フジパシフィック音楽出版
テンプレート:Infobox 株式会社フジパシフィック音楽出版(フジパシフィックおんがくしゅっぱん、テンプレート:Lang-en)は、日本の音楽出版社。フジ・メディア・ホールディングスの連結子会社で、同社映像音楽グループに属する。通称「フジパ」または「フジパシ」。
概要
音楽出版社としては日本最大。著作権管理楽曲は国内5万曲、海外数十万曲。
1966年、ニッポン放送の子会社・パシフィック音楽出版 (PMP) として設立。現会長の朝妻一郎は設立より関わっており、1985年より20年間にわたって社長を務めていたため、「朝妻さんのところ」という呼び方をする業界人も存在する[1][2]。社名の「パシフィック」も朝妻の考案という[3]。
設立当初は、演歌・歌謡曲の作詞・作曲家はレコード会社との専属契約を結んでいたため、そのようなしがらみがなかった黎明期のフォークに目を付け、原盤権や出版権などの権利を獲得。そのため、当社管理楽曲にはフォークやロック、ニューミュージックのものが多い。現社長の上原徹もフォー・セインツ時代、当社と契約していた。
また、『帰って来たヨッパライ』の原盤権を獲得したザ・フォーク・クルセダーズを皮切りに、大瀧詠一、山下達郎、サザンオールスターズ、オフコースなど数多くのアーティストの原盤制作を手掛ける(2010年現在はトータス松本、BONNIE PINK、Superflyなど)。
1985年、フジテレビ(現フジ・メディア・ホールディングス)傘下の音楽出版社であるフジ音楽出版との合併により現社名に変更。フジテレビ系列で放送されたテレビ番組の主題歌などの著作権を保有するだけでなく、1980年代以降、『オールナイトフジ』、『夕やけニャンニャン』、『とんねるずのみなさんのおかげです』など、番組から派生した楽曲の原盤制作も担当するようになった(2010年現在は『とんねるずのみなさんのおかげでした』。『クイズ!ヘキサゴンII』、『アイドリング!!!』など)。おニャン子クラブについては、ファンクラブの運営も担当していた。
2004年8月には、みずほコーポレート銀行、みずほ信託銀行と共同で当社が保有する約400曲の音楽著作権収入を担保とした「FGMファンド」を設立。
また同年11月には、フジテレビとともに民法上の任意組合「フジ・ミュージックパートナーズ」を設立(出資比率は当社5%、フジテレビ95%だが、業務執行は当社が行う)、シンコーミュージック・エンタテイメントより洋楽の音楽出版事業(現当社SBK事業部)の営業を譲受した。この際、シンコーの関連会社であるシンコーミュージック・パブリッシャーズに出資、フジテレビの連結子会社に加えている。
2005年、フジテレビによるニッポン放送株式取得によりフジテレビの連結子会社となる(2008年完全子会社化)。
会社概要等では売上高、営業利益等は公開していないが、フジ・メディア・ホールディングスの2009年3月期決算短信[4]によると、過去最高の売上高、営業利益であったと報告されている。
海外での展開
1970年代後半、林哲司や山下達郎、小田和正など日本の作曲家の作品を海外にセールスしていた時期があった。また、1985年には、ビートルズの著作権を管理していた音楽出版社・ATVミュージックの買収を検討、当時フジサンケイグループ議長であった鹿内春雄は興味を示したものの、資金面で断念している(最終的にはマイケル・ジャクソンが4750万ドルで買収)。
1988年にはフジテレビと共同出資でアメリカ合衆国にWindswept Pacific Musicを設立。インディーズとしては北米最大の音楽出版社に成長、またそのイギリス子会社ではスパイス・ガールズの原盤権を保有していたが、その大半を1999年にEMIに2億ドルで売却した[5]。その関係で、当社は日本におけるEMIの楽曲管理を受託している。
その後、売却した残りの楽曲を元にWindswept Holdings LLCを設立、ビヨンセなど人気アーティストを輩出し、2003年には伊藤忠商事と共同でT/Q Music, Inc.を買収、再び全米インディーズ系最大の音楽出版社となったが、2007年にBug Music, Inc.に売却した(Windswept Holdings LLCが7500万ドル、T/Q Music, Inc.が6500万ドル)[6]。これに伴い、米国子会社のFujipacific Music (USA), Inc.、および同社とフジテレビの米国子会社Fujisankei California Entertainment, Inc.(現Fuji Entertainment America, Inc.(FEA))が共同で設立したWindswept Classics, Inc.は解散している。
なお、FEAは、2008年にはAlan Ett Creative Group, LLCに資本参加し、2009年にも米国内の音楽出版社Arc Music Corporationを買収するなど活動を続けている。
所属アーティスト
など
テレビ番組制作
上原が社長就任後の2006年3月に映像制作室を新設、テレビ番組の制作に乗り出している。また、フジロックフェスティバルやサマーソニックといったライブ映像の制作も行っており(かつては上原が社長を務めていたFuji International Productions (UK) Ltd が制作を担当していた)、2010年7月4日には日本初の音楽ライブ3D生中継番組「倖田來未ライブ3D生中継 『Dream music park in YOKOHAMA STADIUM』」(スカチャン3D)を制作[7]。
主なテレビ番組
- ミューサタ(フジテレビ)2009年4月 -
- music SCR(MUSIC ON! TV、BSフジ)2006年4月 - 2012年3月
- GGTV -George's Garage-(MUSIC ON! TV)
- (株)洋楽(BSフジ、フジテレビワンツーネクスト)2006年11月 - 2010年3月
- MUSIC SOUP - 45r.p.m.-(フジテレビワンツーネクスト)2009年5月 -
- 綾小路翔の六本木バナナボーイズ(フジテレビワンツーネクスト)2011年11月 -
- ミュードラ(角川モバイルとの共同製作。携帯電話向けの他、フジテレビ On Demand、iTunes Store等で配信)
関連項目
- 石田達郎 - 創設者、初代社長。
- ポニーキャニオン - 前身のポニー、キャニオンレコードともに石田達郎が設立。フジ・メディア・ホールディングスでは当社と同じ「映像音楽グループ」に属する。
- 高崎一郎 - 石田達郎と共に当社設立に携わる。のち当社社長。
- 羽佐間重彰 - 設立当時ニッポン放送編成部長で社名を朝妻が提案した「パシフィック」に決定した。のち当社社長。
- 石田弘 - 『オールナイトフジ』、『夕やけニャンニャン』、『とんねるずのみなさんのおかげです』番組プロデューサー。現当社取締役。
- 秋元康 - 当社専属作詞家。『オールナイトフジ』、『夕やけニャンニャン』、『とんねるずのみなさんのおかげです』の構成作家でもあり、これら番組の楽曲の作詞により日本を代表する作詞家となった。
- 及川眠子 - 元当社専属作詞家。
- 子門真人 - 一時期前身のフジ音楽出版に勤務していた。代表作「およげ!たいやきくん」も当社管理楽曲。
- 記念樹事件
- セントラルミュージック - 文化放送系の音楽出版社。ニッポン放送の「パシフィック」に対抗して社名を「セントラル」とした。
- スイッチ (雑誌) - 創刊当初は当社の子会社・スイッチコーポレーション(現株式会社スイッチ)が発行、発行人は朝妻一郎であった。
- 及川伸一
- 上阪伸夫
脚注
参考文献
外部リンク
テンプレート:Asbox テンプレート:Asbox テンプレート:フジテレビジョン
テンプレート:フジサンケイグループ- ↑ Musican-NET Musicman's RELAY 第29回 恒川光昭氏(当時日音代表取締役社長・COO)
- ↑ Musican-NET Musicman's RELAY 第75回 石田弘氏
- ↑ Musican-NET Musicman's RELAY 第05回 朝妻一郎氏 パシフィック音楽出版の名付け親にして社員第一号
- ↑ http://www.c-direct.ne.jp/public/japanese/uj/pdf/10114676/20090514171938.pdf
- ↑ BBC NEWS | Entertainment | Spice rights sold
- ↑ 業績予想の修正に関するお知らせ(PDF)
- ↑ 3か月連続企画!スカパー!×倖田來未Special倖田來未ライブ3D生中継 「Dream music park in YOKOHAMA STADIUM」日本初!音楽ライブ3D生中継! - スカパーJSAT 2010年6月8日