫校)開校
- 2010年4月1日 - 総合人文科募集停止
設置学科
- 普通科(中高一貫クラスを含む)
- 数理科学科
- 総合人文科(2010年度より募集停止)
教育方針
校訓
- 文武両道
- 改革と伝統
教育目標
- 豊かな人間性を備えた個人の育成
- 生徒の持つ能力の開発
- 健全な心身の育成
- 社会的連帯意識の確立
- 世界的視野と郷土愛をもった人間の育成
生徒会活動・部活動など
ほとんどの在校生が所属しているため、部活動は盛んである。また、多くのクラブが近畿大会、全国大会に出場している。
運動部
- 帰宅部
- 硬式野球部
- 軟式野球部
- 柔道部
- 水泳部
- 卓球部
- バスケット部
- 硬式テニス部
- ソフトテニス部
- 登山部
- 陸上競技部
- サッカー部
- ボート部
- 剣道部
- バレーボール部
- ハンドボール部
- ラグビー部
- 体操部
※太字のクラブは中高合同。
文化部
- 茶道部
- 音楽部
- 家庭部
- 美術部
- 園芸部
- 科学部[1]
- 創作部
- 演劇部
- 吹奏楽部
- 書道部
- 社会部
- 華道部
- ESS
- 囲碁将棋部
- 写真部
- 箏曲部
※太字のクラブは中高合同。
外局
- 応援団
- 放送局
専門部
- 出版部
- 図書部
桐蔭高校の野球史
旧制和歌山中学以来、選手権大会で優勝2回、準優勝3回を果たしており、史上初の夏2連覇を達成している。学制改革で桐蔭高校となってからは選手権大会出場3回、選抜大会出場2回となっているが、1986年の第68回選手権大会以降甲子園への出場がないため、テンプレート:要出典範囲。
歴史
野球が和歌山県に伝わったのは1897年9月で、青年教師の坂口昴と香川直勝が赴任した和歌山中で野球の指導を始めたのが最初とされる[2]。選手たちは2人の行うノックを素手、素足で追いかけたり、慶應義塾大学の柳弥五郎とアメリカ人教師のアーサー・ヘールからバントやスライディングなどの基礎技術を学んだりした。1915年に始まった全国中等学校優勝野球大会では第1回大会から第14回大会まで14年連続出場を果たし、1924年に始まった選抜中等学校野球大会でも第1回大会から第11回大会まで11年連続出場を果たした。
1921年の第7回大会は北島好次を擁して初優勝を果たし、翌1922年の第8回大会にも主戦で4番の井口新次郎らの活躍で史上初の夏2連覇を果たした。また、第7回大会では全試合(4試合)16得点以上を記録し、75得点の大会最多得点、68点の得失点差の大会記録も樹立した。
通算成績
- 選抜高等学校野球大会出場15回 優勝1回・準優勝1回
- 全国高等学校野球選手権大会出場20回 優勝2回・準優勝3回
施設・設備
校舎
- 第1棟(3階建て) - 本館
- 第2棟(3階建て)
- 第3棟(3階建て) - 中学校校舎(2階、3階)
- 生徒会館(2階建て) - 第3棟と連結※
計3つの校舎があり、全ての校舎が平行に建っている。1階部分の中央廊下は第1~3棟~体育館に、2階部分の渡り廊下は第1~3棟~体育館に、3階部分の渡り廊下は第1棟と第2棟の間にそれぞれ架かっている。普通教室の多くは2棟にあり、近年、エアコンがほぼ全ての教室に設置された。
※生徒会館は第3棟と連結しているため第3棟に含む。
体育館
体育館は2階建てで、1階は武道館(柔道場・剣道場)・卓球場・体育教官室、2階は全校集会や体育の授業で使用される一般的でいう体育館である。第3棟と体育館の1階部分に中央廊下が、第3棟と体育館の2階部分に渡り廊下がそれぞれ架かっているため、移動が便利なのが特徴である。 2010年8月1日から老朽化による大規模な改修工事が行われていたが、2011年3月末に完了した。
生徒会館
同窓会の記念に建造された生徒会館。1階に生徒ホール(学生食堂)、2階に図書館がある。第3棟と連結した造りになっている。
同窓会館
旧図書館を改装した同窓会館。多目的に利用されているが、平時は一部のクラブが使用する以外はあまり使用しない。 文化祭等の打ち合わせのほか、新学期に行われる健康診断において使用されるが、生徒の大半はこの検査の時しか足を踏み入れない事になる。
和歌山県立桐蔭中学校
併設型中高一貫校として、2007年4月6日に開校式・第1回入学式が行われた。桐蔭中では、桐蔭高校普通科中高一貫コースへの進学を目指す。その後、高校2年次で文系と理系に分かれる。
初年度の07年度には、定員80人に対して621人が出願し倍率は7.76倍であった。08年度は542人の出願があり倍率6.78倍と県立中学校の中で最も高かった。
制服は、高校のものとは異なっていて、夏は白のセーラー服で襟にえんじ色の斜めのラインが3本、後ろには右側、前には左側についており、リボンもえんじ色のものを着けることになっている。冬は紺のセーラー服で、ラインやリボンは夏のものと全く同じである。なお、体操服も高校とは違うデザインとなっている。
著名出身者
- 南方熊楠 - 博物学者、菌類学者、民俗学者
- 小川琢治 - 地球科学者、帝国学士院会員
- 野村吉三郎 - 海軍大将、外交官、政治家
- 寺島健 - 海軍中将、政治家
- 稲垣生起 - 海軍中将、海軍大学校長
- 古畑種基 - 東京大学医学部名誉教授(法医学)。ABO血液型遺伝法則の発見者。
- 高橋克己 - 農学者、ビタミンAの抽出・分離に成功。
- 榎本隆一郎 - 元日本瓦斯化学社長、海軍中将
- 山名文夫 - グラフィックデザイナー
- 井口貞夫 - 外務事務次官
- 久保田貫一郎 - 外交官、日韓会談日本側首席代表
- 井口新次郎 - 戦前の東京六大学野球・早大選手。野球殿堂
- 柳瀬良幹 - 東北大学名誉教授(行政法)、日本学士院会員
- 筒井竹雄 - 陸上幕僚長(陸将)、朝鮮総督府出身
- 西田修平 - ロス・ベルリンオリンピック棒高跳銀メダリスト
- 小川正太郎 - 戦前の東京六大学野球・早大投手。野球殿堂
- 島本義文 - 元プロ野球選手
- 山下好一 - 元プロ野球選手
- 田川弘 - 元プロ野球選手
- 宇野光雄 - 元プロ野球選手、監督。戦前の東京六大学野球・慶大野手
- 西本幸雄 - 元プロ野球選手、監督。戦前の東京六大学野球・立大選手。野球殿堂
- 松本泰三 - 元プロ野球選手
- 大崎欣一 - 元プロ野球選手
- 和中道男 - 元プロ野球選手
- 西村修 - 元プロ野球選手
- 津本陽 - 小説家
- 坂井希久子 - 小説家
- 黒沢良 - 声優、ナレーター
- 中西啓介 - 政治家、元防衛庁長官
- 下林統吾 - 元日本銀行前橋、静岡支店長、元東京短資株式会社副社長
- 神野志隆光 - 東京大学大学院総合文化研究科教授(日本文学)
- 井上正仁 - 東京大学大学院法学政治学研究科教授(刑事訴訟法)
- 根岸佶 - 一橋大学名誉教授、日本学士院賞受賞
- 石井隆一郎 - 神戸大学教授
- 谷口博昭 - 国土交通省事務次官
- 仁坂吉伸 - 和歌山県知事
- 竹中平蔵 - 慶應義塾大学教授、元参議院議員
- 澤和樹 - ヴァイオリニスト
- 岸本周平 - 衆議院議員
- 中村收 - 分光学研究者
- 上林君江 - WBS和歌山放送アナウンサー
- 西中千人 - ガラス工芸作家
- 大林辰蔵 - 東京大学名誉教授(宇宙物理学者)
- 一時在籍
アクセス
脚注
関連項目
外部リンク
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