亀山千広
亀山 千広(かめやま ちひろ、男性、 1956年6月15日 - )は、日本のテレビプロデューサー、実業家。フジテレビジョン代表取締役社長、フジ・メディア・ホールディングス取締役、(映画プロデューサー)、ポニーキャニオン、フジパシフィック音楽出版、東映アニメーションおよびフジアール取締役、FILM LLP代表も兼務する。
目次
略歴
静岡県三島市出身。静岡県立韮山高等学校、早稲田大学政治経済学部卒業。大学在学中に師と仰ぐ[1]三島在住であった映画監督五所平之助(当時日本映画監督協会理事長)の書生を務め、映画製作を経験する。
1980年、フジテレビ入社。同期には『報道2001』元キャスターの黒岩祐治(現神奈川県知事)と『ニュースJAPAN』元キャスターの松本方哉がいる(元読売テレビ解説委員の辛坊治郎(現大阪綜合研究所代表)も早稲田大学の同期であり、共に同じ年にフジテレビを受験している)。
入社後すぐに編成部に所属。1983年には映画『南極物語』のキャンペーンでタロとジロの世話係であった[2]。
1986年10月からの『タッチ』第4部(上杉達也3年夏の甲子園編。この時の直属の上司は1980年代にアニメ・テレビドラマなどに多大な影響を及ぼした岡正)を手始めに、アニメ版『陽あたり良好!』(1987年)、『季節はずれの海岸物語』(1988年)、『スワンの涙』(1989年)、『いつも誰かに恋してるっ!』(1989年)、『花迷宮-昭和異人館の女たち-』(1990年)など、ドラマやアニメの企画・プロデュースを手がける。なお、フジテレビ入社から現在に至るまでディレクター・監督として演出を務めた経験は一切ない。
1990年4月にテレビドラマを作る第一制作部(現ドラマ制作センター)に移り、月9など、テレビドラマのプロデュースを手がける(下記参照)。1994年正月には『あおげば尊し 先生、元気ですか! 一緒に笑って、泣いたあの時を私たちは忘れない たくさんの愛の思い出をありがとう…』の総合プロデューサーを務める。
1997年7月、自らも最終話に出演した『踊る大捜査線』のヒットで編成部に部長として復帰[3][4]。1999年には関連番組である『愛する二人別れる二人』のやらせを黙認していた事が発覚、同番組は打ち切りになっている。 2001年10月には編成制作局長に。2002 FIFAワールドカップの日本vsロシア戦の放送権を引き当て、「神の手」ならぬ「亀の手」と呼ばれる。この試合はサッカー日本代表にとって2002FIFAワールドカップ本戦での初勝利の試合となり、視聴率も平均66.1%、瞬間で81.9%を記録する歴史的なものとなった。
2003年7月、新設された映画事業局の局長に就任。2006年6月には執行役員、2010年6月には取締役、2012年6月には常務取締役とフジ・メディア・ホールディングス取締役に就任[5]。
2004年夏の『お台場冒険王2〜レインボーブリッジは封鎖するな!!〜』では初イベントプロデューサー。2005年にはフジテレビ映画事業は日本で一番の利益率を誇り、全邦画興行収入の約30%を占めるほどであった。この収入はフジテレビ全体の収入にも貢献しており、フジテレビは史上最高益を記録した。
2012年1月17日、ベンチャーキャピタル事業の新会社「フジ・スタートアップ・ベンチャーズ」の代表取締役に就任した。
2013年6月27日、豊田皓の後任として、第9代フジテレビ代表取締役社長に就任した[6]。
2013年10月、フジテレビの看板番組で32年間続いた長寿生放送番組(ギネス認定もされた)森田一義アワー 笑っていいとも!の番組終了を決断。
世界の亀山モデル
テンプレート:出典の明記 亀山が「制作」としてクレジットされている映画を称して言う。オリジナルはシャープ・アクオスの宣伝フレーズ(三重県亀山市にあるシャープ亀山工場にて製造)から。TBSラジオ『ウイークエンド・シャッフル』内のザ・シネマハスラーで宇多丸が、テレビや広告で大規模な宣伝を行うことによって半ば強引にヒットを生み出すことを指して、世界の亀山モデルと揶揄した。(宇多丸本人は「亀山さんはいい映画もプロデュースしている」と前置きしている)。
フジテレビだけでなく、2012年現在多くのテレビ局出資映画が、「世界の亀山モデル」を模倣している。一例として2009年に公開された『ROOKIES -卒業-』は、公開前から公開中にTBSのほぼ全ての番組に出演者がひっきりなくゲスト出演するなどTBSが宣伝を行った結果、最終興行収入85.5億円を記録した。
ただ宣伝手法による批判とは別に、かつて手がけた作品において、「逃亡者」「パ★テ★オ」では、音楽制作を、伝説のスタジオミュージシャン、ニッキー・ホプキンスに依頼し、彼の晩年の製作活動を支えるなどしているため、一部のロック愛好家からは、好意的な評価を得ている。
作品
テレビドラマ
プロデュース
- ギョーカイ君が行く!(1987年)
- いつか誰かと朝帰りッ(1990年)
- 結婚の理想と現実(1991年)
- 学校へ行こう!
- テレビ夢列島'91 SPドラマ『愛と悲しみのキャッチホン』
- 松本清張作家活動40年記念SP・張込み(1991年)
- 逢いたい時にあなたはいない…P.S. I miss you(1991年)
- しあわせの決断(1992年)
- 愛情物語(1993年)
- あすなろ白書(1993年)
- 君といた夏(1994年)
- 若者のすべて(1994年)
- 輝く季節の中で(1995年)
- まだ恋は始まらない(1995年)
- ロングバケーション(1996年)
- 踊る大捜査線(1997年)
- ビーチボーイズ(1997年)
- 24 -TWENTY FOUR-(日本語版製作プロデューサー)
- 逃亡者 木島丈一郎(2005年、エグゼクティブプロデューサー)
- 踊る大捜査線 THE LAST TV サラリーマン刑事と最後の難事件(2012年)
企画
- ラジオびんびん物語(1987年)
- アナウンサーぷっつん物語(1987年)
- オレの妹急上昇(1987年)
- 季節はずれの海岸物語(1988年)
- 教師びんびん物語(1988年)
- 熱っぽいの!(1988年)
- あそびにおいでョ!(1988年)
- 追いかけたいの!(1988年)
- ヘイ!あがり一丁(1989年)
- 青春オーロラ・スピン スワンの涙(1989年)
- 明日に向かって走れ!(1989年)
- ボーイハント(1998年)
- 眠れる森(1998年)
- Over Time-オーバー・タイム(1999年)
テレビアニメ
プロデュース
映画
製作
『T.R.Y.』(2003年公開)、『踊る大捜査線 THE MOVIE 2 レインボーブリッジを封鎖せよ!』(『踊る大捜査線 BAYSIDE SHAKEDOWN 2』)と『交渉人 真下正義』、『容疑者 室井慎次』(2005年公開)を除き、2002年7月以降のフジテレビ製作映画は「製作」として関わっている。 映画事業局には、少数精鋭の企画プロデューサー(関口大輔、臼井裕詞)がおり、彼らが中心となって亀山の映画戦略を支えている。
- ソウル(2001年)
- プラトニック・セックス(2001年)
- ナースのお仕事 ザ・ムービー(2002年)
- リターナー(2002年)
- ONE PIECE
- ONE PIECE THE MOVIE デッドエンドの冒険(2003年)
- ONE PIECE 呪われた聖剣(2004年)
- ONE PIECE THE MOVIE カラクリ城のメカ巨兵(2006年)
- 13階段(2003年)
- こちら葛飾区亀有公園前派出所 THE MOVIE2 UFO襲来! トルネード大作戦!!(2003年)
- 解夏(2003年)
- g@me.(2003年)
- ホテルビーナス (映画)(2004年)
- HARUKO ハルコ(2004年)
- 海猿(2004年)
- 笑の大学(2004年)
- NIN×NIN 忍者ハットリくん THE MOVIE(2004年)
- スウィングガールズ(2004年)
- ローレライ(企画・製作、2005年)
- 星になった少年(2005年)
- THE 有頂天ホテル(2006年)
- 県庁の星(2006年)
- チェケラッチョ!!(2006年)
- LIMIT OF LOVE 海猿(2006年)
- ブレイブ・ストーリー(2006年)
- UDON(2006年)
- シュガー&スパイス 風味絶佳(2006年)
- 大奥(2006年)
- それでもボクはやってない(2006年)
- バブルへGO!! タイムマシンはドラム式(2007年)
- アンフェア the movie(2007年)
- 西遊記(2007年)
- HERO(2007年)
- 少林少女(2008年)
- ザ・マジックアワー(2008年)
- 容疑者Xの献身(2008年)
- ハッピーフライト(2008年)
- 誰も守ってくれない(2009年)
- ホノカアボーイ(2009年)
- アマルフィ 女神の報酬(2009年)
- ホッタラケの島 〜遥と魔法の鏡〜(2009年)
- ヴィヨンの妻 〜桜桃とタンポポ〜(2009年)
- のだめカンタービレ 最終楽章(前編、後編)(2009年、2010年)
- ライアーゲーム ザ・ファイナルステージ(2010年)
- 座頭市 THE LAST(2010年)
- SP THE MOTION PICTURE(2010年「野望篇」、2011年「革命篇」)
- プリンセス トヨトミ(2011年)
- アンダルシア 女神の報復(2011年)
- テルマエ・ロマエ(2012年)
- ストロベリーナイト(2013年)
- 清須会議(2013年)
- 真夏の方程式(2013年)
- 謎解きはディナーのあとで(2013年)
受賞歴
- 第18回藤本賞(『踊る大捜査線 THE MOVIE』)
- 第23回藤本賞(『踊る大捜査線 THE MOVIE 2 レインボーブリッジを封鎖せよ!』)
- 第1回渡辺晋賞(「踊る大捜査線 THE MOVIE」シリーズ他映画全般)
- 第3回HIHOはくさい映画賞特別功労賞(映画『アマルフィ 女神の報酬』他映画全般)
脚注
関連項目
外部リンク
テンプレート:Navboxes- ↑ 視聴率回復へ全員で汗…フジテレビ亀山次期社長 - 読売新聞、2013年6月4日
- ↑ 東大教授 浜野保樹のメディア対談録 自分を育ててくれた映画界だから盛り上げたい フジテレビジョン・亀山千広取締役に聞く “踊る”ヒットを生み出す法 第2回 - WEDGE Infinity
- ↑ アイアンシェフの大コケ・打ち切りでフジテレビ次期社長戦線に激震が!?「大多亮か、亀山千広か」 『日刊サイゾー』2013年2月14日
- ↑ シネマClose-Up 見据えているのは海外?日本映画を牽引してきたフジテレビの戦略に迫る 『ダイヤモンドオンライン』2009年10月21日
- ↑ 人事、フジ・メディア・ホールディングス 『日本経済新聞』2012年5月15日
- ↑ 人事 フジテレビ役員(MSN産経ニュース)2013年6月28日3:00配信